「Slackでボイスチャットできるって聞いたけど、どうやるの?」
「ZoomやTeamsみたいに音声通話できるのかな?」
実は、Slackには「ハドルミーティング」という便利なボイスチャット機能があります。チャットの最中に「ちょっと話したい」と思ったら、すぐに音声で会話できる優れものです。
この記事では、Slackのボイスチャット機能について、基本から応用まで詳しく解説します。使い方をマスターして、もっと効率的なコミュニケーションを実現しましょう。
Slackのボイスチャット機能とは?

Slackには、主に2つの音声通話機能があります。
ハドルミーティング(Huddles)
2021年に導入された、気軽な音声チャット機能です。
「ハドル(huddle)」とは、アメリカンフットボールで選手たちが円陣を組んで作戦会議をすることを指します。つまり、短時間でサッと集まって話し合う、というイメージです。
オフィスで「ちょっといい?」と声をかけて立ち話をするような、カジュアルなコミュニケーションをオンラインで再現した機能と言えます。
Slackコール(従来の通話機能)
ハドルミーティング登場前からあった、従来の音声・ビデオ通話機能です。
現在もDMやチャンネルから直接通話を開始できますが、多くの場合、ハドルミーティングの方が手軽で使いやすくなっています。
ハドルミーティングの主な特徴
特徴1:ワンクリックで開始できる
面倒な設定は一切不要です。
チャンネルやDMの画面にあるヘッドホンアイコンをクリックするだけで、すぐに音声チャットが始まります。ZoomのようにURLを共有したり、ミーティングIDを入力したりする手間がありません。
特徴2:途中参加・途中退出が自由
いつでも好きなタイミングで参加・退出できます。
ハドルが始まっていることに気づいたら、そのまま参加してOK。用事ができたら、途中で抜けても問題ありません。会議のような堅苦しさがないのが魅力です。
特徴3:音声がメインだけどビデオも使える
基本は音声のみのチャットですが、必要に応じてビデオもオンにできます。
最初は音声だけで話し始めて、「これは画面を見せた方が早いな」と思ったら、途中からビデオや画面共有に切り替えられます。
特徴4:会話の記録が自動保存される
ハドル中に共有したリンクやファイルは、自動的にスレッドに保存されます。
「あの時話したアレ、どこだっけ?」と探す手間が省けます。会話の議事録として使えるので便利です。
特徴5:AIが議事録を作成(有料プラン)
有料プランでは、AIが会話の要点をまとめてくれます。
誰が何を言ったか、決定事項は何か、などが自動的に整理されるため、議事録を手動で作る必要がありません。
ハドルミーティングの始め方
パソコンでの開始方法
手順:
- チャンネルまたはDMを開く
- 画面上部の「ヘッドホンアイコン」をクリック
- ハドルがすぐに開始される
たったこれだけです。
ショートカットキーを使うなら、Windows・Linuxでは「Ctrl + Shift + H」、Macでは「Command + Shift + H」で開始できます。
スマホでの開始方法
手順:
- Slackアプリを開く
- チャンネルまたはDMを選択
- 画面上部の「ヘッドホンアイコン」をタップ
スマホでも同じように簡単に始められます。
他の人を招待する方法
ハドルが始まったら、チャンネルのメンバーには自動的に通知が届きます。
追加で人を呼びたい場合:
- ハドル画面で「…」(メニュー)をクリック
- 「メンバーを招待」を選択
- 招待したい人を選んで「招待を送信」
チャンネルに参加していない人も、直接招待できます。
ハドルミーティングへの参加方法
自動通知から参加
ハドルが始まると、チャンネル名の横にヘッドホンアイコンが表示されます。
参加手順:
- サイドバーでヘッドホンアイコンがついたチャンネルを確認
- チャンネルを開く
- 上部のヘッドホンアイコンをクリック
これだけで参加できます。
招待リンクから参加
ハドルの招待リンクを受け取った場合は、そのリンクをクリックするだけです。
カレンダーの予定やメッセージに貼り付けられたハドルリンクから、ワンクリックで参加できます。
参加リクエストが必要な場合
プライベートチャンネルやDMのハドルに参加したい場合、リクエストが必要です。
手順:
- ハドルリンクをクリック
- 「アクセスをリクエスト」をクリック
- ハドル参加者が承認すると入れる
ハドルミーティング中にできること
音声をミュートにする
話していない時は、ミュートにするのがマナーです。
ハドル画面のマイクアイコンをクリックすれば、すぐにミュート・ミュート解除ができます。
ビデオをオンにする
顔を見せて話したい時は、カメラアイコンをクリックします。
最初は音声だけで始めて、必要な時だけビデオをオンにする、という使い方がおすすめです。
画面を共有する
資料や画面を見せながら説明したい時に便利です。
手順:
- ハドル画面で画面共有アイコンをクリック
- 共有したい画面を選択
- 「共有」をクリック
最大2人まで同時に画面共有できます。
絵文字リアクションを送る
声を出さずに反応したい時は、絵文字が活躍します。
「👍」「👏」「😂」などの絵文字で、相づちや感情を表現できます。プレゼン中にマイクをミュートにしていても、リアクションできるので便利です。
メモやファイルを共有する
ハドル専用のスレッドに、メモやリンク、ファイルを投稿できます。
共有方法:
- ハドル画面でスレッドアイコンをクリック
- メッセージ欄にメモやリンクを入力
- ファイルをドラッグ&ドロップ
共有した内容は、ハドル終了後もチャンネルに残ります。
無料プランと有料プランの違い
ハドルミーティングは、プランによって使える範囲が変わります。
無料プラン(Free)
制限:
- 参加人数:2人まで(1対1のみ)
- 通話時間:30分まで
- AI議事録:使えない
個人でのちょっとした通話には十分ですが、チームでの利用には制限が厳しいです。
有料プラン(Pro、Business+、Enterprise Grid)
できること:
- 参加人数:無制限(実質的には50人程度まで推奨)
- 通話時間:無制限
- AI議事録:使える(2024年以降導入)
- 画面共有:複数人可能
本格的にチームで使うなら、有料プランが必須です。
ハドルミーティングのメリット
メリット1:会議疲れを軽減できる
ビデオ会議のような堅苦しさがありません。
「カメラをオンにしなきゃ」「背景を整えなきゃ」というプレッシャーがなく、気軽に参加できます。音声だけなので、疲れにくいのも利点です。
メリット2:迅速な意思決定が可能
テキストで長々とやり取りするより、話した方が早い場面は多いです。
「これ、文章で説明すると長くなるから、ちょっと話そう」という時に、すぐ切り替えられます。意思決定のスピードが上がります。
メリット3:雑談や気軽な相談がしやすい
リモートワークでは、ちょっとした雑談の機会が減りがちです。
ハドルなら、オフィスで「ちょっといい?」と声をかけるような感覚で、気軽にコミュニケーションが取れます。
メリット4:文脈の切り替えが不要
ZoomやTeamsのように、別アプリに切り替える必要がありません。
Slackでチャットしている流れのまま、音声に切り替えられます。集中力が途切れにくく、効率的です。
メリット5:記録が自動で残る
会話中に共有したリンクやファイルが、すべて自動保存されます。
「あの時話したURL、どこだっけ?」と探す手間がなくなります。議事録代わりにもなるので、後で振り返りやすいです。
ハドルミーティングのデメリット・注意点

デメリット1:無料プランの制限が厳しい
2人まで、30分までという制限は、チームでの利用には不十分です。
本格的に活用したいなら、有料プランへの切り替えが必要になります。
デメリット2:音声品質がネット環境に依存する
インターネット接続が不安定だと、音声が途切れたりします。
Wi-Fiが弱い場所や、通信制限がかかっている時は要注意です。
デメリット3:頻繁すぎると集中が削がれる
気軽に使えるがゆえに、頻繁にハドルが始まると集中力が散漫になります。
「今、作業に集中したい」という時のために、通知設定を調整するのがおすすめです。
デメリット4:大人数には向かない
50人以上の大規模会議には適していません。
大人数のウェビナーや全社会議には、ZoomやTeams、Google Meetなど専用ツールの方が適しています。
ハドルミーティングの活用シーン
シーン1:緊急のトラブル対応
システム障害やバグ発生時に、すぐにチームを集めて対応できます。
「今、サーバーが落ちた!」という緊急事態でも、ハドルで即座に状況共有と対策会議ができます。
シーン2:ブレインストーミング
アイデア出しには、テキストより音声の方が向いています。
「新サービスのネーミング案を出そう」といったブレストには、ハドルが最適です。自由に発言し合えるので、創造性が高まります。
シーン3:コードレビューやデザインレビュー
画面共有しながら、その場で意見交換できます。
「このコード、どう思う?」「このデザイン、改善点ある?」といった時に、画面を見せながら話し合えます。
シーン4:1on1ミーティング
上司と部下の定期面談にも使えます。
カジュアルな雰囲気で話せるので、形式的な面談より本音が出やすくなります。
シーン5:朝のチェックイン
チームメンバーが朝にハドルに入って、「おはよう」と挨拶し合う習慣をつけるチームもあります。
リモートワークでも、オフィス出社時のような一体感が生まれます。
シーン6:雑談・休憩時間
仕事の合間の息抜きにも使えます。
「ランチ何食べた?」「週末どうだった?」といった雑談で、チームの絆が深まります。
ハドルミーティングの便利な使い方
使い方1:専用チャンネルを作る
「#雑談ハドル」「#質問ハドル」など、目的別のチャンネルを作ります。
メインの業務チャンネルを邪魔せずに、気軽にハドルを使えるようになります。
使い方2:時間枠を決める
「午前10時〜10時30分はハドルタイム」など、時間を決めておくのも良い方法です。
メンバー全員が同じ時間にハドルに入れるので、雑談や情報共有がしやすくなります。
使い方3:定期ミーティングに活用
毎週の定例会議を、ハドルで行うのもアリです。
Zoomリンクを共有するより、Slackのハドルリンクの方が手軽です。カレンダーにハドルリンクを貼っておけば、時間になったらワンクリックで参加できます。
使い方4:ペアプログラミング
2人で画面を共有しながら、コーディング作業を進められます。
音声で会話しながら、リアルタイムでコードを書いていく、という協働作業に最適です。
使い方5:ポモドーロテクニックと組み合わせる
25分作業、5分休憩のポモドーロテクニックの休憩時間にハドルで雑談する、という使い方もあります。
リモートワークでの孤独感を和らげ、チームの一体感を保てます。
トラブルシューティング
音声が聞こえない・相手に聞こえない
原因と対処法:
- マイク・スピーカーの設定を確認
- Slackの設定 → 音声とビデオ → デバイスを確認
- 正しいマイクとスピーカーが選択されているか確認
- 音量を確認
- パソコンの音量がミュートになっていないか
- Slack内の音量バーが最小になっていないか
- ブラウザの権限を確認
- ブラウザ版を使っている場合、マイクへのアクセスを許可しているか確認
- 再起動
- Slackアプリを再起動
- それでもダメならパソコンを再起動
音声が途切れる・遅延がある
原因と対処法:
- ネット環境を確認
- Wi-Fiの電波状況をチェック
- 可能なら有線LANに切り替える
- 他のアプリを閉じる
- 帯域を食うアプリ(動画ストリーミングなど)を終了
- 音質を下げる
- 高音質モードをオフにする(設定で変更可能)
- VPNを確認
- VPN経由だと遅延が発生することがあるので、可能なら直接接続
ハドルに参加できない
原因と対処法:
- プランの制限を確認
- 無料プランで3人目が参加しようとしていないか
- 権限を確認
- プライベートチャンネルのハドルには、チャンネルメンバーしか参加できない
- アプリを最新版に更新
- 古いバージョンだと不具合が起きることがある
ビデオが映らない
原因と対処法:
- カメラの権限を確認
- Slackがカメラにアクセスする権限があるか確認
- 他のアプリがカメラを使っていないか確認
- Zoom、Teams、Skypeなど、カメラを使う他のアプリを終了
- カメラドライバーを確認
- パソコンのカメラドライバーが最新か確認
通知設定のカスタマイズ
ハドルの通知は、カスタマイズできます。
通知をオフにしたい場合
手順:
- Slackの設定を開く
- 「通知」を選択
- 「ハドルミーティング」の通知設定を変更
設定オプション:
- 全てのハドル開始を通知
- 自分が参加しているチャンネルのみ通知
- 通知なし
集中したい時間帯は通知をオフにして、休憩時間にオンにする、という使い分けもできます。
よくある質問
Q1. ハドルとSlackコールの違いは?
A. ハドルの方が気軽で非同期的です。
Slackコールは従来の「通話」機能で、発信・着信の概念があります。一方、ハドルは「常に開いている部屋」のイメージで、いつでも入退室できます。
現在は、ほとんどの場合ハドルの方が便利です。
Q2. ハドルの最大人数は?
A. 有料プランでは無制限ですが、実用的には50人程度までです。
技術的には制限がありませんが、50人を超えると音声が混雑して会話しにくくなります。大人数の会議には、専用のウェビナーツールがおすすめです。
Q3. ハドルを録画できる?
A. Slackネイティブの録画機能はありませんが、AI議事録機能があります。
有料プランでは、AIが会話の要点を自動でまとめてくれます。完全な録画が必要な場合は、外部の画面録画ツールを使う必要があります。
Q4. スマホでもハドルに参加できる?
A. はい、iOS・Android両方で使えます。
スマホアプリでも、パソコンと同じようにハドルに参加できます。ただし、画面共有はモバイルでは制限があります。
Q5. ハドルの通話料金はかかる?
A. いいえ、インターネット通信のみで通話料金はかかりません。
ただし、モバイルデータ通信を使う場合は、データ通信量が消費されます。長時間のハドルは、Wi-Fi環境での利用がおすすめです。
Q6. プライベートチャンネルのハドルは誰が見られる?
A. そのチャンネルのメンバーのみです。
プライベートチャンネルで始めたハドルは、チャンネルメンバー以外には見えません。招待されない限り、参加もできません。
まとめ:ハドルでもっと気軽にコミュニケーション
Slackのハドルミーティングは、リモートワークの課題を解決する画期的な機能です。
この記事のポイント:
- ハドルはワンクリックで始められる気軽な音声チャット
- 途中参加・途中退出が自由で、カジュアルに使える
- 音声がメインだが、ビデオや画面共有も可能
- 無料プランは2人・30分まで、有料プランは無制限
- 会議疲れを軽減し、迅速な意思決定を可能にする
- 緊急対応、ブレスト、レビュー、雑談など幅広く活用できる
- 音声トラブルは、デバイス設定とネット環境を確認
「テキストで説明するより、話した方が早い」という場面は、仕事でよくあります。
そんな時、わざわざZoomやTeamsを立ち上げなくても、Slackのハドルでサッと会話できる。この手軽さが、ハドルの最大の魅力です。
まだ使ったことがない方は、今すぐ試してみませんか?きっと、チームのコミュニケーションがもっとスムーズになるはずです。


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