Thunderbirdアドレス帳の使い方|登録・グループ分け・エクスポートまで完全解説

プログラミング・IT

「Thunderbirdのアドレス帳、なんとなく使ってるけど実はよく分かってない…」

そんな方、意外と多いのではないでしょうか?

Thunderbirdのアドレス帳は、連絡先を登録するだけでなく、グループ分けしたり、一斉メールを送ったり、別のメールソフトにデータを移行したりと、実はかなり便利な機能が揃っています。

この記事では、Thunderbirdのアドレス帳の基本的な使い方から、知っておくと便利な活用テクニックまで詳しく解説していきます。

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  1. Thunderbirdアドレス帳の基本を理解しよう
    1. アドレス帳の開き方
    2. 2種類のアドレス帳を理解する
    3. アドレス帳とアドレスリストの違い
  2. 連絡先を登録する方法
    1. 方法1:アドレス帳から直接登録する
    2. 方法2:受信メールから登録する
    3. 方法3:メール作成画面から登録する
  3. 新しいアドレス帳を追加する(グループ分け)
    1. アドレス帳を追加する手順
    2. グループ分けの活用例
    3. 連絡先を別のアドレス帳に移動する
  4. アドレスリスト(メーリングリスト)を作成する
    1. アドレスリストとは?
    2. アドレスリストを作成する手順
    3. アドレスリストを使ってメールを送る
    4. BCCで一斉送信する場合
    5. アドレスリストのメンバーを編集する
  5. アドレス帳をエクスポートする(バックアップ・移行)
    1. エクスポートの手順
    2. ファイル形式の選び方
    3. 全てのアドレス帳をエクスポートする
  6. アドレス帳をインポートする(データの取り込み)
    1. インポートの手順
    2. インポート時の注意点
  7. Gmailの連絡先と同期する
    1. CardDAV で Gmail 連絡先を同期する手順
    2. アドオンを使った同期方法
  8. メール作成時にアドレス帳を活用する
    1. アドレスサイドバーを表示する
    2. オートコンプリート機能を活用する
    3. 記録用アドレス帳の設定を変更する
  9. よくあるトラブルと解決方法
    1. アドレス帳が表示されない
    2. インポートしたデータが文字化けする
    3. 連絡先の重複を解消したい
    4. Gmail との同期がうまくいかない
  10. アドレス帳のバックアップを定期的に取ろう
    1. バックアップの手順
    2. バックアップの頻度
  11. まとめ
    1. 基本操作
    2. 便利な機能
    3. 覚えておきたいポイント

Thunderbirdアドレス帳の基本を理解しよう

まずは、アドレス帳の基本的な仕組みを押さえておきましょう。

アドレス帳の開き方

アドレス帳を開く方法は複数あります。

方法1:ツールバーから開く

Thunderbirdのメイン画面上部にある「アドレス帳」ボタンをクリックします。

方法2:メニューバーから開く

ツール」→「アドレス帳」の順にクリックします。

方法3:ショートカットキーを使う

Ctrl + Shift + B(Windows/Linux)または Command + Shift + B(Mac)を押します。

2種類のアドレス帳を理解する

Thunderbirdには、最初から2つのアドレス帳が用意されています。

個人用アドレス帳

自分で手動登録した連絡先が保存されます。取引先や友人など、管理したい連絡先はここに登録しましょう。

記録用アドレス帳

メールを送信すると、宛先のメールアドレスが自動的に記録されます。「あの人にメール送ったことあるけど、アドレスなんだっけ?」というときに便利です。

この自動記録機能は、設定で無効にすることもできます。

アドレス帳とアドレスリストの違い

Thunderbirdには「アドレス帳」と「アドレスリスト」という2つの概念があります。少し紛らわしいので、整理しておきましょう。

アドレス帳

連絡先を保存する「箱」のようなもの。「仕事用」「プライベート用」など、用途別に複数作成できます。

アドレスリスト(メーリングリスト)

複数の連絡先をまとめた「グループ」のこと。一斉メールを送るときに便利です。アドレス帳の中に作成します。

イメージ図:

アドレス帳(仕事用)
├── 田中さん
├── 佐藤さん
├── 山田さん
└── アドレスリスト(プロジェクトAチーム)
    ├── 田中さん
    └── 佐藤さん

1つの連絡先を複数のアドレスリストに登録することも可能です。

連絡先を登録する方法

アドレス帳に連絡先を登録する方法を見ていきましょう。

方法1:アドレス帳から直接登録する

最も基本的な方法です。

手順

  1. アドレス帳を開く
  2. 左側のツリーから登録先のアドレス帳(例:個人用アドレス帳)を選択
  3. 新しい連絡先」ボタンをクリック
  4. 連絡先の情報を入力
  5. OK」をクリック

入力できる情報

連絡先には、以下のような情報を登録できます。

  • 名前(姓・名・表示名)
  • メールアドレス(複数登録可能)
  • 電話番号
  • 住所
  • 会社名・部署・役職
  • Webサイト
  • メモ

すべて入力する必要はありません。最低限、表示名メールアドレスがあれば大丈夫です。

方法2:受信メールから登録する

届いたメールの送信者を直接アドレス帳に登録できます。

手順

  1. 登録したい相手から届いたメールを開く
  2. 送信者の名前またはメールアドレスを右クリック
  3. アドレス帳に追加」を選択
  4. 連絡先の詳細を編集して「OK」をクリック

この方法なら、メールアドレスを手入力する手間が省けて便利です。

方法3:メール作成画面から登録する

メールを作成しているときに、宛先をそのままアドレス帳に追加することもできます。

手順

  1. メール作成画面で宛先を入力
  2. 入力した宛先を右クリック
  3. アドレス帳に追加」を選択

新しいアドレス帳を追加する(グループ分け)

連絡先が増えてくると、1つのアドレス帳だけでは管理が大変になってきます。

用途別にアドレス帳を作成して、グループ分けしましょう。

アドレス帳を追加する手順

  1. アドレス帳を開く
  2. メニューバーの「ファイル」→「新規作成」→「アドレス帳」をクリック
  3. アドレス帳の名前を入力(例:「仕事用」「家族」「趣味の友達」など)
  4. OK」をクリック

これで新しいアドレス帳が追加されます。

グループ分けの活用例

  • 仕事用 / プライベート用
  • 取引先 / 社内
  • 家族 / 友人 / 同僚
  • プロジェクトA / プロジェクトB

自分の使い方に合わせて、分かりやすくグループ分けしてみてください。

連絡先を別のアドレス帳に移動する

既存の連絡先を別のアドレス帳に移動したい場合は、以下の方法が使えます。

手順

  1. 移動したい連絡先を選択
  2. そのままドラッグして、左側のツリーにある移動先のアドレス帳にドロップ

または、連絡先を右クリックして「移動」を選択する方法もあります。

アドレスリスト(メーリングリスト)を作成する

複数の人に同じメールを送ることが多いなら、アドレスリストを作成しておくと便利です。

アドレスリストとは?

アドレスリストは、複数の連絡先をまとめた「グループ」のこと。メールの宛先にアドレスリストを指定するだけで、登録したメンバー全員にメールが届きます。

メリット:

  • 宛先を1つずつ入力する手間が省ける
  • 入力ミスや宛先漏れを防げる
  • メンバーの追加・削除も簡単

アドレスリストを作成する手順

  1. アドレス帳を開く
  2. リストを作成したいアドレス帳を右クリック
  3. 新しいリスト」をクリック
  4. リストの名前」を入力(例:「プロジェクトAチーム」「営業部」など)
  5. メンバーのメールアドレスを入力(名前の一部を入力すると候補が表示されます)
  6. OK」をクリック

アドレスリストを使ってメールを送る

手順

  1. メール作成画面を開く
  2. 宛先」欄にアドレスリスト名を入力
  3. 候補から該当のアドレスリストを選択
  4. メールを作成して送信

これだけで、リストに登録された全員にメールが届きます。

BCCで一斉送信する場合

メンバー同士のメールアドレスを見せたくない場合は、BCCを使いましょう。

手順

  1. メール作成画面で、宛先の種類を「宛先」から「BCC」に変更
  2. アドレスリストを指定して送信

これで、受信者には他のメンバーのアドレスが表示されません。

アドレスリストのメンバーを編集する

メンバーを追加する

  1. アドレス帳を開く
  2. 該当のアドレスリストをダブルクリック
  3. 追加したいメンバーのメールアドレスを入力
  4. OK」をクリック

メンバーを削除する

  1. アドレスリストをクリックして中身を表示
  2. 削除したいメンバーを右クリック
  3. 削除」を選択

注意: アドレスリストからメンバーを削除しても、アドレス帳の連絡先自体は削除されません。

アドレス帳をエクスポートする(バックアップ・移行)

パソコンの買い替えや、他のメールソフトへの移行時には、アドレス帳のエクスポートが必要です。

エクスポートの手順

  1. アドレス帳を開く
  2. エクスポートしたいアドレス帳を右クリック(例:個人用アドレス帳)
  3. エクスポート」をクリック
  4. 保存先とファイル名を指定
  5. ファイルの種類を選択(通常は「カンマ区切り(CSV)」を選択)
  6. 保存」をクリック

ファイル形式の選び方

エクスポート時に選べるファイル形式には、主に以下があります。

CSV形式(カンマ区切り)

最も一般的な形式。Excel で開いて編集したり、他のメールソフトにインポートしたりするのに便利です。Outlook や Gmail への移行にも対応しています。

LDIF形式

Thunderbird やその他の LDAP 対応ソフトとの互換性が高い形式。Thunderbird 同士でのデータ移行に向いています。

vCard形式(.vcf)

スマートフォンや他のメールソフトとの互換性が高い形式。1件ずつの連絡先をエクスポートする際に使われることが多いです。

迷ったら「CSV形式」を選んでおけば間違いありません。

全てのアドレス帳をエクスポートする

複数のアドレス帳を一括でエクスポートしたい場合は、「すべてのアドレス帳」を選択してエクスポートします。

ただし、個別にエクスポートした方がファイル管理がしやすいケースもあるので、用途に応じて使い分けてください。

アドレス帳をインポートする(データの取り込み)

他のメールソフトや CSV ファイルから、連絡先を Thunderbird にインポートする方法です。

インポートの手順

  1. アドレス帳を開く
  2. メニューバーの「ツール」→「インポート」をクリック
  3. アドレス帳」を選択して「次へ
  4. インポート元のファイル形式を選択
  • テキストファイル(LDIF, CSV, TAB, TXT)
  • vCard ファイル
  1. インポートするファイルを選択
  2. フィールドの対応付けを確認して「次へ
  3. 完了」をクリック

インポート時の注意点

文字化けに注意

CSV ファイルをインポートする際、文字コードの違いで文字化けすることがあります。

文字化けした場合は、元の CSV ファイルを開いて文字コードを「UTF-8」に変換してから再度インポートしてみてください。

フィールドの対応付けを確認

インポート元とThunderbirdでは、項目名が異なることがあります。

例えば、インポート元の「氏名」がThunderbirdの「表示名」に対応しているか、画面で確認しながら進めましょう。

空白行があるとエラーになることも

CSV ファイルの途中に空白行があると、それ以降のデータがインポートされないことがあります。事前にExcelなどで空白行を削除しておきましょう。

Gmailの連絡先と同期する

Thunderbird と Gmail の連絡先を同期させたい方も多いはず。

Thunderbird 91 以降では、CardDAV という機能を使って Gmail の連絡先と同期できます。

CardDAV で Gmail 連絡先を同期する手順

手順

  1. アドレス帳を開く
  2. ファイル」→「新規作成」→「CardDAV アドレス帳」をクリック
  3. ユーザー名」に Gmail アドレスを入力
  4. 場所」に以下の URL を入力:
https://www.googleapis.com/carddav/v1/principals/あなたのGmailアドレス/lists/default/

(「あなたのGmailアドレス」の部分は実際のアドレスに置き換えてください)

  1. 続行」をクリック
  2. Google アカウントの認証画面が表示されるのでログイン
  3. アクセスを許可

これで Gmail の連絡先が Thunderbird に同期されます。

アドオンを使った同期方法

より高度な同期を行いたい場合は、以下のアドオンも便利です。

CardBook

CardDAV と vCard をベースにした高機能なアドレス帳アドオン。Gmail や iCloud など、様々なサービスと同期できます。

TbSync

Google、Microsoft 365、CalDAV/CardDAV など、複数のクラウドサービスとの同期を一元管理できるアドオンです。

gContactSync

Gmail の連絡先との同期に特化したアドオン。シンプルに Gmail だけと同期したい場合に便利です。

アドオンは「ツール」→「アドオンとテーマ」からインストールできます。

メール作成時にアドレス帳を活用する

メールを作成するときに、アドレス帳を効率的に使う方法を紹介します。

アドレスサイドバーを表示する

メール作成画面で、アドレス帳をサイドバーとして表示できます。

手順

  1. メール作成画面を開く
  2. 表示」→「アドレスサイドバー」をクリック

左側にアドレス帳が表示され、連絡先をダブルクリックするだけで宛先に追加できます。

オートコンプリート機能を活用する

宛先欄に名前やメールアドレスの一部を入力すると、アドレス帳から候補が自動表示されます。

この機能を活用すれば、いちいちアドレス帳を開かなくても、素早く宛先を入力できます。

記録用アドレス帳の設定を変更する

送信したメールの宛先を自動で記録するかどうかは、設定で変更できます。

手順

  1. ツール」→「オプション」をクリック
  2. 編集」→「アドレス入力」を選択
  3. 送信メールのアドレスを次に自動で追加:」の設定を確認
  4. 記録したくない場合は「なし」を選択

よくあるトラブルと解決方法

Thunderbird のアドレス帳でよくあるトラブルと、その解決方法をまとめました。

アドレス帳が表示されない

原因: 表示設定の問題、またはプロファイルの破損

解決方法:

  1. メニューバーが表示されていない場合は、上部の空白部分を右クリックして「メニューバー」にチェック
  2. ツール」→「アドレス帳」で開く
  3. それでも開かない場合は、Thunderbird をセーフモードで起動してみる

インポートしたデータが文字化けする

原因: ファイルの文字コードが合っていない

解決方法:

  1. インポート元の CSV ファイルをメモ帳などで開く
  2. 名前を付けて保存」で文字コードを「UTF-8」に変更
  3. 再度インポートを試す

連絡先の重複を解消したい

原因: 複数回インポートしたなどで、同じ連絡先が重複登録されている

解決方法:

  1. Duplicate Contacts Manager」というアドオンをインストール
  2. アドオンが重複した連絡先を検出してくれる
  3. 不要な方を削除

Gmail との同期がうまくいかない

原因: 認証の問題、Cookie の設定など

解決方法:

  1. Thunderbird の「オプション」→「プライバシーとセキュリティ」を開く
  2. Cookie を受け入れる」が有効になっているか確認
  3. 一度ログアウトして再度認証を行う
  4. うまくいかない場合は、CardBook などのアドオンを試す

アドレス帳のバックアップを定期的に取ろう

連絡先データは大切な資産です。定期的にバックアップを取っておきましょう。

バックアップの手順

  1. アドレス帳を開く
  2. 各アドレス帳を右クリック→「エクスポート
  3. CSV 形式で保存
  4. 安全な場所(外付けHDD、クラウドストレージなど)に保管

バックアップの頻度

  • 連絡先をよく追加・編集する方:月1回程度
  • あまり変更しない方:3ヶ月に1回程度

大切なデータが消えてしまってからでは遅いので、習慣化しておくことをおすすめします。

まとめ

Thunderbird のアドレス帳について、基本から応用まで解説してきました。

基本操作

  • アドレス帳を開く:Ctrl + Shift + B
  • 連絡先を登録:「新しい連絡先」ボタン or 受信メールから右クリック
  • アドレス帳を追加:「ファイル」→「新規作成」→「アドレス帳」

便利な機能

  • アドレスリスト:グループで一斉メールを送れる
  • エクスポート/インポート:バックアップや移行に必須
  • Gmail 同期:CardDAV またはアドオンで対応

覚えておきたいポイント

  • 「アドレス帳」は連絡先の入れ物、「アドレスリスト」はグループ
  • エクスポートは CSV 形式が汎用性が高い
  • 定期的なバックアップを忘れずに

アドレス帳を上手に活用すれば、メールの送信がぐっと楽になります。ぜひこの記事を参考に、Thunderbird のアドレス帳を使いこなしてみてください!

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