「メールに添付ファイルがあるはずなのに、Thunderbirdで見えない…」「クリップマークも表示されていない」「相手は送ったと言っているのに、こちらには表示されない」
こんな困った経験、ありませんか?
Thunderbirdで添付ファイルが表示されない問題は、実はかなり多くの人が遭遇するトラブルです。特にMacのメールアプリから送られてきたメールで、この現象が起きやすいんです。
でも安心してください。ほとんどの場合、ファイル自体は届いているので、簡単な設定変更で表示できるようになります。
この記事では、Thunderbirdで添付ファイルが表示されない原因と、その解決方法を初心者の方にもわかりやすく解説します。ビジネスで急ぎのファイルが見えない時も、この記事を読めばすぐに対処できますよ!
添付ファイルが表示されない主な原因

まずは、なぜ添付ファイルが表示されないのか、その原因を理解しましょう。
原因1:メール表示形式の問題(最も多い)
これが最も一般的な原因です。
Thunderbirdには「メールの表示形式」という設定があります。この設定が「プレーンテキスト」になっていると、HTML形式で送られてきたメールの添付ファイルが表示されないことがあるんです。
具体的な状況:
- 送信者がHTML形式でメールを作成
- 受信者がプレーンテキスト形式で表示設定
- 結果:添付ファイルが見えない
特に、Macの標準メールアプリはデフォルトでHTML形式(リッチテキスト)でメールを作成します。そのため、Macユーザーから送られてきたメールで、この問題が起きやすいんです。
原因2:受信トレイの容量オーバー
Thunderbirdの各フォルダには「4GB」という容量制限があります。
容量オーバーによる症状:
- メールは受信できるが、添付ファイルだけ消える
- 一部のメールが正常に表示されない
- 新しいメールが受信できなくなる
長年Thunderbirdを使っていて、メールを整理していないと、この制限に達してしまうことがあります。
原因3:winmail.datファイルの問題
Microsoft Outlookから送られてきたメールで、本来の添付ファイルの代わりに「winmail.dat」という謎のファイルだけが表示されることがあります。
winmail.datとは:
- Outlook特有の形式で送信された添付ファイル
- 他のメールソフトでは正しく表示されない
- Thunderbirdでは専用のアドオンが必要
これは送信者がOutlookの特殊な形式で送ってしまった場合に起きます。
原因4:フォルダの破損
Thunderbirdのメールデータが破損していると、添付ファイルが正しく表示されないことがあります。
破損の原因:
- ウイルス対策ソフトによる干渉
- Thunderbird動作中の強制終了
- ディスクエラー
- アップデート時のトラブル
特にウイルス対策ソフトがThunderbirdのデータをスキャンしている最中に、問題が起きることがあります。
原因5:アドオンの干渉
Thunderbirdに入れているアドオン(拡張機能)が、添付ファイルの表示を妨げている可能性があります。
特に注意:
- Thunderbird Conversationsアドオン
- 古いバージョンのアドオン
- 互換性のないアドオン
便利な機能を追加するアドオンですが、時には問題の原因になることもあります。
解決方法1:表示形式をHTML形式に変更する
最も効果的で簡単な解決方法から説明します。
一時的にHTML形式で表示する
手順:
- 添付ファイルが表示されないメールを開きます
- 画面上部のメニューから「表示」をクリック
- 「メッセージの表示形式」にマウスを合わせます
- 「オリジナルHTML」または「シンプルHTML」を選択
これだけで、添付ファイルが表示されるようになるはずです!
メニューバーが表示されていない場合:
- キーボードの「Alt」キーを押すと、一時的にメニューバーが表示されます
- または、画面右上の三本線(ハンバーガーメニュー)をクリック
- 「表示」→「メッセージの表示形式」と進みます
「オリジナルHTML」と「シンプルHTML」の違い
オリジナルHTML:
- メールの装飾が完全に表示される
- 画像、色、フォントなどがそのまま
- セキュリティリスクはやや高め
シンプルHTML:
- 文字サイズや配置のみの装飾
- 画像などの凝った装飾は表示されない
- セキュリティ的には少し安全
どちらを選ぶべき?
添付ファイルを表示するだけなら、どちらでも問題ありません。セキュリティが心配な方は「シンプルHTML」を選ぶと良いでしょう。
確認ポイント
表示形式を変更したら、以下を確認してください:
- メール一覧のクリップマーク(📎)が表示されたか
- メール下部に添付ファイルのエリアが表示されたか
- ファイル名が正しく表示されているか
セキュリティについて
HTML形式の表示には、セキュリティ上のリスクがあります。
リスク:
- 悪意のあるスクリプトが埋め込まれている可能性
- フィッシング詐欺のリンクが含まれているかも
- トラッキング用の画像が読み込まれる
対策:
- 信頼できる送信者からのメールのみHTML表示
- 添付ファイルを確認したら、プレーンテキストに戻す
- 不審なメールは開かない
解決方法2:デフォルト表示形式を変更する
毎回設定を変えるのが面倒な場合は、デフォルトの表示形式を変更できます。
全体の設定を変更
手順:
- メニューから「ツール」→「設定」を開きます
- 「一般」タブを選択
- 下にスクロールして「設定エディター」をクリック
- 警告が表示されたら「危険性を承知の上で使用する」をクリック
- 検索欄に「mailnews.display.html_as」と入力
- 表示された項目で値を確認:
- 値が「0」: プレーンテキスト表示
- 値が「1」: オリジナルHTML表示
- 値が「2」: シンプルHTML表示
- 値を変更したい場合は、項目をダブルクリックして値を入力
推奨設定
バランス型:
値を「2」(シンプルHTML)に設定すると、セキュリティと利便性のバランスが取れます。
セキュリティ重視:
値を「0」(プレーンテキスト)のままにして、必要な時だけ手動でHTML表示に切り替えます。
特定の送信者だけHTML表示にする
全部をHTML表示にするのは避けたい場合、特定の送信者だけHTML表示にすることもできます。
手順:
- その送信者からのメールを開く
- メールヘッダー部分で送信者の名前をクリック
- 「アドレス帳に追加」を選択
- 「送信形式」で「HTML」を選択
- 「OK」をクリック
これで、この送信者からのメールは自動的にHTML表示されるようになります。
解決方法3:受信トレイの容量を確認・整理する
容量オーバーが原因の場合の対処法です。
現在の容量を確認
手順:
- 受信トレイを右クリック
- 「プロパティ」を選択
- 表示されたフォルダのサイズを確認
3.5GB以上になっていたら、そろそろ限界です。
容量を減らす方法
方法1:不要なメールを削除
- 古いメール、広告メールなどを選択
- Deleteキーで削除
- 「ゴミ箱」フォルダも空にする(右クリック→「ゴミ箱を空にする」)
方法2:メールをアーカイブ
- 保存しておきたいメールを選択
- 「A」キーを押すか、右クリックで「アーカイブ」
- 自動的に年度ごとのフォルダに移動されます
方法3:フォルダを最適化
- メニューから「ツール」→「設定」→「ネットワークとディスク領域」
- 「ディスク領域を合計20MB以上節約できるときはフォルダーを最適化する」にチェック
- 「OK」をクリック
これで、削除済みメールが完全に削除され、容量が確保されます。
添付ファイルだけを保存
大きな添付ファイルをローカルに保存して、メールからは削除する方法もあります。
手順:
- 添付ファイルを右クリック
- 「名前を付けて保存」を選択
- 適切な場所に保存
- メールの添付ファイルを「切り離し」(右クリック→「切り離し」)
解決方法4:winmail.datファイルへの対処
Outlookから送られてきたメールの対処法です。
LookOutアドオンをインストール
手順:
- Thunderbirdを開きます
- メニューから「ツール」→「アドオンとテーマ」を選択
- 検索欄に「LookOut」と入力
- 「LookOut (fix version)」を探してインストール
- Thunderbirdを再起動
これで、winmail.datファイルが自動的に正しい添付ファイルに変換されます。
手動でwinmail.datを開く方法
アドオンを使わない場合は、オンラインツールを使う方法もあります。
手順:
- winmail.datファイルを保存
- 「winmail.dat 変換」で検索
- オンライン変換ツールを使用(Winmail Opener、TNEF’s Enoughなど)
- ファイルをアップロードして変換
ただし、セキュリティの観点から、信頼できるツールのみを使用してください。
解決方法5:フォルダの修復

メールデータが破損している場合の対処法です。
フォルダを修復する
手順:
- 問題が起きているフォルダ(受信トレイなど)を右クリック
- 「プロパティ」を選択
- 「フォルダーを修復」ボタンをクリック
- 「OK」をクリック
- Thunderbirdを再起動
注意:
フォルダの修復により、一部のメールが削除される可能性があります。事前にバックアップを取っておくことをおすすめします。
バックアップの取り方
手順:
- Thunderbirdを終了
- プロファイルフォルダを開く:
- Windows: C:\Users\<ユーザー名>\AppData\Roaming\Thunderbird\Profiles
- Mac: ~/Library/Thunderbird/Profiles
- Linux: ~/.thunderbird
- フォルダ全体を別の場所にコピー
これで万が一の場合も安心です。
ウイルス対策ソフトの除外設定
ウイルス対策ソフトがThunderbirdを干渉しないよう設定します。
一般的な手順:
- ウイルス対策ソフトを開く
- 設定または詳細設定を選択
- 「除外」「例外」「ホワイトリスト」などのメニューを探す
- Thunderbirdのプロファイルフォルダを追加
- 設定を保存
これで、ウイルス対策ソフトがThunderbirdのファイルを壊すリスクが減ります。
解決方法6:アドオンの問題を解決
アドオンが原因の場合の対処法です。
Thunderbird Conversationsアドオンの設定
このアドオンを使っている場合、特定の設定が必要です。
手順:
- 「ツール」→「アドオンとテーマ」を開く
- 「Thunderbird Conversations」を探す
- 「設定」または「オプション」をクリック
- 「I love attachments」にチェックを入れる
- 設定を保存して再起動
これで添付ファイルが表示されるようになります。
アドオンを一時的に無効化してテスト
どのアドオンが原因かわからない場合は、全部無効化してテストします。
手順:
- 「ツール」→「アドオンとテーマ」
- 各アドオンの「無効化」ボタンをクリック
- Thunderbirdを再起動
- 添付ファイルが表示されるか確認
- 表示されたら、アドオンを一つずつ有効化して原因を特定
問題のあるアドオンへの対処
原因のアドオンが特定できたら:
選択肢1:アップデート
- 最新版にアップデートすると解決することがあります
選択肢2:設定変更
- アドオンの設定を見直す
選択肢3:削除
- どうしても解決しない場合は、そのアドオンを削除
解決方法7:Show All Body Partsアドオンを使う
プレーンテキスト表示のまま添付ファイルを見たい場合の解決策です。
アドオンのインストール
手順:
- 「ツール」→「アドオンとテーマ」を開く
- 検索欄に「Show All Body Parts」と入力
- アドオンをインストール
- Thunderbirdを再起動
使い方
手順:
- メニューから「表示」→「メッセージの表示形式」を選択
- 「すべての本文パーツ」を選択
これで、プレーンテキスト表示のまま、すべての添付ファイルが表示されるようになります。
注意点:
この方法だと、メールの本文も複数回表示されるなど、少し見づらくなることがあります。
特定の状況別トラブルシューティング
よくある特定の状況と、その対処法を紹介します。
状況1:Macユーザーからのメールだけ表示されない
原因:
MacのメールアプリがHTML形式で送信していることが多い
確認方法:
- メールを右クリック→「ソースを表示」
- 「X-Mailer: Apple Mail」という記載があれば、Mac標準メールから送信
解決方法:
- メッセージ表示形式を「オリジナルHTML」または「シンプルHTML」に変更
- または送信者に、プレーンテキスト形式で送ってもらうよう依頼
状況2:クリップマークは表示されるが、ファイルが開けない
原因:
- ファイルの拡張子が不正
- ファイルが破損している
- 対応アプリがインストールされていない
解決方法:
- 添付ファイルを一度保存
- ファイル名と拡張子を確認
- 対応するアプリで開く(例:.docxならWord、.pdfならAcrobat Reader)
- それでも開けない場合は、送信者に再送を依頼
状況3:一部のメールだけ添付ファイルが表示されない
原因:
- そのメールだけデータが破損している
- 送信者の送信方法に問題がある
解決方法:
- そのメールを右クリック→「ソースを表示」
- 「Content-Disposition: attachment」という記載があるか確認
- ある場合:フォルダを修復してみる
- ない場合:送信者の送信方法に問題があるので、再送を依頼
状況4:すべてのメールで添付ファイルが表示されなくなった
原因:
- Thunderbirdのアップデート後の不具合
- プロファイルの破損
- 設定の変更
解決方法:
- まず表示形式をHTML形式に変更してテスト
- ダメならThunderbirdを最新版にアップデート
- それでもダメならプロファイルを修復または再作成
予防策:添付ファイルトラブルを防ぐために
今後同じ問題が起きないように、予防策も知っておきましょう。
予防策1:定期的なメール整理
おすすめの習慣:
- 週に一度、不要なメールを削除
- 月に一度、古いメールをアーカイブ
- 大きな添付ファイルは保存して削除
これで容量オーバーを防げます。
予防策2:適切な表示形式の設定
おすすめの設定:
- デフォルトは「シンプルHTML」に設定
- または「プレーンテキスト」のまま、必要に応じて手動切替
- 「Show All Body Parts」アドオンの利用も検討
予防策3:定期的なバックアップ
バックアップのタイミング:
- 重要なメールを受信したら
- 月に一度の定期バックアップ
- Thunderbirdをアップデートする前
予防策4:ウイルス対策ソフトの設定
必須の設定:
- Thunderbirdのプロファイルフォルダを除外リストに追加
- リアルタイムスキャンの対象外にする
これでデータ破損のリスクが大幅に減ります。
よくある質問と回答
Q1: HTMLメールは危険だと聞きました。使っても大丈夫?
回答: 信頼できる送信者からのメールなら問題ありません。
不審なメールはHTML表示せず、削除するのが安全です。どうしても表示する必要がある場合は:
- リンクをクリックしない
- 画像を自動読み込みしない設定にする
- 添付ファイルを確認したらプレーンテキストに戻す
Q2: 添付ファイルが表示されないメールを転送したら、相手は見えますか?
回答: 見える可能性が高いです。
ファイル自体は届いているので、他のメールソフトでは表示されることがあります。ただし、転送前にHTMLI形式で表示して、ファイルが存在することを確認しておくと安心です。
Q3: 毎回HTML形式に切り替えるのが面倒です
回答: デフォルトの表示形式を変更するか、「Show All Body Parts」アドオンを使いましょう。
または、よくメールをやり取りする相手だけ、アドレス帳で「HTML形式」に設定しておくと便利です。
Q4: プレーンテキスト表示のまま添付ファイルを見る方法はありますか?
回答: 「Show All Body Parts」アドオンを使えば可能です。
ただし、メール本文が複数回表示されるなど、少し見づらくなります。完璧な解決策ではありませんが、セキュリティを重視する方には良い選択肢です。
Q5: 送信者に何かお願いすることはできますか?
回答: プレーンテキスト形式で送ってもらうようお願いできます。
特にMacユーザーの場合:
- メール作成画面で「フォーマット」→「プレーンテキストにする」を選択
- または添付ファイルを「インライン」ではなく「通常添付」で送信
ただし、相手に手間をかけることになるので、こちらで対処できるなら、表示形式を変更する方が簡単です。
まとめ
Thunderbirdで添付ファイルが表示されない問題について解説してきました。
主な原因:
- メール表示形式が「プレーンテキスト」になっている(最多)
- 受信トレイの容量オーバー(4GB制限)
- winmail.datファイル(Outlookから送信)
- フォルダの破損
- アドオンの干渉
最も効果的な解決方法:
- 「表示」→「メッセージの表示形式」→「オリジナルHTML」または「シンプルHTML」
- これだけで、ほとんどの場合は解決します
その他の解決方法:
- 受信トレイの容量を確認・整理
- LookOutアドオンでwinmail.datに対応
- フォルダを修復
- アドオンの設定を確認
- Show All Body Partsアドオンを利用
予防策:
- 定期的なメール整理
- 適切な表示形式の設定
- 定期的なバックアップ
- ウイルス対策ソフトの除外設定
大切なポイント:
添付ファイルが見えない場合でも、ほとんどのケースでファイル自体は正常に受信できています。表示されないだけなので、焦って相手に再送を依頼する前に、まず表示形式を変更してみましょう。
特にMacユーザーとのやり取りが多い方は、デフォルトの表示形式を「シンプルHTML」にしておくと、トラブルを予防できます。
セキュリティを重視したい方は、プレーンテキスト表示を維持しつつ、必要な時だけHTML形式に切り替える、または「Show All Body Parts」アドオンを使うのがおすすめです。
メールの添付ファイルは、ビジネスでもプライベートでも重要なやり取りに使われます。この記事の方法を試して、スムーズなメールコミュニケーションを実現してくださいね!
それでも解決しない場合や、頻繁に問題が起きる場合は、Thunderbirdのプロファイルを再作成するか、最新版へのアップデートを検討してみてください。必要に応じて、Thunderbirdの公式サポートフォーラムで質問することもできます。
快適なメール環境で、大切なファイルのやり取りができますように!


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