「大切な会話がSlackで流れてしまった…」「過去のやり取りを確認したいのに見つからない…」そんな経験はありませんか?
Slackは便利なコミュニケーションツールですが、フリープランでは過去90日間のメッセージしか見られないため、大切な情報が消えてしまう前にログを保存しておきたいと考える方も多いでしょう。
この記事では、Slackのログをエクスポートする方法から、エクスポートしたデータの読み方、さらには監査ログやアナリティクスの活用方法まで、Slackのログに関するすべてを分かりやすく解説します。
Slackログとは?なぜ必要なの?
Slackログの基本
Slackログとは、ワークスペース内で行われたすべてのコミュニケーション記録のことです。具体的には以下のような情報が含まれます:
- メッセージ履歴:チャンネルやダイレクトメッセージでのやり取り
- ファイル情報:共有されたファイルへのリンク(ファイル本体ではない)
- ユーザー情報:ワークスペースのメンバーリスト
- チャンネル情報:チャンネルの作成日、メンバー、説明など
- タイムスタンプ:各メッセージの送信日時
- 編集履歴:メッセージの編集記録(プランによる)
ログ保存が必要な理由
Slackログを保存しておくと、次のような場面で役立ちます:
1. プロジェクトの記録として
過去のプロジェクトで「誰がいつ、何を決定したか」を振り返る際に重要な資料になります。
2. 法的・コンプライアンス対応
業界によっては、コミュニケーション記録を一定期間保存することが法律で義務付けられている場合があります。
3. データ移行時のバックアップ
別のツールに移行する際や、ワークスペースを統合する際に、過去の会話を引き継ぐことができます。
4. トラブルシューティング
「あのとき誰がこう言っていた」という情報を確認できるので、問題解決の手がかりになります。
5. 知識の蓄積
過去のディスカッションには、チームの知見やノウハウが詰まっています。これを失わないために保存が重要です。
プランごとのログ保存期間とエクスポート制限
Slackでは、契約しているプランによって保存できるログの範囲が大きく異なります。自分のワークスペースがどのプランなのかを確認してから、適切な方法でログを管理しましょう。
フリープラン
メッセージ保存期間:
- 過去90日間のメッセージのみ閲覧可能
- 90日を過ぎたメッセージは見えなくなる(削除ではなく非表示)
- ファイルストレージは5GB
エクスポート可能範囲:
- パブリックチャンネルのメッセージのみ
- プライベートチャンネルやDM(ダイレクトメッセージ)はエクスポート不可
- ファイル本体ではなく、ファイルへのリンクのみ
- 過去90日分のファイルリンクのみ含まれる
重要なポイント:フリープランでも、90日以前のデータはSlackのサーバーには残っています。ただし、標準機能では閲覧もエクスポートもできません。
プロ(スタンダード)プラン
メッセージ保存期間:
- すべてのメッセージ履歴を閲覧可能
- ファイルストレージは10GB/メンバー
エクスポート可能範囲:
- パブリックチャンネルのメッセージとファイルリンク
- プライベートチャンネルやDMは特別申請が必要
- 1年以上経過したデータも含まれる
ビジネスプラス(Business+)プラン
メッセージ保存期間:
- すべてのメッセージ履歴を閲覧可能
- ファイルストレージは20GB/メンバー
エクスポート可能範囲:
- パブリックチャンネルのメッセージとファイルリンク
- プライベートチャンネルとDMのエクスポートも申請可能
- セルフサービスのデータエクスポートツールにアクセス可能(申請必要)
- チャンネル監査レポートの取得が可能
エンタープライズグリッド(Enterprise Grid)プラン
メッセージ保存期間:
- すべてのメッセージ履歴を閲覧可能
- カスタマイズ可能な保持ポリシー
- ファイルストレージは1TB以上
エクスポート可能範囲:
- すべてのチャンネルとDMのエクスポートが可能
- 定期的な自動エクスポートのスケジュール設定が可能
- カスタムデータエクスポート(JSON形式またはTXT形式)
- 組織全体の監査ログへのアクセス
【標準機能】Slackログのエクスポート方法
それでは、Slackの標準機能を使ってログをエクスポートする手順を詳しく見ていきましょう。
必要な権限
ログをエクスポートできるのは、以下の権限を持つユーザーのみです:
- ワークスペースのオーナー
- ワークスペースの管理者
一般メンバーはログのエクスポートはできません。権限がない場合は、オーナーや管理者に依頼する必要があります。
エクスポート手順(デスクトップ版)
ステップ1:ワークスペース設定を開く
- Slackアプリを開く
- 左上のワークスペース名をクリック
- メニューから「設定と管理」を選択
- 「ワークスペースの設定」をクリック
これでブラウザが開き、ワークスペースの設定ページが表示されます。
ステップ2:データエクスポートページへ移動
- 左側のメニューから「データのインポート/エクスポート」をクリック
- 「エクスポート」タブを選択
ステップ3:エクスポート期間を選択
「日付範囲をエクスポートする」のドロップダウンメニューから、必要な期間を選択します:
- すべての履歴
- 過去1週間
- 過去1ヶ月
- 過去3ヶ月
- カスタム期間(開始日と終了日を指定)
ステップ4:エクスポートを開始
- 「エクスポート開始」ボタンをクリック
- 確認メッセージが表示されるので、内容を確認して「エクスポート」をクリック
重要な注意点:
- エクスポートの生成は1時間に1回までの制限があります
- データ量が多い場合、エクスポートの準備に時間がかかることがあります
ステップ5:エクスポートファイルのダウンロード
エクスポートの準備が完了すると、2つの方法で通知されます:
方法1:Slackbot からの通知
Slack内でSlackbotからダイレクトメッセージが届きます。メッセージ内の「エクスポートページ」リンクをクリックします。
方法2:メール通知
登録されているメールアドレスにもエクスポート完了の通知が届きます。メール内の「ワークスペースのエクスポートページにアクセスする」リンクをクリックします。
ステップ6:ZIPファイルをダウンロード
- エクスポートページで「ダウンロードを開始する」ボタンをクリック
- ZIPファイルがダウンロードされます
ダウンロードの有効期限:エクスポートファイルは一定期間のみダウンロード可能です。期限が過ぎた場合は、再度エクスポート作業を行う必要があります。
直接URLからアクセスする方法
設定画面を探すのが面倒な場合は、直接URLからアクセスすることもできます:
https://[ワークスペース名].slack.com/admin/settings
[ワークスペース名]の部分を自分のワークスペース名に置き換えてブラウザで開いてください。
エクスポートしたデータの中身と読み方
エクスポートしたZIPファイルを解凍すると、どんなデータが入っているのか見ていきましょう。
ファイル構成
ZIPファイルを解凍すると、次のような構成になっています:
ワークスペース名 Slack export 2024-01-01 - 2024-12-31/
├── チャンネル名フォルダ/
│ ├── 2024-01-01.json
│ ├── 2024-01-02.json
│ └── 2024-01-03.json
├── channels.json
├── users.json
├── integration_logs.json
└── README(またはガイドファイル)
各ファイルの説明
1. チャンネル名フォルダ
パブリックチャンネルごとにフォルダが作成されます。フォルダ名はチャンネル名(#は除く)です。
各フォルダ内には、日付ごとのJSONファイルが含まれています。たとえば「2024-01-01.json」には、その日にそのチャンネルで投稿されたすべてのメッセージが記録されています。
2. channels.json
ワークスペース内のすべてのパブリックチャンネルの情報が含まれています:
- チャンネルID
- チャンネル名
- 作成日
- 作成者
- トピック
- 目的(説明)
- メンバー数
3. users.json
ワークスペースのメンバー情報が記録されています:
- ユーザーID
- ユーザー名
- 表示名
- プロフィール情報
- タイムゾーン
- 管理者権限の有無
4. integration_logs.json
連携されているアプリやボットの情報が含まれています。
メッセージデータ(JSONファイル)の構造
各日付のJSONファイルを開くと、次のような形式でメッセージが記録されています:
[
{
"type": "message",
"user": "U12345678",
"text": "おはようございます!",
"ts": "1609459200.000100",
"team": "T12345678"
},
{
"type": "message",
"user": "U87654321",
"text": "おはようございます。今日もよろしくお願いします。",
"ts": "1609459260.000200",
"reactions": [
{
"name": "+1",
"users": ["U12345678"],
"count": 1
}
]
}
]
主要な項目の説明:
type:メッセージの種類(通常は”message”)user:送信者のユーザーID(users.jsonと照合して名前を確認)text:メッセージの本文ts:タイムスタンプ(Unix時間形式)reactions:絵文字リアクションの情報files:添付ファイルへのリンク情報
タイムスタンプの変換方法
JSONファイル内のtsは、Unix時間形式(1970年1月1日からの秒数)で記録されています。これを人間が読める形式に変換するには、オンラインのUnix時間変換ツールを使うか、以下の方法で確認できます。
Excelでの変換:
=(タイムスタンプ/86400)+DATE(1970,1,1)+TIME(9,0,0)
※日本時間の場合、TIME(9,0,0)で9時間のオフセットを追加
JSONファイルを読みやすくする方法
JSON形式は機械向けの形式なので、そのままでは読みにくいです。以下の方法で見やすくできます:
方法1:JSONビューア拡張機能を使う
Google Chromeや他のブラウザで、JSON Viewerという拡張機能をインストールすると、JSONファイルを整形して表示できます。
方法2:オンラインJSONフォーマッタを使う
「JSON formatter」などで検索すると、JSONを見やすく整形してくれるウェブサイトが見つかります。
方法3:専用ツールを使う
- DB Browser for SQLite:JSONデータをインポートして検索可能
- SlackLogViewer:Slackエクスポートデータ専用の無料ビューアツール(GitHub公開)
- JSON to CSV変換ツール:ExcelやGoogleスプレッドシートで開ける形式に変換
プライベートチャンネルとDMのエクスポート方法
ビジネスプラス以上のプランでは、プライベートチャンネルやダイレクトメッセージもエクスポートできますが、申請が必要です。
エクスポート申請の条件
Slackは、プライバシー保護の観点から、以下のいずれかの条件を満たす場合のみ、プライベートデータのエクスポートを許可しています:
- 法的根拠がある場合
- 政府機関や規制当局からの有効な要求(命令書)
- 法的手続きに必要な証拠としてのエクスポート
- メンバーの同意がある場合
- ワークスペースの全メンバーからエクスポートの同意を取得している
- 適切な法律に基づく権利がある場合
- 雇用契約や企業ポリシーで明記されている
- 該当する法律や規定に基づいた正当な理由
申請方法
- ワークスペースオーナーがSlackサポートに連絡
- 上記の条件を満たす証明書類を提出
- Slackによる審査
- 承認されれば、セルフサービスデータエクスポートツールへのアクセスが付与される
重要な注意点:
- 証明書類の提出がない場合、申請は却下されます
- 不適切な理由でのエクスポート申請は、利用規約違反となる可能性があります
- メンバーのプライバシーを尊重し、適切に使用する責任があります
セルフサービスデータエクスポートツール
ビジネスプラス/エンタープライズグリッドプランで承認を受けると、以下の機能が使えるようになります:
- パブリック/プライベートチャンネル、DMすべてのエクスポート
- JSON形式またはTXT形式での出力
- カスタム日付範囲の指定
- 定期的な自動エクスポートのスケジュール設定
- 特定のユーザーやチャンネルに絞ったエクスポート
監査ログの確認とエクスポート
エンタープライズグリッドプランでは、「監査ログ」という機能が利用できます。これは通常のメッセージログとは異なり、ワークスペース内で行われた管理操作やセキュリティイベントを記録したものです。
監査ログに記録される内容
- ユーザーのログイン/ログアウト
- メンバーの追加・削除
- 権限の変更
- チャンネルの作成・削除・アーカイブ
- アプリのインストール・削除
- ファイルのアップロード・ダウンロード
- 設定の変更
- 異常なアクティビティ(不審なログイン試行など)
監査ログの確認方法
ステップ1:組織設定を開く
- デスクトップのサイドバーで組織名をクリック
- 「ツールと設定」にマウスを重ねる
- 「組織の設定」をクリック
ステップ2:監査ログページへアクセス
- 左側のメニューから「セキュリティ」を選択
- 「監査ログ」をクリック
ステップ3:ログを検索・フィルタリング
- 日付範囲を指定
- アクション(操作種類)でフィルタ
- ユーザーでフィルタ
- アプリでフィルタ
監査ログのエクスポート
- 監査ログページで検索条件を設定
- 右上の「ログをエクスポートする」をクリック
- 「検索クエリをエクスポートする」を選択
- エクスポート形式(CSV、JSONなど)を選択
- 「エクスポート」をクリック
注意点:検索クエリのエクスポートには、過去90日間の結果のみが含まれます。
監査ログAPIの活用
エンタープライズグリッドでは、監査ログAPIを使って、自動的にログを収集・分析することも可能です。これにより、セキュリティ情報イベント管理(SIEM)ツールと連携させることができます。
アナリティクスログの確認とエクスポート
有料プランでは、ワークスペースの使用状況を把握できる「アナリティクス」機能も利用できます。
アナリティクスで確認できる情報
全体概要(Overview):
- 総メッセージ数
- アクティブメンバー数
- ファイルストレージ使用量
- インストールされているアプリの数
- 週ごと・日ごとのアクティビティグラフ
チャンネル別分析(Channels):
- 各チャンネルの投稿数
- 最もアクティブなチャンネル
- メンバー数が多いチャンネル
メンバー別分析(Members):
- 各メンバーの投稿数
- 最もアクティブなメンバー
- ログイン頻度
アナリティクスの確認方法
- ワークスペース名をクリック
- 「設定と管理」を選択
- 「アナリティクス」をクリック
グラフとチャートで視覚的に情報が表示されるので、チームの活動状況を一目で把握できます。
アナリティクスデータのエクスポート
アナリティクスページの右上にある「エクスポート」ボタンをクリックすると、CSV形式でデータをダウンロードできます。これをExcelやGoogleスプレッドシートで開いて、さらに詳しい分析が可能です。
メンバーリストのエクスポート
ワークスペースのメンバー情報だけをエクスポートすることもできます。
メンバーリストエクスポート手順
- ワークスペース設定ページを開く
- 「メンバーと役割を管理」をクリック
- メンバー一覧が表示される
- 右上の「メンバーリストをエクスポート」ボタンをクリック
- Slackbotから送られてくるダイレクトメッセージでCSVファイルをダウンロード
メンバーリストに含まれる情報
- メンバー名
- メールアドレス
- アカウント種別(正規メンバー、ゲストなど)
- 権限レベル(オーナー、管理者、一般メンバー)
- 二段階認証の設定状況
- アクティブ/非アクティブのステータス
この情報は、セキュリティ監査や、アクセス権限の見直しに役立ちます。
エクスポートしたログの活用方法
エクスポートしたログは、ただ保存しておくだけでなく、さまざまな用途に活用できます。
1. 別のワークスペースにインポート
エクスポートしたZIPファイルは、別のSlackワークスペースにインポートすることができます。これにより、ワークスペースの統合や移行がスムーズに行えます。
インポート手順:
- 新しいワークスペースの設定ページを開く
- 「データのインポート/エクスポート」→「インポート」タブ
- エクスポートしたZIPファイルをアップロード
- インポートするチャンネルやデータを選択
- インポート実行
注意点:
- ユーザーのアイコンや一部の設定は引き継がれません
- エンタープライズグリッドからエクスポートしたデータは、他のワークスペースにインポートできません
2. 検索可能なアーカイブとして保存
JSONファイルをデータベースにインポートすると、高度な検索が可能になります。
おすすめツール:
- Elasticsearch:全文検索エンジン。大量のログを高速に検索可能
- SQLite:軽量データベース。簡単なクエリで必要な情報を抽出
- SlackLogViewer:Slackログ専用の無料ビューアアプリ
3. レポート作成に活用
プロジェクトの振り返りレポートや、チームの活動報告に、Slackログから抽出した情報を使うことができます。
活用例:
- プロジェクト期間中のコミュニケーション量の推移グラフ
- 意思決定の経緯を時系列でまとめた資料
- チームメンバーの貢献度を可視化したレポート
4. コンプライアンス対応
金融業界や医療業界など、規制の厳しい業界では、コミュニケーション記録の保管が義務付けられている場合があります。
定期的にログをエクスポートし、安全な場所に保管することで、監査や調査に対応できます。
5. 自動バックアップシステムの構築
Slack APIを使って、定期的に自動でログをエクスポートするスクリプトを作成することもできます。
実装例:
- 毎週自動的にログをエクスポート
- Google DriveやDropboxに自動保存
- 古いバックアップは自動削除
よくある質問とトラブルシューティング
Q1:フリープランで90日以前のメッセージは完全に消えてしまうの?
A:いいえ、消えてはいません。Slackのサーバーには保存されていますが、フリープランでは閲覧やエクスポートができないだけです。
もし有料プランにアップグレードすれば、90日以前のメッセージも再び閲覧できるようになります。ただし、Slackが永久に保存する保証はないので、重要な情報は早めにエクスポートしておくことをおすすめします。
Q2:エクスポートしたファイルにファイル本体が含まれていません
A:Slackのエクスポート機能では、ファイルへのリンクのみが含まれ、ファイル本体は含まれません。
ファイルをダウンロードするには、次の方法があります:
方法1:手動でダウンロード
Slack内で各ファイルを開いて、一つずつダウンロードします。
方法2:Slack APIを使用
プログラムを書いて、エクスポートファイルに含まれるリンクから自動的にファイルをダウンロードします。
方法3:サードパーティツールを使用
「Backupery for Slack」や「Pro Backup」などのツールは、ファイル本体も含めてバックアップできます。
Q3:削除したメッセージもエクスポートされますか?
A:エクスポート時点で削除されているメッセージは、通常のエクスポートには含まれません。
ただし、ビジネスプラス以上のプランで、メッセージ保持ポリシーの設定を変更していれば、削除されたメッセージの記録も保持できる場合があります。
Q4:プライベートチャンネルのメンバーにエクスポート権限を与えられますか?
A:いいえ、エクスポート権限はワークスペースのオーナーと管理者のみに限定されています。
一般メンバーがプライベートチャンネルのログをエクスポートしたい場合は、管理者に依頼する必要があります。
Q5:エクスポートに時間がかかりすぎます
A:データ量が多い場合、エクスポートには数時間かかることがあります。以下の点を確認してください:
- エクスポート期間を短く設定する(たとえば1年分ずつ)
- ピーク時間を避けてエクスポートする
- 完了通知メールを待つ(急いでページを更新しない)
Q6:JSONファイルの文字化けを直すには?
A:JSONファイルは基本的にUTF-8エンコーディングです。文字化けする場合は:
- テキストエディタで開く際に、エンコーディングをUTF-8に設定
- VS CodeやSublime Textなど、UTF-8に対応したエディタを使用
- ブラウザで開く場合は、JSON Viewer拡張機能を使用
Q7:エクスポートファイルが大きすぎて開けません
A:大規模なワークスペースでは、エクスポートファイルが数GBになることもあります。
対処方法:
- ZIPファイルを解凍するための十分なディスク容量を確保
- 7-ZipやThe Unarchiverなど、大容量ファイルに対応した解凍ツールを使用
- 必要なチャンネルのフォルダのみを取り出して作業
Q8:定期的に自動でバックアップする方法はありますか?
A:いくつかの方法があります:
方法1:Slack APIを使ったスクリプト
PythonやNode.jsで自動エクスポートスクリプトを作成し、cronやタスクスケジューラで定期実行します。
方法2:サードパーティサービス
- Backupery for Slack:自動バックアップツール
- Pro Backup:定期バックアップ機能付き
- SysCloud:SaaS向けバックアップサービス
方法3:エンタープライズグリッドの定期エクスポート
エンタープライズグリッドプランでは、定期的なエクスポートをスケジュール設定できます。
データ保管時のセキュリティ対策
エクスポートしたログには、機密情報や個人情報が含まれている可能性があります。適切に管理しましょう。
推奨される保管方法
1. 暗号化して保存
ZIPファイルをパスワードで保護するか、暗号化ツール(VeraCrypt、BitLockerなど)を使用します。
2. アクセス権限を制限
- 必要な人だけがアクセスできるように設定
- 共有フォルダに置く場合は、適切な権限設定を行う
3. 安全なクラウドストレージに保管
- Google Drive(ビジネスプラン)
- Dropbox Business
- Microsoft OneDrive for Business
これらのサービスは、二段階認証や暗号化機能を提供しています。
4. 定期的なバックアップローテーション
古いバックアップは定期的に削除し、最新のもののみを保持するようにします。
法的・倫理的な注意点
1. プライバシーの尊重
メンバーの個人的な会話が含まれている可能性があります。不必要に閲覧したり、第三者に共有したりしないようにしましょう。
2. データ保護法の遵守
GDPR(EU一般データ保護規則)や日本の個人情報保護法など、該当する法律を遵守してください。
3. 社内ポリシーの確認
会社によっては、ログの取り扱いに関する社内規定があるかもしれません。事前に確認しましょう。
4. メンバーへの通知
ログをエクスポートする場合、メンバーに事前に通知することが推奨されます(国や地域によっては法的に義務付けられている場合もあります)。
まとめ
Slackのログ管理について、エクスポート方法から活用術まで詳しく解説しました。
重要なポイントのおさらい:
- プランによってエクスポート範囲が異なる
- フリー:パブリックチャンネルのみ、90日分
- プロ:パブリックチャンネルのみ、全期間
- ビジネス+/エンタープライズ:申請によりプライベート/DMも可能
- エクスポートできるのはオーナーと管理者のみ
- 一般メンバーは依頼が必要
- エクスポート形式はJSON
- ファイル本体は含まれず、リンクのみ
- 専用ツールで読みやすく変換可能
- 定期的なバックアップが重要
- フリープランは90日で見えなくなる
- 有料プランでも万が一に備えてバックアップを
- セキュリティとプライバシーに配慮
- 暗号化して保管
- アクセス権限を適切に設定
- 法律やポリシーを遵守
Slackは便利なツールですが、大切な情報が失われないように、適切にログを管理していきましょう。この記事が、皆さんのSlack活用の一助となれば幸いです。

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