Thunderbird(サンダーバード)を使っていて、メールは送信できるのに送信済みトレイに保存されない…そんな困った経験はありませんか?
「メッセージは送信されましたが、コピーは送信済みフォルダーに保存されませんでした」というエラーメッセージが表示されると、本当に焦りますよね。
でも安心してください。この問題は比較的よくあるトラブルで、ほとんどの場合は自分で解決できるんです。
この記事では、Thunderbirdで送信済みトレイに保存できない原因を詳しく説明し、確実に解決できる方法を順番に紹介していきます。
よく出るエラーメッセージ

送信済みトレイに保存できないとき、こんなエラーメッセージが表示されることが多いです。
エラーメッセージ1
「新着メッセージをダウンロードするのに充分なディスク領域がありません。古いメールを削除、ゴミ箱を空にする、メールフォルダーを最適化するなどして再試行してください」
これは容量不足を示すメッセージです。
エラーメッセージ2
「メッセージは送信されましたがコピーは送信済みフォルダー(送信済みトレイ)に保存されませんでした。ネットワークエラーまたはファイルアクセスエラーが原因です」
これは最も一般的なエラーで、実際にはネットワークの問題ではなく、フォルダ設定の問題であることが多いです。
エラーメッセージ3
「送信済みアイテムに保存できませんでした」(Microsoft 365の場合)
これはMicrosoft 365のメールアカウントを使っている場合に表示されることがあります。
保存できない主な原因
送信済みトレイに保存できない原因は、主に以下の5つです。
原因1:フォルダ名の問題(最も多い)
これが最も頻繁に起こる原因です。
Thunderbirdの内部では、送信済みトレイは「Sent」という名前で管理されています。しかし、何らかの理由でフォルダ名が日本語の「送信済みトレイ」になってしまうと、正常に保存できなくなるんです。
この場合、送信済みトレイのアイコンが通常の紙飛行機マークではなく、普通のフォルダアイコンになっているはずです。
原因2:4GB容量制限に達している
Thunderbirdのメールフォルダには、1つあたり4GBという容量制限があります。
送信済みトレイが4GBを超えると、新しいメールを保存できなくなります。長年使っていて、大きな添付ファイル付きのメールをたくさん送っている場合は、この制限に引っかかることがあるんです。
原因3:アカウント設定のチェックが外れている
「送信控えと特別なフォルダー」の設定で、「メッセージ送信時に自動的にコピーを作成する」のチェックが外れていると、当然ながら保存されません。
アップデート後に設定が変わってしまうこともあります。
原因4:IMAP/POP切り替え時の設定ミス
メール受信方式をIMAPからPOPに変更したり、その逆を行ったりした後に、保存先の設定が正しく引き継がれないことがあります。
原因5:Microsoft 365との互換性問題
Microsoft 365のメールアカウントを使っている場合、Thunderbirdの「送信済みトレイ」とMicrosoft 365の「送信済みアイテム」でフォルダ名が異なるため、保存に失敗することがあります。
【解決方法1】フォルダ名を「Sent」に変更する(最重要)
これが最も効果的な解決方法です。約7割の問題がこれで解決します。
ステップ1:フォルダのアイコンを確認
画面左側のフォルダ一覧で、送信済みトレイのアイコンを見てください。
- 正常な場合:紙飛行機のアイコン
- 問題がある場合:普通のフォルダアイコン
普通のフォルダアイコンになっている場合は、次のステップに進みます。
ステップ2:Thunderbirdを完全に終了
重要:この作業を行う前に、必ずThunderbirdを完全に閉じてください。
ステップ3:エクスプローラーでファイルを探す
- エクスプローラーを開く
- 上部の「表示」タブをクリック
- 「隠しファイル」と「ファイル名拡張子」にチェックを入れる
- 以下の順番でフォルダを開いていく:
PC → C:ドライブ → ユーザー → (あなたのユーザー名)
→ AppData → Roaming → Thunderbird → Profiles
→ (ランダムな文字列のフォルダ) → Mail
→ (メールサーバー名のフォルダ)
- この中に「送信済みトレイ」という名前のファイル(拡張子なし)があるはずです
ステップ4:ファイル名を変更
- 「送信済みトレイ」ファイルを右クリック
- 「名前の変更」を選択
- 「Sent」に変更する
- 半角英数字で入力
- 最初の「S」は大文字
- 拡張子はつけない
- 同じ場所に「送信済みトレイ.msf」というファイルがあれば、それも「Sent.msf」に変更
ステップ5:Thunderbirdを再起動
- Thunderbirdを起動する
- 送信済みトレイのアイコンが紙飛行機マークに変わっているか確認
- テストメールを送信して、正常に保存されるか確認
これで問題が解決するはずです!
【解決方法2】4GB容量制限を解消する

フォルダの容量が4GBを超えている場合は、以下の方法で容量を減らしましょう。
方法A:フォルダの最適化(推奨)
「最適化」を実行すると、削除済みメールの痕跡を完全に消去して、実際の容量を減らすことができます。
手順:
- 送信済みトレイを右クリック
- 「最適化」をクリック
- 処理が完了するまで待つ
これだけで、数百MB~数GBの容量が解放されることがあります。
方法B:古いメールを削除
- 送信済みトレイを開く
- 「日付」の列をクリックして、古い順に並べ替え
- 不要な古いメール(例:3年以上前のメール)を選択
- 削除する
- ゴミ箱を右クリックして「ゴミ箱を空にする」を実行
注意:削除する前に、重要なメールがないか必ず確認してください。
方法C:大きな添付ファイル付きメールを削除
- 送信済みトレイを開く
- 「サイズ」の列をクリックして、大きい順に並べ替え
- 大きな添付ファイル付きのメールを確認
- 不要なものを削除
添付ファイルが大きいメールは、1通で数十MBになることもあります。
方法D:メールをローカルフォルダに移動
重要なメールを保管したまま容量を減らしたい場合は、ローカルフォルダに移動させましょう。
手順:
- 画面左下の「ローカルフォルダ」を右クリック
- 「新しいフォルダー」をクリック
- 「アーカイブ_送信済み」などの名前をつける
- 送信済みトレイから古いメールを選択
- 新しく作ったフォルダにドラッグ&ドロップ
これでサーバーやメールアカウントからは削除されますが、パソコン内には残ります。
【解決方法3】アカウント設定を確認する
設定が正しいか確認しましょう。
手順:
- Thunderbirdを開く
- 右上の「≡」(メニューボタン)をクリック
- 「アカウント設定」をクリック
- 左側で問題のあるメールアカウントを選択
- 「送信控えと特別なフォルダー」をクリック
- 以下を確認:
- 「メッセージ送信時に自動的にコピーを作成する」にチェックが入っているか
- 「次のアカウントの”送信済みトレイ”フォルダー」が選択されているか
- 該当するメールアドレスが指定されているか
- 問題があれば修正して「OK」をクリック
- Thunderbirdを再起動
【解決方法4】保存先を手動で指定する
IMAP/POPの切り替え後などで問題が起きた場合は、保存先を手動で指定しましょう。
手順:
- 「アカウント設定」を開く
- 「送信控えと特別なフォルダー」を選択
- 「メッセージ送信時に自動的にコピーを作成する」にチェック
- 「その他のフォルダーを指定する」を選択
- 右側のボタンをクリックして、保存したい送信済みトレイを指定
- 「OK」をクリックして保存
【解決方法5】Microsoft 365の場合の対処法
Microsoft 365のメールアカウントを使っている場合は、以下の設定が必要です。
手順:
- 送信済みトレイ(または「Send」フォルダ)を右クリック
- 「プロパティ」をクリック
- フォルダ名を確認
- 「送信済みアイテム」というフォルダがある場合は、そちらを使用するよう設定を変更
- アカウント設定の「送信控えと特別なフォルダー」で、「送信済みアイテム」を指定
容量を確認する方法
送信済みトレイの現在の容量を確認したい場合は、以下の手順で確認できます。
手順:
- 送信済みトレイを右クリック
- 「プロパティ」をクリック
- 表示されるウィンドウで容量を確認
4GBに近い(例:3.8GB以上)場合は、容量オーバーの可能性が高いです。
よくある質問(Q&A)
Q1:メールは送信されているのでしょうか?
A:はい、メールは相手に正常に届いています。問題は「送信後の控えの保存」だけなので、送信自体は成功しています。
Q2:ファイル名を「Sent」に変更しても解決しません
A:以下を試してください:
- 「Sent.msf」ファイルも変更したか確認
- Thunderbirdを完全に再起動したか確認
- それでもダメなら、一度Sentファイルを別の場所にバックアップして、Thunderbirdを起動し、新しく送信済みトレイを作り直す
Q3:間違って重要なファイルを削除してしまいそうで怖いです
A:作業前に必ずバックアップを取りましょう。
- Profilesフォルダ全体を別の場所(デスクトップなど)にコピー
- 作業を行う
- 問題が起きたら、コピーしたフォルダを元の場所に戻す
Q4:最適化しようとすると「他の作業を行なっているため後ほどお試しください」と出ます
A:以下を試してください:
- Thunderbirdを完全に終了
- タスクマネージャーでThunderbirdのプロセスが残っていないか確認(残っていたら終了させる)
- Thunderbirdを再起動して、すぐに最適化を実行
Q5:複数のメールアカウントを使っていますが、全部で同じ問題が起きています
A:各アカウントごとに、個別に解決方法1〜5を実行してください。アカウントごとに設定が独立しているため、まとめて修正することはできません。
予防策:今後同じ問題を起こさないために

一度解決したら、今後同じ問題を起こさないように以下の習慣をつけましょう。
定期的なメンテナンスを実施
月に1回程度:
- ゴミ箱を空にする
- 各フォルダを最適化する
- 不要な古いメールを削除
3ヶ月に1回程度:
- 容量を確認する
- 1年以上前の不要なメールを整理
自動最適化を有効にする
手順:
- 右上の「≡」メニューから「設定」をクリック
- 「ネットワークとディスク領域」をクリック
- 「ディスク領域」セクションで、「メッセージを圧縮する設定容量を超えた場合」にチェック
- 数値を設定(例:100MB)
これで、設定した容量を超えると自動的に最適化が実行されます。
大きな添付ファイルはクラウドを活用
送信する際に大きな添付ファイルがある場合は、GoogleドライブやOneDriveなどのクラウドストレージを使い、リンクを送る方法を検討しましょう。
これで送信済みトレイの容量を大幅に節約できます。
まとめ
Thunderbirdで送信済みトレイに保存できない問題は、以下の原因で発生します:
- フォルダ名が「Sent」ではない(最多)
- 4GB容量制限に達している
- アカウント設定のチェック外れ
- IMAP/POP切り替え時の設定ミス
- Microsoft 365との互換性問題
最も効果的な解決方法は「フォルダ名をSentに変更する」ことです。
約7割のケースはこれで解決できます。それでもダメな場合は、容量制限や設定の問題を順番に確認していきましょう。
この記事の手順に従えば、ほとんどの問題は自分で解決できるはずです。定期的なメンテナンスを心がけて、快適なメール環境を維持してくださいね!
もし全ての方法を試してもダメな場合は、プロファイルの破損が考えられます。その場合は、新しいプロファイルを作成してメールアカウントを設定し直すことを検討してください。

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