UNIX・Linux・Windowsの違いとは?各OSの特徴と使い分けを解説

プログラミング・IT

コンピュータを動かすために必要不可欠なOS(オペレーティングシステム)。
代表的なOSには、UNIX、Linux、Windowsがあります。
これらは同じOSでありながら、開発の背景や特徴、用途が大きく異なります。
この記事では、UNIX・Linux・Windowsの違いを詳しく解説し、それぞれどのような場面で使われているのかを紹介します。

スポンサーリンク

OSとは

OSの違いを理解する前に、まずOSそのものについて説明します。

OS(Operating System、オペレーティングシステム)とは、コンピュータのハードウェアを管理し、アプリケーションソフトウェアとの橋渡しをする基本ソフトウェアです。

OSの主な役割は以下の通りです。

  • ハードウェア(CPU、メモリ、ディスクなど)の管理
  • ファイルシステムの管理
  • プログラムの実行管理
  • ユーザーインターフェースの提供
  • 外部デバイス(キーボード、マウス、プリンタなど)との通信制御

OSがなければ、アプリケーションは直接ハードウェアを制御する必要があり、プログラミングが極めて複雑になります。
OSがこれらの複雑な処理を抽象化することで、開発者はアプリケーションの機能開発に集中できます。

UNIX・Linux・Windowsの基本情報

UNIXとは

UNIX(ユニックス)は、1969年頃にAT&Tベル研究所でケン・トンプソンとデニス・リッチーによって開発されたOSです。
現存するOSの中で最も古い部類に入ります。

UNIXは、安定性の高さとネットワーク機能の優秀さから、大型計算機やサーバーのOSとして広く採用されてきました。
現在でも、商用サーバーOSとして重要な位置を占めています。

UNIXの主な特徴は以下の通りです。

  • マルチタスク・マルチユーザーに対応
  • 階層型ファイルシステム(すべてをファイルとして扱う)
  • CUI(Character User Interface)を基本とする操作
  • 高い安定性とセキュリティ
  • ポータビリティ(異なるハードウェアへの移植が容易)

UNIXには多数の派生OSや互換OSが存在します。
代表的なものに、BSD(Berkeley Software Distribution)、Solaris(Oracle)、AIX(IBM)などがあります。

Linuxとは

Linux(リナックス)は、1991年にフィンランドのヘルシンキ大学の学生だったリーナス・トーバルズ氏によって開発されたOSです。

LinuxはUNIXを参考にして、ゼロベースから開発されました。
UNIXの派生OSではなく、UNIX互換OSという位置付けです。

リーナス・トーバルズ氏は、OSの核となる「Linuxカーネル」を開発後、オープンソースとして公開しました。
これにより、世界中の開発者がLinuxカーネルをベースに、さまざまな機能を追加した「Linuxディストリビューション」を開発しています。

代表的なLinuxディストリビューションには以下があります。

  • Red Hat Enterprise Linux(RHEL): 企業向け商用ディストリビューション
  • CentOS: RHELのクローン(2021年にCentOS Streamに移行)
  • Ubuntu: デスクトップ向けに使いやすく設計されたディストリビューション
  • Debian: 歴史が長く、無償で提供されるディストリビューション
  • Fedora: Red Hatが支援するコミュニティ版

Linuxの主な特徴は以下の通りです。

  • オープンソース(ソースコードが公開され、誰でも自由に利用・改変可能)
  • 基本的に無料で利用可能
  • 高い安定性とセキュリティ
  • カスタマイズ性が非常に高い
  • 多様なディストリビューションが存在

Windowsとは

Windows(ウィンドウズ)は、マイクロソフト社が開発・販売するOSです。
最初のバージョン「Windows 1.0」は1985年にリリースされました。

Windowsは、当初MS-DOSというCUIベースのOSの延長として開発されましたが、1995年に発売された「Windows 95」でGUI(Graphical User Interface)を本格的に採用し、爆発的に普及しました。

現在、デスクトップPCのOS市場では、Windowsが圧倒的なシェアを占めています。
StatCounterの調査によると、2025年時点でデスクトップOSの約70%がWindowsです。

Windowsの主な特徴は以下の通りです。

  • GUI中心の直感的な操作
  • 幅広いハードウェアとソフトウェアへの対応
  • マイクロソフト製品(Office、Teams、OneDriveなど)との高い親和性
  • 商用ソフトウェア(有料ライセンス制)
  • ゲーミングに強い(DirectX対応)

Windowsには、個人向けの「Windows Home」、ビジネス向けの「Windows Pro」「Windows Enterprise」、サーバー向けの「Windows Server」などのエディションがあります。

UNIX・Linux・Windowsの比較

開発の背景と哲学

UNIXは、複数のユーザーが同時に利用できる環境を想定して開発されました。
「一つのことをうまくやる」という設計哲学があり、小さな専門的なツールを組み合わせて複雑なタスクを実行する文化があります。

Linuxは、高価なUNIXと同等の機能を、無償で提供することを目的に開発されました。
オープンソースの理念に基づき、誰もが自由に改良・配布できる仕組みを持っています。

Windowsは、プログラミング知識のない一般ユーザーでも簡単に使えることを重視して開発されました。
統合的で包括的なユーザー体験を提供することを目指しています。

ライセンスとコスト

UNIXは、商用版と無償版が混在しています。
Oracle Solaris、IBM AIXなどの商用UNIXは有料ですが、FreeBSDなどのBSD系UNIXは無償で利用できます。

Linuxは基本的にオープンソースで無料です。
ただし、Red Hat Enterprise LinuxやSUSE Linux Enterprise Serverなど、企業向けの商用サポート付きディストリビューションは有料です。

Windowsは商用ソフトウェアであり、利用にはライセンス料が必要です。
Windows 10 Homeは約2万円、Windows 10 Proは約3万円、Windows Serverはエディションにより数万円から数十万円です(2026年2月時点)。

インターフェース

UNIXLinuxは、基本的にCUI(コマンドラインインターフェース)で操作します。
黒い画面に英数字のコマンドを入力して命令を実行します。

ただし、近年のLinuxディストリビューションの多くは、GUIも利用可能です。
UbuntuなどはWindowsやmacOSと同様のGUIデスクトップ環境を備えています。

Windowsは、GUI(グラフィカルユーザーインターフェース)を基本とします。
マウスやタッチパネルで、視覚的かつ直感的に操作できます。

WindowsでもコマンドプロンプトやPowerShellというCUIツールが利用できますが、基本的な操作はGUIで行います。

ファイルシステム

UNIX/Linuxは、ルートディレクトリ「/」を起点とする階層型ファイルシステムを採用しています。
すべてのファイルやディレクトリは、このルートディレクトリの下に配置されます。

例えば、ユーザーのホームディレクトリは「/home/ユーザー名」のように表現されます。

また、UNIX/Linuxでは、ハードウェアデバイス(ハードディスク、プリンタ、キーボードなど)もファイルとして扱われます。

Windowsは、ドライブレター(C:、D:、E:など)でストレージを区別します。
通常、システムファイルはC:ドライブに格納され、追加のストレージはD:、E:などの別ドライブとして認識されます。

ユーザーのファイルは「C:\Users\ユーザー名」のように配置されます。

ファイル名の大文字・小文字の区別

UNIX/Linuxは、ファイル名の大文字と小文字を厳密に区別します。
つまり、「Sample.txt」と「sample.txt」は別のファイルとして扱われます。

Windowsは、基本的に大文字と小文字を区別しません(ケースインセンシティブ)。
「Sample.txt」と「sample.txt」は同じファイルと見なされ、同じディレクトリに両方を保存することはできません。

ただし、Windows 10以降では、設定により大文字と小文字を区別する機能が追加されています。

マルチタスク・マルチユーザー

UNIX/Linuxは、当初からマルチタスク・マルチユーザーを前提に設計されています。
一台のコンピュータに複数のユーザーが同時にログインし、それぞれが独立してプログラムを実行できます。

Windowsは、基本的にシングルユーザー向けに設計されました。
ただし、現在のWindowsもマルチユーザー機能を備えており、複数のユーザーアカウントを作成できます。

しかし、同時ログインの仕組みや権限管理は、UNIX/Linuxほど洗練されていません。

セキュリティ

UNIX/Linuxは、堅牢な権限管理システムを備えています。
ファイルやディレクトリごとに、所有者・グループ・その他のユーザーに対する読み取り・書き込み・実行の権限を細かく設定できます。

また、ユーザー数がWindowsに比べて少ないため、ターゲットにされるウイルスやマルウェアの数も少なく、比較的安全に利用できます。

さらに、Linuxはオープンソースであるため、脆弱性が発見された場合、世界中の開発者が迅速に対応し、パッチが提供されます。

Windowsは、広く普及しているため、サイバー攻撃の主要なターゲットになりやすいという課題があります。
ウイルスやマルウェアの多くは、Windows向けに開発されています。

ただし、マイクロソフトは定期的にセキュリティアップデートを提供しており、近年のWindowsのセキュリティは大幅に向上しています。
Windows Defenderなどの組み込みセキュリティ機能も強化されています。

性能・リソース消費

UNIX/Linuxは、動作が軽量で、古いハードウェアでも快適に動作します。
メモリ管理が効率的で、バックグラウンドで不要なサービスが動作しないよう設定できます。

Windowsは、レジストリを使用した設定管理や、多数のバックグラウンドサービスが動作するため、UNIX/Linuxに比べてリソース消費が多い傾向があります。

ただし、最新のWindowsは最適化が進んでおり、ハイスペックなハードウェアであれば、快適に動作します。

ソフトウェア・ハードウェアの対応

Windowsは、圧倒的に多くのソフトウェアとハードウェアに対応しています。
特に、商用ソフトウェア(Adobe製品、Microsoft Office、ゲームなど)のほとんどはWindows向けに開発されています。

また、周辺機器メーカーの多くが、Windows用ドライバを優先的に提供するため、プリンタ、スキャナ、グラフィックカードなどの互換性が高いです。

UNIX/Linuxは、オープンソースの開発ツールやサーバー用ソフトウェアが豊富です。
しかし、一般向けの商用ソフトウェアやゲームの対応は限定的です。

周辺機器についても、ドライバが提供されていない場合や、性能が最適化されていない場合があります。

ただし、近年はLinux向けのソフトウェアも増えており、LibreOffice(オフィススイート)、GIMP(画像編集)、Blender(3Dモデリング)など、Windows製品の代替となるオープンソースソフトウェアが充実しています。

サポート

Windowsは、マイクロソフトによる公式サポートが提供されます。
ドキュメント、オンラインフォーラム、電話サポートなど、充実したサポート体制があります。

商用UNIX(Solaris、AIXなど)も、ベンダーによるサポートが提供されます。

Linuxは、ディストリビューションによって異なります。
Red Hat Enterprise LinuxやSUSE Linux Enterprise Serverなどの商用版は、企業によるサポートが付帯します。

一方、Ubuntu、Debian、Fedoraなどの無償版は、コミュニティベースのサポートが中心です。
公式フォーラムやドキュメントは充実していますが、即座に問題が解決する保証はありません。

主な用途

UNIX/Linuxは、以下の用途で広く使用されています。

  • Webサーバー(Apache、Nginx)
  • データベースサーバー(MySQL、PostgreSQL)
  • クラウドサーバー(AWS、Google Cloud、Azureの大部分がLinux)
  • 組み込みシステム(ルーター、IoTデバイス)
  • スーパーコンピュータ(TOP500の約90%がLinux)
  • 開発環境(プログラミング、システム開発)
  • Android OS(Linuxカーネルをベース)

Windowsは、以下の用途で広く使用されています。

  • デスクトップPC(個人・ビジネス)
  • オフィス業務(Microsoft Office、Teams、Outlookなど)
  • ゲーミング(DirectX対応、Steam、Xbox Game Passなど)
  • 企業内サーバー(Active Directory、Exchangeなど)
  • デザイン・クリエイティブ(Adobe製品など)
  • 教育機関(学校、大学)

UNIX・Linux・Windowsの詳細比較表

以下の表で、UNIX・Linux・Windowsの違いをまとめます。

項目UNIXLinuxWindows
開発時期1969年頃1991年1985年
開発元AT&Tベル研究所(オリジナル)リーナス・トーバルズマイクロソフト
ライセンス商用版は有料、BSD系は無料オープンソース、基本無料商用ソフトウェア、有料
ソースコード商用版は非公開、BSD系は公開公開非公開
インターフェース基本CUI、GUIも利用可能基本CUI、GUIも利用可能基本GUI、CUIも利用可能
ファイルシステムルートディレクトリ(/)起点ルートディレクトリ(/)起点ドライブレター(C:、D:)
大文字小文字の区別区別する区別する基本的に区別しない
マルチユーザー標準対応標準対応対応(制限あり)
主な用途サーバー、開発環境サーバー、組み込み、開発環境デスクトップ、オフィス、ゲーム
代表的な製品Solaris、AIX、FreeBSDUbuntu、RHEL、DebianWindows 10、Windows 11、Windows Server
セキュリティ高い高い中程度(改善中)
安定性非常に高い非常に高い高い(改善中)
カスタマイズ性高い非常に高い制限あり
ソフトウェアの豊富さ開発ツール中心開発ツール中心商用ソフト、ゲーム豊富
ハードウェア対応限定的限定的非常に広い
学習難易度高い中〜高低い

UNIXとLinuxの違い

UNIXとLinuxは非常によく似ていますが、以下のような違いがあります。

開発の系譜

UNIXは、AT&Tベル研究所で開発されたオリジナルのOSと、その派生OSの総称です。
正式な「UNIX」の名称を使用するには、The Open Groupによる認証が必要です。

Linuxは、UNIXを参考にゼロベースで開発されたため、厳密にはUNIXの派生OSではなく、UNIX互換OSです。

ライセンスとコスト

UNIXの商用版(Solaris、AIX)は有料ですが、BSD系(FreeBSD、OpenBSDなど)は無料で利用できます。

Linuxは、ほとんどのディストリビューションが無料で利用できます。
商用サポート付きのRHELやSLESは有料ですが、OSそのものは無償版も存在します(CentOS、Rocky Linuxなど)。

コマンドとファイルシステム

UNIXとLinuxでは、ほとんどのコマンドは共通していますが、一部異なります。

例えば、パッケージ管理コマンドは異なります。

  • Solaris(UNIX): pkgaddpkgrm
  • RHEL(Linux): yumdnf
  • Ubuntu(Linux): aptapt-get

ファイルシステムも異なります。

  • UNIX: UFS、ZFSなど
  • Linux: ext4、XFS、Btrfsなど

再起動コマンドの例

UNIXとLinuxでは、再起動コマンドも微妙に異なります。

Solaris(UNIX)の場合:

shutdown -i 6 -g 0 -y

Red Hat Enterprise Linux(Linux)の場合:

shutdown -r now

または

reboot

このように、コマンドのオプションや構文に違いがあります。

macOSとUNIX・Linuxの関係

macOSは、BSD系UNIXをベースに開発されたOSです。
そのため、macOSはUNIXの認証を取得しており、正式な「UNIX」です。

macOSのターミナルでは、多くのUNIXコマンドがそのまま使用できます。
シェルは、macOS Catalina以降、デフォルトで「zsh」が採用されています(それ以前は「bash」)。

このため、macOSユーザーは、LinuxやUNIXへの移行が比較的スムーズです。

一方、Windowsユーザーは、CUIの操作に慣れていないため、LinuxやUNIXへの移行には学習が必要です。

WindowsでLinux環境を利用する方法

Windows 10以降、WSL(Windows Subsystem for Linux)という機能が導入されました。
WSLを使用すると、Windows上でLinux環境を構築できます。

WSLの利点は以下の通りです。

  • 1台のPCでWindowsとLinuxの両方の環境を利用できる
  • WindowsとLinux間でファイルやフォルダにアクセス可能
  • 開発環境をLinuxで構築し、ドキュメント作成をWindowsで行うといった使い分けが可能

WSLには、WSL 1とWSL 2があります。
WSL 2は、本物のLinuxカーネルを使用しており、パフォーマンスと互換性が向上しています。

WSLを有効にするには、Windowsの「機能の有効化または無効化」から「Linux用Windowsサブシステム」を有効にし、Microsoft Storeから好みのLinuxディストリビューション(Ubuntu、Debian、Kali Linuxなど)をインストールします。

ITエンジニアにとってのUNIX・Linux・Windowsのスキル

ITエンジニアとして活躍するには、UNIX・Linux・Windowsのいずれも理解しておくことが理想です。

Windowsのスキル

企業の多くがWindowsを採用しているため、Windowsの知識は必須です。
特に、社内SE、ヘルプデスク、インフラエンジニアは、Windowsの操作やトラブルシューティングのスキルが求められます。

Linuxのスキル

プログラマー、システムエンジニア、クラウドエンジニア、DevOpsエンジニアは、Linuxのスキルが重要です。

Webサーバーやデータベースサーバーの多くがLinux上で動作しているため、Linuxのコマンド操作、シェルスクリプト、システム管理の知識が必要です。

また、AWSやGoogle CloudなどのクラウドサービスでLinuxインスタンスを利用する機会が多いため、Linuxの習得は不可欠です。

UNIXのスキル

UNIXは、主に大企業や金融機関の基幹システムで使用されています。
これらの環境で働くインフラエンジニアやシステムエンジニアには、UNIXの知識が求められます。

ただし、近年は商用UNIXからLinuxへの移行が進んでいるため、新規にUNIXを導入するケースは減少しています。

まとめ

UNIX、Linux、Windowsは、それぞれ異なる背景と特徴を持つOSです。

UNIXは、現存する最古のOSの一つで、高い安定性とセキュリティを誇ります。
商用サーバーOSとして、今も重要な役割を担っています。

Linuxは、UNIXを参考にオープンソースで開発されたOSで、無料で利用でき、カスタマイズ性が非常に高いです。
Webサーバー、クラウド、組み込みシステムなど、幅広い分野で使用されています。

Windowsは、マイクロソフトが開発する商用OSで、GUI中心の使いやすさと、豊富なソフトウェア・ハードウェアの対応が特徴です。
デスクトップPC、ビジネス、ゲーミングで圧倒的なシェアを持っています。

用途に応じて適切なOSを選択することが重要です。

  • サーバー、開発環境 → UNIX、Linux
  • デスクトップ、オフィス、ゲーム → Windows
  • 両方の環境が必要 → Windows + WSL、デュアルブート、仮想マシン

ITエンジニアとして、これらのOSの違いを理解し、適切に使い分けられるスキルを身につけることが、キャリアアップにつながります。

参考情報

※この記事は2026年2月6日時点の情報に基づいています

コメント

タイトルとURLをコピーしました