メールソフトのThunderbirdを使おうと思ったけど、「Release」「Beta」「ESR」など、いくつもバージョンがあって迷っていませんか?
実は、これらのバージョンにはそれぞれ明確な役割があります。自分に合ったバージョンを選ばないと、突然の不具合に悩まされたり、逆に新機能を使えなかったりすることも。
この記事では、Thunderbirdの各リリース版の違いを初心者にも分かりやすく解説します。読み終わる頃には、あなたにピッタリのバージョンが見つかるはずです!
そもそもThunderbirdって何?

Thunderbird(サンダーバード)は、Mozilla財団が開発している無料のメールクライアントソフトです。
メールクライアントとは?
簡単に言えば、パソコンでメールを送受信するためのアプリケーションのこと。GmailなどのWebメールと違って、パソコンにインストールして使います。
Thunderbirdの主な特徴は以下の通りです:
- 完全無料で使える
- Windows、Mac、Linuxで利用可能
- 複数のメールアカウントを一元管理できる
- カレンダー機能も搭載
- オープンソースで安全性が高い
Thunderbirdの4つのリリース版
Thunderbirdには主に4つのバージョンがあります。それぞれ更新頻度、安定性、対象ユーザーが異なるんです。
1. Release版(安定版)- 一般ユーザー向け
Release版は最も一般的な安定版です。
特徴:
- 最も安定していて信頼性が高い
- 十分にテストされた機能のみが搭載されている
- 定期的にアップデートがある(月に1回程度)
- バグや不具合が最も少ない
こんな人におすすめ:
- 初めてThunderbirdを使う人
- 仕事で毎日使う人
- 安定性を最優先したい人
更新サイクル:
約4〜6週間ごとに新バージョンがリリースされます。
2. ESR版(Extended Support Release)- 企業・組織向け
ESR版は長期サポート版として提供されています。
特徴:
- 大きな機能変更が少ない
- セキュリティアップデートのみが定期的に提供される
- 約1年間同じメジャーバージョンを使い続けられる
- 企業での大規模導入に適している
こんな人におすすめ:
- 企業や学校などの組織で使う人
- 頻繁なアップデートを避けたい人
- 安定した環境を長期間維持したい人
更新サイクル:
メジャーアップデートは約1年に1回。セキュリティパッチは定期的に提供されます。
3. Beta版(ベータ版)- テスター向け
Beta版は正式リリース前のテスト版です。
特徴:
- 次のRelease版に搭載予定の新機能を先行体験できる
- Release版より数週間先行している
- ある程度安定しているが、時々バグがある可能性も
- フィードバックを送ることで開発に貢献できる
こんな人におすすめ:
- 新機能をいち早く試したい人
- ある程度のリスクを理解している人
- 開発に協力したい人
更新サイクル:
Release版と同じく4〜6週間ごとですが、常にRelease版の1バージョン先を行きます。
4. Daily版(Nightly版)- 開発者向け
Daily版は毎日更新される開発中のバージョンです。
特徴:
- 最新の開発コードが毎日反映される
- 最も不安定で、重大なバグが含まれることもある
- 開発者やテスターが使用するもの
- 一般ユーザーにはおすすめできない
こんな人におすすめ:
- Thunderbirdの開発に参加している人
- バグレポートができる技術を持っている人
- 最先端の開発状況を追いたい人
更新サイクル:
毎日更新されます。
Release版とESR版の主な違い
多くの人が迷うのが、Release版とESR版のどちらを選ぶかという点です。
機能面での違い
Release版:
- 新機能が随時追加される
- 最新のUI(ユーザーインターフェース)が使える
- 新しい技術に対応するのが早い
ESR版:
- 新機能の追加は最小限
- UIの大きな変更がない
- 既存機能の安定性を重視
セキュリティ面での違い
実は、セキュリティアップデートはどちらも同じタイミングで提供されます。
つまり、セキュリティ面ではRelease版もESR版も同等に安全です。
アップデート頻度の違い
Release版:
- 月に1回程度の頻度でアップデート
- 機能追加やUI改善が含まれることがある
ESR版:
- セキュリティパッチは同じタイミング
- 大きなバージョンアップは年1回程度
あなたに最適なバージョンの選び方
個人で使う場合
→ Release版(安定版)がおすすめ
理由:
- 最新機能と安定性のバランスが良い
- サポート情報やトラブルシューティングが豊富
- 一般的な使い方なら十分安定している
企業や組織で使う場合
→ ESR版がおすすめ
理由:
- システム管理者が管理しやすい
- 従業員のトレーニングが楽(UIが頻繁に変わらない)
- 予測可能なアップデートサイクル
新機能を試したい場合
→ Beta版を検討
ただし:
- メインのメールソフトとして使うのはリスクあり
- サブ機やテスト環境での使用を推奨
- バグに遭遇する可能性を理解しておく
開発に興味がある場合
→ Daily版も選択肢に
前提条件:
- バグレポートの方法を理解している
- 英語でフィードバックを送れる
- データのバックアップを定期的に取っている
バージョン変更の方法と注意点
ダウングレードは基本的に非推奨
Beta版やDaily版から安定版に戻る場合、データの互換性問題が発生する可能性があります。
対策:
- 新しいバージョンを試す前にプロファイルをバックアップ
- 可能なら別のプロファイルで試用する
複数バージョンの併用
Thunderbirdは、プロファイルを分けることで複数のバージョンを同時にインストールできます。
手順:
- 異なるインストールフォルダを指定
- 起動時に別のプロファイルを選択
- それぞれ独立して使用可能
よくある質問
Q1. Release版からESR版に変更したら、データは消えますか?
A. いいえ、データは引き継がれます。ただし、念のためバックアップを取っておくことをおすすめします。
Q2. ESR版は古いバージョンですか?
A. 古いわけではありません。セキュリティは最新で、機能変更が少ないだけです。
Q3. Beta版で問題が起きたら、どうすればいいですか?
A. Mozillaのコミュニティフォーラムでバグレポートを提出するか、Release版に戻すことができます。
Q4. どのバージョンが一番速いですか?
A. 速度に大きな差はありません。ただし、Daily版は開発中のコードが含まれるため、時に動作が不安定になることがあります。
まとめ:結局どれを選べばいい?
Thunderbirdの各バージョンには、それぞれ明確な役割があります。
迷ったら、まずはRelease版(安定版)から始めましょう。
これが最もバランスが取れていて、大多数のユーザーに適しています。
選び方の早見表:
用途 | おすすめバージョン |
---|---|
日常的な個人使用 | Release版 |
企業・組織での使用 | ESR版 |
新機能の先行体験 | Beta版 |
開発・テスト目的 | Daily版 |
どのバージョンを選んでも、Thunderbirdの基本的な機能は同じです。あなたの使用目的や環境に合わせて、最適なバージョンを選んでくださいね!
定期的にアップデートを確認して、常に最新の状態を保つことも忘れずに。これがセキュリティを守る上で最も重要なポイントです。
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