Thunderbirdをダウンロードしようとしたとき、「Release」「ESR」「Beta」など、いくつかのバージョンがあって「どれを選べばいいの?」と迷ったことはありませんか?
また、プロファイルフォルダを見たときに「.default-release」という名前がついていて、「このreleaseって何?」と疑問に思った方もいるかもしれません。
この記事では、Thunderbirdのリリースチャンネルの違いや、それぞれの特徴を分かりやすく解説していきます。
Thunderbirdの3つのリリースチャンネル

Thunderbirdには、主に3つのバージョン(リリースチャンネル)があります。
1. Release版(通常版)
最も安定した一般ユーザー向けのバージョンです。
- 正式リリース版で、動作が安定している
- 新機能や改善が定期的に追加される
- 通常、6~8週間ごとにアップデートされる
- 個人利用・ビジネス利用どちらにも適している
こんな人におすすめ:
普通にメールを使いたい方、安定性を重視する方
2. ESR版(Extended Support Release)
長期サポート版で、企業や組織向けに作られたバージョンです。
- アップデートの頻度が少ない(約1年に1回の大型更新)
- セキュリティ修正は随時適用される
- 機能の大きな変更が少なく、安定性を最優先
- 企業の情報システム部門が管理しやすい
こんな人におすすめ:
頻繁なアップデートを避けたい企業ユーザー、安定性を何より重視する方
3. Beta版(ベータ版)
テスト中の新機能を試せる開発版です。
- 正式リリース前の機能を体験できる
- バグや不具合が含まれる可能性がある
- 最新機能をいち早く使いたい開発者やテスター向け
- フィードバックを開発チームに送ることができる
こんな人におすすめ:
新機能を試したい方、開発に協力したい方(日常業務には非推奨)
Release版とESR版の詳しい比較
多くの方が迷うのが、「Release版」と「ESR版」のどちらを選ぶかという点です。
アップデート頻度の違い
Release版:
- 6~8週間ごとに新バージョンがリリースされる
- 新機能や改善がどんどん追加される
- 常に最新の機能を使える
ESR版:
- 約1年ごとにメジャーアップデート
- その間はセキュリティ修正のみ適用
- 機能や見た目の変化が少ない
サポート期間の違い
Release版:
次のバージョンがリリースされるまでサポート(約6~8週間)
ESR版:
約1年間のサポート期間があり、次のESR版リリース後も数ヶ月は併存してサポートされます
どちらを選ぶべき?
一般的な個人ユーザー → Release版
- 最新機能を使いたい
- こまめなアップデートが気にならない
- 新しいUIや機能改善を楽しみたい
企業ユーザー・安定重視の方 → ESR版
- 業務で使うため安定性が最優先
- アップデートによる環境変化を最小限にしたい
- 大量のPCを管理している
「.default-release」の意味とは?
Thunderbirdのプロファイルフォルダ名に「.default-release」という文字がついているのを見たことがあるでしょうか?
プロファイル名の構造
プロファイルフォルダ名は、通常このような形式になっています:
xxxxxxxx.default-release
- xxxxxxxx:ランダムな8文字の英数字(プロファイルを識別するID)
- default:デフォルトプロファイルであることを示す
- release:Release版(通常版)のThunderbirdで作成されたプロファイルという意味
なぜ「release」がつくの?
Thunderbird 68以降、リリースチャンネルごとに専用のプロファイルを作成する仕組みが導入されました。
これにより、異なるバージョンのThunderbirdを同時にインストールしても、プロファイルが混在しないようになったんです。
他のプロファイル名の例
.default-release
:Release版用.default-esr
:ESR版用.default-beta
:Beta版用.default
:古いバージョンのThunderbird用
バージョン番号の見方
Thunderbirdのバージョン番号は、このような形式になっています:
例:128.0.1esr
数字の意味
- 128:メジャーバージョン番号
- 0:マイナーアップデート番号
- 1:パッチ番号(バグ修正など)
- esr:ESR版であることを示す(Release版には付かない)
バージョンの確認方法
Thunderbirdを起動して、以下の手順で確認できます:
- メニューバーから「ヘルプ」を選択
- 「Thunderbirdについて」をクリック
- バージョン番号が表示される
複数のバージョンを同時に使える?
結論から言うと、同時インストールは可能ですが、注意点があります。
同時インストールのポイント
異なるインストールフォルダに入れる
Release版とESR版を別々のフォルダにインストールすれば、共存できます
プロファイルは自動的に分離される
前述の通り、プロファイル名に「release」「esr」が付くため、データが混ざることはありません
同時起動はできない
同じプロファイルを2つのバージョンで同時に開くことはできません
同時使用が必要なケース
- 業務用にESR版、個人用にRelease版を使い分けたい
- 新バージョンのテストをしたい
- 段階的な移行を行いたい
こういった場合に、複数バージョンの共存が便利です。
バージョンアップの注意点
Release版からESR版への切り替え
Release版を使っていて、ESR版に切り替えたい場合:
ダウングレードになることがある
Release版の方がバージョン番号が新しい場合、ESR版に切り替えるとバージョンが下がる可能性があります
プロファイルの互換性
新しいバージョンで作成したプロファイルは、古いバージョンでは開けないことがあるため、慎重に行いましょう
ESR版からRelease版への切り替え
こちらはバージョンアップになるため、比較的スムーズに移行できます。
ただし、新機能が追加されることで、見た目や操作方法が変わる可能性があります。
セキュリティアップデートについて
どのバージョンを選んでも、セキュリティ更新は迅速に提供されます。
自動アップデート機能
Thunderbirdには自動アップデート機能があり、セキュリティ上の問題が発見されると、すぐに修正版がリリースされます。
設定の確認方法:
- 「設定」または「オプション」を開く
- 「一般」タブを選択
- 「更新」セクションで自動更新が有効か確認
手動アップデートも可能
自動更新を無効にしている場合でも、「ヘルプ」→「Thunderbirdについて」から手動で更新できます。
ダウンロード方法と選び方
公式サイトからのダウンロード
Release版:
公式サイト(https://www.thunderbird.net/ja/)のトップページから「無料ダウンロード」ボタンでダウンロードできます
ESR版:
公式サイトの「システムと言語」のリンクから、ESR版を選択してダウンロードできます
Beta版:
開発者向けページから入手できます(日常使用には推奨されません)
どのバージョンを選ぶべきか?
迷ったらRelease版でOK
一般的な個人ユーザーなら、Release版が最もバランスが良い選択です
企業環境ならESR版
IT管理者がいる企業や、業務で使う場合はESR版が安心です
新機能を試したい人はBeta版
ただし、メインのメール環境としては使わず、テスト用に限定しましょう
よくある質問
Q. Release版とESR版でメール機能に違いはある?
基本的なメール機能(送受信、フィルタ、アドレス帳など)に違いはありません。
違いは主に、新機能の追加タイミングとアップデート頻度です。
Q. Release版からESR版に乗り換えたらデータは消える?
プロファイルを正しく移行すれば、メールデータや設定はそのまま引き継がれます。
ただし、バージョンのダウングレードになる場合は、念のためバックアップを取ってから行いましょう。
Q. アップデートは必ずしないとダメ?
セキュリティ上の理由から、アップデートは強く推奨されます。
特に、個人情報やビジネスメールを扱う場合、古いバージョンを使い続けるのはリスクがあります。
まとめ:自分に合ったThunderbirdバージョンを選ぼう
Thunderbirdのリリースチャンネルは、それぞれ異なる目的で提供されています。
選び方のポイント:
- 普通に使いたい → Release版
- 安定性重視 → ESR版
- 新機能を試したい → Beta版(テスト用のみ)
どのバージョンも無料で利用でき、基本的なメール機能に違いはありません。
自分の使い方や環境に合わせて、最適なバージョンを選んでくださいね。
そして、どのバージョンを選んでも、セキュリティアップデートは必ず適用して、安全にThunderbirdを使いましょう!
コメント