「Thunderbirdが重くて遅い…」
「メールの表示がおかしくなった」
そんな困りごとはありませんか?長年Thunderbirdを使っていると、キャッシュが溜まって動作が重くなることがあります。
この記事では、Thunderbirdのキャッシュを安全に削除する方法を、初心者の方にも分かりやすく解説します。難しい操作は一切ありません。手順通りに進めれば、Thunderbirdが驚くほど軽快になりますよ。
Thunderbirdのキャッシュとは?基本を理解しよう

キャッシュって何?
「キャッシュ」とは、よく使うデータを一時的に保存しておく仕組みのことです。
例えば、メールに添付された画像を一度開くと、次回からはキャッシュから読み込むので表示が速くなります。本来は便利な機能なんです。
なぜキャッシュを削除する必要があるの?
キャッシュは便利ですが、長く使っているとこんな問題が起きます:
よくある症状:
- Thunderbirdの起動が遅い
- メールの読み込みに時間がかかる
- 画像が正しく表示されない
- 古い情報が表示される
- 容量を圧迫している
- フリーズすることが増えた
これらの症状がある場合、キャッシュ削除で改善する可能性が高いです。
どんなキャッシュが溜まるの?
Thunderbirdには、主に3種類のキャッシュがあります。
1. ディスクキャッシュ
- メールの内容や画像を保存
- 最も容量を使う
2. メモリキャッシュ
- 作業中のデータを一時保存
- Thunderbirdを閉じると消える
3. グローバル検索のインデックス
- メール検索を速くするためのデータ
- これも溜まると重くなる
今回は、これらすべてをスッキリ削除する方法を紹介します。
削除前に必ずやっておくべきこと
重要:バックアップを取る
キャッシュ削除は基本的に安全ですが、万が一に備えてバックアップを取りましょう。
簡単なバックアップ方法:
- Thunderbirdを完全に終了
- プロファイルフォルダを探す
- Windows:
C:\Users\[ユーザー名]\AppData\Roaming\Thunderbird\Profiles
- Mac:
~/Library/Thunderbird/Profiles
- Linux:
~/.thunderbird
- プロファイルフォルダ全体を別の場所にコピー
これで安心です。
Thunderbirdを完全に終了する
キャッシュ削除の前に、Thunderbirdを完全に閉じる必要があります。
確認方法:
Windows:
- タスクマネージャーを開く(Ctrl + Shift + Esc)
- 「プロセス」タブで「Thunderbird」を探す
- 見つかったら「タスクの終了」
Mac:
- アクティビティモニタを開く
- 「Thunderbird」を探す
- 見つかったら強制終了
バックグラウンドで動いていないことを確認してから進みましょう。
方法1:Thunderbird内の設定から削除(推奨)
最も安全で簡単な方法です。
ステップ1:設定画面を開く
- Thunderbirdを起動
- メニューバーの「ツール」をクリック
- 「設定」を選択
- または、右上の「≡」メニューから「設定」
ステップ2:プライバシーとセキュリティを選択
- 左側のメニューで「プライバシーとセキュリティ」をクリック
- ページが表示される
- 下にスクロール
ステップ3:キャッシュの項目を探す
「Webコンテンツ」というセクションを見つけてください。
ここに、キャッシュに関する設定があります。
ステップ4:キャッシュをクリア
- 「今すぐ消去」または「キャッシュをクリア」ボタンをクリック
- 確認メッセージが出たら「はい」
- 数秒で完了
これだけで、ディスクキャッシュが削除されます。
ステップ5:キャッシュサイズを調整(オプション)
将来的にキャッシュが溜まりすぎないよう、サイズを調整できます。
調整方法:
- 同じ「Webコンテンツ」セクション
- 「キャッシュサイズの上限」を確認
- デフォルトは350MBですが、100〜200MBに減らすのもあり
- 数値を変更して保存
少なめに設定すれば、キャッシュが溜まりにくくなります。
方法2:プロファイルフォルダから手動削除(上級者向け)
設定からの削除で不十分な場合や、より徹底的に削除したい場合の方法です。
ステップ1:Thunderbirdを完全に終了
先ほど説明した方法で、完全に終了してください。
ステップ2:プロファイルフォルダを開く
Windows:
- エクスプローラーを開く
- アドレスバーに
%APPDATA%\Thunderbird\Profiles
と入力 - Enterキーを押す
- 「xxxxxxxx.default」のようなフォルダが表示される
- そのフォルダを開く
Mac:
- Finderを開く
- メニューバーの「移動」をクリック
- 「フォルダへ移動」を選択
~/Library/Thunderbird/Profiles
と入力- プロファイルフォルダを開く
Linux:
- ファイルマネージャーを開く
~/.thunderbird
に移動- プロファイルフォルダを開く
ステップ3:キャッシュフォルダを削除
プロファイルフォルダ内で、以下のフォルダを探して削除します:
削除するフォルダ:
cache2
– メインのキャッシュフォルダstartupCache
– 起動キャッシュOfflineCache
– オフラインキャッシュthumbnails
– サムネイル画像
これらのフォルダを右クリックして「削除」を選択してください。
ステップ4:Thunderbirdを再起動
- Thunderbirdを起動
- 削除したフォルダは自動的に再作成される
- 初回起動は少し時間がかかるかも
これで完了です。
グローバル検索のインデックスを削除
メール検索が遅い場合は、検索インデックスも削除しましょう。
インデックス削除の手順
- Thunderbirdを起動
- 「ツール」→「設定」を開く
- 左側で「一般」を選択
- 下にスクロールして「データベースの保守」セクションを見つける
- 「最適化」ボタンをクリック
- または「インデックスを再構築」をクリック
インデックスが再構築され、検索が速くなります。
手動でインデックスファイルを削除
より徹底的に削除したい場合:
- Thunderbirdを終了
- プロファイルフォルダを開く
- 「global-messages-db.sqlite」を削除
- Thunderbirdを起動
- 自動的に再構築される
ただし、再構築には時間がかかる場合があります。
削除後にやるべきこと
動作確認
キャッシュ削除後、以下を確認しましょう:
- Thunderbirdが正常に起動するか
- メールが正しく表示されるか
- 画像が読み込まれるか
- 送受信が正常にできるか
問題があれば、次のトラブルシューティングを参照してください。
再起動してみる
削除直後は少し動作が不安定なこともあります。
パソコンを再起動すると、安定することが多いです。
パフォーマンスをチェック
キャッシュ削除の効果を確認しましょう。
- 起動時間は速くなったか
- メールの表示は軽快か
- フリーズは減ったか
改善を感じられれば成功です。
よくあるトラブルと解決法
トラブル1:削除後、メールが表示されない
原因:
キャッシュではなく、メールデータ自体を削除してしまった可能性。
解決策:
- バックアップから復元
- プロファイルフォルダの「Mail」や「ImapMail」は削除してはいけません
- 再度、正しいフォルダだけを削除
トラブル2:画像が表示されなくなった
原因:
画像をキャッシュから読み込む設定になっている。
解決策:
- 「設定」→「プライバシーとセキュリティ」
- 「メールメッセージのリモートコンテンツ」の設定を確認
- 必要に応じて「リモート画像を読み込む」を有効化
トラブル3:起動が逆に遅くなった
原因:
キャッシュが再構築中のため、一時的に遅くなっている。
解決策:
- 数時間〜1日待つ
- バックグラウンドで再構築が完了すれば速くなる
- それでもダメなら、別の原因を調査
トラブル4:削除しても容量が減らない
原因:
ゴミ箱にファイルが残っている。
解決策:
- Windowsのゴミ箱を空にする
- Macのゴミ箱を空にする
- それでも減らない場合、他のファイルが原因
トラブル5:設定で「今すぐ消去」ボタンが見つからない
原因:
Thunderbirdのバージョンが古い可能性。
解決策:
- Thunderbirdを最新版に更新
- または、方法2の手動削除を使う
定期的なメンテナンスのすすめ
どれくらいの頻度で削除すべき?
推奨頻度:
- 毎日使う人:3〜6ヶ月に1回
- 週に数回使う人:半年〜1年に1回
- たまにしか使わない人:必要に応じて
動作が重くなったと感じたら、削除のタイミングです。
予防策:キャッシュサイズを小さく設定
最初からキャッシュが溜まりにくい設定にしておくと楽。
設定方法:
- 「設定」→「プライバシーとセキュリティ」
- キャッシュサイズを100〜150MBに設定
- これで溜まるスピードが遅くなる
他のメンテナンスも忘れずに
キャッシュ削除以外のメンテナンスも大切です。
定期的にやるべきこと:
- 古いメールを整理・削除
- 不要な添付ファイルを削除
- アドオンを見直し
- Thunderbirを最新版に更新
総合的なメンテナンスで、快適に使い続けられます。
他の動作改善方法
方法1:フォルダを最適化
メールフォルダも定期的に最適化しましょう。
やり方:
- フォルダを右クリック
- 「最適化」を選択
- 削除済みメールが完全に消える
これだけで容量が減ることもあります。
方法2:不要なアドオンを削除
使っていないアドオンは、動作を重くします。
確認方法:
- 「ツール」→「アドオンとテーマ」
- インストール済みアドオンを確認
- 不要なものは「削除」
方法3:アカウント設定を見直し
同期設定が重い原因かもしれません。
チェック項目:
- すべてのメールを同期していないか
- オフライン使用の設定は適切か
- 古いアカウントが残っていないか
方法4:Thunderbirdを再インストール
それでもダメなら、クリーンインストール。
手順:
- プロファイルをバックアップ
- Thunderbirdをアンインストール
- 最新版をダウンロード
- インストール
- プロファイルを復元
これで、多くの問題が解決します。
よくある質問(Q&A)
Q:キャッシュを削除すると、メールも消えますか?
A:消えません。キャッシュは「一時ファイル」なので、削除してもメール本体は残ります。安心してください。
Q:削除後、初回起動が遅いのは正常ですか?
A:はい、正常です。キャッシュを再構築しているため、最初は時間がかかります。2回目以降は速くなるはずです。
Q:Windowsの「ディスククリーンアップ」でも削除できますか?
A:一部は削除されますが、完全ではありません。Thunderbirdの設定から削除する方が確実です。
Q:削除すると、パスワードも消えますか?
A:消えません。パスワードは別の場所に保存されています。キャッシュ削除では影響ありません。
Q:スマホのThunderbirdでも削除できますか?
A:モバイル版のThunderbirdにはキャッシュ削除の専用機能はありませんが、アプリのデータを削除すれば同様の効果があります。ただし、再設定が必要になるので注意してください。
注意点:削除してはいけないファイル
プロファイルフォルダには、削除してはいけない重要なファイルもあります。
絶対に削除しないファイル・フォルダ
prefs.js
– 設定ファイルabook.sqlite
– アドレス帳key4.db
– パスワード情報Mail
フォルダ – メールデータImapMail
フォルダ – IMAPメールデータcert9.db
– 証明書データ
これらを削除すると、メールや設定が失われます。
削除して良いもの
cache2
startupCache
OfflineCache
thumbnails
jumplist_iconscache
キャッシュ関連フォルダだけを削除しましょう。
まとめ:定期的なキャッシュ削除で快適に
Thunderbirdのキャッシュ削除は、思っているより簡単です。
この記事のポイント:
- キャッシュは一時ファイルで、削除してもメールは消えない
- 設定から「今すぐ消去」が最も簡単で安全
- プロファイルフォルダから手動削除も可能
- 削除前は必ずバックアップを取る
- 削除後、初回起動は少し遅いが正常
- 3〜6ヶ月に1回の削除がおすすめ
- キャッシュサイズを小さく設定すると溜まりにくい
- 他のメンテナンスも組み合わせると効果的
動作が重いと感じたら、まずはキャッシュ削除を試してみてください。
数分の作業で、Thunderbirdが見違えるほど軽快になるはずです。快適なメール環境で、効率的に仕事を進めましょう!
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