ゲームをプレイしていたり、動画を長時間見ていたりすると、スマホが熱くなってきませんか?
そして同時に、動作が遅くなったり、カクカクしたりすることがありますよね。
「なんで熱くなると重くなるの?」と疑問に思った方も多いはずです。この記事では、スマホが熱くなると動作が重くなる理由を、初めての方でも分かるように丁寧に解説していきます。
スマホが熱くなると重くなる理由
結論から言うと、スマホが熱くなると重くなるのは「サーマルスロットリング」という安全機能が働くからです。
難しい言葉ですが、簡単に言えば「熱くなりすぎないように、わざと性能を落としている」ということです。
これはスマホを壊さないための大切な仕組みなんですよ。
CPUって何?スマホの「頭脳」の話
まず、スマホの動作の仕組みを理解しましょう。
スマホにはCPU(シーピーユー)という部品が入っています。CPUは「Central Processing Unit」の略で、日本語では「中央処理装置」と呼ばれます。
CPUはスマホの頭脳のような存在です。
あなたが画面をタップしたり、アプリを開いたり、動画を再生したりするとき、すべての計算や処理をCPUが行っています。
CPUが熱くなる理由
CPUは動作するときに電気を使います。そして、電気を使うと必ず熱が発生するのです。
これは電気ストーブが温かくなるのと同じ原理ですね。
特に以下のような場合、CPUはたくさん働くため、多くの熱が発生します:
- ゲームアプリの使用
- カメラでの動画撮影
- 動画の視聴
- 複数のアプリを同時に使用
- 充電しながらの使用
- 直射日光の下での使用
サーマルスロットリングとは?
「サーマルスロットリング」を分解して理解してみましょう。
- サーマル(Thermal):熱に関する
- スロットリング(Throttling):抑制する、絞る
つまり、「熱による性能の抑制」という意味です。
なぜ性能を落とすの?
CPUは熱に弱い部品です。
温度が高くなりすぎると、以下のような問題が起こります:
- 誤作動が起きる
- 部品が劣化する
- 最悪の場合、壊れてしまう
これを防ぐために、スマホは自動的にCPUの性能を落として、発熱を抑えようとします。
車で例えるなら、「エンジンが熱くなりすぎたから、速度を落として冷やそう」という感じですね。
性能が落ちるとどうなる?
サーマルスロットリングが働くと、具体的にどんなことが起こるのでしょうか。
体感できる変化
- アプリの起動が遅くなる
- ゲームがカクカクする(フレームレートの低下)
- タッチ操作の反応が鈍くなる
- 画面の明るさが自動的に下がる
- カメラが使えなくなる(機種による)
これらはすべて、CPUが「これ以上熱くならないように」と頑張っている証拠なのです。
スマホの冷却の仕組み
「じゃあ、スマホはどうやって冷やしているの?」という疑問が湧きますよね。
実は、スマホには扇風機のような冷却ファンは付いていません(一部のゲーミングスマホを除く)。
スマホの冷却方法
1. 本体全体で熱を逃がす
スマホの金属やガラスの本体が、熱を外に逃がす役割を果たしています。
2. ヒートシンク
内部に「ヒートシンク」という、熱を分散させる部品が入っている機種もあります。
3. グラファイトシート
熱を素早く広げるシート状の素材が使われていることもあるでしょう。
4. 性能を落とす(サーマルスロットリング)
最後の手段として、性能を落として熱の発生を抑えます。
熱くなりやすい使い方
以下のような使い方をすると、スマホは特に熱くなりやすいので注意が必要です。
高負荷な作業
- 3Dゲームを長時間プレイする
- 4K動画を撮影する
- 動画編集アプリを使う
- ナビゲーションアプリを使いながら充電する
環境要因
- 直射日光の当たる場所に置く
- 車のダッシュボードに置く
- 布団やクッションの上で使う(熱が逃げにくい)
- スマホケースが厚すぎる
複合的な使い方
- 充電しながらゲームをする
- バックグラウンドで多数のアプリを起動している
- 古いOSを使っている(最適化されていない)
スマホが熱くなったときの対処法
では、スマホが熱くなってしまったとき、どうすれば良いのでしょうか。
すぐにできる対処法
1. 使用を一時停止する
最も効果的なのは、しばらくスマホを休ませることです。数分間そのまま置いておきましょう。
2. アプリを終了する
使っていないアプリをすべて終了します。バックグラウンドで動いているアプリもCPUを使っているからです。
3. 涼しい場所に移動する
直射日光を避け、風通しの良い場所に置きます。
4. スマホケースを外す
一時的にケースを外すと、熱が逃げやすくなります。
5. 充電を止める
充電中は熱が発生しやすいので、充電を一旦やめてみましょう。
6. 機内モードにする
通信機能もCPUを使うため、機内モードにすると発熱を抑えられます。
やってはいけないこと
冷蔵庫や冷凍庫に入れる
急激な温度変化は、内部に結露を発生させて故障の原因になります。絶対にやめてください。
保冷剤を直接当てる
これも急冷になり、結露のリスクがあるためNGです。
水で冷やす
防水機能があっても、水で冷やすのは危険です。
熱くならないための予防策
日頃から以下のことを意識すると、スマホが熱くなりにくくなります。
日常的な対策
1. 不要なアプリは終了する
こまめにバックグラウンドアプリを終了する習慣をつけましょう。
2. 画面の明るさを調整する
画面を明るくしすぎると、電力消費が増えて発熱します。
3. OSとアプリを最新に保つ
アップデートには最適化が含まれているため、発熱が改善されることがあります。
4. 通気性の良いケースを使う
熱がこもりにくい設計のケースを選ぶと良いでしょう。
5. 充電しながらの使用を避ける
特にゲームや動画視聴は、充電していないときに行うのがおすすめです。
機種による違い
スマホの機種によって、熱への強さは異なります。
ハイエンド機種
最新のフラッグシップモデル(高性能な機種)は、冷却機構が優れていることが多いです。
しかし、その分CPUも高性能で発熱量も多いため、結局熱くなることはあります。
ミドルレンジ・エントリー機種
性能は控えめですが、その分発熱も少ない傾向にあります。
普段使いなら、これらの機種で十分快適に使えるでしょう。
ゲーミングスマホ
ゲーム用に設計された機種は、冷却ファンや大型のヒートシンクを搭載していることがあります。
長時間のゲームプレイには最適ですね。
バッテリーへの影響
熱はバッテリーにも悪影響を与えます。
高温とバッテリーの関係
リチウムイオンバッテリー(スマホに使われている電池)は、高温環境で劣化が早まります。
頻繁に高温になると:
- バッテリーの持ちが悪くなる
- 充電速度が遅くなる
- 膨張のリスクが高まる
これもサーマルスロットリングでスマホを守る理由の一つなのです。
まとめ
スマホが熱くなると重くなる理由について解説してきました。
この記事のポイント:
- スマホが熱くなると重くなるのは「サーマルスロットリング」という安全機能のため
- CPUは動作するときに熱を発生させる
- 熱くなりすぎると故障するため、自動的に性能を落として保護している
- 冷蔵庫や水で冷やすのは絶対にNG
- 使用を控える、アプリを終了する、涼しい場所に移動するなどの対処が効果的
- 日頃から予防を意識することで、快適に使い続けられる
スマホが熱くなって重くなるのは、故障を防ぐための賢い仕組みだったんですね。
無理に使い続けず、適度に休ませてあげることで、スマホを長く快適に使えますよ!

コメント