「Thunderbirdのメールデータってどこに保存されているの?」
バックアップを取りたいときや、パソコンの容量が気になるとき、メールデータの保存場所を知っておくと便利ですよね。
この記事では、Thunderbirdがメールやアドレス帳などのデータを保存している場所と、その管理方法を分かりやすく解説していきます。
Thunderbirdのデータは「プロファイルフォルダ」に保存される

Thunderbirdのすべてのデータは、プロファイルフォルダという専用の場所に保存されています。
プロファイルフォルダって何?
プロファイルフォルダとは、あなたのThunderbird環境をまるごと保存している特別なフォルダのこと。
このフォルダには、次のような情報がすべて入っています:
- 受信トレイや送信済みメールなどのメールデータ
- アドレス帳(連絡先)
- アカウント設定(サーバー情報、パスワード)
- メールフィルタや振り分けルール
- 拡張機能(アドオン)の設定
- カレンダーデータ
- 署名やテンプレート
つまり、このプロファイルフォルダをバックアップしておけば、Thunderbirdの環境を丸ごと保存できるわけです。
プロファイルフォルダの場所(OS別)
プロファイルフォルダの場所は、使っているOS(オペレーティングシステム)によって異なります。
Windowsの場合
標準的な保存場所:
C:\Users\ユーザー名\AppData\Roaming\Thunderbird\Profiles\xxxxxxxx.default-release
詳しい説明
- C:\Users\ユーザー名:あなたのユーザーフォルダ
- AppData:アプリケーションデータを保存する隠しフォルダ
- Roaming:複数のPCで同期可能なデータ用のフォルダ
- Thunderbird:Thunderbird専用のフォルダ
- Profiles:プロファイルを格納するフォルダ
- xxxxxxxx.default-release:実際のプロファイルフォルダ(xは英数字のランダムな文字列)
AppDataフォルダが見つからない場合
AppDataフォルダは初期設定で隠しフォルダになっています。
表示する方法:
- エクスプローラーを開く
- 「表示」タブをクリック
- 「隠しファイル」にチェックを入れる
または、エクスプローラーのアドレスバーに直接パスを入力してもOKです:
%APPDATA%\Thunderbird\Profiles
Macの場合
標準的な保存場所:
~/Library/Thunderbird/Profiles/xxxxxxxx.default-release
詳しい説明
- ~:ホームフォルダ(/Users/ユーザー名)
- Library:システムライブラリフォルダ(隠しフォルダ)
- Thunderbird:Thunderbird専用のフォルダ
- Profiles:プロファイルを格納するフォルダ
- xxxxxxxx.default-release:実際のプロファイルフォルダ
Libraryフォルダを開く方法
Macでは、Libraryフォルダも隠しフォルダになっています。
表示する方法:
- Finderを開く
- メニューバーの「移動」→「フォルダへ移動」をクリック
- 以下を入力してEnter
~/Library/Thunderbird/Profiles
Linuxの場合
標準的な保存場所:
~/.thunderbird/xxxxxxxx.default-release
Linuxでは、ドット(.)で始まるフォルダは隠しフォルダです。
ファイルマネージャーで「隠しファイルを表示」を有効にすると表示されます。
プロファイルフォルダを簡単に開く方法
OSごとに場所を探すのは面倒なので、Thunderbird自体から直接開く方法があります。
手順:ワンクリックでプロファイルフォルダを開く
- Thunderbirdを起動
- メニューバーから「ヘルプ」を選択
- 「トラブルシューティング情報」をクリック
- 「プロファイルフォルダー」の項目にある「フォルダーを開く」ボタンをクリック(Macの場合は「Finderで表示」)
これで、あなたのプロファイルフォルダが自動的に開きます。
この方法が一番確実で簡単です!
プロファイルフォルダの中身を詳しく見てみよう
プロファイルフォルダの中には、たくさんのファイルやフォルダが入っています。
主要なファイルとフォルダ
Mail フォルダ
- メールデータが保存されている最も重要なフォルダ
- アカウントごとにサブフォルダが作られる
- 実際のメール本文はここに保存される
ImapMail フォルダ
- IMAPアカウントのメールデータ
- サーバーと同期したメールのコピーが保存される
abook.sqlite
- アドレス帳(連絡先)のデータベース
- メールアドレスや名前などがここに記録される
prefs.js
- Thunderbirdの各種設定ファイル
- アカウント情報、表示設定、フィルタ設定などが記述されている
logins.json
- 保存されたパスワード情報(暗号化されている)
- メールアカウントのパスワードがここに保存される
key4.db
- パスワードの暗号化・復号化に使う鍵ファイル
- logins.jsonとセットで必要
msgFilterRules.dat
- メールフィルタ(振り分けルール)の設定ファイル
- 自動振り分け条件がここに記録される
calendar-data フォルダ
- カレンダーやタスクのデータ
- Lightning拡張機能を使っている場合に作成される
メールデータの実際の保存形式
Thunderbirdは、メールをmbox形式という形式で保存しています。
mbox形式とは
mbox形式は、複数のメールを1つのテキストファイルにまとめて保存する古くからある形式です。
特徴:
- 1つのフォルダ(受信トレイなど)が1つのファイルになる
- ファイル拡張子は付かない(Inboxというファイル名など)
- テキストエディタで開けば、メールの内容を直接見られる(ただし推奨しない)
フォルダごとのファイル
例えば、受信トレイは以下のようなファイルで管理されます:
- Inbox:受信トレイのメール本文
- Inbox.msf:インデックスファイル(検索用の目次のようなもの)
.msfファイルは、メールの一覧表示を高速化するためのもので、削除しても自動的に再生成されます。
メールデータのバックアップ方法
大切なメールデータは、定期的にバックアップしておきましょう。
方法1:プロファイルフォルダ全体をコピー
最も簡単で確実な方法です。
手順:
- Thunderbirdを完全に終了
- プロファイルフォルダを開く
- 1つ上の階層(Profilesフォルダ)に移動
- プロファイルフォルダ(xxxxxxxx.default-release)を丸ごとコピー
- 外付けハードディスク、USBメモリ、クラウドストレージなどに保存
注意点:
- 必ずThunderbirdを終了してからコピーする
- プロファイルフォルダの中身だけでなく、フォルダごとコピーする
方法2:メールをエクスポートする
特定のメールだけをバックアップしたい場合は、エクスポート機能を使います。
手順:
- バックアップしたいメールやフォルダを選択
- 右クリック→「名前を付けて保存」
- .eml形式で保存される
.eml形式は、他のメールソフトでも開けるメール保存形式です。
方法3:ImportExportTools NGを使う
より柔軟なバックアップには、拡張機能を使うと便利です。
ImportExportTools NGという拡張機能をインストールすると、以下ができます:
- フォルダ単位でのエクスポート
- 複数の形式での保存(.eml、.mbox、.htmlなど)
- メールの一括エクスポート
Thunderbirdのアドオン画面から検索してインストールできます。
メールデータの保存場所を変更する方法
デフォルトの保存場所では容量が足りない場合、保存場所を変更できます。
なぜ保存場所を変更する?
- Cドライブの容量が少ない
- 別のドライブに保存したい(Dドライブなど)
- クラウド同期フォルダに入れたい(非推奨)
変更方法1:プロファイルフォルダごと移動
手順:
- Thunderbirdを完全に終了
- プロファイルフォルダを新しい場所にコピー
- Thunderbirdのプロファイルマネージャーを起動
- Windows:
thunderbird.exe -ProfileManager
を実行 - Mac:ターミナルから
/Applications/Thunderbird.app/Contents/MacOS/thunderbird -ProfileManager
- 「プロファイルを作成」をクリック
- 「フォルダーを選択」で新しい場所のプロファイルフォルダを指定
変更方法2:ローカルフォルダの保存先を変更
メールデータだけを別の場所に移す方法です。
手順:
- アカウント設定を開く
- 左下の「ローカルフォルダ」を選択
- 「メッセージの保存先」の「参照」ボタンをクリック
- 新しい保存先を指定
ただし、この方法は上級者向けで、設定ミスをするとメールが見えなくなる可能性があります。
容量を圧迫している原因と対処法
メールデータが大きくなりすぎた場合の対処法を紹介します。
容量を確認する方法
プロファイルフォルダのプロパティを開くと、全体のサイズが分かります。
通常、数百MB~数GBになることが多いです。
対処法1:不要なメールを削除する
特に容量を圧迫するメール:
- 添付ファイル付きのメール(特に画像や動画)
- 古いメールマガジン
- 送信済みメールの重複
これらを定期的に整理しましょう。
対処法2:フォルダーの最適化
メールを削除しても、すぐには容量が減りません。
最適化の手順:
- 削除したいメールを選択
- 削除(Deleteキー)
- フォルダを右クリック→「最適化」を選択
最適化すると、削除済みメールが完全に消え、ファイルサイズが小さくなります。
対処法3:古いメールをアーカイブする
重要だけど普段は見ないメールは、アーカイブフォルダに移動しましょう。
- アーカイブしたいメールを選択
- 「A」キーを押す(またはアーカイブボタンをクリック)
- 自動的にアーカイブフォルダに移動
アーカイブされたメールも検索できるので、必要な時にすぐ見つけられます。
対処法4:添付ファイルを別に保存
大きな添付ファイルは、パソコンの別の場所に保存して、メールからは削除するのも有効です。
- 添付ファイルを右クリック→「名前を付けて保存」
- 適切な場所に保存
- 必要に応じて元のメールを削除
IMAPとPOPでの保存の違い
メールアカウントの種類によって、保存のされ方が異なります。
IMAP(サーバー同期型)
特徴:
- メール本文は主にサーバー上に保存される
- Thunderbirdにはコピーがキャッシュされる
- プロファイルフォルダの容量は比較的小さめ
- メールを削除しても、サーバー側で削除されるまでは復元可能
POP(ダウンロード型)
特徴:
- メール本文はプロファイルフォルダに完全に保存される
- サーバーからは削除されることが多い
- プロファイルフォルダの容量が大きくなりやすい
- プロファイルのバックアップが特に重要
どちらが良い?
IMAP:
- 複数デバイスで使う人におすすめ
- サーバー容量に注意
POP:
- 1台のPCだけで使う人向け
- ローカルバックアップが必須
プロファイルを新しいPCに移行する
パソコンを買い替えた時の移行手順です。
移行の基本手順
- 旧PCでプロファイルフォルダをバックアップ
- Profilesフォルダごとコピー
- 新PCにThunderbirdをインストール
- まだ起動しない
- 新PCにプロファイルフォルダを配置
- 適切な場所にProfilesフォルダをペースト
- Thunderbirdを起動
- 自動的に既存のプロファイルを認識
詳しい手順は、別の記事「Thunderbirdのメール設定移行」で解説していますので、そちらも参考にしてください。
トラブルシューティング
保存場所に関連するよくあるトラブルと解決法です。
問題1:プロファイルフォルダが見つからない
対処法:
- 「ヘルプ」→「トラブルシューティング情報」から直接開く
- 隠しファイルの表示設定を確認
問題2:容量不足でメールが受信できない
対処法:
- 不要なメールを削除して最適化
- プロファイルフォルダを別のドライブに移動
- 古いメールをアーカイブ
問題3:バックアップから復元したのに動かない
対処法:
- Thunderbirdを完全に終了してから復元したか確認
- profiles.iniファイルも一緒にコピーされているか確認
- プロファイルマネージャーから手動で指定
問題4:プロファイルフォルダが2つある
複数のプロファイルが作られている可能性があります。
対処法:
- プロファイルマネージャーを起動して、どちらを使うか選択
- 不要なプロファイルは削除できる
よくある質問
Q. プロファイルフォルダを削除するとどうなる?
すべてのメール、アカウント設定、アドレス帳が消えます。
削除前に必ずバックアップを取ってください。
Q. メールデータだけを別の場所にバックアップできる?
はい、Mailフォルダやアカウント別のフォルダだけをコピーすることもできます。
ただし、完全な復元にはプロファイルフォルダ全体のバックアップが確実です。
Q. Dropboxなどのクラウドフォルダにプロファイルを置いていい?
おすすめしません。
クラウド同期中にThunderbirdがデータにアクセスすると、ファイルが破損する可能性があります。
バックアップとして保存するのは問題ありませんが、実際に使うプロファイルは同期フォルダ外に置きましょう。
Q. .msfファイルは削除していい?
はい、削除しても大丈夫です。
次回Thunderbird起動時に自動的に再生成されます。
ただし、メールデータ本体(Inbox、Sentなど)は絶対に削除しないでください。
まとめ:定期的なバックアップが大切
Thunderbirdのメールデータ保存場所について、重要なポイントをまとめます。
保存場所の基本:
- すべてのデータはプロファイルフォルダに保存される
- Windows:
%APPDATA%\Thunderbird\Profiles
- Mac:
~/Library/Thunderbird/Profiles
- 「ヘルプ」→「トラブルシューティング情報」から簡単に開ける
バックアップの重要性:
- プロファイルフォルダを定期的にバックアップ
- 外付けドライブやクラウドストレージに保存
- PC故障やデータ消失に備える
容量管理:
- 不要なメールは削除して最適化
- 添付ファイルは別に保存
- 定期的にアーカイブで整理
メールデータは、仕事でもプライベートでも大切な情報がたくさん詰まっています。
定期的なバックアップと適切な管理で、安心してThunderbirdを使い続けましょう!
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