Visual Studio Code(VS Code)を使っていて、「左側のアイコンが急に消えた」「いつもあるファイルやGitのアイコンが見当たらない」と困ったことはありませんか?
この左側の縦に並んだアイコン群は アクティビティバー と呼ばれ、VS Codeのいろいろな機能(エクスプローラー、検索、ソース管理、拡張機能など)への入り口です。
この記事では、VS Codeのアクティビティバーを表示・非表示する方法や、アイコンを整理するやり方 を初心者向けにわかりやすく解説します。
アクティビティバーとは?

アクティビティバーの役割
アクティビティバーは、VS Codeの画面左端に縦に並んでいるアイコン群のことです。各アイコンをクリックすることで、対応する機能のサイドパネルが開きます。
標準で表示されるアイコン
基本アイコン
アイコン | 名前 | 機能 | ショートカット |
---|---|---|---|
📁 | エクスプローラー | ファイル・フォルダの管理 | Ctrl + Shift + E |
🔍 | 検索 | ファイル内検索・置換 | Ctrl + Shift + F |
⎇ | ソース管理 | Git操作 | Ctrl + Shift + G |
▶ | 実行とデバッグ | プログラムの実行・デバッグ | Ctrl + Shift + D |
■ | 拡張機能 | 拡張機能の管理 | Ctrl + Shift + X |
拡張機能によって追加されるアイコン
拡張機能をインストールすると、追加のアイコンが表示される場合があります:
- Docker:コンテナ管理
- Azure:Azureリソース管理
- LiveShare:リアルタイム共同編集
- GitHub:GitHub統合機能
アクティビティバーとサイドバーの違い
アクティビティバー
- 画面左端の縦のアイコン列
- 機能の切り替えボタンの役割
サイドバー
- アクティビティバーの右側に表示されるパネル
- エクスプローラーや検索結果などの詳細表示
アクティビティバーの表示・非表示方法
コマンドパレットを使った方法
最も確実で分かりやすい方法です。
手順
Ctrl + Shift + P
(Mac:Cmd + Shift + P
)でコマンドパレットを開く- 「View: Toggle Activity Bar Visibility」と入力
- Enterキーで実行
実際の操作例
> View: Toggle Activity Bar Visibility
このコマンドを実行するたびに、アクティビティバーの表示・非表示が切り替わります。
メニューバーから操作する方法
Windows / Linux
- 上部メニューの「表示(View)」をクリック
- 「外観(Appearance)」を選択
- 「アクティビティバー」をクリック
macOS
- 上部メニューの「View」をクリック
- 「Appearance」を選択
- 「Activity Bar」をクリック
設定ファイルで制御する方法
settings.json での設定
Ctrl + ,
(Mac:Cmd + ,
)で設定画面を開く- 右上の「設定(JSON)を開く」アイコンをクリック
- 以下を追加:
{
"workbench.activityBar.visible": false
}
設定値:
true
:アクティビティバーを表示false
:アクティビティバーを非表示
キーボードショートカットの設定
デフォルトではアクティビティバー専用のショートカットは設定されていませんが、カスタムで設定できます。
カスタムショートカットの設定方法
Ctrl + K, Ctrl + S
(Mac:Cmd + K, Cmd + S
)でキーボードショートカット設定を開く- 「activity bar」で検索
- 「View: Toggle Activity Bar Visibility」を見つける
- 左の「+」をクリックして任意のキーを設定
おすすめのショートカット設定
{
"key": "ctrl+alt+a",
"command": "workbench.action.toggleActivityBarVisibility"
}
サイドバー(パネル)の表示・非表示

サイドバー全体の切り替え
アクティビティバーとは別に、サイドバー全体の表示・非表示も制御できます。
ショートカット
OS | ショートカット |
---|---|
Windows / Linux | Ctrl + B |
macOS | Cmd + B |
動作の違い
- アクティビティバーの非表示:左端のアイコン列のみ非表示
- サイドバーの非表示:アクティビティバー + サイドパネル全体が非表示
個別パネルの切り替え
各機能のパネルを個別に開くこともできます:
Ctrl + Shift + E # エクスプローラー
Ctrl + Shift + F # 検索
Ctrl + Shift + G # ソース管理
Ctrl + Shift + D # デバッグ
Ctrl + Shift + X # 拡張機能
アクティビティバーのカスタマイズ
アイコンの表示・非表示設定
右クリックメニューから設定
- アクティビティバー上で右クリック
- 表示したいアイコンにチェック、非表示にしたいアイコンのチェックを外す
設定可能な項目
- エクスプローラー:ファイルツリー
- 検索:全文検索機能
- ソース管理:Git統合
- 実行とデバッグ:デバッグ機能
- 拡張機能:Extensions
- アカウント:Microsoft/GitHubアカウント
- 設定:設定画面への直接アクセス
アイコンの並び替え
ドラッグ&ドロップで並び替え
- 移動したいアイコンをクリックしたまま
- 任意の位置までドラッグ
- 希望の位置でドロップ
効率的な並び順の例
一般的な開発者向け:
📁 エクスプローラー
⎇ ソース管理
🔍 検索
▶ 実行とデバッグ
■ 拡張機能
Web開発者向け:
📁 エクスプローラー
⎇ ソース管理
🌐 Live Server(拡張機能)
🔍 検索
■ 拡張機能
拡張機能のアクティビティバー項目
拡張機能がアイコンを追加する例
GitHub Pull Requests and Issues:
- GitHubのプルリクエスト管理アイコンを追加
Docker:
- Dockerコンテナ管理アイコンを追加
Azure Account:
- Azureサービス管理アイコンを追加
不要な拡張機能アイコンの削除
- 右クリックメニューで該当アイコンのチェックを外す
- または拡張機能自体を無効化・アンインストール
ワークスペース固有の設定
プロジェクトごとの設定
VS Codeでは、プロジェクト(ワークスペース)ごとに異なるアクティビティバー設定を適用できます。
.vscode/settings.json での設定
プロジェクトフォルダ内に .vscode/settings.json
を作成:
{
"workbench.activityBar.visible": true,
"workbench.sideBar.location": "right"
}
設定例
フロントエンド開発プロジェクト:
{
"workbench.activityBar.visible": true,
"workbench.colorTheme": "One Dark Pro"
}
Python データ分析プロジェクト:
{
"workbench.activityBar.visible": false,
"workbench.sideBar.location": "right"
}
作業タイプ別の最適化
ライティング・ドキュメント作成
{
"workbench.activityBar.visible": false,
"workbench.statusBar.visible": false,
"workbench.editor.showTabs": false
}
ミニマルな表示でドキュメント作成に集中。
フルスタック開発
{
"workbench.activityBar.visible": true,
"workbench.sideBar.location": "left"
}
すべての機能にすぐアクセスできる標準設定。
高度なカスタマイズ
CSS/テーマでの見た目変更
カスタムCSSの適用
「Custom CSS and JS Loader」拡張機能を使用:
/* アクティビティバーの幅を変更 */
.monaco-workbench .activitybar {
width: 60px !important;
}
/* アイコンサイズの調整 */
.monaco-workbench .activitybar .action-label {
font-size: 20px !important;
}
テーマでの色変更
テーマのカスタマイズ設定:
{
"workbench.colorCustomizations": {
"activityBar.background": "#1e1e1e",
"activityBar.foreground": "#ffffff",
"activityBarBadge.background": "#007acc"
}
}
アクティビティバーの位置変更
右側への移動
残念ながら、VS Code標準ではアクティビティバーを右側に移動する機能はありません。ただし、以下の代替案があります:
サイドバー全体を右側に移動:
{
"workbench.sideBar.location": "right"
}
コマンドパレットから:
View: Toggle Side Bar Position
トラブルシューティング

アクティビティバーが消えて戻らない
原因と対処法
原因1:設定で非表示になっている
対処法:
Ctrl + Shift + P → "View: Toggle Activity Bar Visibility"
原因2:拡張機能の影響
対処法:
- セーフモードで起動(
--disable-extensions
) - 問題のある拡張機能を特定
- 該当拡張機能を無効化または削除
原因3:設定ファイルの破損
対処法:
- 設定ファイルをリセット
%APPDATA%\Code\User\settings.json
を一時的にリネーム- VS Code を再起動
アイコンが正しく表示されない
フォントの問題
症状: アイコンが文字化けまたは空白で表示される
対処法:
- VS Code を最新版にアップデート
- システムフォントをリセット
- VS Code の完全再インストール
高DPI環境での問題
Windows での対処法:
{
"window.zoomLevel": 0,
"window.titleBarStyle": "custom"
}
パフォーマンスの問題
アクティビティバーの動作が重い
原因:
- 多数の拡張機能
- 大量のファイルを含むワークスペース
対処法:
- 不要な拡張機能を無効化
- ワークスペースから除外フォルダを設定
- VS Code のパフォーマンス監視機能を使用
Developer: Reload With Extensions Disabled
実用的な設定例
開発スタイル別の推奨設定
ミニマリスト派
{
"workbench.activityBar.visible": false,
"workbench.statusBar.visible": false,
"workbench.editor.showTabs": false,
"breadcrumbs.enabled": false
}
ショートカットキーで必要な機能にアクセス。
機能重視派
{
"workbench.activityBar.visible": true,
"workbench.sideBar.location": "left",
"workbench.panel.defaultLocation": "bottom"
}
すべての機能を画面上に表示して効率化。
チーム開発重視派
{
"workbench.activityBar.visible": true,
"git.enableSmartCommit": true,
"git.autofetch": true
}
Git機能を前面に出した設定。
デバイス別の最適化
ノートPC(小画面)
{
"workbench.activityBar.visible": false,
"workbench.statusBar.visible": false,
"window.menuBarVisibility": "toggle"
}
画面スペースを最大限活用。
大型モニター
{
"workbench.activityBar.visible": true,
"workbench.sideBar.location": "left",
"workbench.panel.defaultLocation": "right"
}
豊富な画面スペースを有効活用。
まとめ
VS Codeのアクティビティバーは、効率的な開発のための重要な要素です。重要なポイントをまとめると:
基本操作
- 表示切り替え:
Ctrl + Shift + P
→ 「View: Toggle Activity Bar Visibility」 - メニューから:表示 → 外観 → アクティビティバー
- 設定ファイル:
"workbench.activityBar.visible": true/false
カスタマイズ方法
- アイコンの選択:右クリックで表示・非表示を切り替え
- 並び替え:ドラッグ&ドロップで自由に配置
- ワークスペース設定:プロジェクトごとに異なる設定を適用
効率的な使い方
- 作業スタイルに応じて表示・非表示を切り替え
- よく使う機能を上部に配置
- 画面サイズに応じて最適化
トラブル対策
- 消えた場合はコマンドパレットから復元
- 拡張機能の影響を確認
- 設定ファイルのリセットで解決
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