「Thunderbirdを更新したら、表示が変わって使いにくい…」
新しいバージョンのThunderbirdでは、デフォルトの表示が変更されていて、慣れ親しんだクラシック表示(従来の表示)に戻したいと思う方も多いのではないでしょうか。
この記事では、Thunderbirdの表示レイアウトを、使いやすいクラシック表示に切り替える方法と、自分好みにカスタマイズする方法を詳しく解説していきます。
クラシック表示とは

まず、クラシック表示について理解しておきましょう。
クラシック表示(3ペインレイアウト)
クラシック表示とは、Thunderbirdの伝統的な表示方式で、画面が3つのエリアに分かれているレイアウトです。
3つのペイン(区画):
- フォルダペイン(左側):メールアカウントとフォルダの一覧
- メッセージリスト(右上):選択したフォルダ内のメール一覧
- プレビューペイン(右下):選択したメールの本文を表示
この配置により、一度に多くの情報を確認でき、効率的にメールを処理できます。
他の表示モードとの違い
Thunderbirdには、クラシック表示以外にもいくつかの表示モードがあります。
カード表示:
- メール一覧がカード形式で表示される
- 件名や差出人が大きく見やすい
- スマホアプリに近い感覚
ワイド表示:
- プレビューペインが右側に配置される
- 横に広い画面に適している
- 本文を広く表示できる
垂直レイアウト:
- メッセージリストとプレビューペインが上下に配置
- クラシック表示の基本形
クラシック表示に切り替える方法
新しい表示から、クラシック表示に戻す手順です。
手順1:表示モードを変更する
方法1:メニューから変更
- 画面上部のメニューバーで「表示」をクリック
- 「レイアウト」または「メッセージリスト」を選択
- 「クラシック」または「テーブル表示」を選択
方法2:クイック設定から変更
- メッセージリストの上部にある表示切替ボタン(グリッドアイコンやカードアイコン)をクリック
- ドロップダウンメニューから「クラシック」または「テーブルビュー」を選択
手順2:プレビューペインを表示
クラシック表示では、下部にプレビューペインが表示されます。
プレビューペインの表示切替:
- メニューバーの「表示」→「レイアウト」
- 「メッセージペイン」にチェックを入れる
または、F8キーを押すと、プレビューペインの表示/非表示を素早く切り替えられます。
手順3:フォルダペインを表示
左側のフォルダ一覧が非表示になっている場合があります。
フォルダペインの表示:
- メニューバーの「表示」→「レイアウト」
- 「フォルダーペイン」にチェックを入れる
または、F9キーを押すと、フォルダペインの表示/非表示を切り替えられます。
メッセージリストの表示設定
メール一覧の見た目をクラシック表示に近づける設定です。
表示する列(カラム)を設定
メッセージリストには、件名や差出人などの情報が列として表示されます。
列の表示/非表示設定:
- メッセージリストの列見出し部分(「件名」「差出人」など)の右端にあるアイコンをクリック
- または、列見出しを右クリック
- 表示したい項目にチェックを入れる
よく使う列:
- 差出人:メールを送った人
- 宛先:送信先(送信済みフォルダで便利)
- 件名:メールのタイトル
- 日時:受信日時
- サイズ:メールのファイルサイズ
- 添付:添付ファイルの有無(クリップアイコン)
- スター/フラグ:重要マーク
- タグ:ラベル
列の幅を調整
列の幅をドラッグして、見やすくカスタマイズできます。
手順:
- 列見出しの境界線にマウスカーソルを合わせる
- カーソルが⇔に変わったら、ドラッグして幅を調整
列の並び順を変更
手順:
- 列見出しをドラッグして移動
- 好きな順番に並び替え
例:「差出人」→「件名」→「日時」の順番など
スレッド表示の設定
メールのやり取りをまとめて表示する機能です。
スレッド表示とは
スレッド表示とは、同じ件名で続いているメールのやり取りを、ツリー状にまとめて表示する機能です。
メリット:
- 会話の流れが分かりやすい
- メールリストがすっきりする
デメリット:
- 個別のメールが探しにくいことがある
スレッド表示のオン/オフ
手順:
- メニューバーの「表示」→「並べ替え順序」
- 「スレッド」にチェックを入れる/外す
または、メッセージリストの列見出しの右側にあるスレッド表示ボタン(ツリーアイコン)をクリックします。
スレッドを展開/折りたたむ
スレッド表示がオンの場合:
- 展開:スレッドの横にある「▶」をクリック
- 折りたたみ:「▼」をクリック
- すべて展開:メニューから「表示」→「スレッド」→「すべて展開」
- すべて折りたたみ:「表示」→「スレッド」→「すべて折りたたむ」
プレビューペインのレイアウト
プレビューペインの配置を変更できます。
垂直レイアウト(クラシック)
プレビューペインが下部に配置される、最も一般的なレイアウトです。
設定方法:
- 「表示」→「レイアウト」→「垂直ビュー」を選択
メッセージリストが上、プレビューペインが下に表示されます。
ワイドレイアウト
プレビューペインが右側に配置されるレイアウトです。
設定方法:
- 「表示」→「レイアウト」→「ワイドビュー」を選択
横に広いモニターを使っている場合に便利です。
プレビューペインなし
プレビューペインを非表示にして、メッセージリストだけを表示する設定です。
設定方法:
- 「表示」→「レイアウト」→「メッセージペイン」のチェックを外す
- または、F8キーで切り替え
メールをダブルクリックすると、別ウィンドウで開きます。
ツールバーとメニューバーの設定
画面上部のツールバーとメニューバーをカスタマイズします。
メニューバーの表示
新しいバージョンでは、メニューバー(ファイル、編集、表示…)が非表示になっていることがあります。
メニューバーを表示:
- Altキーを一度押すと、一時的にメニューバーが表示される
- 常に表示したい場合:「表示」→「ツールバー」→「メニューバー」にチェック
ツールバーのカスタマイズ
よく使うボタンをツールバーに追加できます。
手順:
- ツールバーの空白部分を右クリック
- 「カスタマイズ」を選択
- カスタマイズ画面が開く
- 追加したいボタンをドラッグしてツールバーに配置
- 不要なボタンは、カスタマイズ画面にドラッグして削除
- 「完了」をクリック
よく使うボタン:
- 新規メール作成
- 返信、全員に返信、転送
- 削除
- 迷惑メール
- アーカイブ
- 検索
ツールバーの位置
ツールバーを上部以外に配置することもできます。
設定方法:
- ツールバーを右クリック→「カスタマイズ」
- ツールバーの位置を選択(上、下、右、左)
密度設定で表示サイズを調整

メッセージリストの行の高さを変更できます。
密度設定とは
密度設定とは、メールのリストの行間や文字の大きさを調整する機能です。
3つの密度:
- コンパクト:行間が狭く、多くのメールを表示できる
- 通常:バランスの取れた標準設定
- ゆったり:行間が広く、見やすい(タッチパネル向け)
密度を変更する方法
手順:
- メニューバーの「表示」→「密度」
- 好みの密度を選択
または、画面右上の設定アイコンから「密度」を選択できる場合もあります。
おすすめの密度
多くのメールを一度に見たい→コンパクト
画面に表示されるメールの件数が増えるため、効率的に処理できます。
見やすさ重視→通常またはゆったり
文字が大きく、誤クリックしにくくなります。
フォルダペインの設定
左側のフォルダ一覧の表示をカスタマイズします。
フォルダの表示モード
すべてのフォルダ:
すべてのフォルダが表示されます(クラシック表示の標準)。
統合フォルダ:
複数アカウントの「受信トレイ」「送信済み」などをまとめて表示します。
切り替え方法:
- フォルダペインの上部にある切替ボタン(「すべて」「統合」)をクリック
- または、「表示」→「フォルダー」→「すべて」または「統合」
フォルダペインの幅を調整
手順:
- フォルダペインとメッセージリストの境界線にマウスを合わせる
- カーソルが⇔に変わったら、ドラッグして幅を調整
フォルダの並び順
フォルダは、デフォルトではアカウント名順に表示されます。
並び替え:
残念ながら、Thunderbirdではフォルダの並び順を自由に変更する標準機能はありません。
アカウントの並び順は、「アカウント設定」で「上へ」「下へ」ボタンを使って変更できます。
配色とテーマの設定
Thunderbirdの見た目を変更できます。
ライトモード・ダークモード
ライトモード:
明るい背景色で、昼間に見やすい
ダークモード:
暗い背景色で、目に優しい
切り替え方法:
- 「設定」→「一般」
- 「言語と外観」セクションで「テーマ」を選択
- 「ライト」「ダーク」「システム」から選択
「システム」を選ぶと、OSの設定に従います。
テーマのカスタマイズ
アドオンで、さまざまなデザインテーマをインストールできます。
手順:
- 「アドオンとテーマ」を開く(Ctrl+Shift+A)
- 「テーマ」タブを選択
- 気に入ったテーマを検索
- 「Thunderbirdに追加」をクリック
- 有効化
メール本文の表示設定
プレビューペインやメール表示のカスタマイズです。
フォントサイズの変更
メール本文のフォントサイズを変更できます。
手順:
- 「設定」→「一般」
- 「言語と外観」セクションで「フォントと配色」→「詳細設定」
- フォントサイズを変更
HTMLメールとテキストメールの切り替え
HTML表示:
装飾付きのメールが正しく表示される
テキスト表示:
装飾なしの文字だけが表示される(セキュリティ重視)
切り替え方法:
- メール表示中に「表示」→「メッセージの表示形式」
- 「オリジナルHTML」または「プレインテキスト」を選択
リモートコンテンツの表示
HTMLメールに含まれる外部画像などを表示するか設定できます。
設定:
- 「設定」→「プライバシーとセキュリティ」
- 「メール内容」セクションで設定
セキュリティのため、デフォルトでは非表示になっています。
ショートカットキーで素早く切り替え
覚えておくと便利なショートカットキーです。
表示関連のショートカット
- F8:プレビューペインの表示/非表示
- F9:フォルダペインの表示/非表示
- Ctrl + Shift + K:メッセージフィルター
- T:スレッド表示のオン/オフ(メッセージリストにフォーカスがある状態)
便利なその他のショートカット
- N:次の未読メールへ移動
- P:前の未読メールへ移動
- Del:メール削除
- Ctrl + R:返信
- Ctrl + Shift + R:全員に返信
- Ctrl + L:転送
よくあるトラブルと解決方法
表示設定でよくある問題と対処法です。
トラブル1:クラシック表示に戻せない
症状:
設定を変更しても、クラシック表示にならない
対処法:
- Thunderbirdを最新版に更新
- 「表示」→「レイアウト」からすべての設定を確認
- プレビューペイン、フォルダペインが表示されているか確認
- Thunderbirdを再起動
トラブル2:列が消えた・表示されない
症状:
メッセージリストに件名や差出人が表示されない
対処法:
- 列見出しを右クリック
- 消えた列(件名、差出人など)にチェックを入れる
- 列の幅が極端に狭くなっていないか確認
トラブル3:フォルダペインが狭すぎる
対処法:
- フォルダペインとメッセージリストの境界線をドラッグして広げる
- 境界線が見つからない場合は、F9キーで一度非表示→再表示
トラブル4:メニューバーが消えた
対処法:
- Altキーを押すと一時的に表示される
- 「表示」→「ツールバー」→「メニューバー」にチェック
トラブル5:設定が元に戻ってしまう
症状:
レイアウト設定を変更しても、次回起動時に元に戻る
対処法:
- プロファイルの設定ファイルが破損している可能性
- Thunderbirdを完全に終了してから設定を変更
session.json
ファイルを削除(プロファイルフォルダ内)- Thunderbirdを再起動
レイアウトをリセットする方法
設定を変更しすぎて元に戻したい場合の方法です。
レイアウトを初期状態に戻す
手順:
- Thunderbirdを完全に終了
- プロファイルフォルダを開く
- 「ヘルプ」→「トラブルシューティング情報」→「フォルダーを開く」
- 以下のファイルを削除(念のためバックアップを取ってから):
- session.json
- xulstore.json
- Thunderbirdを再起動
これで、レイアウトがデフォルトの状態に戻ります。
よくある質問
Q. 旧バージョンのThunderbirdの見た目に完全に戻せる?
A. ほぼ可能ですが、完全には同じになりません。
新しいバージョンでは、内部の仕組みが変わっているため、旧バージョンと完全に同じ見た目にはできません。
ただし、クラシック表示にすることで、かなり近い見た目になります。
Q. カード表示とクラシック表示、どちらが良い?
A. 用途によります。
カード表示:
- 見た目が分かりやすい
- タッチパネルに適している
- 一度に表示できるメール数が少ない
クラシック表示:
- 一度に多くのメールを表示できる
- 従来のメールソフトに慣れている人向け
- 効率的にメールを処理できる
Q. レイアウトを複数保存できる?
A. 標準機能では1つだけです。
Thunderbirdには、レイアウトプリセットを保存する機能はありません。
状況に応じて手動で切り替える必要があります。
Q. スマホアプリでも同じレイアウトになる?
A. いいえ、スマホアプリは別のレイアウトです。
Thunderbirdのスマホアプリ(Android版)は、モバイル向けの独自レイアウトです。
PCとスマホで見た目を統一することはできません。
まとめ:自分に合ったレイアウトで快適に
Thunderbirdのレイアウトは、自分の好みや使い方に合わせてカスタマイズできます。
クラシック表示に戻す手順:
- 「表示」→「レイアウト」→「垂直ビュー」を選択
- 「表示」→「メッセージリスト」→「クラシック」または「テーブルビュー」を選択
- F8キーでプレビューペインを表示
- F9キーでフォルダペインを表示
カスタマイズのポイント:
- メッセージリストの列を自分好みに調整
- 密度設定で見やすさを調整
- ツールバーによく使うボタンを配置
- ショートカットキーで効率アップ
トラブル対策:
- メニューバーが消えたらAltキー
- 設定が保存されない場合はsession.jsonを削除
- レイアウトリセットで初期状態に戻せる
Thunderbirdは、非常に柔軟にカスタマイズできるメールソフトです。
この記事を参考に、あなたにとって最も使いやすいレイアウトを見つけてくださいね!
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