Visual C++ 再頒布可能パッケージとは?削除しても良い?徹底解説

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プログラムをインストールしている最中や、コントロールパネルの「プログラムと機能」を見ていると、「Microsoft Visual C++ 20XX Redistributable」という名前のソフトがたくさんインストールされていることに気づいた方も多いでしょう。

「これって何?」「こんなにたくさん必要なの?」「削除しても大丈夫?」という疑問を持つのは当然です。

この記事では、Visual C++ 再頒布可能パッケージとは何か、なぜ必要なのか、削除しても良いのか、よくあるエラーの対処法まで、わかりやすく解説します。

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Visual C++ 再頒布可能パッケージとは

ランタイムライブラリの集まり

Visual C++ 再頒布可能パッケージ(Redistributable Package)は、Microsoft Visual Studioという開発ツールで作られたソフトやゲームを動かすために必要な「ランタイムライブラリ」のことです。

ランタイムライブラリとは、プログラムが実行中に使う共通の部品のようなもの。多くのソフトが同じ部品を使うことで、開発が効率的になり、プログラムのサイズも小さくできるんです。

具体的に何が入っているのか

再頒布可能パッケージには、以下のようなライブラリが含まれています。

  • C Runtime (CRT):C言語の基本機能
  • Standard C++:C++言語の標準ライブラリ
  • MFC:Windowsアプリの画面作成用ライブラリ
  • C++ AMP:並列処理用ライブラリ
  • OpenMP:マルチスレッド処理用ライブラリ

これらは、Visual Studioで開発されたソフトが正常に動作するために不可欠なんです。

なぜ必要なのか

ソフトが動かないトラブルを防ぐ

Visual C++で作られたソフトをインストールしようとしたとき、再頒布可能パッケージが入っていないと、こんなエラーメッセージが表示されます。

「MSVCP140.dllが見つかりません」
「VCRUNTIME140.dllがないため、プログラムを開始できません」

これは、ソフトが必要とする部品(DLLファイル)がパソコンにインストールされていないことを意味しています。

どんなソフトが使っているのか

多くのソフトやゲームが Visual C++ 再頒布可能パッケージを必要としています。

  • Adobe製品(Photoshop、Premiere Proなど)
  • ゲーム(Steam、Epic Gamesのタイトルなど)
  • Microsoft Office関連ツール
  • AutoCADやSolidWorksなどのCADソフト
  • 動画編集ソフト(AviUtl、DaVinci Resolveなど)
  • その他、多くのWindowsアプリケーション

つまり、パソコンでいろんなソフトを使う人にとっては、ほぼ必須のコンポーネントなんです。

バージョンがたくさんある理由

コントロールパネルを見ると、同じVisual C++でも「2008」「2010」「2013」「2015-2022」など、複数のバージョンがインストールされていますよね。

後方互換性がないため

なぜ複数バージョンが必要かというと、古いバージョンと新しいバージョンに互換性がないからです。

例えば、2010年に開発されたソフトは「Visual C++ 2010」を必要とし、2019年に開発されたソフトは「Visual C++ 2015-2022」を必要とします。最新版だけインストールしても、古いソフトは動きません。

主なバージョンと特徴

バージョン開発年主な特徴
2005 (8.0)2005年古いソフトで使用。サポート終了
2008 (9.0)2008年まだ多くのソフトが依存。サポート終了
2010 (10.0)2010年AviUtlなど、よく使われる。サポート終了
2012 (11.0)2012年Visual Studio 2012製ソフト用
2013 (12.0)2013年Visual Studio 2013製ソフト用
2015-2022 (14.x)2015年~最新版。2015~2022は共通ランタイム

2015以降は統合されている

Visual C++ 2015以降(2017、2019、2022)は、すべて同じランタイム(バージョン14.x)を共有しています。つまり、「Visual C++ 2015-2022 Redistributable」を1つインストールすれば、2015~2022のどのバージョンで作られたソフトも動きます。

x86とx64の違い

Visual C++には「x86」と「x64」という2種類があります。

x86:32ビット版

  • 32ビットのWindowsやソフト用
  • 64ビットのWindowsでも、32ビットソフトを動かすために必要
  • ファイル名の末尾が「x86」

x64:64ビット版

  • 64ビットのWindowsとソフト用
  • 64ビットWindowsでのみ動作
  • ファイル名の末尾が「x64」

両方必要な理由

64ビット版のWindowsを使っていても、32ビットのソフトを動かすことがあるため、x86とx64の両方をインストールしておく必要があります。

例えば、あるゲームは64ビット版(x64)で動作するけど、そのゲーム用のMOD管理ツールは32ビット版(x86)で作られている、ということがよくあるんです。

インストール方法

手動でインストールする場合

Microsoft公式サイトから最新版をダウンロードできます。

  1. Microsoft公式ダウンロードページにアクセス
  2. 必要なバージョンのリンクをクリック
  3. 「vc_redist.x64.exe」(64ビット版)と「vc_redist.x86.exe」(32ビット版)の両方をダウンロード
  4. ダウンロードしたファイルをダブルクリックして実行
  5. 画面の指示に従ってインストール
  6. 必要に応じてPCを再起動

推奨されるインストール順序

複数バージョンをインストールする場合は、古いものから順にインストールするのがおすすめです。

1. Visual C++ 2008
2. Visual C++ 2010
3. Visual C++ 2012
4. Visual C++ 2013
5. Visual C++ 2015-2022

ソフトのインストール時に自動でインストール

通常、ソフトやゲームをインストールする際、必要なVisual C++パッケージは自動的にインストールされます。開発者が「このソフトにはVisual C++ 2015が必要」と指定しているので、インストーラーが自動で対応してくれるんです。

削除しても大丈夫?

基本的には削除しない方が良い

結論から言うと、Visual C++ 再頒布可能パッケージは削除しないことをおすすめします。

削除してしまうと、それに依存しているソフトが起動しなくなったり、エラーが出たりする可能性が高いです。

削除しても良いケース

以下の場合に限り、削除を検討できます。

  • 特定のバージョンが破損していて、再インストールが必要な場合
  • ディスク容量が極端に少なく、どうしても空きが必要な場合
  • 明らかに重複しているバージョンがある場合

容量はそれほど大きくない

Visual C++パッケージ1つあたりの容量は、だいたい10~30MB程度です。複数バージョンがあっても、合計で100~200MBくらいにしかなりません。

最近のパソコンの容量(500GB~1TB以上)から見れば、ほとんど影響はないので、無理に削除する必要はありません。

よくあるエラーと対処法

Visual C++に関連するエラーは頻繁に発生します。ここでは代表的なエラーと対処法を紹介します。

エラー1:「MSVCP140.dllが見つかりません」

原因

Visual C++ 2015-2022 Redistributableがインストールされていない、または破損している。

対処法

  1. Microsoft公式ページから最新の「vc_redist.x64.exe」と「vc_redist.x86.exe」をダウンロード
  2. 両方をインストール
  3. PCを再起動
  4. ソフトを起動して確認

エラー2:「セットアップに失敗しました。エラーコード 0x80070666」

原因

既に同じバージョン、または新しいバージョンがインストールされている。

対処法

  1. コントロールパネル→プログラムと機能を開く
  2. 該当するVisual C++を探す
  3. 右クリック→「変更」→「修復」を選択
  4. 修復が完了したら再起動

エラー3:「セットアップに失敗しました。エラーコード 1638」

原因

より新しいバージョンが既にインストールされているのに、古いバージョンをインストールしようとしている。

対処法

このエラーは無視して大丈夫です。新しいバージョンがあれば、古いバージョンは不要です。

もし本当に古いバージョンが必要な場合は、以下を試してください。

  1. 新しいバージョンをアンインストール
  2. 古いバージョンをインストール
  3. 必要なら新しいバージョンを再インストール

エラー4:「The file or directory is corrupted or unreadable(0x80070570)」

原因

インストーラーファイルが破損しているか、ディスクに問題がある。

対処法

  1. インストーラーを削除して、再度ダウンロード
  2. ディスクのエラーチェックを実行
  • エクスプローラーでCドライブを右クリック
  • 「プロパティ」→「ツール」→「チェック」
  1. CHKDSKコマンドでディスクを修復
  2. 管理者として実行してインストール

エラー5:「アプリの起動時に側行並実行の構成が正しくないため」

原因

Visual C++のバージョンが古い、または破損している。

対処法

  1. 該当するソフトが必要とするVisual C++のバージョンを確認
  2. そのバージョンを「修復」または「再インストール」
  3. Windows Updateを実行
  4. ソフトを再インストール

修復(Repair)の方法

インストール済みのVisual C++が破損している場合、修復機能が使えます。

手順:修復を実行する

  1. Win + R で「appwiz.cpl」と入力して Enter
  2. 「プログラムと機能」が開く
  3. 「Microsoft Visual C++ 20XX Redistributable」を探す
  4. 右クリックして「変更」を選択
  5. 「修復」ボタンをクリック
  6. 修復が完了するまで待つ
  7. PCを再起動

すべてのバージョンを修復する

複数のバージョンがある場合、古いものから順に1つずつ修復していきます。時間はかかりますが、確実にトラブルを解決できます。

完全に再インストールする方法

修復でも直らない場合は、完全にアンインストールしてから再インストールします。

手順:すべてアンインストールしてから再インストール

  1. 現在のバージョンを確認
  • 「プログラムと機能」を開く
  • インストールされているVisual C++のバージョンをメモまたはスクリーンショット
  1. すべてアンインストール
  • 最新バージョンから順に削除
  • 古いものは最後に削除
  • 削除の順序:2015-2022 → 2013 → 2012 → 2010 → 2008
  1. PCを再起動
  2. 再インストール
  • Microsoft公式ページから必要なバージョンをダウンロード
  • 古いバージョンから順にインストール
  • インストール順序:2008 → 2010 → 2012 → 2013 → 2015-2022
  • x86版とx64版の両方をインストール
  1. PCを再起動
  2. 動作確認

この手順で、Visual C++関連のほとんどのトラブルは解決できます。

Windows Updateとの関係

自動でインストールされることもある

Windows Updateを通じて、Visual C++ 再頒布可能パッケージが自動的にインストールされることがあります。これは、Windowsの更新プログラムの一部としてMicrosoftが配信しているためです。

Windows Installerが必要

Visual C++のインストールには、Windows Installerサービスが正常に動作している必要があります。

もし「Windows Installerサービスが利用できません」というエラーが出たら、以下を確認してください。

  1. Win + R で「services.msc」と入力
  2. 「Windows Installer」を探す
  3. 右クリック→「開始」を選択
  4. 「スタートアップの種類」を「手動」または「自動」に設定

トラブルシューティング:プログラムのアンインストールツール

Microsoftは、プログラムのインストール・アンインストールに関する問題を解決する公式ツールを提供しています。

「Program Install and Uninstall troubleshooter」を使う

  1. Microsoft公式ページから「プログラムのインストールとアンインストールのトラブルシューティングツール」をダウンロード
  2. ツールを実行
  3. 「アンインストール」を選択
  4. Visual C++を選択してアンインストール
  5. PCを再起動
  6. Visual C++を再インストール

このツールを使えば、通常の方法では削除できない破損したプログラムも強制的に削除できます。

どのバージョンをインストールすべきか

基本セット:最低限これだけは入れておく

多くのソフトをカバーするために、以下のバージョンは入れておくことをおすすめします。

  • Visual C++ 2008 (x86 & x64):古いソフト用
  • Visual C++ 2010 (x86 & x64):AviUtlなど、まだ多用されている
  • Visual C++ 2015-2022 (x86 & x64):最新版、ほとんどの新しいソフトに対応

全部入れても問題ない

容量的にも大した量ではないので、以下すべてをインストールしても問題ありません。

  • Visual C++ 2005
  • Visual C++ 2008
  • Visual C++ 2010
  • Visual C++ 2012
  • Visual C++ 2013
  • Visual C++ 2015-2022

すべて入れておけば、ほぼすべてのソフトが正常に動作するはずです。

よくある質問(FAQ)

Q1. Visual C++がたくさんインストールされていますが、重複を削除できますか?

できません。各バージョンは独立しており、それぞれ異なるソフトが使用している可能性があります。削除すると、そのバージョンに依存しているソフトが動かなくなります。

Q2. 最新版だけ残して、古いものは削除しても大丈夫ですか?

おすすめしません。古いバージョンで開発されたソフトは、最新版では動作しない可能性が高いです。

Q3. Visual C++を削除したら、ソフトが起動しなくなりました。どうすれば良いですか?

削除したバージョンを再インストールしてください。Microsoft公式ページから該当バージョンをダウンロードしてインストールすれば、元に戻ります。

Q4. x86版とx64版、どちらをインストールすれば良いですか?

両方インストールしてください。64ビット版のWindowsでも、32ビット版のソフトを動かすことがあるため、両方必要です。

Q5. 自動でインストールされたVisual C++を管理する方法はありますか?

特に管理する必要はありません。ソフトが必要に応じて自動的にインストールするため、そのままにしておくのが最も安全です。

Q6. Visual C++のアップデートは必要ですか?

必要です。Windows Updateを通じて自動的にアップデートされますが、手動で最新版をインストールすることも可能です。セキュリティ修正や不具合の修正が含まれているため、定期的に更新することをおすすめします。

Q7. 容量を節約したいのですが、どれか削除できませんか?

どうしても削除したい場合は、以下の優先順位で検討してください。

  • 削除候補(低リスク):Visual C++ 2005(使用頻度が低い)
  • 削除してはいけない:2010、2015-2022(使用頻度が高い)

ただし、削除後に何かソフトが動かなくなったら、すぐに再インストールしてください。

まとめ:Visual C++は削除せずに残しておこう

Visual C++ 再頒布可能パッケージは、多くのWindowsソフトやゲームが動作するために必要な重要なコンポーネントです。

覚えておきたいポイント

  1. Visual C++は、Visual Studioで開発されたソフトを動かすためのランタイムライブラリ
  2. 複数のバージョンがあるのは、後方互換性がないため
  3. x86版とx64版の両方が必要
  4. 基本的には削除しない方が良い
  5. エラーが出たら「修復」または「再インストール」で解決できる
  6. 最低限2008、2010、2015-2022は入れておく

トラブルが起きたら

  • まず「修復」を試す
  • 直らなければ「アンインストール→再インストール」
  • それでもダメなら、Microsoftのトラブルシューティングツールを使う

Visual C++がたくさんインストールされていても心配無用です。それぞれが異なるソフトを支えているので、安心して残しておいてくださいね!

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