Ubuntuでネットワークにつながらない!Wi-Fi・有線LAN接続の完全トラブルシューティング

Linux

Ubuntuをインストールしたのにネットワークにつながらない。昨日まで使えていたWi-Fiが突然認識しなくなった。有線LANケーブルを挿しても反応がない。

インターネットにつながらないと、調べることもアップデートすることもできず、途方に暮れてしまいますよね。

でも安心してください。ネットワーク接続の問題は、原因を特定して順番に対処していけば、ほとんどの場合解決できます。

この記事では、Ubuntuでネットワークにつながらない時の原因と、具体的な解決方法を初心者の方にも分かりやすく解説します。Wi-Fi、有線LANの両方に対応していますので、あなたの状況に合った方法が必ず見つかるはずです。

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  1. まず確認:どんな症状が出ているか整理しよう
    1. 症状1:Wi-Fiアイコンが表示されない
    2. 症状2:Wi-Fi一覧にネットワークが表示されない
    3. 症状3:接続はするがインターネットにアクセスできない
    4. 症状4:有線LANが認識されない
    5. 症状5:突然つながらなくなった
  2. 【基本編】最初に試すべき7つの対処法
    1. 1. 物理的な接続を確認する
    2. 2. ルーターを再起動する
    3. 3. Ubuntuを再起動する
    4. 4. 機内モードのオン/オフを切り替える
    5. 5. NetworkManagerを再起動する
    6. 6. Wi-Fiのパスワードを再入力する
    7. 7. 別のWi-Fi周波数帯を試す
  3. 【診断編】ネットワーク状態を確認する方法
    1. ネットワークアダプターが認識されているか確認
    2. ネットワークに接続されているか確認
    3. IPアドレスが割り当てられているか確認
    4. インターネット接続を確認(ping)
    5. DNS設定を確認
  4. 【ドライバー編】Wi-Fiアダプターのドライバー問題を解決
    1. 使用しているWi-Fiアダプターを特定
    2. ドライバーが読み込まれているか確認
    3. 追加のドライバーをインストール
    4. 一般的なWi-Fiチップセット別の対処法
    5. ドライバーを手動でインストール
  5. 【設定編】NetworkManagerの詳細設定
    1. 接続の編集画面を開く
    2. IPv4設定を手動で設定する
    3. DNSサーバーを変更する
    4. MACアドレスのランダム化を無効にする
  6. 【有線LAN編】イーサネット接続の問題を解決
    1. 有線接続が有効になっているか確認
    2. 有線接続の設定を確認
    3. ケーブルが正しく認識されているか
    4. 有線LANドライバーの確認
  7. 【応用編】コマンドラインでの高度なトラブルシューティング
    1. NetworkManagerを使わずに接続する(wpasupplicant)
    2. ファイアウォールの確認
    3. ネットワーク設定ファイルを直接編集
  8. 【特殊ケース】VPNやプロキシ設定の問題
    1. VPNが原因の場合
    2. プロキシ設定を確認
  9. システムアップデート後に接続できなくなった場合
    1. カーネルの問題
    2. ドライバーの再インストール
  10. ライブUSBで接続できるか確認
  11. まとめ:段階的に原因を特定して解決しよう

まず確認:どんな症状が出ているか整理しよう

対処法を選ぶために、まずは状況を整理しましょう。

症状1:Wi-Fiアイコンが表示されない

  • 画面右上のパネルにWi-Fiアイコンが全く表示されない
  • ネットワーク設定を開いてもWi-Fiの項目がない
  • 無線LANアダプターが認識されていない可能性

症状2:Wi-Fi一覧にネットワークが表示されない

  • Wi-Fiアイコンはあるが、一覧が空
  • 近くにあるはずのWi-Fiが見つからない
  • スマートフォンでは見えるのにUbuntuでは見えない

症状3:接続はするがインターネットにアクセスできない

  • Wi-Fiやネットワークには接続されている
  • でもブラウザでWebページが開けない
  • 「接続済み」と表示されているのにネットが使えない

症状4:有線LANが認識されない

  • LANケーブルを挿しても反応がない
  • 有線接続のアイコンが表示されない
  • ケーブルを挿しても設定画面に何も表示されない

症状5:突然つながらなくなった

  • 昨日まで普通に使えていた
  • システムアップデート後に使えなくなった
  • 特に何もしていないのに突然接続できなくなった

それでは、これらの症状別に対処法を見ていきましょう。

【基本編】最初に試すべき7つの対処法

専門的な作業の前に、まずは簡単にできることから試してみましょう。

1. 物理的な接続を確認する

ソフトウェアの問題だと決めつける前に、基本を確認します。

Wi-Fiの場合:

  • ルーターの電源は入っているか
  • ルーターのランプは正常に点灯しているか
  • 他のデバイス(スマートフォンなど)で同じWi-Fiにつながるか
  • ノートパソコンの場合、Wi-Fiの物理スイッチがオフになっていないか

有線LANの場合:

  • LANケーブルがしっかり挿さっているか
  • ケーブルが断線していないか(別のケーブルで試す)
  • ルーターやハブのポートランプが点灯しているか
  • 別のポートに挿し替えてみる

実例:

「つながらない!」と慌てていたら、実はノートパソコン側面のWi-Fiスイッチが物理的にオフになっていた、というケースは意外と多いです。

2. ルーターを再起動する

ルーター側の一時的な問題を解消します。

手順:

  1. ルーターの電源を切る(電源ボタンまたはコンセントを抜く)
  2. 30秒ほど待つ
  3. 電源を入れる
  4. ランプが全て正常に点灯するまで待つ(2〜3分)
  5. Ubuntuから接続を試す

3. Ubuntuを再起動する

システムの一時的な不具合をリセットします。

手順:

  1. 画面右上の電源メニューをクリック
  2. 「再起動」を選択
  3. 再起動後、ネットワークに自動接続されるか確認

4. 機内モードのオン/オフを切り替える

無線LANの状態をリセットできます。

手順:

  1. 画面右上のパネルをクリック
  2. 「機内モード」をオンにする
  3. 10秒ほど待つ
  4. もう一度「機内モード」をオフにする
  5. Wi-Fiが利用可能になるか確認

5. NetworkManagerを再起動する

NetworkManagerとは:

Ubuntuでネットワーク接続を管理するプログラムです。これが不調だと接続できません。

手順:

  1. ターミナルを開く(Ctrl + Alt + T)
  2. 以下のコマンドを入力
sudo systemctl restart NetworkManager
  1. パスワードを入力してEnter
  2. 数秒後、ネットワークに再接続を試す

6. Wi-Fiのパスワードを再入力する

保存されているパスワードが何らかの理由で無効になっている可能性があります。

手順:

  1. 設定を開く
  2. 「ネットワーク」または「Wi-Fi」を選択
  3. 接続したいネットワークをクリック
  4. 「削除」または「このネットワークを削除」を選択
  5. もう一度ネットワークを選んで、パスワードを新しく入力

7. 別のWi-Fi周波数帯を試す

周波数帯とは:

Wi-Fiには2.4GHzと5GHzの2種類があります。片方だけ使えないことがあります。

確認方法:

ルーターの設定を確認し、2.4GHzと5GHzの両方が有効になっているか確認しましょう。別の周波数帯で接続を試してみてください。

実例:

古いWi-Fiアダプターは5GHzに対応していないことがあります。逆に、新しいアダプターでは2.4GHzで問題が起きることも。

【診断編】ネットワーク状態を確認する方法

どこに問題があるのか、コマンドで確認してみましょう。

ネットワークアダプターが認識されているか確認

コマンド:

ip link show

または

ifconfig -a

見方:

  • wlan0wlp3s0など:無線LANアダプター
  • eth0enp2s0など:有線LANアダプター
  • lo:ローカルループバック(これは正常)

アダプターが表示されない場合:

ドライバーが正しくインストールされていない可能性があります。

ネットワークに接続されているか確認

nmcli device status

見方:

  • STATE の列が connected になっていれば接続済み
  • disconnected なら未接続
  • unavailable ならデバイスが使用不可

IPアドレスが割り当てられているか確認

ip addr show

見方:

inet で始まる行にIPアドレスが表示されているか確認します。

正常な例:

inet 192.168.1.100/24

問題がある例:

inet の行がない、または 169.254.x.x のようなアドレス(自動割り当て失敗)

インターネット接続を確認(ping)

Googleに接続を試す:

ping -c 4 8.8.8.8

説明:

8.8.8.8 はGoogleのDNSサーバーです。これに接続できるか確認します。

結果の見方:

  • パケットが返ってくる(64 bytes from...)→ インターネットに接続できている
  • Destination Host Unreachable → ネットワークに接続できていない
  • Name or service not known → DNS(名前解決)の問題

DNS設定を確認

cat /etc/resolv.conf

正常な場合:

nameserver 192.168.1.1

または

nameserver 8.8.8.8

のような行が表示されます。

【ドライバー編】Wi-Fiアダプターのドライバー問題を解決

Wi-Fiアダプターが認識されない場合、ドライバーの問題かもしれません。

使用しているWi-Fiアダプターを特定

lspci | grep -i network

または

lsusb | grep -i wireless

実例:

03:00.0 Network controller: Intel Corporation Wi-Fi 6 AX200

このように表示されたら、メーカー名とモデル名が分かります。

ドライバーが読み込まれているか確認

lsmod | grep -i wifi

または特定のドライバー名で検索:

lsmod | grep iwlwifi

何も表示されない場合:

ドライバーが読み込まれていません。インストールが必要です。

追加のドライバーをインストール

Ubuntuには「追加のドライバー」という便利な機能があります。

手順:

  1. 「ソフトウェアとアップデート」を開く
  2. 「追加のドライバー」タブをクリック
  3. 検出されたドライバーのリストが表示される
  4. 推奨されているドライバーを選択
  5. 「変更の適用」をクリック
  6. インストール後、再起動

注意点:

この作業にはインターネット接続が必要です。Wi-Fiが使えない場合は、有線LANまたはスマートフォンのテザリングで接続してください。

一般的なWi-Fiチップセット別の対処法

Broadcom製チップセットの場合:

sudo apt update
sudo apt install bcmwl-kernel-source
sudo reboot

Intel製チップセットの場合:

sudo apt update
sudo apt install linux-firmware
sudo reboot

Realtek製チップセットの場合:

sudo apt update
sudo apt install rtl8821ce-dkms
sudo reboot

ドライバーを手動でインストール

一般的な手順:

  1. 別のパソコンでドライバーをダウンロード
  2. USBメモリでUbuntuに転送
  3. ドライバーのインストールスクリプトを実行

具体的な手順は、Wi-Fiアダプターのメーカーとモデルによって異なります。

【設定編】NetworkManagerの詳細設定

NetworkManagerの設定を調整して問題を解決します。

接続の編集画面を開く

GUI(グラフィカル画面)での方法:

  1. 設定を開く
  2. 「ネットワーク」を選択
  3. 接続したいネットワークの歯車アイコンをクリック

コマンドでの方法:

nm-connection-editor

IPv4設定を手動で設定する

自動取得(DHCP)がうまくいかない場合、手動で設定します。

手順:

  1. 接続の編集画面を開く
  2. 「IPv4設定」タブを選択
  3. 「方式」を「自動(DHCP)」から「手動」に変更
  4. 「追加」をクリック
  5. 以下の情報を入力:
  • アドレス:192.168.1.100(ルーターと同じネットワーク)
  • ネットマスク:255.255.255.0 または 24
  • ゲートウェイ:192.168.1.1(ルーターのアドレス)
  • DNS:8.8.8.8, 8.8.4.4(GoogleのDNS)

注意:

ルーターのIPアドレスは環境によって異なります。192.168.0.1192.168.11.1 のこともあります。

DNSサーバーを変更する

手順:

  1. 接続の編集画面を開く
  2. 「IPv4設定」タブ
  3. 「DNS」の欄に以下を入力:
8.8.8.8, 8.8.4.4

または

1.1.1.1, 1.0.0.1

説明:

  • 8.8.8.88.8.4.4:GoogleのDNS
  • 1.1.1.11.0.0.1:CloudflareのDNS

MACアドレスのランダム化を無効にする

一部のルーターでは、MACアドレスのランダム化が問題を引き起こします。

手順:

  1. 接続の編集画面を開く
  2. 「Wi-Fi」タブ
  3. 「クローン化したMACアドレス」を「固定」に設定

【有線LAN編】イーサネット接続の問題を解決

有線LANが認識されない、またはつながらない場合の対処法です。

有線接続が有効になっているか確認

nmcli device status

結果例:

DEVICE  TYPE      STATE
enp2s0  ethernet  disconnected

disconnected の場合、接続を試みます:

nmcli device connect enp2s0

有線接続の設定を確認

手順:

  1. 設定を開く
  2. 「ネットワーク」
  3. 「有線」の項目を確認
  4. オフになっていたらオンにする

ケーブルが正しく認識されているか

ethtool enp2s0

見るべき項目:

Link detected: yes

yes なら物理的な接続は正常です。no ならケーブルまたはポートに問題があります。

有線LANドライバーの確認

lspci | grep -i ethernet

実例:

02:00.0 Ethernet controller: Realtek Semiconductor RTL8111/8168/8411

ここに表示されたチップセット用のドライバーを確認します。

Realtekの場合:

sudo apt install r8168-dkms
sudo reboot

【応用編】コマンドラインでの高度なトラブルシューティング

NetworkManagerを使わずに接続する(wpasupplicant)

Wi-Fiの場合:

# Wi-Fiアダプターを有効化
sudo ip link set wlan0 up

# ネットワークをスキャン
sudo iw wlan0 scan | grep SSID

# 設定ファイルを作成
wpa_passphrase "SSID名" "パスワード" | sudo tee /etc/wpa_supplicant.conf

# 接続
sudo wpa_supplicant -B -i wlan0 -c /etc/wpa_supplicant.conf

# IPアドレスを取得
sudo dhclient wlan0

ファイアウォールの確認

ファイアウォールがネットワークを遮断している可能性があります。

sudo ufw status

一時的に無効化して確認:

sudo ufw disable

問題が解決したら、再度有効化:

sudo ufw enable

ネットワーク設定ファイルを直接編集

Netplanを使う場合(Ubuntu 18.04以降):

sudo nano /etc/netplan/01-network-manager-all.yaml

基本的な設定例(DHCP):

network:
  version: 2
  renderer: NetworkManager
  ethernets:
    enp2s0:
      dhcp4: true
  wifis:
    wlan0:
      dhcp4: true
      access-points:
        "あなたのWi-Fi名":
          password: "パスワード"

設定を適用:

sudo netplan apply

【特殊ケース】VPNやプロキシ設定の問題

VPNが原因の場合

VPN接続が残っていると、通常のネットワークにつながらないことがあります。

確認:

nmcli connection show

VPN接続を削除:

nmcli connection delete "VPN接続名"

プロキシ設定を確認

GUI での確認:

  1. 設定を開く
  2. 「ネットワーク」
  3. 「ネットワークプロキシ」
  4. 「無効」になっているか確認

コマンドでの確認:

env | grep -i proxy

何か表示された場合、プロキシが設定されています。

プロキシ設定を削除:

unset http_proxy
unset https_proxy
unset ftp_proxy

システムアップデート後に接続できなくなった場合

カーネルの問題

新しいカーネルでドライバーが動かなくなることがあります。

古いカーネルで起動:

  1. 再起動時にGRUBメニューを表示(Shiftキー連打)
  2. 「Advanced options for Ubuntu」を選択
  3. 古いカーネルバージョンを選んで起動

起動できたら:

問題のあるカーネルをアンインストールできます。

ドライバーの再インストール

sudo apt install --reinstall linux-firmware
sudo apt install --reinstall network-manager
sudo reboot

ライブUSBで接続できるか確認

Ubuntuのインストールメディアから起動して、ネットワークが使えるか確認しましょう。

確認方法:

  1. ライブUSBから「Try Ubuntu」で起動
  2. ネットワークに接続を試す

ライブUSBで接続できる場合:

ハードウェアは正常です。インストール済みのUbuntuの設定やドライバーに問題があります。

ライブUSBでも接続できない場合:

ハードウェアの互換性の問題、またはハードウェアの故障の可能性があります。

まとめ:段階的に原因を特定して解決しよう

Ubuntuでネットワークにつながらない時の対処法をまとめます。

最初に試すこと(基本確認):

  1. 物理的な接続を確認(ケーブル、Wi-Fiスイッチ)
  2. ルーターを再起動
  3. Ubuntuを再起動
  4. 機内モードのオン/オフ
  5. NetworkManagerを再起動
  6. パスワードを再入力
  7. 別の周波数帯を試す

診断して原因を特定:

  • ip link show でアダプターの認識を確認
  • nmcli device status で接続状態を確認
  • ping 8.8.8.8 でインターネット接続を確認

ドライバーの問題の場合:

  • 「追加のドライバー」からインストール
  • チップセット別の対処(Broadcom、Intel、Realtek)
  • 必要に応じて手動インストール

設定の問題の場合:

  • IPv4を手動設定
  • DNSサーバーを変更(8.8.8.8など)
  • MACアドレスのランダム化を無効化

それでもダメなら:

  • コマンドラインでの接続を試す
  • ファイアウォールを確認
  • Netplanで直接設定
  • ライブUSBで動作確認

重要なポイント:

  • ネットワーク問題の多くはドライバーが原因
  • 有線LANで接続してからWi-Fiの問題を解決すると効率的
  • スマートフォンのテザリングも一時的な解決策として有効
  • 症状によって対処法が異なるので、まず状況を整理する

よくある原因トップ5:

  1. Wi-Fiドライバーが正しくインストールされていない
  2. NetworkManagerの一時的な不具合
  3. ルーター側の問題
  4. DNS設定の問題
  5. システムアップデート後のドライバー互換性問題

予防策:

  • 重要なアップデート前にスナップショットを作成
  • 安定版のドライバーを使用
  • 定期的に sudo apt update && sudo apt upgrade を実行
  • 有線LANケーブルを予備として常備

ネットワーク接続の問題は、最初は複雑に見えても、順番に確認していけば必ず原因が見つかります。

この記事の手順を一つずつ試して、快適なUbuntu環境を取り戻しましょう!

どうしても解決しない場合は、ハードウェアの互換性リストを確認したり、Ubuntuコミュニティで質問してみてください。同じ問題を経験した人がきっと助けてくれますよ。

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