Thunderbirdでメールを検索したとき、検索結果には表示されるのに、クリックすると「メッセージが見つかりませんでした」と表示されて困ったことはありませんか?
メールが存在しているはずなのに開けない、この不思議な現象に遭遇すると、大事なメールが消えてしまったのではないかと心配になりますよね。
実は、この問題はThunderbirdでよく発生するトラブルの一つで、多くの場合は簡単な手順で解決できます。この記事では、その原因と具体的な対処法をわかりやすく解説していきます。
なぜ「メッセージが見つかりませんでした」と表示されるの?

まず、なぜこのような問題が起きるのかを理解しておきましょう。
検索データベースと実際のメールがズレている
Thunderbirdには、メールを素早く検索するためのグローバル検索データベースという仕組みがあります。
これは、すべてのメールの内容を記録した「索引(インデックス)」のようなもので、global-messages-db.sqliteというファイルに保存されています。
検索すると、Thunderbirdはこのデータベースを参照して「このキーワードを含むメールはこれです」と結果を表示します。
しかし、次のような状況でデータベースと実際のメールの場所がズレてしまうことがあります。
- メールを大量に移動したとき
- フォルダを削除したとき
- Thunderbirdが予期せず終了したとき
- データベースファイルが肥大化(1GB以上など)したとき
- メールの最適化を長期間行っていないとき
このズレが原因で、検索結果には表示されるのに、実際にそのメールを開こうとすると「見つかりませんでした」というエラーになるわけです。
つまりメールは消えていない
安心してください。ほとんどの場合、メール自体は消えていません。
データベースの情報が古くなっているだけなので、データベースを作り直せば正常に表示されるようになります。
解決方法1:グローバル検索データベースの再構築
最も効果的な解決方法は、グローバル検索データベースを作り直すことです。
手順
ステップ1:Thunderbirdを起動する
まずThunderbirdを開きます。
ステップ2:トラブルシューティング情報を開く
画面右上の≡(三本線)ボタンをクリックします。
メニューが開いたら、「ヘルプ」を選択し、さらに「トラブルシューティング情報」をクリックします。
ステップ3:プロファイルフォルダを開く
「トラブルシューティング情報」画面が表示されます。
「プロファイルフォルダー」という項目の横にある「フォルダーを開く」ボタンをクリックします。
すると、エクスプローラー(Windowsの場合)でThunderbirdの設定ファイルが保存されているフォルダが開きます。
ステップ4:Thunderbirdを終了する
フォルダが開いたら、一旦Thunderbirdを完全に終了させます。
タスクマネージャーを開いて、Thunderbirdのプロセスが残っていないか確認してください。
ステップ5:データベースファイルを削除する
開いたフォルダの中に、「global-messages-db.sqlite」というファイルがあります。
このファイルを削除します。
注意: ファイル名が似ている他のファイル(特に拡張子がないファイル)は絶対に削除しないでください。メール本体が消えてしまいます。
ステップ6:Thunderbirdを再起動する
Thunderbirdを起動します。
すると、削除したデータベースファイルが自動的に再作成され、すべてのメールの索引を作り直す作業が始まります。
ステップ7:再構築の進捗を確認する
右上の≡(三本線)ボタンから、「ツール」→「イベントログの管理」を選択します。
小さなウィンドウが開き、「メッセージの索引を作成します」というログが表示されます。
このログが出なくなれば、再構築完了です。
所要時間について
再構築にかかる時間は、メールの数によって変わります。
- 少ないメール(数千通):数分程度
- 大量のメール(数万通以上):30分〜1時間以上
再構築中は検索機能が正常に使えないので、時間に余裕があるときに実行しましょう。
解決方法2:フォルダの修復
特定のフォルダだけで問題が起きている場合は、そのフォルダを修復する方法も有効です。
手順
ステップ1:問題のフォルダを特定する
検索結果を見て、メッセージがどのフォルダに入っているはずか確認します。
検索結果画面の左側に「フォルダ」という項目があり、そこに表示されています。
ステップ2:フォルダを右クリック
左側のフォルダ一覧から、問題のフォルダを探して右クリックします。
ステップ3:プロパティを開く
メニューから「プロパティ」を選択します。
ステップ4:フォルダを修復する
プロパティ画面の「全般情報」タブに、「フォルダーを修復」というボタンがあります。
このボタンをクリックすると、フォルダの索引ファイル(.msfファイル)が再作成されます。
ステップ5:最適化を実行する
さらに、同じプロパティ画面で「最適化」ボタンもクリックしておきましょう。
これにより、削除済みメールが完全に除去され、フォルダがスッキリします。
複数のフォルダで問題が起きている場合
複数のフォルダで同じ問題が起きている場合は、それぞれのフォルダに対して同じ操作を繰り返すか、最初に紹介したグローバル検索データベースの再構築を行う方が効率的です。
解決方法3:検索バーが表示されない場合
「メッセージが見つかりませんでした」の前に、そもそも検索バー自体が表示されないという場合もあります。
メニューバーを表示させる
Altキーを押してメニューバーを一時的に表示させます。
「表示」→「ツールバー」→「メニューバー」にチェックを入れると、メニューバーと検索窓が常時表示されるようになります。
グローバル検索を有効にする
設定で検索機能が無効になっている可能性もあります。
- 右上の≡(三本線)ボタンをクリック
- 「設定」を選択
- 左側のメニューから「一般」を選択
- 「索引を作成」という項目を探す
- 「グローバル検索とインデクサーを有効にする」にチェックが入っているか確認
チェックが外れている場合は、チェックを入れて有効にしましょう。
Thunderbirdの検索機能の種類を理解しよう

Thunderbirdには、実は3つの異なる検索方法があります。それぞれ特徴が違うので、状況に応じて使い分けると便利です。
1. グローバル検索(Ctrl + K)
画面右上の検索窓から検索する方法です。
特徴:
- すべてのアカウント、すべてのフォルダから検索できる
- 件名、差出人、本文すべてが検索対象
- 複数のキーワードを入れると、どれか一つでも含むメールがすべて表示される
- ワイルドカード(*)が使える
こんなときに便利:
「どのフォルダに入っているか忘れたけど、キーワードは覚えている」というとき。
2. クイックフィルターバー(Ctrl + Shift + K)
メッセージ一覧の上に表示される検索バーです。
特徴:
- 今開いているフォルダの中だけを検索する
- 件名、差出人、本文など、検索対象を選べる
- 未読メールだけ、添付ファイル付きだけなど、条件を追加できる
こんなときに便利:
「受信トレイの中から、特定の人からのメールだけを表示したい」というとき。
3. 検索ダイアログ(Ctrl + Shift + F)
メニューから「編集」→「検索」→「メッセージを検索」で開く詳細検索画面です。
特徴:
- 複雑な条件を組み合わせて検索できる
- 日付範囲や添付ファイルの有無など、細かい条件を指定できる
- 検索対象のフォルダを選べる
こんなときに便利:
「2023年1月から3月の間に、Aさんから受け取った、添付ファイル付きのメールを探したい」というとき。
問題を予防するための定期メンテナンス
「メッセージが見つかりませんでした」問題を未然に防ぐために、定期的なメンテナンスを心がけましょう。
1. 定期的にフォルダを最適化する
メールを削除しても、実際にはファイルから完全に消えていません。
定期的に最適化を実行して、削除済みメールを完全に除去しましょう。
操作方法:
各フォルダを右クリック → 「プロパティ」 → 「最適化」
2. 不要なメールを整理する
古いメール、迷惑メール、不要なメールマガジンなどは定期的に削除しましょう。
メールの数が多すぎると、データベースが肥大化して問題が起きやすくなります。
3. グローバル検索データベースを定期的に再構築する
特に問題がなくても、年に1〜2回はグローバル検索データベースを再構築するのがおすすめです。
データベースファイルのサイズを確認して、1GBを超えているようなら再構築を検討しましょう。
4. バックアップを取る
万が一のために、定期的にThunderbirdのプロファイルフォルダをバックアップしておきましょう。
プロファイルフォルダ全体をコピーして、外付けハードディスクやクラウドストレージに保存しておくと安心です。
よくある質問
Q1. 再構築したらメールが消えてしまった
A. 検索結果に表示されていたメールが、再構築後に完全に消えてしまうことがあります。
これは、検索結果に表示されていたメールが実際には既に削除されていて、データベースに残骸が残っていただけという状態です。再構築によってデータベースが正常化され、存在しないメールの情報が消えたということです。
本当に必要なメールであれば、削除前のバックアップから復元を検討してください。
Q2. 再構築しても問題が解決しない
A. 次の点を確認してください。
- フォルダの修復も試す
- 特定のフォルダの.msfファイルを削除して再起動
- Thunderbirdを最新バージョンにアップデート
- 最終手段として、新しいプロファイルを作成してメールをインポート
Q3. 再構築中に他の作業はできる?
A. Thunderbirdを使った作業は避けた方が無難です。
再構築中は検索機能が正常に動作しませんし、メールの送受信も影響を受ける可能性があります。時間に余裕があるときに実行しましょう。
Q4. 古いメールは検索できないけど、新しいメールは検索できる
A. グローバル検索の設定で、索引の対象範囲が制限されている可能性があります。
設定 → 一般 → 「索引を作成」の項目を確認し、すべてのメールが索引対象になっているか確認してください。
Q5. 検索結果をリスト表示にしたい
A. グローバル検索の結果画面で、「結果をリスト表示」という文字をクリックすると、見やすいリスト形式に切り替わります。
まとめ
Thunderbirdで「メッセージが見つかりませんでした」と表示される問題は、グローバル検索データベースの破損や肥大化が主な原因です。
解決方法は次の通りです。
- グローバル検索データベースの再構築(最も効果的)
- global-messages-db.sqliteファイルを削除して再起動
- フォルダの修復(特定のフォルダだけの問題の場合)
- フォルダを右クリック → プロパティ → フォルダーを修復
- 定期的なメンテナンス(予防策)
- 不要なメールの削除
- フォルダの最適化
- 定期的なデータベース再構築
ほとんどの場合、データベースを再構築するだけで問題は解決します。時間はかかりますが、難しい操作ではないので、ぜひ試してみてください。
大事なメールを見失わないためにも、定期的なメンテナンスとバックアップを心がけましょう!

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