Slackの移行完全ガイド!データエクスポートから他ツールへの移行まで徹底解説

プログラミング・IT

「Slackのワークスペースを統合したい」
「別のチャットツールに移行を検討している」
「新しいワークスペースに過去のデータを引き継ぎたい」

こんな悩みを抱えていませんか?

Slackは便利なビジネスチャットツールですが、組織の再編や契約の見直しなどで、データの移行が必要になる場面は意外と多いものです。

でも、「どうやってデータをエクスポートするの?」「プランによって制限があるの?」と不安に思う方も多いでしょう。

この記事では、Slackのデータエクスポート方法から、別のワークスペースへの移行、他のツールへの乗り換えまで、分かりやすく解説していきます。


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Slackの移行とは?主な3つのパターン

Slackの「移行」には、大きく分けて3つのパターンがあります。

パターン1:Slackワークスペース間の移行

最も一般的なパターンです。

  • 複数のワークスペースを1つに統合したい
  • 無料プランから有料プランに移行して、過去のデータを引き継ぎたい
  • 部署の統廃合でワークスペースを再編したい

このような場合、Slack内でのデータ移行が必要になります。

パターン2:Enterprise Gridへの移行

大規模組織向けの統合パターンです。

複数の独立したワークスペースを、Enterprise Grid(組織全体を管理する仕組み)に移行します。

プライマリーオーナーの承認が必要で、専用の手続きがあります。

パターン3:他のツールへの移行

Slack以外のチャットツールに乗り換えるパターンです。

  • Microsoft Teamsへ移行
  • Rocket.Chatへ移行
  • Mattermostへ移行
  • その他のビジネスチャットへ移行

各ツールには専用のインポート機能がある場合が多いです。


プラン別エクスポート機能の違い

Slackでデータをエクスポートする際、利用しているプランによってできることが異なります

無料プラン(フリープラン)

エクスポート可能なデータ:

  • パブリックチャンネルのメッセージ
  • ファイルへのリンク(過去90日分のみ)

制限事項:

  • プライベートチャンネルやDMはエクスポートできない
  • 実際のファイルはダウンロードされず、リンクのみ
  • 過去のメッセージは90日間まで

ポイント:
無料プランは機能が限られているため、移行前に一時的に有料プランの無料トライアルを利用する方法も検討できます。

プロプラン

エクスポート可能なデータ:

  • パブリックチャンネルのメッセージとファイルリンク
  • 日付範囲を指定してエクスポート可能

制限事項:

  • プライベートチャンネルとDMは申請が必要
  • 1年以上前に削除されたデータは含まれない

申請方法:
法的根拠または全メンバーの同意がある場合、申請によってすべてのチャンネルとDMをエクスポートできます。

ビジネスプラスプラン

エクスポート可能なデータ:

  • パブリックチャンネル
  • プライベートチャンネル(申請により)
  • ダイレクトメッセージ(申請により)
  • チャンネル監査レポート(CSV形式)

追加機能:

  • 定期的な自動エクスポートのスケジュール設定が可能
  • より詳細なデータ抽出オプション

Enterprise Gridプラン

エクスポート可能なデータ:

  • カスタムデータエクスポート(会話タイプ、メンバー、ワークスペース別に選択可能)
  • すべてのチャンネルと会話(JSON形式またはTXT形式)
  • チャンネル監査レポート

注意点:
Enterprise GridからはSlackへのインポートはサポートされていません。
別のワークスペースにインポートしてから、そのワークスペースをGridに移行する方法を取る必要があります。


Slackからデータをエクスポートする方法

パブリックチャンネルのエクスポート(全プラン共通)

手順:

手順1:管理画面を開く
画面左上のワークスペース名をクリックし、「ツールと設定」→「ワークスペースの設定」を選択します。

手順2:セキュリティ設定へ移動
「セキュリティ」をクリックし、「データのインポート/エクスポート」を選択します。

手順3:エクスポートタブを開く
「エクスポート」タブをクリックします。

手順4:日付範囲を選択
「日付範囲をエクスポートする」から、エクスポートしたい期間を選択します。

手順5:エクスポート開始
「エクスポート開始」ボタンをクリックします。

手順6:ダウンロード
エクスポートが完了すると、登録メールアドレスに通知が届きます。
メール内のリンクからエクスポートページに移動し、ZIPファイルをダウンロードします。

URLを直接入力する方法

実は、Slackのエクスポート機能は、特定のURLにアクセスすることでも利用できます

通常のSlack URL:

https://[ワークスペース名].slack.com/

エクスポートページのURL:

https://[ワークスペース名].slack.com/services/export

このURLをブラウザに直接入力すると、エクスポートページに直接アクセスできます。


別のSlackワークスペースにデータを移行する方法

移行前の準備

1. どちらのワークスペースを移行元にするか決める

一般的には、小規模または活動が少ないワークスペースから大規模なワークスペースへ移行することをおすすめします。

2. 必要な権限を確認

  • エクスポート:ワークスペースオーナーまたは管理者
  • インポート:ワークスペースオーナー

3. エクスポートファイルのサイズを確認

大きなエクスポートファイル(100GB以上)は、処理に数日かかることがあります。

インポートの手順

手順1:エクスポートファイルを準備
移行元のワークスペースからデータをエクスポートし、ZIPファイルをダウンロードします。

手順2:クラウドにアップロード(推奨)
Dropbox、Box、Google Driveなどにエクスポートファイルをアップロードし、ダイレクトダウンロードリンクを生成します。

100MB以下の小さなファイルなら、直接アップロードも可能です。

手順3:インポート開始
移行先のワークスペースで、「データのインポート/エクスポート」→「インポート」→「Slack」を選択します。

手順4:ファイルをアップロード
ダイレクトダウンロードリンクを貼り付けるか、直接ファイルをアップロードします。

手順5:ユーザーのマッピング
アップロードが完了すると、メールで通知が届きます。

インポートページで、各ユーザーをどのように扱うかを選択します:

  • 既存のメンバーと統合:同じメールアドレスのユーザーを統合
  • 新規メンバーとして招待:新しいアカウントを作成して招待
  • 無効化されたユーザーとして作成:招待せずにアカウントのみ作成
  • インポートしない:特定のユーザーをスキップ

手順6:チャンネルのマッピング
同様に、チャンネルの扱いを選択します:

  • 既存チャンネルと統合:同名のパブリックチャンネルに統合
  • 新規チャンネルを作成:新しいチャンネルを作成
  • インポートしない:特定のチャンネルをスキップ

手順7:インポート実行
設定を確認し、「インポート開始」をクリックします。


Enterprise Gridへの移行

Enterprise Grid移行の流れ

手順1:移行リクエストを送信
OrG(組織)オーナーが、対象ワークスペースのIDとURLを入力し、移行リクエストを送信します。

手順2:プライマリーオーナーが承認
ワークスペースのプライマリーオーナーがSlackbotから通知を受け取り、承認または拒否します。

手順3:移行チェックリストを完了
承認されると、必要なタスクを完了するためのチェックリストが提供されます。

手順4:移行完了
移行が完了すると、メンバー全員にメールとSlackbotメッセージで通知されます。

移行時の注意点

プロフィール情報の統合:
複数のワークスペースを移行する場合、最初に移行したワークスペースのプロフィール詳細がデフォルトとして適用されます。

Slack Connectチャンネル:
移行中は一時的にアクセスできなくなりますが、移行後はOrG全体のマルチワークスペースチャンネルになります。

アプリと設定:
ワークスペースの設定やアプリは移行されないため、移行後に再設定が必要です。


他のツールへの移行

Microsoft Teamsへの移行

移行できるもの:

  • パブリックチャンネルのメッセージ
  • ファイル(プログラムでコピー可能)
  • ユーザーアカウント

移行できないもの:

  • ダイレクトメッセージ(サードパーティツールが必要)
  • アプリの設定

手順:

  1. Slackからデータをエクスポート
  2. Microsoft Teamsでチームとチャンネルを作成
  3. サードパーティツール(ArgyleMigrator、Slack Export Viewerなど)を使用してインポート

Rocket.Chatへの移行

移行できるもの:

  • パブリックチャンネルのみ
  • メッセージと画像・ファイル
  • ユーザーアカウント

手順:

  1. Slackからデータをエクスポート
  2. Rocket.Chat管理画面で「インポート」を選択
  3. 「Slack」を選択してZIPファイルをアップロード
  4. インポート完了後、データを確認

注意点:

  • プライベートチャンネルとDMは移行できない
  • 移行が必要な場合は手動でコピペする必要がある

Mattermostへの移行

特徴:
より高度な移行ツール(mmetl)を使用します。

移行プロセス:

  1. Slackからデータをエクスポート
  2. mmetlツールでデータを変換
  3. mmctlツールでMattermostにアップロード
  4. データの確認と調整

注意点:

  • 大規模な移行には数週間かかることもある
  • テスト環境での事前確認が必須
  • LinuxまたはmacOSが推奨(Windowsは非対応)

データ移行時の注意点とトラブル対策

エクスポートファイルのサイズ制限

問題:ファイルが大きすぎてアップロードできない

解決方法:

  1. エクスポート期間を分割する(例:6ヶ月ごと)
  2. 不要な大容量ファイルを除外する
  3. 複数回に分けてインポートする

権限の確認

問題:エクスポートやインポートができない

解決方法:

  • 自分がワークスペースオーナーまたは管理者かを確認
  • 必要に応じて、現在のオーナーに権限の付与を依頼

メールアドレスの一致

問題:ユーザーの統合がうまくいかない

解決方法:
Slackはメールアドレスが一致するユーザーを自動的に統合します。
移行前に、両方のワークスペースでメールアドレスを確認しましょう。

ファイルのインポート

問題:ファイルが移行されない

原因:
Slackのエクスポートには、ファイル本体ではなくリンクのみが含まれます。

解決方法:

  1. エクスポート前に重要なファイルを別途ダウンロード
  2. または、サードパーティツールを使用してファイルをプログラム的にコピー

プライベートチャンネルとDM

問題:プライベートチャンネルやDMが移行できない

解決方法:

  1. 有料プランの場合、申請によってエクスポート可能
  2. 無料プランの場合、手動でコピペするか、一時的に有料プランを試用

絵文字とカスタマイズ

問題:カスタム絵文字やユーザーグループが移行されない

原因:
ワークスペースのカスタマイズ設定は自動的には移行されません。

解決方法:
移行後に手動で再設定する必要があります。


移行をスムーズに進めるためのベストプラクティス

事前準備を徹底する

1. 移行計画を立てる

  • 移行の目的を明確にする
  • 移行するデータの範囲を決める
  • スケジュールを策定する

2. テスト環境で試す
無料プランで新しいワークスペースを作成し、小規模なエクスポートファイルでテストしましょう。

3. チームに事前通知
移行作業中は、Slackが一時的に使えなくなる可能性があります。
事前にチーム全体に通知し、スケジュールを共有しましょう。

移行のタイミング

おすすめのタイミング:

  • 週末や祝日など、業務への影響が少ない時期
  • 決算期や繁忙期を避ける
  • 長期休暇前(トラブル時に対応できるよう)

データのバックアップ

移行前に必ず行うこと:

  1. エクスポートファイルを複数の場所に保存
  2. 重要なファイルを別途ダウンロード
  3. 重要なメッセージやチャンネルのスクリーンショットを撮る

移行後の確認作業

チェックリスト:

  • [ ] すべてのユーザーが正しくインポートされたか
  • [ ] チャンネルが正しく作成されたか
  • [ ] メッセージの履歴が表示されるか
  • [ ] ファイルリンクが機能するか
  • [ ] 通知設定が適切か
  • [ ] アプリの再連携が必要か

まとめ:計画的な移行で失敗を防ごう

Slackのデータ移行は、適切な準備と手順を踏めば、比較的スムーズに行えます。

移行の主な流れ:

  1. 移行パターンを決める:ワークスペース間、Enterprise Grid、他ツールのどれか
  2. プランを確認:エクスポート可能なデータの範囲を把握
  3. データをエクスポート:日付範囲を選択してZIPファイルをダウンロード
  4. 移行先を準備:新しいワークスペースまたは他のツールを設定
  5. データをインポート:ユーザーとチャンネルのマッピングを確認
  6. 動作確認:移行後のデータを検証

重要なポイント:

  • プランによってエクスポート機能が異なるので、事前に確認しましょう
  • エクスポートにはリンクのみが含まれ、ファイル本体は含まれないことを理解しましょう
  • テスト環境で事前に試すことで、本番での失敗を防げます
  • 移行には時間がかかるため、余裕を持ったスケジュールを組みましょう

組織の変化に合わせて、Slackのワークスペースを適切に管理・統合することで、より効率的なコミュニケーション環境を構築できます。

この記事を参考に、安全で確実なデータ移行を実現してください!


よくある質問(FAQ)

Q1. 無料プランでもデータ移行はできますか?

はい、可能です。ただし、無料プランではパブリックチャンネルのメッセージと過去90日分のファイルリンクのみエクスポートできます。プライベートチャンネルやDMを移行したい場合は、一時的に有料プランの無料トライアルを利用する方法もあります。

Q2. エクスポートにはどのくらい時間がかかりますか?

ワークスペースのサイズによって異なります。小規模なワークスペース(数GB以下)なら数分から数時間、大規模なワークスペース(100GB以上)の場合は数日かかることもあります。エクスポートが完了すると、メールで通知が届きます。

Q3. プライベートチャンネルやDMを移行するにはどうすればいいですか?

有料プラン(プロ、ビジネスプラス、Enterprise Grid)では、法的根拠または全メンバーの同意がある場合、申請によってすべてのチャンネルとDMをエクスポートできます。無料プランの場合は、手動でコピペするか、一時的に有料プランを試用する必要があります。

Q4. 移行後、元のワークスペースはどうなりますか?

エクスポートとインポートはデータのコピーです。元のワークスペースはそのまま残ります。不要になった場合は、手動で削除する必要があります。ただし、Enterprise Gridへの移行の場合は、ワークスペースがGridに統合されます。

Q5. アプリの連携や絵文字などのカスタマイズも移行されますか?

いいえ、ワークスペースの設定、アプリの連携、カスタム絵文字、ユーザーグループなどは自動的には移行されません。移行後に手動で再設定する必要があります。重要な設定は、移行前にリスト化しておくことをおすすめします。

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