ソフトウェアやゲームをインストールしようとしたら、「Visual C++ “14” Runtime Libraries (x64)」のインストールに失敗してしまった。
そんな経験はありませんか?
特にSketchUpやCADソフト、一部のゲームなどをインストールする際に、このエラーが発生することがあります。
「他のバージョンが既にインストールされています」というメッセージが表示されたり、途中で止まってしまったり。
何度やっても同じところでエラーになって、先に進めない。
この記事では、Visual C++ 14 Runtime Libraries (x64)のインストール失敗について、原因から具体的な解決方法まで詳しく解説していきます。
初心者の方でも安心して実践できるよう、手順を一つずつ丁寧に説明していますので、ぜひ参考にしてください。
Visual C++ 14 Runtime Libraries (x64)とは?

まず基本的なことから理解しておきましょう。
Visual C++ 14 Runtime Libraries (x64)は、Visual Studio 2015で開発されたアプリケーションを動かすために必要なプログラムの集まりです。
「14」というのはバージョン番号のことで、Visual Studio 2015系のランタイムを指しています。
ちなみに、Visual C++ 2015、2017、2019、2022は、すべてバージョン14系列として互換性を持っています。
x64とx86の違い
「x64」というのは64ビット版のこと。
お使いのWindowsが64ビット版なら、基本的にx64版が必要になります。
ただし、64ビット版Windowsでも、32ビット版のアプリを使う場合は「x86」版(32ビット版)が必要になることもあります。
実は、64ビット版Windowsには両方インストールできるんです。
むしろ、両方入れておいたほうが安心という場合も多いですよ。
インストールに失敗する主な原因
Visual C++ 14 Runtime Libraries (x64)のインストールが失敗する原因はいくつかあります。
1. 既存バージョンとの競合
最も多いのがこのパターンです。
すでにVisual C++ 2015や2017などがインストールされていると、新しいバージョンをインストールしようとしたときに「別のバージョンが既にインストールされています」というエラーが出ることがあります。
特に、Visual Studio本体をインストールしている開発者の方は、この問題に遭遇しやすいです。
2. 不完全なインストールが残っている
過去のインストール作業が途中で失敗して、中途半端な状態のままになっている場合があります。
この「残骸」があると、新しいインストールを邦魔してしまうんです。
3. Windows Installerサービスの問題
Windowsのインストール機能そのものに問題があると、Visual C++に限らず、あらゆるプログラムのインストールに失敗します。
4. 一時ファイルフォルダの問題
インストール時に使用する一時ファイルを保存するフォルダ(TEMPフォルダ)に、古いファイルが残っていたり、書き込み権限がないと失敗することがあります。
5. ユーザー名やパスに日本語が含まれている
Windowsのユーザー名やインストール先のパスに日本語(全角文字)が含まれていると、古いソフトウェアではインストールに失敗することがあります。
Visual C++ 2005などの古いバージョンでは、この問題が特に発生しやすいです。
6. セキュリティソフトやファイアウォールの干渉
ウイルス対策ソフトやファイアウォールが、インストールをブロックしている可能性もあります。
確実に解決するための手順【段階別に解説】
それでは、実際の解決方法を段階的に見ていきましょう。
最初の方法で解決しない場合は、次の方法へと進んでください。
【基本】ステップ1:Windowsを再起動する
まずは基本中の基本、再起動です。
手順:
- すべての作業中のアプリケーションを保存して閉じる
- スタートメニューを開く
- 電源マークをクリック
- 「再起動」を選択(シャットダウンではなく再起動を選択)
再起動後、もう一度インストールを試してみてください。
ステップ2:既存のVisual C++を完全にアンインストールする
競合を解消するため、既存のVisual C++関連をすべてアンインストールします。
手順:
- スタートメニューで「設定」を開く
- 「アプリ」→「インストールされているアプリ」を選択
- 検索ボックスに「visual c++」と入力
- 以下のようなプログラムがすべて表示されます:
- Microsoft Visual C++ 2015 Redistributable
- Microsoft Visual C++ 2017 Redistributable
- Microsoft Visual C++ 2019 Redistributable
- Microsoft Visual C++ 2015-2022 Redistributable
- 念のため、各バージョンの番号をメモしておく
- 一つずつアンインストールを実行
重要な注意点:
- アンインストール後、必ずパソコンを再起動してください
- x86版(32ビット)とx64版(64ビット)の両方がある場合は、両方ともアンインストールします
ステップ3:Microsoftのトラブルシューティングツールを使用する
Microsoft公式のトラブルシューティングツールを使うと、自動的に問題を検出・修復してくれます。
手順:
- ブラウザでMicrosoftサポートページにアクセス
- 「プログラムのインストールまたは削除がブロックされる問題を解決する」を検索
- トラブルシューティングツール(MicrosoftProgram_Install_and_Uninstall.meta.diagcab)をダウンロード
- ダウンロードしたファイルをダブルクリックして実行
- 画面の指示に従って進める:
- 「インストール」または「アンインストール」を選択
- 一覧からVisual C++関連のプログラムを選択
- 自動修復を実行
ツール実行後は、必ずパソコンを再起動してください。
ステップ4:一時フォルダをクリーンアップする
一時ファイルに問題がある場合は、これをクリーンアップします。
手順:
- キーボードで「Win + R」を押す
- 「%temp%」と入力してEnterキーを押す
- 表示されたフォルダ内のすべてのファイルを選択(Ctrl + A)
- 削除キーを押して削除
- 削除できないファイルがあっても気にせず、次へ進む
次に、もう一つの一時フォルダもクリーンアップします:
- 「Win + R」を押す
- 「temp」と入力してEnterキーを押す
- 表示されたフォルダ内のファイルをすべて削除
パソコンを再起動してから、インストールを試してください。
ステップ5:TEMPフォルダの権限を確認・修正する
一時フォルダへの書き込み権限がないと、インストールに失敗することがあります。
手順:
- エクスプローラーで以下のパスを開く:
C:\Users\[ユーザー名]\AppData\Local\Temp - Tempフォルダを右クリック→「プロパティ」を選択
- 「セキュリティ」タブをクリック
- 「編集」ボタンをクリック
- 「追加」ボタンをクリック
- 「Everyone」と入力→「名前の確認」をクリック
- 「OK」をクリック
- Everyoneを選択した状態で、「フルコントロール」にチェックを入れる
- 「適用」→「OK」→「OK」の順にクリック
ステップ6:公式サイトから最新版を手動でインストール
ここまでの手順で環境をクリーンにしたら、公式サイトから最新版をダウンロードしてインストールします。
手順:
- Microsoftの公式ページ「最新のサポートされる Visual C++ 再頒布可能パッケージのダウンロード」にアクセス
- Visual Studio 2015、2017、2019、2022のセクションを探す
- 以下の両方をダウンロード:
- X64版(vc_redist.x64.exe)
- X86版(vc_redist.x86.exe)
インストール方法:
- ダウンロードした各ファイルを右クリック
- 「管理者として実行」を選択
- インストールウィザードに従って進める
- まずx64版をインストール
- 次にx86版もインストール
重要:
x64版のインストールに失敗する場合でも、x86版だけインストールすれば動作することがあります。
その場合、とりあえずx86版だけでも入れておきましょう。
ステップ7:クリーンブート状態でインストールする
セキュリティソフトや他のプログラムが干渉している可能性がある場合は、クリーンブート状態でインストールします。
手順:
- 「Win + R」キーで「ファイル名を指定して実行」を開く
- 「msconfig」と入力してEnterキーを押す
- 「サービス」タブを選択
- 「Microsoftのサービスをすべて隠す」にチェック
- 「すべて無効」をクリック
- 「スタートアップ」タブを選択
- 「タスクマネージャーを開く」をクリック
- スタートアップ項目をすべて無効化
- パソコンを再起動
この状態でVisual C++のインストールを試してください。
インストール後の重要な作業:
インストールが成功したら、システム構成を元に戻すのを忘れずに!
- 再び「msconfig」を開く
- 「サービス」タブで「すべて有効」をクリック
- スタートアップ項目も元に戻す
- 再起動
ステップ8:システムファイルチェッカーを実行する
Windowsのシステムファイルが破損している場合は、修復します。
手順:
- スタートメニューを右クリック
- 「ターミナル(管理者)」または「Windows PowerShell(管理者)」を選択
- 以下のコマンドを入力してEnterキーを押す:
sfc /scannow
このコマンドは10〜30分程度かかります。
完了するまで待ちましょう。
続いて、以下のコマンドも実行します:
DISM /Online /Cleanup-Image /RestoreHealth
すべて完了したら、パソコンを再起動してからインストールを試してください。
【上級者向け】ステップ9:レジストリをクリーンアップする
レジストリに残った古い情報が問題になっている場合があります。
重要な警告:
レジストリの編集は慎重に行ってください。
間違えるとWindowsが起動しなくなる恐れがあります。
必ずバックアップを取ってから作業してください。
手順:
- 「Win + R」キーを同時押し
- 「regedit」と入力してEnterキーを押す
- レジストリエディターが開いたら、必ずバックアップを取る
- 「ファイル」→「エクスポート」を選択
- 任意の場所に保存
- 以下のパスに移動:
HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Classes\Installer\Products - Visual C++に関連するキーを探して削除
- さらに以下のパスもチェック:
HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Uninstall - Visual C++関連のサブキーを削除
- レジストリエディターを閉じる
- パソコンを再起動
この方法は上級者向けなので、不安な場合は避けたほうが無難です。
特定のエラーメッセージ別の対処法
「別のバージョンが既にインストールされています」
このエラーが出る場合は、既存のVisual C++との競合が原因です。
対処法:
- ステップ2で既存バージョンを完全にアンインストール
- ステップ3のトラブルシューティングツールを使用
- 必要に応じてステップ9のレジストリクリーンアップ
「古いバージョンを削除できません」
インストールが中途半端に残っている状態です。
対処法:
- ステップ3のMicrosoftトラブルシューティングツールを使用
- それでもダメなら、サードパーティ製のアンインストーラー(Revo Uninstallerなど)を試す
※ただし、信頼できる提供元からのみダウンロードしてください
「ネットワークリソースが利用できません」
インストールファイルが見つからない、または破損している可能性があります。
対処法:
- 公式サイトからインストーラーを再ダウンロード
- ステップ4で一時ファイルをクリーンアップ
- ステップ5でTEMPフォルダの権限を確認
「Error 1638: Another version of this product is already installed」
既に同じまたは新しいバージョンがインストールされています。
対処法:
- コントロールパネルで現在インストールされているバージョンを確認
- 必要なバージョンが既にあるなら、インストールの必要はありません
- 古いバージョンが必要な場合は、新しいバージョンを一度アンインストール
Visual Studio 2015開発者向けの特別な注意点
Visual Studio 2015をインストールしている開発者の方は、特別な問題に遭遇することがあります。
ClickOnceアプリケーションやインストーラープロジェクトの問題
Visual Studio 2017以降で、ClickOnceアプリやSetup Projectを作成すると、Visual C++ 14ランタイムのインストールに失敗することがあります。
これは、Visual Studioのブートストラップパッケージに含まれるProduct.xmlとPackage.xmlに誤りがあるためです。
解決方法:
- 以下の場所にあるXMLファイルを編集:
- x86版:
<インストールルート>\Bootstrapper\Packages\vcredist_x86\Product.xml - x64版:
<インストールルート>\Bootstrapper\Packages\vcredist_x64\Product.xml
- PackageFile要素のName属性とPublicKey属性を、最新のVisual C++ 14ランタイムのものに更新
この作業は上級者向けなので、詳しくはMicrosoft公式ドキュメントを参照してください。
x64版がダメならx86版を試してみる
意外かもしれませんが、64ビット版Windowsでx64版のインストールに失敗する場合でも、x86版(32ビット版)だけインストールすれば動作することがあります。
試す価値がある理由:
- 一部のアプリケーションは、実は32ビット版のランタイムしか必要としていない
- x86版のほうがインストールの成功率が高い場合がある
手順:
- x64版のインストールは一旦諦める
- x86版のインストーラー(vc_redist.x86.exe)をダウンロード
- 管理者として実行してインストール
- 元のソフトウェアが動作するか確認
両方入れておくと安心ですが、どちらか片方だけでも動く場合は多いですよ。
予防策:今後同じ問題を避けるために
問題を解決できたら、今後同じトラブルを避けるための対策も知っておきましょう。
Windowsを最新の状態に保つ
Windows Updateを定期的に適用することで、多くのトラブルを予防できます。
確認方法:
- 設定を開く
- 「Windows Update」を選択
- 「更新プログラムのチェック」をクリック
複数バージョンの共存を理解する
Visual C++ 2015、2017、2019、2022は、すべてバージョン14系として互換性があります。
最新版をインストールすれば、通常は古いバージョンで開発されたアプリも動作します。
ただし、特定の古いバージョンを明示的に要求するソフトウェアもあるため、複数バージョンが共存していることは正常な状態です。
定期的なメンテナンス
月に一度程度、以下のメンテナンスを行うと良いでしょう:
- 一時ファイルのクリーンアップ
- ディスククリーンアップツールの実行
- システムファイルチェック(sfc /scannow)
これらを習慣にすることで、様々なインストールエラーを予防できます。
Visual C++ 2005など古いバージョン特有の問題
Visual C++ 2005など、非常に古いバージョンには特別な問題があります。
2バイト文字の問題
ユーザー名やフォルダ名に日本語が含まれていると、インストールに失敗します。
解決方法:
- EXEファイルを解凍してMSIファイルを取り出す
- 2バイト文字を含まないフォルダに展開
- ローカル管理者ユーザー(2バイト文字を含まない名前)でログイン
- MSIファイルから直接インストール
この方法は、古いCADソフトやデザインソフトをインストールする際に役立ちます。
まとめ
Visual C++ 14 Runtime Libraries (x64)のインストール失敗は、いくつかの原因で発生しますが、ほとんどの場合は解決可能です。
解決のポイントをおさらいすると:
- まずは基本的な再起動とアンインストールを試す
- Microsoftの公式トラブルシューティングツールを活用する
- 一時ファイルのクリーンアップと権限設定を確認
- 公式サイトから最新版を手動でダウンロード&インストール
- x64版がダメならx86版も試してみる
- 必要に応じてクリーンブートやシステムファイルチェック
焦らず、この記事の手順を上から順番に試していけば、ほとんどの場合は解決できるはずです。
Visual C++のランタイムライブラリは、多くのソフトウェアが依存している重要なコンポーネント。
正しくインストールできれば、様々なアプリケーションが快適に動作するようになります。
どうしても解決しない場合は、該当するソフトウェアの開発元に問い合わせるのも一つの方法です。
ソフトウェアによっては、特定のバージョンのVisual C++が必要だったり、特別なインストール手順が必要だったりすることもありますからね。
大切なデータは必ずバックアップを取っておき、慎重に作業を進めてください。
あなたのパソコンが無事に動くようになることを願っています!

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