curl(カール)は、コマンドラインからHTTPリクエストを送ったり、ファイルをダウンロードしたりする便利なツールです。
APIの動作確認やスクリプトでの自動取得など、開発でもよく使われます。
Ubuntuでは多くの環境で最初から入っていますが、入っていない場合はワンコマンドで簡単にインストールできます。
この記事では、Ubuntuでcurlをインストールする手順と動作確認の方法を初心者向けにわかりやすく解説します。
まずcurlがインストールされているか確認しよう
まずは、すでにcurlがインストールされているか確認してみましょう:
curl --version
表示例(インストール済み)
curl 7.81.0 (x86_64-pc-linux-gnu) libcurl/7.81.0 OpenSSL/3.0.2 zlib/1.2.11 ...
このように表示されれば、すでに使える状態です。次のセクション「3. インストール確認と簡単な使い方」に進んでください。
「curl: command not found」のようなメッセージが表示される場合は、インストールが必要です。
curlが入っていない場合のインストール手順

ステップ1:パッケージ情報を最新に更新
sudo apt update
このコマンドは、利用可能なパッケージとそのバージョンの情報を更新します。
実行すると、パッケージリストが最新の状態になります。
ステップ2:curlをインストール
sudo apt install curl
パスワードを求められたら、ログイン時のパスワードを入力します。
インストール中に「XX MBのディスク容量が追加で使用されます。
続行しますか?[Y/n]」と聞かれたら、「Y」を入力するか、そのままEnterキーを押してください。
インストールには数秒〜数十秒かかります。完了すると、プロンプトが再び表示されます。
インストール確認と簡単な使い方

バージョン確認
インストールが完了したら、もう一度バージョンを確認してみましょう:
curl --version
正しくインストールされていれば、バージョン情報が表示されます。
サンプル:WebページのHTMLを取得
curl https://www.example.com
このように入力すると、そのページのHTMLソースがターミナルに表示されます。これはcurlの最も基本的な使い方で、指定したURLからデータを取得します。
ファイルに保存する
curl https://www.example.com -o example.html
-o
オプションを使うと、取得したデータをファイルに保存できます。
curlが使われる主な場面
curlは多くの場面で活躍する便利なツールです:
- Web APIのリクエスト送信(GET、POSTなど)
- ファイルのダウンロード
- サーバーのヘッダー情報確認
- スクリプトから外部サービスへアクセス
- インストールスクリプトの実行(例:Node.jsやDockerのインストールなど)
例:ファイルのダウンロード
curl -O https://example.com/sample.zip
-O
(大文字のO)はファイルを元の名前で保存するオプションです。この場合、カレントディレクトリにsample.zipという名前で保存されます。
例:ヘッダー情報のみを取得
curl -I https://www.example.com
-I
オプションを使うと、コンテンツ本体ではなくHTTPヘッダーのみを取得できます。これはサーバーの応答速度チェックや、ステータスコードの確認に便利です。
例:POSTリクエストを送信
curl -X POST -d "name=test&value=123" https://example.com/api
-X POST
でPOSTメソッドを指定し、-d
でデータを送信します。これはAPIへのデータ送信などに使われます。
よくあるエラーと対策

curl: command not found
→ curlが未インストールの状態です。以下で解決:
sudo apt update
sudo apt install curl
Could not resolve host: example.com
→ インターネット接続に問題があります。ネットワーク設定やDNSを確認してください。
SSL certificate problem
→ 証明書の検証に失敗しています。安全でない接続を許可する場合(注意:セキュリティリスクあり):
curl -k https://example.com
Permission denied
→ ファイルの書き込み権限がありません。保存先のディレクトリのパーミッションを確認してください。
便利なcurlオプション
オプション | 意味 | 例 |
---|---|---|
-o | 指定したファイル名で保存 | curl -o output.html https://example.com |
-O | 元のファイル名で保存 | curl -O https://example.com/file.zip |
-L | リダイレクトを追跡 | curl -L http://example.com |
-s | 進行状況を表示しない(サイレントモード) | curl -s https://example.com |
-v | 詳細情報を表示(デバッグに便利) | curl -v https://example.com |
-X | HTTPメソッドを指定 | curl -X POST https://api.example.com |
-H | HTTPヘッダーを追加 | curl -H "Content-Type: application/json" https://api.example.com |
-d | POSTデータを送信 | curl -d "name=value" https://api.example.com |
-u | Basic認証 | curl -u username:password https://example.com |
まとめ
Ubuntuでcurlを使えるようにするのは非常に簡単です。パッケージマネージャを使って数分で準備できます。
手順まとめ
sudo apt update
sudo apt install curl
curl --version
curlはWebとのやり取りに欠かせないツール。
これからAPIやWeb操作の自動化をするなら、まずはマスターしておきたいコマンドです!
初めは単純なWebページの取得から始めて、徐々に複雑な使い方(API呼び出し、ファイルダウンロードなど)に挑戦してみてください。
シェルスクリプトやBashのコマンドラインと組み合わせると、さらに強力な自動化ツールになります。
プログラミングや開発、サーバー管理などを行う方には、必須のコマンドラインツールといえるでしょう。
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