「Thunderbirdに設定したメールのパスワード、何だったっけ…?」
パスワードを忘れてしまって困った経験、ありませんか?
Thunderbirdは一度パスワードを保存すると自動でログインしてくれるので便利です。でもその反面、パスワードを忘れやすくもなります。
スマートフォンで同じメールアカウントを設定したい時や、パスワードを変更したい時に「あれ、パスワード何だったっけ?」となってしまうんですよね。
この記事では、Windows版Thunderbirdでメールアカウントのパスワードを確認する方法を、初心者の方にも分かりやすく解説します。
パスワードを忘れてしまった場合の対処法や、セキュリティ対策についても詳しく説明していきますよ。
Thunderbirdのパスワード管理の仕組み

確認方法を知る前に、Thunderbirdがどのようにパスワードを管理しているか理解しておきましょう。
パスワードはどこに保存されている?
Thunderbirdでメールアカウントを設定すると、パスワードはプロファイルフォルダ内の専用ファイルに保存されます。
具体的には以下のファイルです:
- logins.json:パスワード情報が暗号化されて保存される
- key4.db:暗号化に使用される鍵情報
これらのファイルは、Windows上では通常以下の場所にあります:
C:\Users\(ユーザー名)\AppData\Roaming\Thunderbird\Profiles\(ランダム文字列).default-release
暗号化されているから安全…でも注意が必要
保存されているパスワードは暗号化されていますが、マスターパスワードを設定していない場合、Thunderbird上から簡単に確認できてしまいます。
つまり、あなたのPCに他の人がアクセスできる状況だと、メールのパスワードを見られる可能性があるということです。
セキュリティが気になる方は、後述する「マスターパスワード」の設定をおすすめします。
Windows版Thunderbirdでパスワードを確認する方法
それでは本題です。Thunderbirdに保存されているパスワードを確認する手順を説明します。
方法1:設定画面から確認する【最も簡単】
この方法が最もシンプルで確実です。
ステップ1:Thunderbirdを起動
まずはThunderbirdを開きましょう。
ステップ2:設定画面を開く
以下のいずれかの方法で設定画面にアクセスします:
パターンA:
- 画面右上の「ハンバーガーメニュー」(三本線のアイコン)をクリック
- 「設定」を選択
パターンB:
- メニューバーの「ツール」をクリック
- 「オプション」または「設定」を選択
パターンC(キーボードショートカット):
- Alt + T を押してツールメニューを開く
- 「設定」を選択
ステップ3:プライバシーとセキュリティを開く
- 左側のメニューから「プライバシーとセキュリティ」をクリック
- 画面を下にスクロールします
ステップ4:保存されたパスワードを表示
- 「パスワード」のセクションを見つけます
- 「保存されているパスワード」というボタンをクリック
新しいウィンドウが開きます。
ステップ5:パスワードを確認
「保存されているパスワード」ウィンドウでは、以下の情報が表示されます:
- サイト:メールサーバーのアドレス
- ユーザー名:メールアドレスまたはアカウント名
- パスワード:最初は「●●●●」と隠されている
- 最終変更日:パスワードを保存した日付
パスワードを表示する手順:
- ウィンドウの左下にある「パスワードを表示」ボタンをクリック
- 確認ダイアログが表示されるので「はい」をクリック
- パスワードが平文(読める状態)で表示されます
これで、保存されているすべてのメールアカウントのパスワードを確認できます。
ステップ6:パスワードをメモする
表示されたパスワードは、以下の方法で保存しておきましょう:
- 紙にメモして金庫など安全な場所に保管
- パスワード管理アプリに登録
- 暗号化されたUSBメモリに保存
絶対にやってはいけないこと:
- デスクトップに「パスワード.txt」などのファイル名で保存
- クラウドストレージに暗号化せず保存
- メールやSNSで自分に送信
方法2:マスターパスワードが設定されている場合
マスターパスワードを設定している場合、上記の手順で追加の認証が求められます。
パスワード表示時の動作
- 「保存されているパスワード」ウィンドウを開こうとすると、マスターパスワードの入力を求められます
- 正しいマスターパスワードを入力すると、パスワード一覧が表示されます
- その後の手順は方法1と同じです
マスターパスワードを忘れてしまった場合は、残念ながらThunderbird上からパスワードを確認することはできません。
後述する「パスワードを忘れた場合の対処法」を参照してください。
パスワードが表示されない・確認できない場合の対処法
「手順通りやったのに、パスワードが表示されない…」
そんな時は、以下の原因と対処法を試してみてください。
原因1:マスターパスワードが設定されている
前述の通り、マスターパスワードが設定されていると、それを入力しないとパスワードを見られません。
対処法
- マスターパスワードを思い出して入力する
- マスターパスワードを忘れた場合は、次の「パスワードをリセットする方法」へ
原因2:パスワードが保存されていない
そもそもThunderbirdにパスワードが保存されていない可能性があります。
メールアカウント設定時に「パスワードを保存する」のチェックを外していると、毎回手動で入力する必要があります。
対処法
この場合、Thunderbird上からパスワードを確認することはできません。
以下のいずれかの方法でパスワードを取得してください:
- メールプロバイダのWebサイトで確認
- パスワード管理ツールを確認
- メールプロバイダに問い合わせてリセット
原因3:プロファイルが破損している
Thunderbirdのプロファイルファイルが破損していると、パスワードが正しく表示されないことがあります。
対処法
- Thunderbirdを終了
- プロファイルフォルダのバックアップを取る
- Thunderbirdを再起動して再度確認
- 改善しない場合は、新しいプロファイルを作成して再設定
原因4:Windowsのユーザーアカウント制御
Windows 10/11の「ユーザーアカウント制御」が厳しく設定されていると、パスワード表示がブロックされることがあります。
対処法
- Thunderbirdを「管理者として実行」で起動
- パスワード確認を再度試す
- それでも表示されない場合は、セキュリティソフトの設定を確認
メールアカウントのパスワードを完全に忘れた場合
Thunderbirdにも保存されていない、完全にパスワードを忘れてしまった場合の対処法です。
対処法1:メールプロバイダの管理画面から確認
多くのメールサービスでは、Web上の管理画面からパスワードを確認またはリセットできます。
Gmail(Googleアカウント)の場合
- Googleアカウントのログインページにアクセス
- 「パスワードをお忘れの場合」をクリック
- 登録済みの電話番号またはメールアドレスで認証
- 新しいパスワードを設定
注意:Gmailの場合、Thunderbirdで使用するのは「アプリパスワード」の可能性があります。二段階認証を有効にしている場合は、Googleアカウントの設定から新しいアプリパスワードを生成してください。
Yahoo!メールの場合
- Yahoo! JAPANのログインページにアクセス
- 「ログインできない場合」をクリック
- 本人確認を行う(秘密の質問、SMS認証など)
- パスワードをリセット
プロバイダメール(OCN、So-net、Biglobeなど)の場合
- 各プロバイダの会員サポートページにアクセス
- 「パスワードを忘れた」のリンクを探す
- 契約時の情報(お客様番号など)で本人確認
- パスワードをリセットまたは確認
プロバイダによっては、電話でのサポートも提供しています。
対処法2:Windowsの資格情報マネージャーを確認
Windows 10/11には「資格情報マネージャー」という機能があり、ここにパスワードが保存されている場合があります。
確認手順
- Windowsの「スタート」メニューを開く
- 「コントロールパネル」を検索して開く
- 「ユーザーアカウント」をクリック
- 「資格情報マネージャー」をクリック
- 「Windows資格情報」タブを開く
- メールサーバーのアドレスを探す
ただし、Thunderbirdは通常Windowsの資格情報マネージャーは使用しないため、ここにパスワードがある可能性は低いです。
対処法3:パスワード管理アプリを確認
以下のようなパスワード管理ツールを使っている場合、そこに保存されているかもしれません:
- LastPass
- 1Password
- Bitwarden
- KeePass
- Dashlane
これらのツールで「メールアドレス」や「Thunderbird」で検索してみてください。
対処法4:サポートに問い合わせる
最終手段として、メールサービスのサポートに連絡しましょう。
問い合わせに必要な情報
- メールアドレス
- 契約者名
- 登録住所または電話番号
- 本人確認書類(場合によって)
本人確認ができれば、パスワードのリセット手続きを案内してもらえます。
Thunderbirdでパスワードを変更・更新する方法

メールサーバー側でパスワードを変更した場合、Thunderbird側でも更新が必要です。
手順1:保存されているパスワードを削除
- 「設定」→「プライバシーとセキュリティ」を開く
- 「保存されているパスワード」をクリック
- 変更したいアカウントを選択
- 「削除」ボタンをクリック
手順2:メールを送受信してみる
- Thunderbirdでメールの送受信を試みる
- パスワード入力を求めるダイアログが表示される
- 新しいパスワードを入力
- 「パスワードマネージャーにこのパスワードを保存する」にチェック
- 「OK」をクリック
これで新しいパスワードが保存されます。
手順3:送信サーバーのパスワードも更新
受信サーバーと送信サーバーで別のパスワードを使っている場合は、両方を更新してください。
- 「アカウント設定」を開く
- 左側で該当するアカウントを選択
- 「送信(SMTP)サーバー」を確認
- 必要に応じて送信時にもパスワード入力を求められるので、新しいパスワードを入力
マスターパスワードでセキュリティを強化
パスワードを簡単に確認できるということは、逆に言えばセキュリティリスクでもあります。
マスターパスワードとは?
マスターパスワードは、Thunderbirdに保存されているすべてのパスワードを保護するための「パスワードの親玉」です。
マスターパスワードを設定すると:
- Thunderbird起動時にマスターパスワードの入力が必要になる
- 保存されているパスワードを確認する際にも認証が必要
- 他人があなたのPCを使っても、メールパスワードを見られない
マスターパスワードの設定方法
設定手順
- 「設定」→「プライバシーとセキュリティ」を開く
- 「パスワード」セクションを見つける
- 「マスターパスワードを使用する」にチェックを入れる
- 「マスターパスワードを変更」ダイアログが表示される
- 新しいマスターパスワードを2回入力
- 「OK」をクリック
強力なマスターパスワードの作り方
マスターパスワードは非常に重要なので、強力なものにしましょう。
良いパスワードの条件:
- 12文字以上の長さ
- 大文字・小文字・数字・記号を混ぜる
- 辞書に載っている単語をそのまま使わない
- 個人情報(誕生日、名前など)を含めない
- 他のサービスと同じパスワードを使わない
パスワードの例:
❌ 悪い例:password123、tanaka2024
✅ 良い例:Tr4!nB0w&Sky#92m
マスターパスワードを忘れないために
マスターパスワードを忘れると、保存されているすべてのパスワードにアクセスできなくなります。
対策:
- パスワード管理アプリに保存(別のパスワードマネージャーで管理)
- 紙にメモして金庫に保管
- 信頼できる家族に教えておく
- パスワードヒントを別の場所に保存
絶対にやってはいけないこと:
- PC内のテキストファイルに平文で保存
- 付箋でモニターに貼る
- 簡単すぎるパスワードにする
セキュリティのベストプラクティス
パスワード管理以外にも、Thunderbirdのセキュリティを高める方法があります。
1. 定期的なパスワード変更
メールアカウントのパスワードは、3〜6ヶ月ごとに変更するのが理想的です。
特に以下の場合はすぐに変更してください:
- 不正アクセスの形跡がある
- フィッシングメールのリンクをクリックしてしまった
- 公共のPCでログインした
- セキュリティ侵害のニュースを聞いた
2. 二段階認証の有効化
Gmail、Yahoo!メール、Outlookなどの主要メールサービスは二段階認証(2FA)に対応しています。
二段階認証を有効にすると:
- パスワードが漏れても、不正ログインされにくい
- より高いセキュリティレベルを実現できる
- Thunderbirdでは「アプリパスワード」を使用
二段階認証を有効にした場合、Thunderbirdでは通常のパスワードではなく、専用の「アプリパスワード」を生成して使用します。
3. 怪しいメールに注意
フィッシングメールは、パスワードを盗む最も一般的な手口です。
見分けるポイント:
- 送信者のメールアドレスが不自然
- 緊急性を煽る内容(「24時間以内に対応を」など)
- 文法やスペルの誤り
- リンク先のURLが公式サイトと違う
- 添付ファイルが不自然
対策:
- 怪しいメールのリンクはクリックしない
- 添付ファイルを開く前に送信者に確認
- 公式サイトには直接アクセスする
4. Thunderbirdを最新版に保つ
古いバージョンのThunderbirdには、セキュリティの脆弱性が存在する可能性があります。
更新確認の方法
- Thunderbirdのメニューから「ヘルプ」を開く
- 「Thunderbirdについて」をクリック
- 自動的に更新チェックが行われる
- 更新がある場合は指示に従ってインストール
5. ウイルス対策ソフトの導入
Windows Defenderだけでなく、追加のセキュリティソフトの導入も検討しましょう。
推奨されるソフト:
- ノートン
- ウイルスバスター
- カスペルスキー
- ESET
- Avast(無料版もあり)
これらのソフトは、フィッシングメールやマルウェア添付ファイルを検出してくれます。
よくある質問(Q&A)
Thunderbirdのパスワードに関する、よくある質問にお答えします。
Q1:パスワードを確認したら、他のPCにメモしても大丈夫?
A:安全な方法で保管するなら問題ありません。
ただし、以下の点に注意してください:
- 暗号化されていないクラウドストレージには保存しない
- メールやチャットで送信しない
- パスワード管理アプリを使うのが最も安全
紙にメモして、物理的に安全な場所(金庫など)に保管するのも良い方法です。
Q2:Thunderbirdを再インストールしたら、パスワードはどうなる?
A:プロファイルを削除せずに再インストールした場合、パスワードは残ります。
ただし、クリーンインストール(完全削除)を行った場合は、保存されているパスワードも削除されます。
再インストール前にパスワードを確認しておくことをおすすめします。
Q3:スマホでもThunderbirdのパスワードを確認できる?
A:Android版のThunderbirdでは、PC版と同様の機能でパスワードを確認できます。
ただし、iOS版(iPhone/iPad)では機能が制限されているため、確認できない場合があります。
Q4:パスワードを自動入力させたくない場合は?
A:パスワードを保存せず、毎回手動入力することも可能です。
設定方法:
- 「保存されているパスワード」から該当アカウントのパスワードを削除
- 次回のメール送受信時に「パスワードを保存する」のチェックを外す
セキュリティは高まりますが、使い勝手は悪くなります。
Q5:会社のPCでパスワードを見られたくない
A:マスターパスワードを設定しましょう。
マスターパスワードがあれば、他の人があなたのPCを使っても、メールパスワードを確認できません。
また、PCを離れる際は必ずロックする習慣をつけてください。
Q6:パスワードのバックアップは必要?
A:できれば取っておくことをおすすめします。
プロファイルフォルダ全体をバックアップしておけば、PCが故障した時でもすぐに復旧できます。
バックアップ先:
- 外付けHDD
- USBメモリ(暗号化推奨)
- 信頼できるクラウドストレージ(暗号化必須)
まとめ:パスワード管理を制してメールを安全に
Thunderbirdのパスワード確認方法、理解できましたか?
この記事の重要ポイント:
- 設定の「保存されているパスワード」から簡単に確認できる
- マスターパスワードがあると、それを入力しないと見られない
- パスワードを完全に忘れた場合は、メールプロバイダでリセット
- マスターパスワードを設定すれば、セキュリティが大幅に向上
- パスワードは安全な方法で保管し、定期的に変更
- 二段階認証やウイルス対策ソフトも併用するとより安全
パスワードは、あなたの大切なメールや個人情報を守る最後の砦です。
「面倒だから」と適当に管理していると、いつか痛い目に遭うかもしれません。
この機会に、Thunderbirdのパスワード設定を見直して、安全なメール環境を構築してください。
特にマスターパスワードの設定は、わずか数分でできる割に効果が大きいので、ぜひ今すぐ設定してみてくださいね!
安全で快適なメールライフを楽しみましょう!

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