プロジェクトのタスク管理やシフト表、スケジュール表など、情報を整理して共有したいとき、「表」があると便利ですよね。
でも、Slackを開いてみると、「あれ?ExcelやWordみたいな表作成ボタンがない…」と困ったことはありませんか?
実は、Slackには標準的な表作成機能がありません。
でも安心してください。Slackで表のような見た目を作る方法はちゃんとあります。
この記事では、Slackで表を作る複数の方法から、用途に応じた使い分けのコツ、新機能のCanvasを使った表作成まで、分かりやすく解説していきます。
なぜSlackに表機能がないのか

スピード重視の設計思想
Slackはもともとリアルタイムのコミュニケーションに特化したチャットツールとして開発されました。
ExcelやWordのような複雑なレイアウト機能を搭載すると、以下のような問題が発生する可能性があります:
- アプリの動作が重くなる
- スマホでの表示が崩れやすい
- 読み込み速度が遅くなる
そのため、Slackはあえてシンプルさとスピードを優先し、複雑な表機能を省いているんです。
Slackの独自マークアップ「mrkdwn」
Slackでは、「mrkdwn(マークダウン)」という独自のテキスト書式設定言語を使っています。
これは一般的なMarkdownに似ていますが、表形式には対応していません。
つまり、Markdownで使える「|」(パイプ)と「-」(ハイフン)を使った表記法は、Slackでは機能しないんです。
Slackで表を作る4つの方法
Slackには表機能がありませんが、工夫次第で表のような見た目を作ることができます。
用途に応じて、以下の4つの方法から選びましょう。
方法1:コードブロックで簡易表を作る【基本】
最も手軽で基本的な方法です。
コードブロックを使うと、等幅フォント(すべての文字が同じ幅)で表示されるため、スペースで位置を揃えやすくなります。
作成手順:
手順1:コードブロックを開始する
メッセージ入力欄で「“`」(バッククォート3つ)を入力します。
手順2:表のデータを入力する
スペースやタブを使って、列を揃えながらデータを入力します。
手順3:コードブロックを閉じる
最後に再び「“`」を入力します。
実例:
日付 担当者 タスク
----------------------------------------
8/10 田中さん プレゼン準備
8/12 佐藤さん 資料作成
8/14 鈴木さん リハーサル
このように入力すると、Slackでは等幅フォントで表示され、表のような見た目になります。
メリット:
- 設定不要で誰でもすぐに使える
- Slack内で完結する
- シンプルな表なら十分読みやすい
デメリット:
- 編集が面倒(一度送信すると、メッセージ全体を編集する必要がある)
- 複雑な表は作りにくい
- 日本語と英数字が混在すると位置がズレやすい
方法2:Googleスプレッドシートを連携する【推奨】
複雑なデータや編集が必要な表には、この方法が最適です。
Googleスプレッドシートで作成した表を、Slackに共有リンクとして貼り付けます。
作成手順:
手順1:Googleスプレッドシートで表を作成
通常通り、Google スプレッドシートで表を作成します。
手順2:共有設定を変更
スプレッドシートの「共有」ボタンをクリックし、「リンクを知っている全員が閲覧可能」に設定します。
手順3:リンクをコピー
共有リンクをコピーします。
手順4:Slackに貼り付け
Slackのメッセージ欄にリンクを貼り付けて送信します。
すると、Slack上でスプレッドシートのプレビューが表示され、クリックするとそのまま編集や閲覧ができます。
メリット:
- 表の編集が簡単(Googleスプレッドシート上で編集すれば自動的に更新される)
- 複数人で同時編集できる
- 関数やグラフも使える
- データが常に最新の状態で共有される
デメリット:
- Googleアカウントが必要
- 外部ツールに依存する
- インターネット接続が必要
方法3:Slack Canvas(キャンバス)を使う【新機能】
2023年4月から提供されている新機能で、Slack内で直接表を作成できます。
Canvasは、Slack内でドキュメントを作成・共有できる機能で、表作成にも対応しています。
作成手順:
手順1:Canvasを作成
チャンネルまたはDMの上部にある「Canvas」タブをクリックします。
または、ホームタブの「ファイル」から「Canvas」を選択します。
手順2:表を挿入
Canvas画面の下部にある編集バーから「表」アイコンを選択します。
手順3:表を編集
初期状態の表が表示されるので、行や列を追加・削除しながら必要なデータを入力します。
手順4:共有
Canvasは自動的にチャンネルメンバーに共有されます。
メリット:
- Slack内で完結する
- 見た目がきれいで読みやすい
- リアルタイムで複数人が編集できる
- コメント機能やメンション機能が使える
デメリット:
- 比較的新しい機能のため、使い慣れていない人が多い
- 高度な計算や関数は使えない
- スマホでの編集は制限がある
方法4:外部アプリと連携する【高度】
専門的な用途には、外部アプリとの連携が便利です。
Slackには、以下のような表作成・管理アプリを連携できます:
主な連携アプリ:
- Notion:ドキュメント作成・データベース管理
- Airtable:データベース型の表管理
- Trello:カード型のタスク管理
- SlackTables:CSV/Excel形式のファイルを表形式で表示
これらのアプリをSlackと連携させることで、より高度な表管理が可能になります。
メリット:
- 高度な機能が使える
- 大量のデータも扱える
- 専門的な用途に対応できる
デメリット:
- 追加のアプリ導入が必要
- 学習コストがかかる
- 有料プランが必要な場合がある
用途別おすすめの方法

どの方法を選ぶか迷ったら、以下を参考にしてください。
シンプルな表(3×3程度)
おすすめ:コードブロック
ちょっとしたスケジュールや簡単な一覧表なら、コードブロックが手軽です。
例:簡単なシフト表
曜日 午前 午後
----------------------------
月 田中さん 佐藤さん
火 佐藤さん 鈴木さん
水 鈴木さん 田中さん
頻繁に更新する表
おすすめ:Googleスプレッドシート
タスク管理表やプロジェクト進捗など、頻繁にデータを更新する場合は、Googleスプレッドシートが最適です。
スプレッドシート上で編集すれば、Slack側は自動的に最新版が表示されます。
チーム全員で編集する表
おすすめ:Slack Canvas または Googleスプレッドシート
複数人で同時に編集する必要がある場合は、リアルタイム編集ができるこれらのツールが便利です。
Slack内で完結させたいならCanvas、高度な機能が必要ならGoogleスプレッドシートを選びましょう。
大量のデータを管理する表
おすすめ:外部アプリ(Airtable、Notionなど)
顧客リストや商品データベースなど、大量のデータを扱う場合は、専門的なツールが必要です。
コードブロックで表を作るコツ
位置ズレを防ぐポイント
コードブロックで表を作る際、最も困るのが「列の位置がズレる」問題です。
ズレる原因:
- 全角文字と半角文字の幅が違う
- タブとスペースを混在させている
解決方法:
1. 全角と半角を統一する
データ部分は全角、区切り線は半角など、ルールを決めましょう。
2. スペースの数を調整する
日本語(全角)は英数字(半角)の約2倍の幅があります。
全角1文字 = 半角2文字分と考えてスペースを調整してください。
3. 外部エディタで下書きする
位置合わせが難しい場合は、メモ帳やテキストエディタで下書きしてからコピペする方法もあります。
見やすい表にする工夫
区切り線を入れる
ヘッダーとデータの間に区切り線を入れると、読みやすくなります。
項目 内容
------------------------
プロジェクト 新商品開発
期限 2024年12月
担当 営業部
適度な余白を作る
列と列の間に十分なスペースを空けましょう。
悪い例:
名前|年齢|部署
田中|25|営業
良い例:
名前 年齢 部署
田中 25 営業部
Slack Canvasで表を作る詳しい手順
Canvas表の基本操作
表の作成:
- Canvasを開く
- 下部の編集バーから「表」アイコンをクリック
- 初期状態の表が挿入される
行の追加・削除:
- 行を追加:表の下部の「+」ボタンをクリック
- 行を削除:削除したい行にカーソルを合わせ、表示される「…」から「行を削除」を選択
列の追加・削除:
- 列を追加:表の右側の「+」ボタンをクリック
- 列を削除:削除したい列にカーソルを合わせ、表示される「…」から「列を削除」を選択
Canvas表の便利な機能
チェックリストとしても使える
各行にチェックボックスを追加できます。
タスク管理表として使う場合、完了したタスクにチェックを入れると、自動的に下部に移動させることも可能です。
メンション機能
セル内に「@ユーザー名」を入力すると、そのユーザーにメンションできます。
担当者を表に記入すれば、タップするだけで直接連絡できて便利です。
コメント機能
表の特定の部分にコメントを追加できます。
議論や補足説明が必要な場合に活用しましょう。
よくある表作成のトラブルと解決方法
コードブロックの表が崩れる
原因:文字幅の違い
全角と半角、または異なるフォントが混在していると、位置がズレます。
解決方法:
- すべて半角英数字で作成する
- または、すべて全角で統一する
- スペースの数を微調整する
Googleスプレッドシートのプレビューが表示されない
原因:共有設定が適切でない
スプレッドシートの共有設定が「制限付き」になっていると、Slackでプレビュー表示されません。
解決方法:
- スプレッドシートの「共有」ボタンをクリック
- 「リンクを知っている全員が閲覧可能」に変更
- 再度Slackにリンクを貼り付け
Canvasの表が編集できない
原因:編集権限がない
Canvasの編集権限は、作成者が設定できます。
解決方法:
- Canvas作成者に編集権限をリクエスト
- または、コメント機能を使って修正を依頼
表が見づらい
原因:情報量が多すぎる
1つの表に詰め込みすぎると、かえって読みにくくなります。
解決方法:
- 表を分割する
- 重要な情報だけに絞る
- 詳細情報は別ファイルに記載し、リンクを貼る
表を活用した情報共有の実例
タスク管理表
Canvas表を使った例では、担当者をメンションできるので、タスクの割り当てが明確になります。
タスク名 担当者 期限 ステータス
-------------------------------------------
資料作成 田中 12/15 進行中
レビュー 佐藤 12/17 未着手
最終確認 鈴木 12/20 未着手
シフト表
コードブロックを使った例:
週 月曜 火曜 水曜 木曜 金曜
------------------------------------------
午前 田中 佐藤 鈴木 田中 佐藤
午後 佐藤 鈴木 田中 佐藤 鈴木
シンプルな表なら、コードブロックで十分です。
比較表
Googleスプレッドシートを使った例では、複数のプランや製品を比較する際に便利です。
スプレッドシートなら、条件付き書式や色分けも簡単にできます。
まとめ:用途に応じて最適な方法を選ぼう
Slackには標準的な表機能はありませんが、工夫次第で表のような見た目を作ることができます。
4つの主な方法:
- コードブロック:シンプルな表に最適、手軽で誰でもすぐ使える
- Googleスプレッドシート:頻繁に更新する表や複雑なデータに最適
- Slack Canvas:Slack内で完結させたい場合に便利、リアルタイム編集可能
- 外部アプリ:大量データや専門的な用途に対応
選び方のポイント:
- 簡単な一覧表 → コードブロック
- 更新頻度が高い表 → Googleスプレッドシート
- チーム全員で編集 → Canvas または Googleスプレッドシート
- 大量のデータ管理 → 外部アプリ(Airtable、Notionなど)
それぞれの方法にメリット・デメリットがあるので、用途に応じて使い分けましょう。
表を上手に活用することで、情報共有がスムーズになり、チーム全体の生産性が向上します。
ぜひ、自分のチームに合った方法を試してみてください!
よくある質問(FAQ)
Q1. Slackの表はスマホでも見やすいですか?
コードブロックで作成した表は、スマホでは横スクロールが必要になることがあります。スマホでの閲覧が多い場合は、Canvasまたはリスト形式での共有をおすすめします。
Q2. 作成した表を再利用することはできますか?
コードブロックで作成した表は、メッセージをコピーして再利用できます。Canvasの場合は、Canvas自体を複製することが可能です。Googleスプレッドシートの場合は、スプレッドシートのコピー機能を使いましょう。
Q3. 表に画像を挿入することはできますか?
コードブロックでは画像挿入はできません。Canvasであれば、表の外に画像を配置することは可能ですが、セル内への挿入はできません。画像入りの表が必要な場合は、Googleスプレッドシートまたは外部アプリを使用してください。
Q4. 表のデータをCSVファイルでエクスポートできますか?
コードブロックやCanvasの表は、直接CSVエクスポートできません。Googleスプレッドシートの場合は、「ファイル」→「ダウンロード」→「カンマ区切りの値(.csv)」でエクスポート可能です。
Q5. 無料プランでもCanvasは使えますか?
はい、Slack Canvasは無料プランでも使用できます。ただし、ワークスペースから独立したCanvas(スタンドアロンCanvas)の作成は、有料プラン限定の機能です。

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