VMwareのインストール方法完全ガイド|仮想環境を構築しよう

プログラミング・IT

「パソコンの中に、もう一台パソコンを作りたい…」

Windows上でLinuxを動かしたい、古いソフトを試したい、テスト環境が欲しい。そんな時に便利なのが「仮想化ソフトウェア」です。

VMwareは、世界中で使われている仮想化ソフトウェアの代表格。一台のパソコンの中に、複数の仮想マシン(仮想的なパソコン)を作ることができるんです。

この記事では、VMwareのダウンロードからインストール、初期設定まで、初心者の方にも分かりやすく詳しく解説していきます。

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  1. VMwareとは?
    1. 仮想化ソフトウェアとは
    2. VMwareの種類
    3. VMware Workstation PlayerとProの違い
  2. システム要件の確認
    1. Windows版の動作環境
    2. Mac版の動作環境
    3. 仮想化支援機能の確認
  3. 【Windows版】ダウンロード方法
    1. 公式サイトへのアクセス
    2. アカウントの作成
    3. ダウンロードの実行
    4. ダウンロードファイルの確認
  4. 【Windows版】インストール方法
    1. インストール手順
  5. 【Mac版】ダウンロード・インストール方法
    1. Mac版のダウンロード
    2. Mac版のインストール
    3. Apple Siliconでの注意点
  6. 初回起動と初期設定
    1. 初回起動
    2. ライセンスの選択
    3. ソフトウェア更新の設定
  7. 仮想マシンの作成手順
    1. 新しい仮想マシンの作成
    2. インストール方法の選択
    3. ゲストOSの選択
    4. 仮想マシン名と保存場所の設定
    5. ディスク容量の設定
    6. ハードウェア設定のカスタマイズ
    7. 仮想マシンの作成完了
  8. 仮想マシンの起動とOSインストール
    1. 仮想マシンの起動
    2. OSのインストール
    3. VMware Toolsのインストール
  9. よくあるトラブルと解決方法
    1. トラブル1:仮想化が有効になっていないエラー
    2. トラブル2:インストールが途中で失敗する
    3. トラブル3:仮想マシンが起動しない
    4. トラブル4:動作が遅い
    5. トラブル5:ネットワークに接続できない
  10. アンインストール方法
    1. Windowsでのアンインストール
    2. Macでのアンインストール
  11. よくある質問
    1. Q: VMwareは完全無料で使える?
    2. Q: どんなOSを仮想マシンにインストールできる?
    3. Q: 仮想マシンは何台まで作れる?
    4. Q: ゲームはプレイできる?
    5. Q: VirtualBoxとの違いは?
  12. まとめ

VMwareとは?

まずは、VMwareの基本を理解しておきましょう。

仮想化ソフトウェアとは

仮想化ソフトウェアは、パソコンの中に「仮想的なパソコン」を作り出すソフトです。

できること

  • Windows上でLinuxを動かす
  • Mac上でWindowsを動かす
  • 複数のOSを同時に起動
  • ソフトウェアのテスト環境を作る
  • 安全にウイルス検証を行う

本物のパソコンを買わなくても、ソフトウェアだけで別の環境を作れるんです。

VMwareの種類

VMwareにはいくつかの製品があります。

個人向け製品

  • VMware Workstation Player:無料版(個人利用のみ)
  • VMware Workstation Pro:有料版(約3万円)
  • VMware Fusion:Mac専用(有料)
  • VMware Fusion Player:Mac専用無料版

企業向け製品

  • VMware ESXi:サーバー仮想化
  • VMware vSphere:データセンター向け

この記事では、個人ユーザーに最適な「VMware Workstation Player」を中心に解説します。

VMware Workstation PlayerとProの違い

どちらを選ぶべきか、違いを理解しておきましょう。

Workstation Player(無料版)

  • 個人・非商用利用のみ
  • 仮想マシンの作成と実行
  • スナップショット機能なし
  • 基本的な機能のみ

Workstation Pro(有料版)

  • 商用利用可能
  • スナップショット機能
  • クローン作成
  • 高度なネットワーク設定
  • 複数仮想マシンの同時起動

初心者や個人利用であれば、無料版で十分です。

システム要件の確認

インストール前に、パソコンが要件を満たしているか確認しましょう。

Windows版の動作環境

必須要件

  • OS:Windows 10/11(64ビット)
  • CPU:64ビット対応のx86プロセッサ
  • メモリ:最低4GB(推奨8GB以上)
  • ストレージ:1.5GB以上の空き容量
  • ディスプレイ:1024×768以上の解像度

推奨要件

  • メモリ:16GB以上
  • ストレージ:SSD(高速起動のため)
  • CPU:Intel VT-xまたはAMD-V対応

仮想マシンを快適に動かすには、余裕のあるスペックが必要です。

Mac版の動作環境

必須要件

  • OS:macOS 11.0以降
  • CPU:Intel Core i5以上(Apple Silicon M1/M2も対応)
  • メモリ:最低4GB(推奨8GB以上)
  • ストレージ:2GB以上の空き容量

Apple Silicon Mac(M1/M2チップ)では、VMware Fusion Playerが必要です。

仮想化支援機能の確認

CPUの仮想化支援機能が有効になっている必要があります。

確認方法(Windows)

  1. タスクマネージャーを開く(Ctrl+Shift+Esc)
  2. 「パフォーマンス」タブをクリック
  3. 「CPU」を選択
  4. 「仮想化」の項目を確認

「有効」と表示されていればOKです。

「無効」の場合は、BIOS/UEFI設定で有効化する必要があります。

【Windows版】ダウンロード方法

それでは、実際にVMware Workstation Playerをダウンロードしていきましょう。

公式サイトへのアクセス

手順

  1. Broadcom公式サイト(https://www.broadcom.com/)にアクセス
  2. 検索バーで「VMware Workstation Player」を検索
  3. ダウンロードページに移動

※2024年にVMwareはBroadcomに買収されたため、公式サイトが変更されています。

アカウントの作成

ダウンロードには、無料のアカウント作成が必要です。

登録手順

  1. 「Create an Account」をクリック
  2. メールアドレスを入力
  3. パスワードを設定
  4. 必要事項を入力
  5. 利用規約に同意
  6. 「Sign Up」をクリック
  7. 確認メールが届く
  8. メール内のリンクをクリックして認証

ダウンロードの実行

手順

  1. ログイン後、ダウンロードページへ移動
  2. 「VMware Workstation 17 Player for Windows」を選択
  3. 最新バージョンを確認
  4. 「Download Now」をクリック
  5. ダウンロードが開始される

ファイルサイズは約600MB程度です。ダウンロードには数分かかります。

ダウンロードファイルの確認

ダウンロードが完了すると、以下のようなファイルが保存されます。

ファイル名の例

  • VMware-player-17.x.x-xxxxxxxx.exe

バージョン番号は最新のものになります。

【Windows版】インストール方法

ダウンロードしたファイルをインストールしていきます。

インストール手順

ステップ1:インストーラーの起動

  1. ダウンロードフォルダを開く
  2. 「VMware-player-xx.exe」をダブルクリック
  3. ユーザーアカウント制御が表示されたら「はい」をクリック

ステップ2:セットアップウィザード

  1. 「Next」をクリック
  2. 使用許諾契約を読む
  3. 「I accept the terms…」にチェック
  4. 「Next」をクリック

ステップ3:インストールオプションの選択

  1. インストール先フォルダを確認(通常は変更不要)
  2. 「Enhanced Keyboard Driver」にチェック(推奨)
  3. 「Next」をクリック

ステップ4:ユーザーエクスペリエンスの設定

  1. 「Help improve VMware Workstation Player」のチェックは任意
  2. デスクトップショートカットを作成したい場合はチェック
  3. 「Next」をクリック

ステップ5:インストール準備完了

  1. 設定内容を確認
  2. 「Install」をクリック
  3. インストールが開始される(5〜10分程度)

ステップ6:インストール完了

  1. 「Finish」をクリック
  2. 再起動を求められた場合は再起動

これでインストールは完了です。

【Mac版】ダウンロード・インストール方法

Mac版のVMware Fusion Playerのインストール手順です。

Mac版のダウンロード

手順

  1. Broadcom公式サイトにアクセス
  2. 「VMware Fusion Player」を検索
  3. Mac用の最新版を選択
  4. アカウントでログイン
  5. ダウンロードを実行

Mac版のインストール

手順

  1. ダウンロードした.dmgファイルをダブルクリック
  2. インストーラーが開く
  3. 「VMware Fusion」アイコンをダブルクリック
  4. インストーラーの指示に従う
  5. 管理者パスワードを入力
  6. インストールが完了するまで待つ

Apple Siliconでの注意点

M1/M2チップ搭載のMacでは、以下の点に注意してください。

制限事項

  • 64ビットARM版のOSのみサポート
  • 一部のx86専用OSは動作しない
  • パフォーマンスに制約がある場合も

Intel Mac用とは別のバージョンなので、ダウンロード時に確認が必要です。

初回起動と初期設定

インストールが完了したら、初期設定を行いましょう。

初回起動

手順

  1. デスクトップのショートカットをダブルクリック
  2. またはスタートメニューから「VMware Workstation Player」を起動
  3. 初回起動画面が表示される

ライセンスの選択

選択肢

  • Use VMware Workstation Player for free for non-commercial use
    → 個人・非商用利用(無料)
  • Enter a license key
    → ライセンスキーを持っている場合

個人利用の場合は、無料版を選択してください。

手順

  1. 「Use VMware Workstation Player for free…」を選択
  2. 「Continue」をクリック
  3. メールアドレスを入力(任意)
  4. 「Finish」をクリック

ソフトウェア更新の設定

手順

  1. 自動更新の確認画面が表示される
  2. 「Check for updates on startup」を選択(推奨)
  3. 「OK」をクリック

これで基本的な設定は完了です。

仮想マシンの作成手順

VMwareが使えるようになったので、実際に仮想マシンを作ってみましょう。

新しい仮想マシンの作成

手順

  1. VMware Workstation Playerを起動
  2. 「Create a New Virtual Machine」をクリック
  3. 仮想マシン作成ウィザードが開始

インストール方法の選択

選択肢

  • Installer disc:物理的なインストールディスク
  • Installer disc image file (iso):ISOファイル
  • I will install the operating system later:後でインストール

通常は、ISOファイルを使用します。

手順

  1. 「Installer disc image file (iso)」を選択
  2. 「Browse」をクリック
  3. ダウンロードしたOSのISOファイルを選択
  4. 「Next」をクリック

ゲストOSの選択

手順

  1. ゲストOS(インストールするOS)を選択
  • Windows
  • Linux
  • その他
  1. バージョンを選択(例:Ubuntu 22.04)
  2. 「Next」をクリック

仮想マシン名と保存場所の設定

手順

  1. 仮想マシンの名前を入力(例:Ubuntu_Test)
  2. 保存場所を確認(変更可能)
  3. 「Next」をクリック

ディスク容量の設定

手順

  1. 最大ディスクサイズを設定(推奨値が表示される)
  2. ストレージオプションを選択
  • Store virtual disk as a single file:1つのファイル(高速)
  • Split virtual disk into multiple files:複数ファイル(移動が容易)
  1. 「Next」をクリック

ハードウェア設定のカスタマイズ

手順

  1. 「Customize Hardware」をクリック
  2. 以下の項目を調整できる
  • Memory:メモリ容量(推奨:2GB以上)
  • Processors:CPU数
  • Network Adapter:ネットワーク設定
  • Display:グラフィック設定
  1. 設定を確認したら「Close」をクリック

仮想マシンの作成完了

手順

  1. 設定内容を確認
  2. 「Finish」をクリック
  3. 仮想マシンが作成される

これで仮想マシンの準備が整いました。

仮想マシンの起動とOSインストール

作成した仮想マシンを起動して、OSをインストールしましょう。

仮想マシンの起動

手順

  1. 仮想マシンを選択
  2. 「Play virtual machine」をクリック
  3. 仮想マシンのウィンドウが開く
  4. OSのインストーラーが起動

OSのインストール

インストール手順は、OSによって異なります。

一般的な流れ

  1. 言語を選択
  2. キーボード配置を選択
  3. インストールタイプを選択
  4. パーティションを設定
  5. ユーザー名とパスワードを設定
  6. インストールを実行
  7. 完了を待つ(10〜30分程度)

画面の指示に従って進めれば、問題なくインストールできます。

VMware Toolsのインストール

OSインストール後、VMware Toolsをインストールすると機能が向上します。

機能の向上

  • マウスカーソルの移動がスムーズに
  • ホストとゲスト間でコピー&ペーストが可能
  • 画面解像度の自動調整
  • ファイルの共有が簡単に

インストール方法

  1. 仮想マシンを起動
  2. メニューから「Player」→「Manage」→「Install VMware Tools」を選択
  3. ゲストOS内でインストーラーが起動
  4. 指示に従ってインストール
  5. 再起動

これで、仮想マシンが快適に使えるようになります。

よくあるトラブルと解決方法

インストール時や使用時によくある問題と対処法です。

トラブル1:仮想化が有効になっていないエラー

エラーメッセージ
「Intel VT-x/AMD-Vを有効にしてください」

対処法

  1. パソコンを再起動
  2. BIOS/UEFI設定画面に入る(起動時にF2、Del、F12などを押す)
  3. 「Virtualization Technology」または「Intel VT-x」を探す
  4. 「Enabled」に変更
  5. 設定を保存して再起動

トラブル2:インストールが途中で失敗する

対処法

  1. インストーラーを管理者権限で実行
  2. セキュリティソフトを一時的に無効化
  3. 空き容量が十分か確認
  4. 古いバージョンがある場合は完全にアンインストール
  5. 再度インストールを試す

トラブル3:仮想マシンが起動しない

対処法

  1. VMwareを最新版に更新
  2. 仮想マシンの設定を確認
  3. メモリ割り当てが適切か確認
  4. ISOファイルが破損していないか確認
  5. ログファイルでエラーを確認

トラブル4:動作が遅い

対処法

  1. 仮想マシンのメモリを増やす
  2. CPUコア数を増やす
  3. ホストOSで不要なアプリを終了
  4. SSDを使用する
  5. 3Dアクセラレーションを無効化(設定が重い場合)

トラブル5:ネットワークに接続できない

対処法

  1. ネットワークアダプタの設定を確認
  2. 「NAT」または「Bridged」に変更してみる
  3. ホストOSのファイアウォール設定を確認
  4. VMwareのネットワークサービスが起動しているか確認

アンインストール方法

VMwareが不要になった場合のアンインストール手順です。

Windowsでのアンインストール

手順

  1. 「設定」→「アプリ」→「インストールされているアプリ」を開く
  2. 「VMware Workstation Player」を探す
  3. 「アンインストール」をクリック
  4. アンインストーラーの指示に従う
  5. 再起動を求められたら再起動

仮想マシンのファイルは自動的には削除されないので、必要に応じて手動で削除してください。

Macでのアンインストール

手順

  1. Finderで「アプリケーション」フォルダを開く
  2. 「VMware Fusion」を右クリック
  3. 「ゴミ箱に入れる」を選択
  4. 管理者パスワードを入力
  5. ゴミ箱を空にする

よくある質問

Q: VMwareは完全無料で使える?

A: VMware Workstation Playerは、個人・非商用利用であれば完全無料です。商用利用にはVMware Workstation Pro(有料)が必要です。

Q: どんなOSを仮想マシンにインストールできる?

A: Windows、Linux、macOS(Mac版のみ)、FreeBSDなど、多くのOSに対応しています。ただし、適切なライセンスが必要です。

Q: 仮想マシンは何台まで作れる?

A: ストレージ容量が許す限り、何台でも作成できます。ただし、同時に起動できる数はパソコンのスペックに依存します。

Q: ゲームはプレイできる?

A: 3Dグラフィックを多用するゲームは、仮想マシンでは快適に動作しません。軽量なゲームであれば可能ですが、推奨されません。

Q: VirtualBoxとの違いは?

A: どちらも仮想化ソフトですが、VMwareの方が全体的にパフォーマンスと安定性が高い傾向にあります。VirtualBoxは完全無料でオープンソースです。

まとめ

VMwareのインストール方法について解説しました。

重要なポイントをおさらいしましょう。

  • VMwareは一台のパソコンで複数のOSを動かせる仮想化ソフト
  • 個人利用ならWorkstation Player(無料版)で十分
  • システム要件を満たしているか事前確認が必要
  • 公式サイトからダウンロード(アカウント登録必要)
  • インストールは10分程度で完了
  • 仮想化支援機能の有効化が必須
  • VMware Toolsのインストールで快適性が向上

VMwareを使えば、Windowsで開発環境を構築したり、別のOSを試したり、様々なことができます。

この記事の手順に従えば、初心者の方でも安全にVMwareをインストールできるはずです。ぜひ挑戦してみてください!

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