RubyでWebアプリケーションを開発する際、現在のバージョンを知ることは重要です。
この記事では、Ubuntu環境でRubyのバージョンを確認する方法を分かりやすく解説します。
基本のバージョン確認コマンド

Ubuntuターミナルで以下のコマンドを実行するだけで、Rubyのバージョンを確認できます:
ruby -v
または、より詳しい表記で:
ruby --version
実行結果の見方
コマンドを実行すると、以下のような結果が表示されます:
ruby 3.0.2p107 (2021-07-07 revision abc123) [x86_64-linux]
この表示の意味は:
- ruby 3.0.2:Rubyのバージョン番号
- p107:パッチレベル
- (2021-07-07):リリース日
- [x86_64-linux]:プラットフォーム情報(64bit Linux)
Rubyがインストールされていない場合
コマンド実行時に以下のエラーが表示される場合は、Rubyがインストールされていません:
ruby: command not found
または:
bash: ruby: コマンドが見つかりません
Rubyのインストール

Rubyがインストールされていない場合は、以下の手順でインストールできます:
apt packageでインストール(推奨)
# パッケージリストを更新
sudo apt update
# Ruby本体とその他のツールをインストール
sudo apt install ruby-full
インストール確認
ruby -v
追加パッケージの確認
# Ruby開発に必要なツールがインストールされたか確認
which ruby
which gem
which irb
その他の関連バージョン確認
Gem(Rubyパッケージ管理)のバージョン
gem -v
実行例:
3.2.33
IRB(対話型Ruby)の確認
irb --version
Bundler(依存関係管理)の確認
bundler -v
複数Rubyバージョンの管理

開発プロジェクトによって異なるRubyバージョンが必要な場合、バージョン管理ツールが便利です。
rbenv(推奨)
軽量でシンプルなRubyバージョン管理ツール:
# rbenvのインストール(必要な場合)
git clone https://github.com/rbenv/rbenv.git ~/.rbenv
# インストール済みバージョンの確認
rbenv versions
# 利用可能なバージョンの確認
rbenv install -l
RVM(高機能版)
より高機能な管理ツール:
# RVMのインストール(必要な場合)
\curl -sSL https://get.rvm.io | bash
# インストール済みバージョンの確認
rvm list
# 現在のバージョン確認
rvm current
バージョン管理ツールの比較
ツール | 特徴 | 適している用途 |
---|---|---|
rbenv | 軽量でシンプル | 初心者〜中級者 |
RVM | 高機能、gemsetも管理 | 上級者・複雑なプロジェクト |
asdf | 多言語対応 | 複数の言語を管理したい人 |
実用的なRubyコマンド例

Rubyスクリプトの実行
# インラインでコード実行
ruby -e "puts 'Hello, Ruby!'"
# ファイルの実行
ruby script.rb
対話型Rubyの起動
irb
開発環境の確認
# 全バージョン情報をまとめて表示
echo "Ruby: $(ruby -v)"
echo "Gem: $(gem -v)"
echo "Bundler: $(bundler -v)"
トラブルシューティング

権限エラーの対処
# sudoを付けてインストール
sudo apt install ruby-full
# 個人ユーザー領域へのGemインストール設定
gem install --user-install bundler
古いRubyバージョンを更新
# 現在のRubyを削除
sudo apt remove ruby
# 最新版をインストール
sudo apt install ruby-full
rbenvやRVMとaptの競合
バージョン管理ツールを使用している場合、aptでインストールしないよう注意:
# 既存のRubyを確認
which ruby
# rbenv管理下のRubyに切り替える例
rbenv global 3.0.4
次のステップ
Rubyが正常にインストールされたら、以下のような次のステップを試してみましょう:
Rails環境の構築
gem install rails
rails --version
プロジェクト向けのGemfile作成
# Railsアプリケーションの作成
rails new myapp
cd myapp
# 依存関係の確認
bundle install
まとめ:Rubyバージョン確認のポイント
目的 | コマンド | 注意点 |
---|---|---|
基本のバージョン確認 | ruby -v | 最も簡単な方法 |
apt経由でインストール | sudo apt install ruby-full | システム全体に影響 |
複数バージョン管理 | rbenv またはRVM | プロジェクト別に必要 |
Gemバージョン確認 | gem -v | パッケージ管理の状態確認 |
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