「タブレットでもExcelって使えるの?」
「無料で使えるって聞いたけど、どこまでできるんだろう?」
実は、タブレットでもExcelは十分使えます。しかも、条件を満たせば無料で利用できるんです。
この記事では、タブレットでExcelを使う方法から、無料版と有料版の違い、基本的な操作方法、そして快適に使うためのコツまで詳しく解説します。外出先でもサッと表計算ができるようになりますよ。
タブレットでExcelを使う2つの方法
タブレットでExcelを利用する方法は、大きく分けて2つあります。
アプリ版を使う方法
最も一般的なのが、専用のExcelアプリをインストールする方法です。
AndroidタブレットならGoogle Playストア、iPadならApp Storeから「Microsoft Excel」を検索してインストールできます。アプリ版は、タッチ操作に最適化されているので使いやすいんです。
インストール自体は無料で、数分で完了します。
Web版(Excel Online)を使う方法
ブラウザからMicrosoft 365にアクセスして使う方法もあります。
こちらはアプリのインストールが不要で、インターネットに接続していればどのデバイスからでも利用できます。ただし、オフラインでは使えないのが難点です。
無料版と有料版の違いを知っておこう
ここが一番気になるポイントですよね。タブレット版Excelには無料版と有料版があり、使える機能に違いがあります。
画面サイズによる制限
実は、タブレットの画面サイズによって無料で使える範囲が変わるんです。
10.1インチ以下のタブレット:
- 無料で閲覧・編集・新規作成が可能
- Microsoftアカウントでサインインするだけで使える
10.1インチを超えるタブレット:
- 無料では閲覧のみ可能
- 編集や新規作成にはMicrosoft 365サブスクリプション(有料)が必要
つまり、iPadの無印モデル(10.2インチ)やiPad Pro(12.9インチ)などは、無料版では閲覧しかできないということです。
無料版で使えない主な機能
10.1インチ以下のタブレットでも、無料版では以下のような高度な機能が使えません。
使えない機能の例:
- マクロの実行・作成
- ウィンドウの分割
- ピボットテーブルの作成(表示のみ可能)
- 条件付き書式の追加
- データ入力規則の追加
- Power Query、Power Pivotなどの高度な分析ツール
- 一部の高度な数式(XLOOKUP、LAMBDAなど)
ただし、通常の表計算、グラフ作成、基本的な関数(SUM、AVERAGE、IFなど)は問題なく使えます。
商用利用には有料版が必要
無料版は個人使用に限定されています。
仕事で使う場合や、ビジネス目的で利用する場合は、有料のMicrosoft 365が必要です。会社のタブレットで仕事の書類を編集する場合は、基本的に有料版が必要だと考えてください。
タブレットにExcelをインストールする手順
それでは、実際にインストールしてみましょう。Androidタブレットを例に説明します。
Androidタブレットの場合
インストール手順:
- Google Playストアを開く
- 検索バーに「Microsoft Excel」と入力
- 「Microsoft Excel」アプリを選択
- 「インストール」をタップ
- インストールが完了するまで待つ
インストールが終わったら、アプリを起動してみましょう。
初回起動時の設定:
- Excelアプリを開く
- 「サインイン」をタップ
- Microsoftアカウントのメールアドレスとパスワードを入力
- サインイン完了
Microsoftアカウントを持っていない場合は、この画面で新規作成できます。
iPadの場合
iPadも基本的に同じ流れです。
- App Storeを開く
- 「Microsoft Excel」を検索
- 「入手」をタップ
- インストール完了後、アプリを起動
- Microsoftアカウントでサインイン
パソコンで既にMicrosoftアカウントを持っている方は、同じアカウントでサインインすることをおすすめします。そうすると、OneDrive経由でパソコンとタブレットでファイルを同期できるんです。
タブレット版Excelの基本操作
タブレットでの操作は、パソコンとは少し違います。タッチ操作に慣れるまで、最初は戸惑うかもしれません。
タップとロングタップを使い分ける
基本的な操作:
- タップ(短く触れる) = マウスの左クリック
- ロングタップ(長押し) = マウスの右クリック
セルをタップすると選択でき、ロングタップするとコピーや貼り付けなどのメニューが表示されます。
セルの編集方法
セル内のデータを編集したいときは、セルをダブルタップします。
すると、画面下部にキーボードが表示されて、文字や数字を入力できるようになります。入力が終わったら、緑色のチェックマーク(✓)をタップすれば確定です。
セル内で改行する方法
パソコンなら「Alt + Enter」で改行できますが、タブレットでは少し違います。
- 改行したい場所をタップ
- ポップアップメニューから「改行」を選択
これでセル内に改行が挿入されます。
セルに斜線を引く方法
表の見出しなどで使う斜線も、タブレットで引けます。
- 斜線を引きたいセルを選択
- 「ホーム」タブをタップ
- 「形式」をタップ
- 「セルのボーダー」をタップ
- 斜線のスタイルを選択
パソコンより手順が多いですが、慣れればスムーズにできるようになります。
グラフや数式の挿入
グラフを作りたいときは「挿入」タブから「グラフ」をタップします。
数式を入力したいときは、セルをダブルタップして編集モードにしてから、「数式」タブで関数を選べます。SUM(合計)、AVERAGE(平均)などの基本的な関数はすぐに使えますよ。
タブレットでExcelを快適に使うコツ
タブレットでの作業を、もっと快適にする方法を紹介します。
タッチモードに切り替える
タブレット版Excelには「タッチモード」という機能があります。
これをオンにすると、ボタンやメニューの間隔が広がって、指で操作しやすくなるんです。
タッチモードの切り替え方:
- 画面右下の「アクションセンター」をタップ
- 「タッチモード」の表示をタップ
特に指が太めの方は、この設定をオンにすると格段に使いやすくなります。
外付けキーボードとマウスを活用
タブレットでも、Bluetooth接続の外付けキーボードやマウスが使えます。
長文の入力や、細かい編集作業をする場合は、キーボードとマウスがあると作業効率が大幅にアップします。キーボードがあれば、パソコンと同じようにショートカットキーも使えるんです。
便利なショートカットキー:
- Ctrl + C:コピー
- Ctrl + V:貼り付け
- Ctrl + Z:元に戻す
- Ctrl + D:1つ上のセルと同じ内容を入力
- Shift + 矢印キー:範囲選択
OneDriveでパソコンと同期
OneDriveにファイルを保存すると、パソコンとタブレットで自動的に同期されます。
これが本当に便利で、例えば会社のパソコンで作った表を、帰りの電車の中でタブレットでチェックして修正する、なんてことが簡単にできるんです。
OneDriveの使い方:
- Excelでファイルを開く
- 「ファイル」→「名前を付けて保存」をタップ
- 保存場所として「OneDrive」を選択
- ファイル名を入力して保存
同じMicrosoftアカウントでサインインしていれば、他のデバイスからもすぐにアクセスできます。
画面の向きを固定する
表が横に長い場合、タブレットを横向きにすると見やすくなります。
逆に、縦に長い表なら縦向きが便利です。作業中に画面がクルクル回転するのを防ぐため、画面の向きを固定しておくのもおすすめですよ。
タブレット版とパソコン版の違い
タブレット版Excelは便利ですが、パソコン版と完全に同じではありません。主な違いを把握しておきましょう。
できること
タブレット版で問題なくできる作業:
- 表の作成・編集
- 基本的な関数の使用(SUM、AVERAGE、IF、VLOOKUPなど)
- グラフの作成・編集
- セルの書式設定(フォント、色、罫線など)
- 並べ替え・フィルター
- 簡単な数式の入力
- ファイルの共有
- OneDriveとの同期
家計簿、売上管理表、スケジュール表など、一般的な用途であれば十分対応できます。
できないこと(または制限があること)
無料版では使えない主な機能:
- マクロの記録・実行
- VBA(Visual Basic for Applications)
- 複雑なピボットテーブルの作成
- 高度なデータ分析ツール
- ウィンドウの分割表示
- 条件付き書式の新規作成(適用済みの表示は可能)
- データ入力規則の追加
これらの機能が必要な場合は、パソコン版を使うか、有料のMicrosoft 365を契約する必要があります。
どんなタブレットを選べばいい?
Excelを使うためにタブレットを購入する場合、どんな点に注目すればいいでしょうか。
画面サイズは10.1インチ以下がおすすめ
無料でExcelを編集したいなら、10.1インチ以下のタブレットを選びましょう。
持ち運びしやすく、無料版で十分な機能が使えるという点で、9〜10インチ程度が使い勝手がいいです。
OSの選択肢
Android:
- 比較的手頃な価格
- Google Playストアからインストール
- 一部機能が制限される場合あり
iPad(iOS):
- 操作性が良い
- Apple Pencilで手書き入力も可能
- 価格はやや高め
Windows:
- デスクトップ版Excelが使える
- フル機能を利用可能
- 価格は高め、重量もやや重い
仕事でガッツリ使うならWindowsタブレット(Surface Proなど)、個人使用で外出先でちょっと編集する程度ならAndroidやiPadが手頃です。
メモリとストレージ
Excelを快適に使うには、ある程度のメモリとストレージが必要です。
推奨スペック:
- メモリ:4GB以上(8GB以上あると快適)
- ストレージ:64GB以上(ファイルをたくさん保存するなら128GB以上)
あまりにスペックが低いと、大きなファイルを開いたときに動作が遅くなることがあります。
よくある質問と答え
完全無料でずっと使えるの?
10.1インチ以下のタブレットで個人使用なら、基本的にずっと無料で使えます。
ただし、高度な機能(マクロなど)を使いたい場合や、商用利用する場合は有料のMicrosoft 365が必要です。
パソコンで作ったファイルは開ける?
はい、問題なく開けます。
OneDriveに保存すれば、パソコンとタブレットでシームレスに同じファイルを編集できます。ただし、マクロなど一部の機能はタブレットでは動作しないことがあります。
オフラインでも使える?
アプリ版なら、一度ダウンロードしたファイルはオフラインでも編集できます。
ただし、OneDriveとの同期や、一部のオンライン機能は使えません。Web版(Excel Online)はインターネット接続が必須です。
Microsoft 365を契約するメリットは?
有料のMicrosoft 365に加入すると、以下のメリットがあります。
- 全ての機能が使える
- 10.1インチ以上のタブレットでも編集可能
- OneDriveのストレージが1TB使える
- Word、PowerPoint、Outlookなども使える
- 最大6人まで共有できる(Familyプラン)
月額制(Personal:月1,490円程度)なので、必要な期間だけ契約するのも一つの方法です。
タブレットでマクロは使えない?
無料版ではマクロの実行・作成ができません。
Microsoft 365に加入すれば、一部のマクロは実行できるようになりますが、パソコン版ほど完全ではありません。マクロを本格的に使うなら、パソコン版の使用をおすすめします。
まとめ:タブレットでもExcelは十分使える
タブレット版Excelは、基本的な表計算やグラフ作成なら十分に対応できます。
押さえておきたいポイント:
- 10.1インチ以下なら無料で編集可能
- 10.1インチ以上は閲覧のみ無料
- 基本的な機能は無料版で十分
- マクロなど高度な機能は有料版が必要
- 外付けキーボードを使うとさらに快適
- OneDriveでパソコンと同期できて便利
外出先でのちょっとした編集や、パソコンで作った資料の確認程度なら、タブレットで十分です。通勤中や移動中の隙間時間を有効活用できるのが、タブレット版Excelの最大のメリットですね。
まずは無料版を試してみて、物足りなくなったら有料版を検討するのがおすすめですよ。

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