昨日まで普通に使えていたのに、突然タッチペンが反応しなくなった。
指では操作できるのに、ペンだと全く反応しない。
ペンで書いても線が途切れてしまう。
ペンの位置とずれた場所に線が引かれる…
こんな症状に悩まされている人は意外と多いんです。
この記事では、タブレットのタッチペンが反応しない原因と、その解決方法を分かりやすく解説していきます。
まず確認:指では操作できますか?

トラブルシューティングを始める前に、まず確認してほしいことがあります。
【重要】指でタッチして動作確認
タブレットの画面を指で触ってみてください。
指で操作できる場合:
→ タブレット本体は正常です。ペン側に問題があります。
指でも操作できない場合:
→ タブレット本体に問題がある可能性が高いです。
この確認が、問題の切り分けに非常に重要です。
タッチペンの種類を知ろう
タッチペンには、いくつかの種類があります。種類によって原因と対処法が違うので、まず自分のペンがどのタイプか確認しましょう。
1. 静電式タッチペン(パッシブ式)
特徴:
- 電池不要
- 指の代わりに使うタイプ
- 先端が太めのゴムやメッシュ素材
- 100円ショップでも買える安価なペン
よく使われる機器:
- 一般的なAndroidタブレット
- iPadの一部機種
- スマートフォン
2. アクティブ式タッチペン(Bluetooth式)
特徴:
- 電池または充電が必要
- ペン先が細い
- 筆圧感知機能がある
- ボタンがついている
- Bluetoothで接続
代表例:
- Apple Pencil(iPad用)
- Samsung Galaxy Sペン
- Surface Pen(Microsoft)
3. 電磁誘導式(EMR式)
特徴:
- 電池不要(タブレット側から電力供給)
- ペン先が非常に細い
- 高精度で筆圧感知
- プロ向けのペンタブレットに多い
代表例:
- Wacom製ペンタブレット
- 一部のGalaxy Note
4. 感圧式タッチペン
特徴:
- 画面を強く押すと反応する
- 任天堂DSや古いタブレットで使用
- 現在は少なくなっている
自分のペンがどのタイプか分かったら、次に進みましょう。
タッチペンが反応しない主な原因
タッチペンが反応しない原因は、大きく分けて6つあります。
原因1:電池切れ(アクティブ式のみ)
Apple PencilやSurface Penなど、電池式・充電式のペンは、電池が切れると反応しません。
原因2:ペン先の摩耗や破損
ペン先が削れたり、汚れたり、破損したりすると反応が悪くなります。
原因3:保護フィルムやケースの干渉
画面保護フィルムが厚すぎたり、気泡が入っていたりすると、ペンが正しく反応しないことがあります。
原因4:互換性の問題
そのペンとタブレットが対応していない可能性があります。
原因5:設定やソフトウェアの問題
タブレットの設定やドライバーに問題がある場合があります。
原因6:ペンやタブレットの故障
物理的な故障の可能性もあります。
【基本対処法】まず試すべき5つのこと
難しい設定をいじる前に、まずはこの5つを試してみましょう。
対処法1:タブレットを再起動する
最もシンプルですが、意外と効果的な方法です。
手順:
- タブレットの電源ボタンを長押し
- 「再起動」または「電源を切る」を選択
- 完全に電源を切ってから、再度起動
これだけで問題が解決することも多いです。
対処法2:ペンを再起動する(アクティブ式)
ペンに電源ボタンがある場合は、ペンも再起動してみましょう。
手順:
- ペンの電源をオフにする
- 10秒ほど待つ
- 再度電源をオンにする
対処法3:ペンの電池を確認する(アクティブ式)
電池式・充電式のペンは、電池残量を確認しましょう。
確認方法(Bluetooth式の場合):
- 設定を開く
- 「Bluetooth」または「接続済みのデバイス」を選択
- ペンを選択してバッテリー残量を確認
充電が必要な場合:
- 専用の充電器で充電する
- USB-Cケーブルで充電する
- タブレットに挿して充電する(機種による)
対処法4:画面とペン先をきれいにする
汚れが原因で反応が悪くなることがあります。
手順:
- タブレットの画面を清掃
- 柔らかい布で優しく拭く
- メガネ拭きやマイクロファイバークロスがおすすめ
- 水分は少なめに
- ペン先を清掃
- ペン先のゴミや汚れを取り除く
- 乾いた柔らかい布で拭く
対処法5:保護フィルムを一時的に外してみる
保護フィルムが原因の可能性もあります。
試し方:
- 保護フィルムを剥がす
- ペンが反応するか確認
- 反応するなら、保護フィルムが原因
保護フィルムが原因の場合:
- より薄い保護フィルムに変える
- タッチペン対応の保護フィルムを使う
- 気泡をしっかり抜く
【アクティブ式ペン】Bluetooth接続の問題

Apple PencilやSurface Penなど、Bluetoothで接続するペンの対処法です。
Bluetoothのペアリングを確認
接続が切れている可能性があります。
手順:
- 設定を開く
- 「Bluetooth」を選択
- ペンが接続されているか確認
- 接続されていない場合は「接続」をタップ
- リストにない場合は、次の手順へ
ペアリングをやり直す
手順:
- 設定 → Bluetooth を開く
- ペンの名前を探す
- 「i」マークまたは歯車アイコンをタップ
- 「デバイスを削除」または「ペアリング解除」を選択
- ペンをペアリングモードにする
- Apple Pencil(第2世代):iPadの側面に磁石でくっつける
- Apple Pencil(第1世代):Lightning端子をiPadに挿す
- Surface Pen:トップボタンを7秒長押し
- Galaxy Sペン:ペンを本体に挿して取り出す
- タブレットの画面に表示される「ペアリング」をタップ
ペンのファームウェアを更新する
ペンのソフトウェアが古い可能性があります。
確認方法(機種により異なる):
- 専用アプリで確認(Surface、Samsungなど)
- タブレットの設定から確認
- メーカーの公式サイトで最新版を確認
【iPad + Apple Pencil】特有の対処法
Apple Pencilが反応しない場合の対処法です。
Apple Pencilの種類を確認
Apple Pencil(第1世代)対応機種:
- iPad Pro(12.9インチ、第1・2世代)
- iPad Pro(10.5インチ)
- iPad Pro(9.7インチ)
- iPad Air(第3世代)
- iPad(第6〜10世代)
- iPad mini(第5世代)
Apple Pencil(第2世代)対応機種:
- iPad Pro(12.9インチ、第3世代以降)
- iPad Pro(11インチ、全モデル)
- iPad Air(第4・5世代)
- iPad mini(第6世代)
世代が違うApple Pencilは使えません。
充電方法を確認
第1世代:
- ペンのキャップを外す
- iPadのLightning端子に挿す
- 15秒程度でペアリングと充電が始まる
第2世代:
- iPadの側面(磁石部分)にペンをくっつける
- 自動的に充電とペアリングが始まる
iPadOSを最新にする
手順:
- 設定 → 一般 → ソフトウェアアップデート
- アップデートがあればインストール
【Surface Pen】特有の対処法
Microsoft Surface Penが反応しない場合の対処法です。
電池を交換する
Surface Penは単6電池(AAAA)を使用します。
交換方法:
- ペンの後端部分を回して外す
- 古い電池を取り出す
- 新しい単6電池を入れる
- 後端部分を取り付ける
Windows Updateを実行
手順:
- スタートメニュー → 設定
- 「更新とセキュリティ」を選択
- 「Windows Update」をクリック
- 「更新プログラムのチェック」をクリック
ペン先を交換する
Surface Penのペン先は消耗品です。
交換方法:
- ペン先を引っ張って外す
- 新しいペン先を押し込む
Surfaceには替えのペン先が数本付属しています。
高速スタートアップを無効にする
高速スタートアップ機能が原因の場合があります。
手順:
- コントロールパネルを開く
- 「電源オプション」を選択
- 「電源ボタンの動作を選択する」をクリック
- 「現在利用可能ではない設定を変更します」をクリック
- 「高速スタートアップを有効にする」のチェックを外す
- 「変更の保存」をクリック
【Android + Sペン】特有の対処法
Samsung Galaxy NoteシリーズのSペンが反応しない場合です。
Sペンをリセットする
手順:
- 画面を上から下にスワイプ(通知パネルを開く)
- 「Sペン接続」の通知をタップ
- 「Sペンをリセット」を選択
- Sペンを本体に挿して取り出す
タッチ感度を上げる
手順:
- 設定を開く
- 「ディスプレイ」を選択
- 「タッチ感度」を探す
- 「タッチ感度を上げる」をオンにする
エアアクションをリセット
Sペンのジェスチャー機能に問題がある場合です。
手順:
- 設定 → 便利な機能 → Sペン
- 「エアアクション」を選択
- 「リセット」をタップ
【Windows PC + タッチペン】の対処法
Windowsパソコンでタッチペンが反応しない場合です。
タブレットモードを確認
手順:
- アクションセンターを開く(画面右下の通知アイコン)
- 「タブレットモード」をクリックしてオンにする
※Windows 11では廃止されています
ペン設定を確認
手順:
- 設定 → デバイス → ペンとWindows Ink
- ペンが認識されているか確認
- ショートカットボタンの動作を設定
ドライバーを再インストール
手順:
- デバイスマネージャーを開く
- スタートメニューを右クリック
- 「デバイスマネージャー」を選択
- 「ヒューマンインターフェイスデバイス」を展開
- 「HID準拠ペン」を探す
- 右クリックして「デバイスのアンインストール」
- パソコンを再起動
- 自動的にドライバーが再インストールされる
USBポートを変える
タブレットとパソコンをUSBで接続している場合:
- 別のUSBポートに接続してみる
- USBハブを使っている場合は、直接接続してみる
ペン先を交換する
ペン先は消耗品です。長く使っていると削れて反応が悪くなります。
ペン先交換の目安
以下の症状があればペン先交換を検討:
- 反応が鈍くなった
- 線が途切れる
- 強く押さないと反応しない
- ペン先が平らになっている
- ペン先に傷がある
交換方法
Apple Pencil:
- ペン先を回して外す
- 新しいペン先をねじ込む
Surface Pen:
- ペン先を引っ張って外す
- 新しいペン先を押し込む
Sペン:
- ピンセットでペン先を引き抜く
- 新しいペン先を押し込む
替え芯の購入
各メーカーの公式サイトや、Amazonなどで購入できます。
価格の目安:
- Apple Pencilチップ:4本セット 約3,000円
- Surface Penチップ:4本セット 約1,500円
- Sペン交換芯:5本セット 約1,000円
互換性の問題を確認
そのペンとタブレットが対応しているか確認しましょう。
よくある互換性の誤解
間違い1:「タッチペン対応」なら何でも使える
→ 実際は、ペンの種類によって対応機種が異なります
間違い2:「iPadで使えた」から「Androidでも使える」
→ Apple Pencilは基本的にiPad専用です
間違い3:「同じメーカー」なら使える
→ 世代や機種によって使えない場合があります
互換性の確認方法
- タブレットのマニュアルを確認
- メーカーの公式サイトで対応表を見る
- ペンのパッケージに書かれている対応機種を確認
汎用タッチペンの選び方
静電式タッチペンを選ぶ場合:
- ペン先が細いものを選ぶ
- レビュー評価の高いものを選ぶ
- 1,000〜3,000円程度のものが無難
注意:
安価な静電式ペンは、筆圧感知や細かい描画には不向きです。
保護フィルムの影響

保護フィルムが原因で反応が悪くなることがあります。
保護フィルムで起こる問題
- 反応が鈍い
- 線が途切れる
- ペン先と違う場所に線が引かれる
- 書き心地が悪い
対処法
選択肢1:保護フィルムを外す
- 最も確実だが、画面が傷つきやすくなる
選択肢2:タッチペン対応フィルムに変える
- 「ペン入力対応」と書かれたフィルムを選ぶ
- ガラスフィルムより、PETフィルムの方がペンには向いている
選択肢3:ペーパーライクフィルムを使う
- 紙のような書き心地になる
- お絵かきやメモに最適
ケースやカバーの干渉
タブレットケースが原因の場合もあります。
よくある問題
磁石式のケース:
- 磁石がペンの動作を妨げることがある
- 特にSペンは磁石の影響を受けやすい
厚いケース:
- ペンのボタンが押しにくい
- ペン収納部分がきつすぎる
対処法
- ケースを外してペンが反応するか確認
- 反応する場合は、ケースを変えるか、使用時は外す
タブレット側の設定を確認
タブレットの設定に問題がある場合もあります。
手袋モードがオンになっている
一部のAndroidタブレットには「手袋モード」があります。
これがオンだと、ペンの反応が悪くなることがあります。
確認方法:
- 設定 → ディスプレイ
- 「手袋モード」または「タッチ感度」を探す
- オフにする
パームリジェクションの設定
手のひらが画面に触れたときに無視する機能です。
この設定が強すぎると、ペンも反応しないことがあります。
確認方法:
- 設定 → ペン(またはスタイラス)
- パームリジェクション設定を確認
- 中程度または弱に変更
タッチパネル補正(Windowsの場合)
手順:
- 設定 → デバイス → ペンとWindows Ink
- 「ペンとタッチのリセット」を選択
- 「リセット」をクリック
故障の判断と修理
ここまでの方法を試してもダメな場合、故障の可能性が高いです。
ペンが故障しているか確認
確認方法:
- 別のタブレットでペンを試す(可能な場合)
- 別のペンを自分のタブレットで試す
ペンが故障している場合:
- 保証期間内なら交換依頼
- 保証期間外なら新しいペンを購入
タブレットが故障しているか確認
確認方法:
- 指で画面を触る
- 他のペンでも試してみる
タブレットが故障している場合:
- メーカーのサポートに問い合わせ
- 修理または交換が必要
保証期間の確認
確認すべきこと:
- 購入日はいつか
- メーカー保証は何年か
- 延長保証に加入しているか
修理費用の目安
ペンの交換:
- Apple Pencil(新品):約15,000〜20,000円
- Surface Pen(新品):約10,000〜15,000円
- Sペン(交換):約3,000〜5,000円
タブレットの修理:
- 画面交換:20,000〜50,000円
- 内部基板修理:30,000〜80,000円
保証期間内なら無料または安価で修理できる場合が多いです。
よくある質問
Q. 指では反応するのに、ペンだと反応しません
A. ペン側に問題がある可能性が高いです。まず電池残量を確認し、ペン先を清掃してみてください。それでもダメなら、ペンの故障が疑われます。
Q. タッチペンはどこで買えますか?
A. 家電量販店、Amazonなどのネットショップ、メーカー公式サイトで購入できます。汎用の静電式ペンは100円ショップでも販売されています。
Q. 保護フィルムは必要ですか?
A. 画面を傷から守りたいなら必要です。ただし、ペンの反応に影響する場合があるので、「タッチペン対応」と書かれたフィルムを選ぶことをおすすめします。
Q. 安いタッチペンと高いタッチペンの違いは?
A. 主な違いは「精度」「筆圧感知」「パームリジェクション(手のひら無視機能)」です。お絵かきや細かい作業をするなら、高品質なペンがおすすめです。
Q. タッチペンの寿命はどのくらいですか?
A. ペン先は消耗品で、使用頻度にもよりますが半年〜2年程度です。本体は電池式なら数年使えます。充電式は内蔵バッテリーの劣化により3〜5年程度が目安です。
Q. 代用品は使えますか?
A. 静電式タブレットなら、汎用のタッチペンが使えます。ただし、Apple PencilやSペンのような専用ペンが必要な機種では、代用品は機能が制限されます。
Q. タッチペンが反応するアプリとしないアプリがあります
A. アプリ側の問題の可能性があります。アプリを最新版に更新するか、アプリの設定でペン入力を有効にしてください。それでもダメならアプリの不具合かもしれません。
Q. ペン先がすぐ削れてしまいます
A. 画面保護フィルムが粗い場合や、筆圧が強すぎる場合に起こります。ペーパーライクフィルムは特に削れやすいです。筆圧を弱めるか、替え芯をストックしておきましょう。
トラブルシューティング手順のまとめ
どこから試せばいいか迷ったら、この順番で進めてください。
【ステップ1】基本確認(5分)
- 指で画面をタッチして動作確認
- タブレットを再起動
- ペンを再起動(電源ボタンがある場合)
【ステップ2】清掃と物理的確認(10分)
- 画面とペン先を清掃
- 保護フィルムを一時的に外してみる
- ケースを外してみる
【ステップ3】電池とペン先(10分)
- 電池残量を確認(アクティブ式)
- 電池を交換または充電
- ペン先を交換
【ステップ4】接続確認(10分)
- Bluetooth接続を確認(Bluetooth式)
- ペアリングをやり直す
- 別のUSBポートに接続(有線の場合)
【ステップ5】ソフトウェア(15分)
- OSを最新版に更新
- ドライバーを再インストール
- タブレットの設定を確認
【ステップ6】互換性と故障判断(15分)
- 互換性を確認
- 別のペン/タブレットで試す
- メーカーサポートに問い合わせ
まとめ:慌てず一つずつ試していこう
タッチペンが反応しない問題は、原因が多岐にわたるため、特定が難しいトラブルです。
この記事のポイント:
まず確認:
- 指で操作できるか確認する
- これで問題の切り分けができる
基本対処:
- 再起動が意外と効果的
- 電池残量とペン先の状態を確認
- 画面と保護フィルムをチェック
ペンの種類別:
- 静電式:電池不要、汚れや保護フィルムが原因になりやすい
- アクティブ式:電池とBluetooth接続を確認
- 電磁誘導式:ドライバーとUSB接続を確認
よくある原因:
- 電池切れ(充電式・電池式)
- ペン先の摩耗
- 保護フィルムの厚さや気泡
- Bluetooth接続の問題
- 互換性の問題
- ペンやタブレットの故障
最終手段:
- すべて試してもダメなら故障の可能性
- 保証期間内なら無料または安価で修理可能
- メーカーサポートに問い合わせる
多くの場合、再起動、電池交換、ペン先交換、保護フィルムの見直しで解決します。
それでも解決しない場合は、Bluetooth再接続やドライバー更新を試してみてください。
ペンが反応しないストレスから解放されて、快適なタブレットライフが戻ってくることを願っています!
重要:この記事で紹介した方法を試す前に、必ず重要なデータのバックアップを取っておくことをおすすめします。

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