Slackを使っていると、「この会話は特定のメンバーだけに見せたい」「機密情報を扱うチャンネルが必要」といった場面に出くわすことがありますよね。
そんなときに便利なのがプライベートチャンネルです。鍵マークが目印のこの機能を使えば、招待されたメンバーだけが参加できる非公開のスペースを作ることができます。
この記事では、Slackのプライベートチャンネルの基本から作り方、活用方法、そして知っておくべき注意点まで、初心者の方にも分かりやすく解説していきます。
プライベートチャンネルとは?パブリックチャンネルとの違い

まず最初に、プライベートチャンネルの基本を押さえておきましょう。
プライベートチャンネルの特徴
プライベートチャンネルは、招待されたメンバーだけが参加できる非公開のチャンネルです。
チャンネル名の前に🔒(鍵マーク)が表示されるのが特徴です。
主な特徴は以下の通りです:
- 招待されたメンバーのみが閲覧・参加できる
- チャンネル一覧の検索結果に表示されない
- 投稿されたメッセージやファイルは参加メンバーしか検索できない
- ワークスペースの他のメンバーからは見えない
パブリックチャンネルとの違いを比較
Slackには2種類のチャンネルがあります。
それぞれの違いを表で見てみましょう。
パブリックチャンネル
- チャンネル名の前に「#」が表示される
- ワークスペースのメンバーなら誰でも閲覧・参加できる
- チャンネル一覧に表示され、検索で見つけられる
- 投稿したメッセージやファイルは全員が検索できる
- 透明性の高いコミュニケーションに最適
プライベートチャンネル
- チャンネル名の前に「🔒」が表示される
- 招待されたメンバーのみが閲覧・参加できる
- チャンネル一覧に表示されず、検索でも見つからない
- 投稿したメッセージやファイルは参加メンバーのみ検索できる
- 機密性の高いコミュニケーションに最適
プライベートチャンネルの使いどころ
プライベートチャンネルは、以下のような場面で活用されます。
適切な利用例:
- 人事や労務に関する個人情報のやり取り
- 採用候補者に関する社内ディスカッション
- 経営陣や役員による意思決定の話し合い
- まだ公開できないプロジェクトの企画段階
- 給与や評価に関する機密情報の共有
- 社外秘の契約や取引の調整
不適切な利用例:
- 通常の業務に関する会話(情報の透明性が損なわれる)
- 一部のメンバーを排除する目的での使用
- 本来オープンにすべき情報の隠蔽
プライベートチャンネルの作り方【新規作成】
それでは、プライベートチャンネルを新規に作成する方法を見ていきましょう。
デスクトップ版での作成手順
ステップ1:チャンネル作成画面を開く
- Slackの左側サイドバーにある「チャンネル」セクションを確認
- 「チャンネルを追加する」の横にある「+」マークをクリック
- メニューから「新しいチャンネルを作成する」を選択
有料プランをお使いの方は、「空白のチャンネル」または「テンプレート」を選択できます。
ステップ2:チャンネル情報を入力
- チャンネル名を入力します
- 分かりやすい名前をつけましょう
- 例:「#hr-confidential」「#exec-planning」など
- チャンネルの説明(任意)を入力
- このチャンネルの目的を簡潔に記載します
- メンバーが用途を理解しやすくなります
- 「プライベートチャンネルにする」のボタンをオンにする
- これが最も重要なステップです
- トグルボタンをクリックして有効にします
ステップ3:チャンネルを作成
- 「作成」ボタンをクリックします
- チャンネルが作成されます
ステップ4:メンバーを招待
- チャンネル作成後、メンバーの招待画面が表示されます
- 招待したいメンバーの名前またはメールアドレスを入力
- 複数のメンバーを一度に招待できます
- 「追加」ボタンをクリックして完了
後からメンバーを追加することもできるので、この段階でスキップしても大丈夫です。
モバイルアプリでの作成手順
スマートフォンやタブレットからも作成できます。
iOSの場合:
- ホームタブで「+」マークをタップ
- チャンネル名を入力して「次へ」をタップ
- 「プライベート」を選択
- 「作成」をタップ
Androidの場合:
- 「チャンネルを追加」をタップ
- 画面右下の「+」アイコンをタップ
- チャンネル名を入力
- 「プライベートにする」をオンにする
- 「チャンネルを作成」をタップ
チャンネル名の付け方のコツ
プライベートチャンネルを作る際、名前の付け方にはちょっとしたコツがあります。
良い名前の例:
- 目的が明確:「#hr-hiring-2025」
- 部門と内容を含む:「#marketing-budget-planning」
- 期間限定の場合は日付を含む:「#exec-meeting-q1」
避けるべき名前:
- 曖昧すぎる:「#secret」「#private」
- 長すぎる:「#this-is-a-very-long-channel-name-for-discussion」
- Slackの予約語:「slack」「channel」「group」などは使用不可
既存のチャンネルをプライベートに変更する方法
すでにあるパブリックチャンネルを、後からプライベートに変更することもできます。
変更前に確認すべき重要なポイント
⚠️ 必ず読んでください:プライベート化は取り消せません
一度プライベートチャンネルに変更すると、二度とパブリックチャンネルに戻すことはできません。
もし再度パブリックにしたい場合は、チャンネルを削除して新しく作り直す必要があります。
また、以下の点にも注意が必要です:
- パブリック時代に投稿されたファイルは公開状態のまま
- ファイルを非公開にするには、削除して再アップロードが必要
- 変更できるのはデスクトップ版またはWebブラウザ版のみ(モバイル版では不可)
デスクトップ版での変更手順
ステップ1:変更権限を確認
デフォルトでは以下の人がチャンネルをプライベートに変更できます:
- ワークスペースオーナー
- ワークスペース管理者
- チャンネルマネージャー(チャンネル作成者)
もし変更オプションが表示されない場合は、権限がないため、オーナーや管理者に相談してください。
ステップ2:チャンネル設定を開く
- プライベートに変更したいチャンネルを開きます
- 画面上部のチャンネル名をクリック
- 表示されたメニューから「設定」タブを選択
ステップ3:プライベートチャンネルに変更
- 下にスクロールして「プライベートチャンネルに変更する」を探します
- 「プライベートチャンネルに変更する」をクリック
- 確認画面が表示されるので、内容をよく読みます
- 「プライベートに変更する」をクリックして確定
ステップ4:変更完了の確認
変更が完了すると、以下のことが起こります:
- チャンネル名の前に🔒マークが表示される
- チャンネル内に変更を知らせるメッセージが自動投稿される
- 参加メンバー全員に通知が届く
プライベートチャンネルのメンバー管理

プライベートチャンネルでは、メンバーの追加と削除を適切に管理することが重要です。
メンバーを追加する方法
プライベートチャンネルに新しいメンバーを招待するには、すでに参加しているメンバーが招待する必要があります。
追加手順:
- プライベートチャンネルを開く
- 画面上部のチャンネル名をクリック
- 「メンバーを追加」または「人を追加」を選択
- 追加したいメンバーの名前またはメールアドレスで検索
- メンバーを選択(複数人同時に追加可能)
- 「追加」をクリック
メンバーの上限について
プライベートチャンネルには最大1,000人まで追加できます。
ただし、実際の運用では少人数の方が効果的なコミュニケーションが取れるでしょう。
メンバーを削除する方法
プライベートチャンネルからメンバーを削除することもできます。
削除手順:
- チャンネル名をクリック
- 「メンバー」タブを選択
- 削除したいメンバーを見つける
- メンバー名の横にある「…」(3点メニュー)をクリック
- 「チャンネルから削除」を選択
プライベートチャンネル活用のベストプラクティス
効果的にプライベートチャンネルを活用するためのコツをご紹介します。
1. 目的を明確にする
プライベートチャンネルを作る前に、「なぜこのチャンネルが必要か」を明確にしましょう。
チャンネルの説明欄に目的を書いておくと、後から参加したメンバーもすぐに理解できます。
2. 基本的にはパブリックを優先する
情報の透明性を保つため、機密情報でない限りパブリックチャンネルを使うことをおすすめします。
プライベートチャンネルを使いすぎると:
- 情報が分断される
- 新しいメンバーがキャッチアップしにくい
- チーム全体の透明性が損なわれる
- 知識の共有が進まない
といった問題が起こる可能性があります。
3. 定期的にメンバーを見直す
プロジェクトの進行に伴い、必要なメンバーが変わることがあります。
- 異動や退職したメンバーは削除する
- 新しく関わるメンバーを追加する
- 定期的(3ヶ月に1回など)にメンバーリストを確認する
4. プロフェッショナルなトーンを保つ
プライベートチャンネルでも、プロフェッショナルなコミュニケーションを心がけましょう。
「プライベート」だからといって:
- 不適切な発言をしない
- 他のメンバーの悪口を言わない
- 業務に関係ない個人的な会話に使わない
5. スレッドを活用する
複数のトピックが混在する場合は、スレッド機能を活用すると会話が整理されます。
重要な議論はスレッドで行い、チャンネル本体には要点だけを投稿するのも効果的です。
プライベートチャンネルに関するよくある質問(FAQ)
Q1. プライベートチャンネルは誰が作成できますか?
デフォルトでは、通常のメンバーもプライベートチャンネルを作成できます。
ただし、ワークスペースオーナーが設定で制限している場合もあります。
もし作成できない場合は、オーナーや管理者に相談してください。
Q2. #generalチャンネルをプライベートにできますか?
いいえ、できません。
generalチャンネルは、すべてのメンバー(ゲスト除く)が自動的に参加する特別なチャンネルです。
プライベート化、削除、アーカイブのいずれもできません。
Q3. プライベートチャンネルを検索で見つけることはできますか?
自分が参加しているプライベートチャンネルは検索できます。
しかし、参加していないプライベートチャンネルは、チャンネル一覧にも検索結果にも表示されません。
参加するには、すでにメンバーになっている人から招待してもらう必要があります。
Q4. プライベートチャンネル内のメッセージは誰が見られますか?
そのチャンネルに参加しているメンバーのみが見ることができます。
ワークスペースオーナーや管理者であっても、チャンネルに参加していなければ内容は見られません。
ただし、有料プランの一部機能(コンプライアンスエクスポートなど)を使用している場合、管理者がデータにアクセスできる可能性があります。
Q5. 誤ってプライベートチャンネルにしてしまいました。元に戻せますか?
残念ながら、自動的に元に戻すことはできません。
パブリックチャンネルに戻したい場合は:
- 現在のプライベートチャンネルをアーカイブまたは削除
- 同じ名前で新しいパブリックチャンネルを作成
- メンバーを再度招待
という手順が必要になります。過去のメッセージ履歴を引き継ぐことはできないので注意してください。
Q6. プライベートチャンネルのファイルは検索できますか?
プライベートチャンネルに投稿されたファイルは、そのチャンネルのメンバーのみが検索できます。
ただし、パブリックチャンネル時代に投稿されたファイルは、プライベートに変更後も公開状態のままです。
完全に非公開にするには、ファイルを削除して再アップロードする必要があります。
Q7. グループDMとプライベートチャンネルの違いは何ですか?
グループDM(ダイレクトメッセージ):
- 3人以上の一時的な会話に適している
- 最大9人まで参加可能
- チャンネル一覧に表示されない
- 後から名前を変更できない
プライベートチャンネル:
- 長期的なプロジェクトや継続的な議論に適している
- 最大1,000人まで参加可能
- チャンネル一覧に表示される(メンバーのみ)
- 名前や説明を後から変更できる
長期的な議論になりそうな場合は、グループDMをプライベートチャンネルに変換することもできます。
Q8. 共有チャンネル(Slack Connect)もプライベートにできますか?
はい、できます。
ただし、チャンネルを所有する組織側でのみプライベート化が可能です。
また、プライベート設定は所有組織のみに適用され、接続先の組織では引き続きパブリックとして表示される場合があります。
まとめ:プライベートチャンネルを上手に活用しよう
Slackのプライベートチャンネルは、機密情報を扱う場面で非常に便利な機能です。
しかし、使いすぎると情報の透明性が失われてしまう可能性もあります。
この記事のポイントをおさらい:
- プライベートチャンネルは招待制の非公開スペース
- 鍵マーク🔒が表示される
- 新規作成時に「プライベートチャンネルにする」をオンにする
- 既存のパブリックチャンネルも後から変更可能
- 一度プライベートにすると元に戻せない
- 基本的にはパブリックチャンネルを優先し、必要な場合のみプライベートを使う
- 人事、採用、経営判断など機密性の高い情報に最適
適切な場面でプライベートチャンネルを活用することで、セキュアで効率的なコミュニケーションを実現できます。
もし設定や使い方で困ったことがあれば、ワークスペースのオーナーや管理者に相談してみてください。
また、Slack公式ヘルプページやサポートチーム(feedback@slack.com)も利用できます。


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