USBメモリをフォーマットする方法|Windows・Mac・Linuxでのやり方を解説

プログラミング・IT

USBメモリを長く使っていると、「ファイルが読み込めない」「不要なデータを一掃したい」といった理由でフォーマット(初期化)したくなることがあります。

また、WindowsとMacの両方で使いたい場合や、Linuxサーバーで使うときも、適切なファイルシステムでフォーマットすることが大切です。

この記事では、USBメモリのフォーマットをWindowsMacLinuxのそれぞれで行う方法をわかりやすく解説します。

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フォーマット前に知っておくべき重要なこと

フォーマットとは?

フォーマットとは、ストレージデバイス(USBメモリ、HDD、SSDなど)にファイルシステムを作成することです。これにより:

  • データの保存方法が決まる
  • ファイルの管理方法が設定される
  • 異なるOS間での互換性が決まる

フォーマットの種類

クイックフォーマット

  • 特徴:高速(数秒〜数分)
  • 動作:ファイル管理テーブルのみを削除
  • 注意点:データ復旧が比較的容易

完全フォーマット

  • 特徴:時間がかかる(数十分〜数時間)
  • 動作:全セクターをチェックして初期化
  • 利点:セキュリティが高く、不良セクターも検出

ファイルシステムの選び方

ファイルシステム互換性最大ファイルサイズおすすめ用途
FAT32Windows/Mac/Linux4GB小さなファイル、古いデバイス
exFATWindows/Mac/Linux16EB大容量ファイル、マルチプラットフォーム
NTFSWindows(メイン)/Mac(読取のみ)/Linux16TBWindows専用、セキュリティ重視
HFS+Mac専用8EBMac専用用途

どれを選べばいい?

  • Windows・Mac両方で使う:exFAT
  • 動画や大容量ファイル:exFAT
  • 古いデバイスとの互換性重視:FAT32
  • Windows専用:NTFS

WindowsでUSBメモリをフォーマットする方法

エクスプローラーから簡単にフォーマット

基本的な手順

  1. USBメモリをPCに挿入
  2. エクスプローラーを開くWin + Eキー)
  3. USBメモリのドライブを右クリック → 「フォーマット」を選択

フォーマット設定の詳細

![フォーマット画面の説明]

容量

  • 通常は自動表示される実際の容量

ファイルシステム

  • FAT32:広く互換性があるが4GB以上のファイル不可
  • exFAT:大容量ファイル対応、最近のWindows/Macで互換性高い
  • NTFS:Windows専用に近く、セキュリティ機能豊富

アロケーションユニットサイズ

  • 通常は「デフォルト」のまま
  • 大きなファイルが多い場合は大きめに設定

ボリュームラベル

  • USBメモリの表示名(任意)

フォーマットオプション

  • 「クイックフォーマット」にチェック:高速だがセキュリティは低い
  • チェックを外す:時間がかかるがセキュアで不良セクターも検出

コマンドプロンプトでフォーマット

より詳細な制御が可能

  1. 管理者権限でコマンドプロンプトを開く
  2. diskpartコマンドを実行
diskpart
list disk
select disk X  (Xはディスク番号)
clean
create partition primary
active
format fs=exfat quick
assign
exit

formatコマンドでの簡単フォーマット

format E: /fs:exfat /q /v:MyUSB
  • E::USBドライブレター
  • /fs:exfat:ファイルシステム指定
  • /q:クイックフォーマット
  • /v:MyUSB:ボリュームラベル

PowerShellでのフォーマット

# ディスク一覧表示
Get-Disk

# フォーマット実行
Format-Volume -DriveLetter E -FileSystem exFAT -NewFileSystemLabel "MyUSB"

MacでUSBメモリをフォーマットする方法

ディスクユーティリティを使用

基本的な手順

  1. 「アプリケーション」「ユーティリティ」 → **「ディスクユーティリティ」**を開く
  2. 左のリストからUSBメモリを選択
  3. 上部の「消去」ボタンをクリック

設定オプションの詳細

名前

  • USBメモリの表示名

フォーマット

  • exFAT:WindowsとMacで使うならこれがおすすめ
  • MS-DOS (FAT):FAT32相当、互換性は高いが4GB制限
  • Mac OS拡張(ジャーナリング):Mac専用、高性能
  • APFS:最新のMac専用ファイルシステム

方式(スキーム)

  • GUIDパーティションマップ:新しいMac向け
  • マスターブートレコード:Windows互換性重視

セキュリティオプション

「セキュリティオプション」ボタンで消去レベルを選択:

  • 最も高速:クイック消去
  • より安全:1回上書き
  • 最も安全:3回上書き(時間がかかる)

Terminalでのフォーマット

diskutilコマンドの使用

# ディスク一覧表示
diskutil list

# フォーマット実行
diskutil eraseDisk exFAT MyUSB /dev/diskX

より詳細な制御

# アンマウント
diskutil unmount /dev/diskXsY

# フォーマット
diskutil eraseVolume exFAT MyUSB /dev/diskXsY

# マウント
diskutil mount /dev/diskXsY

LinuxでUSBメモリをフォーマットする方法

コマンドラインでのフォーマット

デバイス名の確認

# ブロックデバイス一覧表示
lsblk

# または
sudo fdisk -l

# USBデバイス特定
dmesg | tail

出力例

NAME   MAJ:MIN RM   SIZE RO TYPE MOUNTPOINT
sdb      8:16   1  14.9G  0 disk 
└─sdb1   8:17   1  14.9G  0 part /media/usb

この例では/dev/sdb1がUSBメモリです。

アンマウント(必須)

# マウント状態の確認
mount | grep sdb1

# アンマウント
sudo umount /dev/sdb1

ファイルシステム別フォーマット方法

FAT32でフォーマット

sudo mkfs.vfat -F 32 /dev/sdb1

exFATでフォーマット

# exfat-utilsが必要(インストール)
sudo apt install exfat-utils  # Ubuntu/Debian
sudo yum install exfat-utils   # CentOS/RHEL

# フォーマット実行
sudo mkfs.exfat /dev/sdb1

NTFSでフォーマット

# ntfs-3gが必要
sudo apt install ntfs-3g

# フォーマット実行
sudo mkfs.ntfs /dev/sdb1

ext4でフォーマット(Linux専用)

sudo mkfs.ext4 /dev/sdb1

ラベル付きでフォーマット

# FAT32でラベル付き
sudo mkfs.vfat -F 32 -n "MyUSB" /dev/sdb1

# exFATでラベル付き
sudo mkfs.exfat -n "MyUSB" /dev/sdb1

# ext4でラベル付き
sudo mkfs.ext4 -L "MyUSB" /dev/sdb1

GUIツールでのフォーマット

GPartedの使用

# インストール
sudo apt install gparted

# 起動
sudo gparted

使い方

  1. 右上のデバイス選択でUSBメモリを選択
  2. パーティションを右クリック → 「フォーマット」
  3. ファイルシステムを選択
  4. 「適用」ボタンで実行

GNOME Disksの使用

# インストール(Ubuntu/Debian)
sudo apt install gnome-disk-utility

# 起動
gnome-disks

パーティション全体の再作成

完全に初期化したい場合

# パーティションテーブルを削除
sudo dd if=/dev/zero of=/dev/sdb bs=1M count=10

# 新しいパーティションテーブル作成
sudo fdisk /dev/sdb

fdiskでの操作

  • o:新しいDOSパーティションテーブル作成
  • n:新しいパーティション作成
  • t:パーティションタイプ変更
  • w:変更を保存

フォーマット時の注意点とトラブル対処

フォーマット前の重要な確認事項

データのバックアップ

重要:フォーマットをするとUSBメモリ内のデータはすべて消えます。

# データのバックアップ例(Linux)
cp -r /media/usb/* ~/backup/

# Windows(コマンドプロンプト)
xcopy E:\*.* C:\backup\ /s /e

# Mac(Terminal)
cp -r /Volumes/USB/* ~/backup/

書き込み保護の解除

物理的な書き込み保護スイッチをチェック

Windowsでの解除

diskpart
list disk
select disk X
attributes disk clear readonly

よくあるトラブルと対処法

「デバイスが使用中」エラー

Linux

# プロセス確認
sudo lsof /dev/sdb1

# 強制アンマウント
sudo umount -l /dev/sdb1

Windows

  • ファイルエクスプローラーでUSBを開いているウィンドウを閉じる
  • ウイルス対策ソフトの除外設定を確認

「書き込み保護されています」エラー

Windowsでの対処

# レジストリ確認
reg query HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\Control\StorageDevicePolicies

# WriteProtect値を0に変更
reg add HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\Control\StorageDevicePolicies /v WriteProtect /t REG_DWORD /d 0

フォーマットが完了しない

Windows

  • 「チェックディスク」を先に実行
chkdsk E: /f

Linux

  • 不良セクターチェック
sudo badblocks -v /dev/sdb1

セキュアな完全消去

機密データの完全消去

Linux(ddコマンド)

# ランダムデータで上書き
sudo dd if=/dev/urandom of=/dev/sdb bs=1M

# ゼロで上書き
sudo dd if=/dev/zero of=/dev/sdb bs=1M

Windows(cipherコマンド)

cipher /w:E:\

Mac(セキュリティオプション): ディスクユーティリティの「セキュリティオプション」で「最も安全」を選択

用途別おすすめ設定

一般的な用途

WindowsとMacで共用

  • ファイルシステム:exFAT
  • パーティション方式:MBR
  • アロケーションユニット:デフォルト

動画・写真の保存

  • ファイルシステム:exFAT
  • アロケーションユニット:128KB以上
  • 完全フォーマット:推奨

Linux サーバー用

  • ファイルシステム:ext4
  • マウントオプション:noatime
  • パーミッション:適切に設定

高速化のための設定

Windows

# ディスクの最適化無効化
fsutil behavior set DisableDeleteNotify 1

Linux

# noatimeオプションでマウント
sudo mount -o noatime /dev/sdb1 /mnt/usb

まとめ

USBメモリのフォーマットは、各OSで以下の方法で簡単にできます:

OS別の基本方法

  • Windows:エクスプローラーから右クリック → フォーマット
  • Mac:ディスクユーティリティで「消去」
  • Linux:mkfsコマンドまたはGParted

ファイルシステムの選択指針

  • マルチプラットフォーム:exFAT
  • Windows専用:NTFS
  • 互換性重視:FAT32
  • Linux専用:ext4

重要なポイント

  • フォーマット前は必ずデータをバックアップ
  • 用途に応じたファイルシステムを選択
  • セキュリティが必要な場合は完全フォーマットを実行
  • 古いデバイスとの互換性も考慮

これらを知っておけば、USBメモリをスムーズにリセット・再活用できます。目的に合わせて適切な方法を選んで、快適にUSBメモリを使いましょう。

次のステップ

さらに高度なUSBメモリ管理について学びたい方には、以下のトピックがおすすめです:

  • 暗号化USBメモリの作成:BitLocker、FileVault、LUKSでのセキュア設定
  • 起動可能USBの作成:Live USB、インストールメディアの作成方法
  • パーティション分割:一つのUSBメモリを複数用途で使い分け
  • 復旧とデータ救出:破損したUSBメモリからのデータ復旧方法
  • USB性能最適化:転送速度向上のための設定とベンチマーク

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