Thunderbirdでメールを書いていて、「勝手に変なところで改行される」「改行したつもりなのに相手には改行されていない」といった経験はありませんか?
実は、Thunderbirdの改行には2種類あり、さらに自動改行の設定も存在します。これらを理解していないと、思い通りのメールレイアウトにならないんです。
この記事では、Thunderbirdの改行設定について、基本から応用まで初心者の方にも分かりやすく解説します。読み終わる頃には、改行を完全にコントロールできるようになりますよ!
改行には2種類ある!違いを理解しよう

まずは、改行の種類を理解することが重要です。
段落改行(Enter)
Enter キーで入れる改行
特徴:
- 大きな段落の区切り
- 行間が広く空く
- 見た目が読みやすい
- HTMLメールでは
<p>
タグになる
使う場面:
- 話題が変わる時
- 段落を分ける時
- 視覚的に区切りたい時
単純改行(Shift + Enter)
Shift + Enter キーで入れる改行
特徴:
- 単純な改行のみ
- 行間が狭い
- 連続する文章に使う
- HTMLメールでは
<br>
タグになる
使う場面:
- 住所を書く時
- 箇条書きを作る時
- 行間を詰めたい時
実例で比較:
【段落改行(Enter)の場合】
こんにちは。
← 行間が広い
お世話になっております。
【単純改行(Shift + Enter)の場合】
〒100-0001
東京都千代田区○○1-2-3 ← 行間が狭い
株式会社サンプル
自動改行の設定を変更する方法
Thunderbirdには、一定の文字数で自動的に改行を入れる機能があります。
自動改行とは?
一定の文字数に達すると、自動的に改行が挿入される機能のこと。
デフォルトでは72文字に設定されています。
メリット:
- 長い文章が自動で整列される
- 相手のメールソフトで横スクロールが出ない
- テキストメールで読みやすくなる
デメリット:
- 意図しない場所で改行される
- URLが途中で切れる
- レイアウトが崩れることがある
自動改行の文字数を変更する
手順:
- メニューから「設定」を開く
- 左側のメニューから「一般」を選択
- 画面を下にスクロール
- 「編集」セクションを探す
- 「テキストメッセージの折り返し位置」を見つける
- 数値を変更
推奨設定:
- 標準:72文字(デフォルト)
- ゆったり:80〜100文字
- 改行したくない:0(無効化)
注意点:
0
に設定すると、自動改行が完全に無効になります。この場合、手動で改行を入れる必要があります。
HTMLメールとテキストメールでの違い
HTMLメール:
- 自動改行の影響を受けにくい
- ブラウザのように表示される
- 見た目が保たれやすい
テキストメール:
- 自動改行の影響を受けやすい
- シンプルな表示
- 改行設定が重要
改行に関する問題と解決方法
よくある改行のトラブルとその解決法です。
問題1:勝手に変なところで改行される
症状:
これは長い文章の例です。ある程度の長さになると自動的に改
行されてしまいます。
URLなどが途中で切れてしまうこともあります。
原因:
自動改行機能が働いている
解決方法:
方法1:自動改行を無効にする
- 設定 → 一般 → 編集
- 「テキストメッセージの折り返し位置」を
0
に設定
方法2:改行文字数を増やす
- 同じ設定画面で数値を大きくする
- 例:72 → 100
方法3:HTMLメールで送信
- メール作成時に「フォーマット」をクリック
- 「HTML」を選択
- HTMLメールでは自動改行の影響が少ない
問題2:改行しても相手側で改行されていない
症状:
自分:
こんにちは。
お世話になっております。
相手が見ると:
こんにちは。お世話になっております。
原因:
- メール形式の違い
- 相手のメールソフトの設定
- 改行コードの問題
解決方法:
確実に改行を反映させる方法
- 2回改行を入れる(段落改行)
- Enterキーを2回押す
- 確実に改行として認識される
- HTMLメールで送信
- 改行が確実に保たれる
- ただし、相手がHTMLメール対応していることが前提
- 改行の代わりに記号を使う
こんにちは。
---
お世話になっております。
問題3:引用部分の改行がおかしい
症状:
返信時に、元のメールの引用部分が変な場所で改行される
原因:
引用時の自動整形機能
解決方法:
設定1:引用の整形を無効にする
- 設定 → 「一般」
- 「引用」セクションを探す
- 「引用メッセージをリフローする」のチェックを外す
リフローとは?
引用文を自動的に整形し直す機能のこと。
設定2:手動で整形
- 引用部分を選択
- メニューから「フォーマット」→「テキストのラップを解除」
- 手動で改行を調整
問題4:URLが途中で切れてクリックできない
症状:
https://www.example.com/very/long/url/
path/continues/here
このように、URLが改行されてリンクが機能しなくなる
解決方法:
方法1:HTMLメールで送信
HTMLメールなら、URLは自動的にリンクになり、途中で切れません
方法2:短縮URLを使用
- bit.lyなどのURL短縮サービスを利用
- 短いURLを作成
- それをメールに貼り付け
方法3:<>で囲む
<https://www.example.com/very/long/url/path/continues/here>
多くのメールソフトで、<>で囲まれたURLは正しく認識されます
メール形式による改行の違い
形式によって、改行の扱いが大きく異なります。
テキスト形式
特徴:
- シンプルな文字のみ
- 改行設定の影響を受けやすい
- ファイルサイズが小さい
- すべてのメールソフトで表示可能
改行のルール:
- 自動改行が適用される
- 半角文字数でカウント
- 設定した文字数で自動的に改行
向いているケース:
- ビジネスメールのテンプレート
- システムからの自動送信メール
- セキュリティ重視の場合
HTML形式
特徴:
- 文字装飾が可能
- Webページのように表示
- 改行が見た目通りに表示される
- レイアウトが崩れにくい
改行のルール:
- Enterで段落改行(
<p>
) - Shift + Enterで単純改行(
<br>
) - 自動改行の影響を受けにくい
向いているケース:
- 見栄えを重視するメール
- 複雑なレイアウト
- 画像やリンクを含むメール
形式を切り替える方法
メール作成時に変更:
- メール作成ウィンドウを開く
- メニューから「フォーマット」をクリック
- 「プレーンテキスト」または「HTML」を選択
デフォルト形式を設定:
- アカウント設定を開く
- 該当アカウントを選択
- 「送信と作成」をクリック
- 「HTML形式でメッセージを編集する」にチェック(HTMLの場合)
受信メールの表示設定
受け取ったメールの改行表示も調整できます。
自動的に改行を調整する
設定方法:
- 設定 → 「一般」
- 「メール」セクション
- 「プレーンテキストメッセージの表示幅」を設定
選択肢:
- ウィンドウサイズに合わせる(推奨)
- 固定幅で表示
- 自動調整しない
長い行の表示を改善
問題:
テキストメールで、横に長すぎる行が表示される
解決方法:
- 「表示」メニューから「メッセージの本文」を選択
- 「折り返して表示」にチェック
これで、ウィンドウ幅に合わせて自動的に折り返されます。
署名の改行設定
署名でも改行の設定が重要です。
署名で改行を入れる方法
基本的な方法:
- アカウント設定を開く
- 該当アカウントを選択
- 署名欄で改行を入れる
Enter キーで改行
通常の段落改行になります。
Shift + Enter で単純改行
行間の狭い改行になります。
署名の改行が崩れる場合
問題:
設定した改行が、実際のメールでは反映されない
原因:
- HTML形式とテキスト形式の違い
- 自動改行の影響
解決方法:
方法1:HTML形式の署名を作成
- 「HTML形式を使用する」にチェック
- 署名をHTMLで記述
山田太郎<br>
株式会社サンプル<br>
TEL: 03-1234-5678
方法2:署名ファイルを使用
- HTMLファイルで署名を作成
- 「ファイルを使用する」を選択
- 作成したファイルを指定
引用返信時の改行設定
返信メールでの改行処理も調整できます。
引用の形式を変更
設定方法:
- 設定 → 「一般」
- 「引用」セクション
- 以下を設定:
設定項目:
- 引用メッセージの前に署名を配置
- チェック:署名が上、返信内容が下
- 未チェック:返信内容が上、署名が下
- 引用メッセージをリフローする
- チェック:自動的に整形
- 未チェック:元の形式を保持
- 引用記号
- デフォルト:
>
- 好きな記号に変更可能
返信時の改行位置
設定:
- 同じ「引用」セクション
- 「返信時の折り返し位置」を設定
- 数値を入力(例:72文字)
快適な改行設定の推奨例
用途別のおすすめ設定をご紹介します。
個人メール向け設定
特徴:
- 見やすさ重視
- 自由なレイアウト
推奨設定:
- メール形式:HTML
- 自動改行:無効(0)
- 引用のリフロー:無効
ビジネスメール向け設定
特徴:
- 互換性重視
- シンプルな見た目
推奨設定:
- メール形式:テキスト
- 自動改行:72文字
- 引用のリフロー:有効
技術系メール向け設定
特徴:
- コードの貼り付けが多い
- 改行位置が重要
推奨設定:
- メール形式:テキスト
- 自動改行:無効(0)
- 引用のリフロー:無効
- 等幅フォントを使用
よくある質問
Q1. Enterを押しても改行されません
A. 以下を確認してください:
- HTML形式になっているか
- HTML形式なら、Shift + Enter を試す
- 入力モードが正しいか
- 日本語入力モード中なら、一度確定してから改行
- キーボードが正常に動作しているか
- 他のアプリケーションで試す
Q2. 相手に届くと改行位置が変わってしまいます
A. これは避けられない場合があります。
理由:
- 相手のメールソフトの設定
- 画面サイズの違い
- メール形式の違い
対策:
- HTMLメールで送信(改行が保たれやすい)
- 重要な箇所は記号で区切る
- 段落改行を使う(Enter 2回)
Q3. 自動改行を完全に無効にする方法は?
A. 設定で0
を入力します。
手順:
- 設定 → 一般 → 編集
- 「テキストメッセージの折り返し位置」に
0
を入力 - これで自動改行が無効になります
注意:
この場合、手動で改行を入れる必要があります。
Q4. HTMLメールとテキストメール、どちらがいいですか?
A. 用途によります。
HTMLメールを推奨:
- 見た目が重要
- 画像やリンクを含む
- 個人的なメール
テキストメールを推奨:
- 互換性重視
- セキュリティが重要
- ビジネスメール
迷ったら、HTMLメールの方が改行の問題が少ないです。
Q5. スマホで見ると改行がおかしくなります
A. 画面サイズの違いが原因です。
対策:
- HTMLメールで送信
- 短い文章を心がける
- 段落を小さく区切る
- 記号で視覚的に区切る
トラブルシューティング
改行に関する問題のチェックリストです。
チェック1:メール形式を確認
問題が起きたら、まず形式を確認:
- テキスト形式になっているか
- HTML形式になっているか
- 相手は何で受信しているか
チェック2:自動改行の設定値
- 設定 → 一般 → 編集
- 折り返し位置を確認
- 適切な値に変更
チェック3:相手の環境を考慮
- 相手のメールソフトは何か
- スマホで見る可能性はあるか
- HTMLメールに対応しているか
チェック4:実際にテスト送信
- 自分の別のメールアドレスに送信
- 表示を確認
- 必要に応じて調整
まとめ:改行を制する者はメールを制す
Thunderbirdの改行設定を理解すれば、思い通りのメールが作れます。
重要なポイント:
✅ 2種類の改行を使い分ける
- Enter:段落改行(行間広い)
- Shift + Enter:単純改行(行間狭い)
✅ 自動改行の設定を理解する
- デフォルト:72文字
- 無効化:0を設定
- HTMLメールは影響を受けにくい
✅ メール形式による違いを把握
- HTMLメール:レイアウトが保たれやすい
- テキストメール:互換性が高い
✅ 相手の環境を考慮する
- スマホ表示も意識
- 互換性を重視する場合はテキスト形式
✅ 用途に応じた設定を選ぶ
- 個人:HTMLメール、自動改行無効
- ビジネス:テキストメール、72文字
改行設定の基本ルール:
- 迷ったらHTMLメールを使う
- 長い文章は段落で区切る
- 重要な箇所は視覚的に区別
- テスト送信で確認する
- 相手の環境を想定する
改行はメールの読みやすさを大きく左右します。この記事の設定を参考に、あなたに最適な改行設定を見つけてください。快適なメール環境で、コミュニケーションをもっとスムーズにしましょう!
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