「SlackからすぐにZoom会議を始めたい」
「いちいちZoomアプリを開くのが面倒…」
こんな悩みはありませんか?
SlackとZoomを連携すれば、Slackのチャンネルやダイレクトメッセージから、たった1コマンドでZoom会議を開始できます。今回は、SlackとZoomの連携方法から、便利な機能、トラブルシューティングまで、徹底的に解説していきます。
SlackとZoom連携とは?

連携の概要
SlackとZoomの連携とは、Slack上でZoomの機能を使えるようにする仕組みです。
連携でできること
- Slackから直接Zoom会議を開始
- スケジュール設定した会議の通知
- 会議の録画をSlackで共有
- 電話アイコンをクリックしてZoom起動
- 会議の詳細情報をSlackに表示
2つのアプリを行ったり来たりする手間が省けます。
連携のメリット
メリット1:ワンクリックで会議開始
従来の方法:
- Zoomアプリを開く
- 「新しいミーティング」をクリック
- 招待URLをコピー
- Slackに戻る
- URLを貼り付け
- 送信
連携後:
- Slackで「/zoom」と入力
- 完了!
作業が劇的に減ります。
メリット2:会議情報を一元管理
- 会議の予定がSlackに通知される
- 録画もSlackで共有できる
- 参加者リストが見える
- すべてSlackで完結
メリット3:参加者もラク
- ZoomのURLをクリックするだけ
- Slackから直接参加できる
- 別アプリに切り替える必要なし
メリット4:コミュニケーションがスムーズ
- テキストチャットで話していて、込み入った内容になったら即座にビデオ通話へ移行
- 顔を合わせて話した後、Slackで議事録を共有
連携に必要な条件
連携する前に、以下の条件を満たしているか確認しましょう。
必須条件
1. Zoomの有料プラン
重要: Zoomの無料プラン(Basic)では連携できません。
連携可能なプラン:
- Zoom Pro
- Zoom Business
- Zoom Enterprise
- Zoom Education
無料プランの制限:
- 3人以上の会議は40分まで
- Slack連携機能が使えない
2. 同じメールアドレスでサインイン
SlackとZoomで、同じメールアドレスのアカウントを使う必要があります。
例
- Slack: tanaka@company.com
- Zoom: tanaka@company.com
→ OK!
- Slack: tanaka@company.com
- Zoom: tanaka@personal-email.com
→ NG(連携できません)
3. 管理者権限
- Slack: アプリをインストールする権限
- Zoom: 管理者権限(または管理者による事前承認)
個人アカウントのみで使う場合は不要ですが、ワークスペース全体で使う場合は管理者の協力が必要です。
推奨環境
- 最新版のSlackアプリまたはブラウザ版
- 最新版のZoomアプリ
- 安定したインターネット接続
SlackとZoomの連携設定方法
それでは、実際に連携してみましょう。
ステップ1:Zoom側で事前承認(必要な場合)
まず、Zoom側でSlackを承認します。
手順
- Zoomにサインイン
- https://zoom.us/ にアクセス
- 「App Marketplace」に移動
- 画面右上のアカウントアイコン→「App Marketplace」
- または直接 https://marketplace.zoom.us/ にアクセス
- 「Slack」を検索
- 検索バーに「Slack」と入力
- Slackアプリを選択
- 「Visit site to install」または「Add to Slack」をクリック
- トグルボタンをONにして承認
- Slackとの連携を許可
これで、Zoom側の準備は完了です。
ステップ2:Slack側でZoomアプリをインストール
次に、Slackにアプリを追加します。
方法1:App Directoryから追加
- Slackを開く
- サイドバーの「App」をクリック
- 見つからない場合は「その他」→「App」
- 「+」(アプリを検索する)をクリック
- 「Zoom」を検索
- Zoomアプリをクリック
- 「Slackに追加」をクリック
- インストール範囲を選択
- 「Install Zoom for Slack company-wide」(ワークスペース全体)
- 「Add Zoom to ONLY my Slack account」(自分のアカウントのみ)
- 「許可する」をクリック
- Slackワークスペースへのアクセスを許可
方法2:ブラウザから直接
- ブラウザで以下にアクセス:
https://[ワークスペース名].slack.com/apps
- 「Zoom」を検索
- 「Slackに追加」をクリック
- 以降は方法1と同じ
ステップ3:ZoomアカウントとSlackアカウントを連携
最後に、個人のアカウント同士を紐付けます。
手順
- Slackのサイドバーから「App」を選択
- 「Zoom」を検索して選択
- Zoomとのダイレクトメッセージが開く
- メッセージ入力欄に「/zoom」と入力して送信
- 初回は認証メッセージが表示される
- 「Authorize Zoom」のリンクをクリック
- Zoomの認証画面が開く
- Zoomにサインイン(同じメールアドレスで)
- 「許可」をクリック
- 連携完了!
連携確認
正しく連携できたか確認しましょう。
確認方法
- 自分宛のDMまたは任意のチャンネルを開く
- 「/zoom」と入力して送信
- 会議開始のメッセージが表示されればOK!
基本的な使い方
連携できたら、実際に使ってみましょう。
/zoomコマンドで会議を開始
一番シンプルな使い方です。
手順
- チャンネルまたはDMを開く
- メッセージ入力欄に「/zoom」と入力
- Enterキーを押す
- 「参加する」ボタンが表示される
- 自分がクリックすると会議が開始
- 他のメンバーもクリックして参加
これだけです!
会議名を指定する
会議にタイトルを付けることもできます。
コマンド
/zoom meeting [会議名]
例
/zoom meeting 週次ミーティング
会議に名前が付くので、後で見返しやすくなります。
会議をスケジュール設定する
将来の日時で会議を予約できます。
コマンド
/zoom schedule
手順
- 「/zoom schedule」と入力して送信
- 会議設定フォームが表示される
- 以下を設定:
- トピック(会議名)
- 日時
- 所要時間
- 繰り返し設定(任意)
- 「Schedule」をクリック
スケジュールした会議は、Slackに通知されます。
参加中の会議の情報を見る
リアルタイム表示機能
連携していると、Slack上で以下が確認できます:
- 参加者リスト
- 会議の経過時間
- 会議のトピック
会議に参加せずに、誰が参加しているかチェックできます。
デフォルト通話アプリをZoomに設定

Slackの電話アイコンからZoomを起動できるようにします。
設定方法(ワークスペース管理者のみ)
手順
- Slackにサインイン(管理者アカウント)
- ワークスペース名をクリック→「設定と管理」
- 「ワークスペースの設定」を選択
- 「通話」セクションを探す
- 「通話のデフォルトアプリを設定」をクリック
- 「Zoom」を選択
- 設定を保存
デフォルト通話アプリに設定すると
変わること
- チャンネルやDM画面の電話アイコン📞をクリック
- 自動的にZoom会議が開始される
従来の方法との違い:
- 従来:電話アイコン→Slackの音声通話
- 設定後:電話アイコン→Zoom会議
より高品質な音声・ビデオ通話が簡単に使えます。
便利な機能と活用法
基本以外にも、こんな便利な機能があります。
1. 会議の通知・リマインダー
スケジュール設定した会議は、自動的にSlackに通知されます。
通知内容
- 会議開始の15分前(デフォルト)
- 会議のトピック
- 参加リンク
- 開始時刻
参加者全員に自動でリマインダーが届くので、会議を忘れる心配がありません。
2. 録画の自動共有
Zoomで会議を録画すると、Slackに自動で共有できます。
設定方法
- Zoom会議を録画(クラウド録画推奨)
- 会議終了後、録画が処理される
- 録画リンクがSlackに投稿される
メリット
- 参加できなかった人も後で確認できる
- 議事録代わりになる
- 重要な決定事項を見返せる
3. AI要約機能(Zoom AI Companion)
最新の連携機能では、AIが会議を要約してくれます。
AI要約の機能
- 会議終了後、自動的にAI要約が生成
- キーポイントとアクションアイテムを抽出
- Slackに投稿される
- 「私の名前が出た?」などの質問に答えてくれる
利用条件
- Zoom AI Companionが有効なアカウント
- 最新版のSlack連携
4. 自動チャンネル作成
AI Companion有効な会議では、自動的に専用Slackチャンネルが作成されます。
仕組み
- Zoom会議(AI Companion有効)を開催
- 会議タイトルで自動的にプライベートチャンネル作成
- 参加者が自動的に追加される
- 会議後、要約・録画・リンクがチャンネルに投稿
メリット
- 会議ごとの情報が整理される
- フォローアップが簡単
- 後から検索しやすい
5. Zoom Phone連携(オプション)
Zoom Phoneプランがあれば、Slackから電話をかけられます。
使い方
- Slackのメンバーのプロフィールを開く
- 電話アイコンをクリック
- Zoom経由で通話
ビデオ会議だけでなく、音声通話もSlackから可能になります。
その他の便利なコマンド
/zoom以外にも、便利なコマンドがあります。
主要コマンド一覧
| コマンド | 機能 |
|---|---|
/zoom | 即座に会議を開始 |
/zoom meeting [名前] | 会議名を指定して開始 |
/zoom schedule | 会議をスケジュール設定 |
/zoom join [ID] | 会議IDで参加 |
/zoom list | 予定されている会議一覧 |
/zoom help | ヘルプ表示 |
コマンドの使用例
例1:会議IDで参加
/zoom join 123-456-7890
他の人が主催した会議に、IDで参加できます。
例2:今日の会議を確認
/zoom list
今日予定されている会議の一覧が表示されます。
スマホアプリでの使い方
モバイルでも連携機能が使えます。
スマホでの会議開始
手順
- Slackモバイルアプリを開く
- チャンネルまたはDMを開く
- メッセージ入力欄に「/zoom」と入力
- 送信
- 「参加する」ボタンをタップ
- Zoomアプリが起動
デスクトップ版と同じように使えます。
デフォルト通話アプリの動作
デスクトップ版でZoomをデフォルト通話アプリに設定している場合:
- スマホでも電話アイコンからZoomが起動
- ワンタップで会議開始
外出先でも、すぐに会議に参加できます。
トラブルシューティング
うまく動かない時の対処法です。
問題1:「/zoom」コマンドが使えない
原因と対処法
原因1:連携設定が完了していない
- 対処法:ステップ3(アカウント連携)まで完了させる
原因2:Zoomが無料プラン
- 対処法:Zoom Pro以上のプランにアップグレード
原因3:メールアドレスが異なる
- 対処法:SlackとZoomで同じメールアドレスを使用
原因4:権限がない
- 対処法:管理者に連携を依頼
問題2:「Authorize Zoom」が表示される
これは正常です
初回のみ、認証が必要です。
- 「Authorize Zoom」をクリック
- Zoomにサインイン
- 「許可」をクリック
これで解決します。
問題3:会議が開始されない
確認事項
- インターネット接続を確認
- Zoomアプリが最新版か確認
- Slackアプリを再起動
- Zoomアプリを再起動
- ログアウト→ログインを試す
問題4:通知が来ない
設定を確認
- Slackの通知設定
- 「環境設定」→「通知」
- Zoomからの通知が許可されているか
- Zoomの設定
- Zoom Webポータルで通知設定を確認
- チャンネルがミュートになっていないか
問題5:録画が共有されない
確認事項
- 録画方法を確認
- クラウド録画を使用しているか
- ローカル録画は自動共有されない
- 共有設定
- Zoom設定で録画の自動共有が有効か
- 権限
- 録画を共有する権限があるか
問題6:連携を解除したい
解除方法
Slack側
- 「App」→「Zoom」を開く
- 右上の歯車アイコン→「アンインストール」
Zoom側
- Zoom Webポータル→「App Marketplace」
- 「管理」→「インストール済みアプリ」
- Slackの「アンインストール」
両方で解除すれば完全に切断されます。
セキュリティとプライバシー
連携時のセキュリティについて。
権限について
Slackに与えられるZoomの権限:
読み取り権限
- ユーザー情報
- 会議情報
- 録画情報
実行権限
- 会議の開始
- 会議のスケジュール設定
- 会議への参加
プライバシーの注意点
1. 会議の可視性
- パブリックチャンネルで「/zoom」を実行すると、そのチャンネルの全メンバーが参加リンクを見られる
- プライベートな会議はDMまたはプライベートチャンネルで
2. 録画の共有
- 自動共有される録画は、共有先チャンネルの全メンバーが視聴可能
- 機密情報を含む会議は共有設定に注意
3. 会議の詳細
- 参加者リストなどがSlackに表示される
- 誰が参加しているかがわかる
無料プランの制限と有料プランの違い
改めて、プランの違いを整理します。
Zoom無料プラン(Basic)の制限
できないこと
- Slackとの連携機能全般
- /zoomコマンドの使用
できること
- Zoomアプリ単体での使用
- 1対1会議は無制限
- 3人以上の会議は40分まで
Zoom有料プラン(Pro以上)
月額料金(例)
- Pro: 約2,000円/月(ホスト1人)
- Business: 約2,700円/月(ホスト1人)
追加機能
- Slack連携
- 会議時間無制限
- クラウド録画(プランによる)
- 管理機能
費用対効果
頻繁にZoomを使うチームなら、有料プランは投資する価値があります。
よくある質問と答え
連携に関するよくある疑問にお答えします。
Q1: Zoom無料プランでは本当に連携できない?
A: はい、残念ながらできません。
Slack連携機能は、Zoom Pro以上の有料プランでのみ利用可能です。
Q2: SlackとZoomのメールアドレスは必ず同じでないとダメ?
A: はい、同じメールアドレスが必要です。
異なるメールアドレスでは、アカウント連携の認証が通りません。
Q3: 会社全体で使う場合、全員が設定する必要がある?
A: はい、各メンバーが個別に認証が必要です。
手順
- 管理者がワークスペース全体にZoomアプリをインストール
- 各メンバーが初回「/zoom」実行時に個別認証
Q4: Zoomアプリをインストールしていない人も参加できる?
A: はい、参加できます。
Slackの会議リンクをクリックすると:
- Zoomアプリがあれば起動
- なければブラウザ版で参加
Q5: 複数のワークスペースで使える?
A: はい、各ワークスペースで設定すれば使えます。
ただし、すべてのワークスペースで同じZoomアカウントと紐付けられます。
Q6: プライベートチャンネルでも使える?
A: はい、使えます。
パブリック・プライベート関係なく、すべてのチャンネルとDMで使用可能です。
Q7: 無料のSlackワークスペースでも使える?
A: はい、Slack側は無料・有料問わず使えます。
制限はZoom側のプランによります。
Q8: Microsoft TeamsとZoomの連携との違いは?
A: 基本的な機能は似ていますが、SlackはZoomとの連携がよりシームレスです。
Teamsには独自のビデオ会議機能があるため、Zoomを使う必然性は低いです。
まとめ:SlackとZoomの連携で会議をもっとスムーズに!
SlackとZoomの連携について、詳しく解説してきました。最後にポイントをおさらいしましょう。
連携のメリット
- 「/zoom」コマンド1つで会議開始
- アプリを切り替える手間がゼロ
- 会議情報がSlackで一元管理
- 録画やAI要約の自動共有
必要な条件
- Zoomの有料プラン(Pro以上)
- SlackとZoomで同じメールアドレス
- 管理者権限(ワークスペース全体の場合)
設定手順
- Zoom側でSlackを事前承認
- SlackにZoomアプリをインストール
- 個人アカウントを認証
基本的な使い方
- 「/zoom」で即座に会議開始
- 「/zoom meeting [名前]」で会議名指定
- 「/zoom schedule」でスケジュール設定
- 電話アイコンからZoom起動(設定後)
便利な機能
- 会議の通知・リマインダー
- 録画の自動共有
- AI要約(最新機能)
- 自動チャンネル作成
- リアルタイム参加者表示
トラブル時の対処
- メールアドレスの一致を確認
- Zoomプランを確認
- 再認証を試す
- アプリを再起動
SlackとZoomの連携は、リモートワークやハイブリッドワークが当たり前になった今、チームの生産性を大きく向上させます。
テキストチャットから即座にビデオ通話へ切り替えられる柔軟性、会議情報の一元管理、自動化された通知とフォローアップ…これらすべてが、チームのコミュニケーションをスムーズにします。
設定は少し手間に感じるかもしれませんが、一度設定すれば毎日の業務が劇的に楽になります。
ぜひこの記事を参考に、SlackとZoomの連携を試してみてください。チームの働き方が、もっと快適になりますよ!

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