Slackのハドルミーティングで話した内容、後から「あれ、何て言ってたっけ?」と思い出せないことありませんか?
実は、Slackには会話を自動で文字起こしして議事録にしてくれる機能があります。この記事では、ハドルの文字起こし機能の使い方から、精度を上げるコツ、無料・有料の違いまで詳しく解説します。
Slackハドルの文字起こし機能とは?

Slackには、ハドルミーティング(音声・ビデオ通話)の内容を自動的にテキスト化する機能がいくつか用意されています。
AI議事録機能(Slack AI)
Slack AIという有料アドオンを使うと、ハドル中の会話を自動で文字起こしして、議事録まで作成してくれます。
ハドルが終わると、参加者リスト、議論された内容、アクションアイテム(やるべきこと)などがまとめられたCanvas(キャンバス)が自動で共有されます。
ライブキャプション機能
ハドル中の音声をリアルタイムで字幕として表示する機能です。無料プランでも使えますが、現在は英語・スペイン語・日本語のみ対応しています。
ライブキャプションは会話中に字幕を見られますが、ハドル終了後には保存されません。
音声・動画クリップの文字起こし
Slackに投稿した音声クリップや動画クリップは、自動で文字起こしされます。これは無料プランでも利用できる機能です。
Slack AI議事録の使い方
有料のSlack AI機能を使った文字起こしの方法を説明します。
基本的な開始方法
手動で開始する場合
- ハドルミーティングを開始する
- 画面左下の「AI議事録:オフ」をクリック
- 「AI議事録と文字起こしを開始する」を選択
- 「議事録を開始する」をクリック
バナーが表示され、AI議事録がオンになったことが全員に通知されます。参加者全員が、録音・文字起こしされていることを知った状態で話せるので安心です。
自動で開始する設定
特定のチャンネルで毎回AI議事録を使いたい場合は、自動開始の設定ができます。
- デスクトップでチャンネルを開く
- チャンネル名をクリックして「設定」を選択
- 「常にAI議事録を開始する」の横の「編集」をクリック
- 「すべてのハドルミーティングでAI議事録を自動で開始しますか?」にチェック
- 「保存」をクリック
これで、そのチャンネルでのハドルは自動的に文字起こしされます。
文字起こしの停止・再開
ハドル中に一時的に録音を止めたい場合もあります。
一時停止する方法
- 「AI議事録:オン」をクリック
- 「AI議事録を停止する」を選択
再開する方法
「AI議事録と文字起こしを再開する」をクリックすれば、また文字起こしが始まります。
完全にキャンセルする方法
- 「AI議事録と文字起こしを削除する」をクリック
- 「削除してキャンセルする」で確定
完全に削除すると、それまでの記録もなくなるので注意してください。
ハドル終了後に何が届く?
ハドルが終わると、Canvasという形式で議事録が自動生成されます。
Canvasに含まれる内容
- 参加者リスト
- 議論されたトピック(話題)
- アクションアイテム(誰が何をするか)
- 主要なポイントの要約
- 会話の全文字起こし(トランスクリプト)
Canvasはハドルが行われたチャンネルやダイレクトメッセージのスレッド内に共有されます。チャンネルのメンバーなら誰でも閲覧できます。
検索できるかどうか
要約や議事録の内容は検索できますが、文字起こしの全文(トランスクリプト)は検索結果に表示されません。
ライブキャプション機能の使い方
リアルタイムで字幕を見たい場合は、ライブキャプション機能が便利です。
ライブキャプションをオンにする方法
- ハドルミーティングに参加
- 画面下部のメニューから「字幕」または「キャプション」のアイコンをクリック
- ライブキャプションがオンになる
ライブキャプションの制限
- 英語、スペイン語、日本語のみ対応
- ハドル終了後は保存されない
- Slack Connect経由で参加している外部ユーザーの音声は文字起こしされない
- 無料プランでも使えるが、精度はSlack AIより劣る
ライブキャプションは「今、何て言ってる?」を確認するための機能です。後から見返す議事録として使うなら、Slack AIの方が適しています。
音声・動画クリップの文字起こし
ハドル以外にも、投稿した音声や動画を文字起こしする機能があります。
音声クリップの投稿方法
- メッセージ入力欄の右側にあるマイクアイコンをクリック
- 録音を開始(自動的に始まります)
- チェックマークをクリックして終了
- 投稿すると自動で文字起こしされる
ビデオクリップの投稿方法
- メッセージ入力欄のカメラアイコンをクリック
- 録画を開始
- 終了して投稿
- 自動で文字起こしと字幕が生成される
既存の音声・動画ファイルの場合
Slackに音声ファイル(MP3など)や動画ファイル(MP4など)をアップロードしても、自動で文字起こしされます。
文字起こしされた内容は、Slack内の検索でヒットするので便利です。
無料と有料の違いを比較
Slackの文字起こし機能は、プランによって使える内容が違います。
無料プランで使える機能
- ライブキャプション(英語・スペイン語・日本語のみ)
- 音声・動画クリップの文字起こし
- リアルタイム字幕表示
有料プラン(Slack AI)で使える機能
- ハドルの自動文字起こし
- AI議事録の自動生成
- 参加者リスト、トピック、アクションアイテムの自動抽出
- Canvas形式での議事録共有
- 文字起こし内容の保存
Slack AIは月額料金が追加で必要です。既に有料プラン(Pro、Business+など)に加入している場合でも、Slack AIは別途契約が必要になります。
外部ツールを使った文字起こし

Slack標準機能だけでなく、外部のツールと連携して文字起こしすることもできます。
Notta(ノッタ)
NottaのBotをSlackワークスペースに招待すると、ハドルを録音・文字起こしできます。
対応言語が豊富で、日本語の精度も高いのが特徴です。ビジネスプラン以上で利用可能です。
JotMe(ジョットミー)
JotMeをデスクトップアプリとして起動しておくと、Slackハドルの内容をリアルタイムで文字起こしします。
Botを招待する必要がなく、セキュリティ面で安心です。日本語の字幕としても使えます。
VOMO(ボモ)
ハドルを録音したMP3やMP4ファイルをVOMOにアップロードすると、文字起こしと要約を生成してくれます。
録音ファイルをSlackに戻して共有する形で使います。
Tactiq(タクティック)
Zoom、Google Meet、Microsoft Teamsなど他のツールで行った会議の議事録を、Slackに自動投稿できるツールです。
Slackでハドルをしなくても、会議の内容をSlackで共有したい場合に便利です。
文字起こしの精度を上げるコツ
AI文字起こしの精度を上げるために、いくつかのポイントがあります。
話し方のコツ
- ゆっくりはっきり話す
- 一人ずつ順番に発言する
- 専門用語や固有名詞は最初に説明する
- 方言やスラングをなるべく避ける
環境の整え方
- 静かな場所で話す
- マイクの近くで話す(外付けマイクを使うとさらに良い)
- エアコンやファンの音を小さくする
- 複数人が同時に話さないようにする
設定の工夫
- 文字起こし言語を正しく選択する
- チャンネルごとに自動開始を設定しておく
- 重要な会議は手動で開始して確実に記録
よくあるトラブルと解決方法
文字起こし機能を使っていて困ったときの対処法です。
AI議事録が開始できない
- Slack AIのアドオンを契約しているか確認
- 外部ユーザーやゲストとのハドルではAI議事録は使えません
- ワークスペースの管理者がAI機能を有効にしているか確認
文字起こしの精度が低い
- ノイズの多い環境で話していないか確認
- 複数人が同時に話していないか注意
- マイクの音量設定を確認
- 外部ツール(NottaやJotMe)の利用を検討
文字起こしが保存されない
- ライブキャプションは保存されません(Slack AIが必要)
- ハドル中にAI議事録を「削除」していないか確認
- チャンネルのスレッドにCanvasが共有されているか確認
特定の単語が正しく認識されない
- 専門用語や社内用語、製品名などは誤認識されやすい
- Canvas編集機能で後から手動修正できます
- 重要な固有名詞は最初にチャットで入力しておくと良い
議事録作成を効率化するベストプラクティス
文字起こし機能を最大限活用するためのコツをご紹介します。
会議前の準備
- アジェンダ(議題)をあらかじめCanvasに書いておく
- 重要な固有名詞や専門用語をチャットで共有しておく
- 参加者に文字起こしすることを事前に伝える
会議中の工夫
- 決定事項や重要なポイントは、ハドルのスレッドにもテキストで投稿する
- 「これはアクションアイテムです」と明示的に言うと、AIが拾いやすい
- 資料やリンクはハドルのスレッドに共有する
会議後のフォローアップ
- 生成されたCanvasの内容を確認して、必要に応じて編集
- アクションアイテムの担当者にメンションを付ける
- 重要な議事録はチャンネルにピン留めする
セキュリティとプライバシーの注意点
文字起こし機能を使う際は、セキュリティにも配慮が必要です。
録音の同意を得る
ハドルでAI議事録を開始すると、全参加者にバナーで通知されます。それでも、事前に「今日のハドルは録音します」と伝えておくのがマナーです。
機密情報の扱い
- 非常に機密性の高い会議では、文字起こし機能をオフにする
- 外部の人が参加する場合は特に注意(Slack AIは外部ユーザーとのハドルでは使えません)
- 生成された議事録の共有範囲を確認する
外部ツールの利用時
外部の文字起こしツールを使う場合は、会社のセキュリティポリシーを確認しましょう。音声データが外部サーバーに送信される場合があります。
こんな人にSlackハドルの文字起こしがおすすめ
文字起こし機能が特に役立つ場面をご紹介します。
議事録係の負担を減らしたい人
メモを取りながら会議に参加すると、発言量が減ってしまいますよね。AI議事録を使えば、全員が会議に集中できます。
会議に参加できなかった人へ共有したい
後から参加者に「何が決まった?」と聞かれても、議事録があればすぐに共有できます。
複数の会議をハシゴする人
連続で会議があると、内容が混ざってしまうことがあります。自動議事録があれば、後から正確に振り返れます。
聞き逃しを防ぎたい人
早口で話す人や、訛りのある英語を話す人との会議でも、文字起こしがあれば内容を確認できます。
まとめ
Slackハドルの文字起こし機能を使えば、会議の議事録作成がぐっとラクになります。
無料プランならライブキャプションと音声クリップの文字起こしが使えます。本格的な議事録作成には、Slack AIアドオンがおすすめです。外部ツールのNottaやJotMeも選択肢の一つです。
文字起こしの精度を上げるには、はっきり話す、静かな環境で録音する、一人ずつ発言するなどのコツがあります。
「覚えておく負担」をAIに任せて、あなたは会議の内容と判断に集中しましょう。議事録作成の時間が減れば、本来の仕事に使える時間が増えますよ。

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