Slackでチームのコミュニケーションをしていると、チャンネルにメッセージがどんどん流れていきますよね。複数の話題が同時に進行すると、「あれ、このメッセージはどの話題に対する返信だっけ?」と混乱してしまうことも。
そんな時に活躍するのが「スレッド」機能です。今回は、Slackのスレッドについて、基本的な使い方から活用のコツまで詳しく解説していきます。
Slackのスレッドって何?基本を理解しよう

スレッドは「メッセージに対する返信をまとめる機能」
Slackのスレッドとは、特定のメッセージに対する返信を一箇所にまとめて表示する機能です。
たとえば、X(旧Twitter)のリプライ機能をイメージすると分かりやすいでしょう。特定のツイートに対して返信すると、その返信がツイートの下にぶら下がって表示されますよね。Slackのスレッドも同じような仕組みです。
普通にチャンネルにメッセージを送ると、時系列順にメッセージが並んでいきます。でもスレッドで返信すれば、元のメッセージと返信がひとつのグループとしてまとまるんです。
スレッドは「チャンネル内の小部屋」のようなもの
スレッドは、チャンネルの中に作られる小さな会議室のようなものと考えるとイメージしやすいかもしれません。
メインのチャンネルでは全体的な話題が流れていて、特定のトピックについて深く話したい時に、スレッドという小部屋に移動して会話する。そんな使い方ができます。
重要なのは、スレッド内での会話はメインのチャンネルには表示されないということです。チャンネルには「○件の返信」という表示だけが出て、スレッドをクリックしないと中身は見えません。
なぜスレッドを使うの?3つの大きなメリット
メリット1:チャンネル全体の流れをスッキリさせられる
スレッドを使う最大のメリットは、チャンネルが読みやすくなることです。
たとえば、マーケティングチームのチャンネルで、「新商品のキャンペーン」と「来月のイベント準備」と「ウェブサイトの改善」という3つの話題が同時に進行しているとしましょう。
スレッドを使わずに全部をチャンネルに流してしまうと、メッセージが入り乱れて何が何だか分からなくなってしまいます。でもそれぞれの話題をスレッドで分けておけば、チャンネルには各話題の最初のメッセージだけが表示され、詳細なやり取りはスレッド内に収まります。
結果として、チャンネルを開いた時に「今どんな話題が進行中なのか」が一目で分かるようになるんです。
メリット2:複数の話題を同時進行できる
スレッドのおかげで、一つのチャンネルで複数の話題を同時に扱えるようになります。
従来の時系列のチャットだと、Aさんの質問に答えている途中で、Bさんが別の話題を始めると会話が混ざってしまいました。どのメッセージがどの話題に対する返信なのか、読み手が頭の中で整理しなければいけなかったんです。
スレッドを使えば、それぞれの話題が独立したスレッドとして存在するので、同時並行で複数の会話が進んでも混乱しません。Aさんの質問に対するスレッドと、Bさんの話題に対するスレッドが、それぞれ別々に進行していくイメージです。
メリット3:不要な通知を減らせる
スレッドには通知に関する便利な仕組みがあります。
通常のチャンネルへのメッセージだと、そのチャンネルに参加している全員に通知が飛びます。でもスレッドの場合は、そのスレッドに関係している人だけに通知が届くんです。
具体的には、以下の人に通知が届きます:
- スレッドを開始した人(最初のメッセージを投稿した人)
- スレッドに返信した人
- スレッド内でメンション(@ユーザー名)された人
たとえば、あなたが100人いるチャンネルにいて、そのうちの3人だけで細かい打ち合わせをしたい場合。スレッドを使えば、残りの97人には通知が飛びません。関係のない人の仕事を邪魔せずに済むわけです。
スレッドの使い方:パソコン編
それでは実際にスレッドを使ってみましょう。まずはパソコンでの操作方法を説明します。
スレッドを開始する方法
スレッドを開始するのはとても簡単です。
ステップ1:返信したいメッセージにマウスを合わせる
チャンネル内で、返信したいメッセージにマウスカーソルを合わせてください。すると、メッセージの右上にいくつかのアイコンが表示されます。
ステップ2:吹き出しアイコンをクリック
表示されたアイコンの中から、吹き出しマーク(「スレッドで返信する」というアイコン)をクリックします。
ステップ3:スレッド画面で返信を入力
画面の右側にスレッド専用のパネルが開きます。下の方に「返信を追加する」というメッセージ入力欄があるので、そこに返信を入力して送信ボタンを押しましょう。
これでスレッドが作成されます!元のメッセージの下に「1件の返信」と表示されるようになります。
既存のスレッドに返信する方法
他の人がすでに作ったスレッドに参加したい場合はどうすればいいでしょうか。
メッセージの下に「○件の返信」と表示されているのが、スレッドが存在する印です。これをクリックすると、右側にスレッドのパネルが開いて、これまでのやり取りが表示されます。
一番下の入力欄から、同じようにメッセージを送れば、そのスレッドに参加できます。
チャンネルにもブロードキャストする方法
スレッドでの返信を、チャンネル全体にも知らせたい場合があります。
たとえば、スレッド内で重要な決定がされた時、その結論をチャンネルの全員に共有したいですよね。そんな時は「チャンネルにも送信する」機能を使います。
スレッドでメッセージを入力する時、入力欄の下に「#チャンネル名にも送信する」というチェックボックスがあります。これにチェックを入れてメッセージを送信すると、その返信がスレッド内だけでなく、メインのチャンネルにも表示されます。
この機能は、「スレッドで話し合った結果を全員に報告する」という使い方に便利です。
スレッドの使い方:スマホ編
スマホアプリでもスレッド機能は同じように使えます。
スマホでスレッドを開始する
ステップ1:メッセージをタップ
返信したいメッセージを軽くタップしてください。
ステップ2:「スレッドで返信する」を選択
メニューが表示されるので、その中から「スレッドで返信する」を選びます。
ステップ3:返信を入力して送信
スレッド画面が開くので、下の入力欄に返信を入力して、紙飛行機のアイコンをタップして送信します。
スマホでも「チャンネルにも送信する」のチェックボックスは同じように表示されるので、必要に応じて使いましょう。
スレッドを管理する便利な機能
スレッド一覧で確認する
自分が参加しているスレッドを一箇所で確認できる機能があります。
パソコンの場合、画面左側のサイドバーに「スレッド」というメニューがあります。これをクリックすると、自分が参加している全てのスレッドが一覧で表示されます。
スマホの場合は、ホーム画面の上部に「スレッド」というタブがあります。
この一覧画面から、各スレッドに直接返信することもできるので、複数のチャンネルにまたがってスレッドに参加している場合でも、いちいちチャンネルを切り替える必要がありません。とても便利ですよ。
新しい返信があると分かる仕組み
自分が参加しているスレッドに新しい返信があると、サイドバーの「スレッド」が「新しいスレッド」という表示に変わり、強調されます。
また、スレッドのあるメッセージには、返信した人のアイコンと「○件の返信」という数字が表示されるので、そこからも新しいやり取りがあるかどうかが分かります。
スレッドをフォロー・フォロー解除する
特定のスレッドの更新を見逃したくない場合は、そのスレッドを「フォロー」できます。
スレッドをフォローすると、新しいメッセージが投稿されるたびに確実に通知が届きます。逆に、もう関係なくなったスレッドは「フォローを終了」することで通知を止められます。
スレッドをフォローするには、スレッド内で三点リーダー(…)のアイコンをクリックして、「新しい返信すべてについて通知を受け取る」を選択します。
フォローを終了したい時も同じメニューから「スレッドのフォローを終了する」を選べばOKです。
スレッドを使う時の注意点
スレッドはとても便利な機能ですが、いくつか注意すべき点もあります。
注意点1:チャンネル全体には通知されない
これはメリットでもありデメリットでもあるのですが、スレッド内での会話は基本的にチャンネル全体には表示されません。
つまり、重要な情報共有や決定事項をスレッド内だけで完結させてしまうと、そのスレッドに参加していない人は気づかない可能性があります。
全員に知らせるべき内容は、必ず「チャンネルにも送信する」機能を使って共有するか、最初からチャンネルに直接投稿しましょう。
注意点2:スレッド内が混線することもある
スレッドの中でさらに複数の話題が始まってしまうと、結局スレッド内でも会話が混乱することがあります。
スレッドはあくまで「一つの話題を掘り下げる」ための機能です。もし、スレッド内で全く別の話題が始まったら、それは新しいスレッドとして独立させるか、別のチャンネルに移動することを検討しましょう。
注意点3:スレッドを使いすぎると逆に分かりにくくなる
何でもかんでもスレッドにしてしまうと、今度は「スレッドをいちいち開かないと内容が分からない」という状況になります。
チャンネルのメッセージすべてに「○件の返信」がついていて、それを全部開いて確認しないといけないとなると、かえって手間が増えてしまうんです。
後ほど「スレッドを使うべき場面」で詳しく説明しますが、スレッドは必要な時に使うことが大切です。
スレッドを使うべき場面・使わない方がいい場面

スレッド機能を効果的に使うためには、どんな時に使うべきか理解しておくことが重要です。
スレッドを使うべき場面
1. チャンネルが活発で、複数の話題が同時進行している時
参加者が多く、常にメッセージが流れているような活発なチャンネルでは、スレッドを積極的に使いましょう。
Slackの公式ブログでも、数百人が参加する大規模なチャンネルでは、スレッドを使って議論を整理することを推奨しています。
2. 本筋から外れる深い議論をする時
メインの話題とは少しズレるけれど、詳しく議論したいことがある場合もスレッド向きです。
たとえば、「新商品の発表」について話しているチャンネルで、誰かが技術的な細かい質問をした場合。その技術的な議論をスレッドで行えば、メインの話題を邪魔せずに済みます。
3. ファイルや提案に対するフィードバックを集める時
誰かがファイルをアップロードしたり、アイデアを提案したりした時、それに対する意見をスレッドで集めるのは効果的です。
元の投稿に対する様々な意見が一箇所にまとまるので、後から見返す時にも分かりやすくなります。
4. 過去のメッセージに対して後から返信する時
少し前のメッセージに対して今更返信したい、という場合もスレッドが便利です。
チャンネルに直接返信すると、その間に流れた他のメッセージとの関係が分かりにくくなってしまいますが、スレッドなら元のメッセージと明確に紐付けられます。
5. 短い確認や質問のやり取りを何度も繰り返す時
小さなリクエストが頻繁に発生するチャンネルでは、それぞれをスレッドで処理するとスッキリします。
カスタマーサポートチームが社内の専門家に質問を投げかけるようなケースが該当します。
スレッドを使わない方がいい場面
1. 緊急で全員に知らせる必要がある時
全員が今すぐ見るべき重要な情報は、スレッドではなくチャンネルに直接投稿しましょう。
スレッド内に書いてしまうと、気づかない人が出てくる可能性があります。
2. チャンネルがあまり活発でない時
メッセージがあまり流れないチャンネルでは、スレッドを使う必要性は低いです。
時系列のメッセージだけでも十分読みやすいので、わざわざスレッドにする必要はありません。
3. 簡単な一言の返信で済む時
「ありがとうございます」「了解しました」といった短い返信なら、チャンネルに直接送っても問題ありません。
むしろ、こういった短い返信までスレッドにしてしまうと、スレッドの数だけが増えて管理が面倒になります。
スレッドの活用テクニック
最後に、スレッドをより効果的に使うためのテクニックをいくつか紹介します。
テクニック1:メンションを活用する
スレッド内でも@メンションは使えます。
スレッドに参加している人に確実に気づいてもらいたい場合や、まだスレッドに参加していない人を会話に招待したい場合は、積極的にメンションを使いましょう。
メンションされた人には、通常のスレッド通知よりも目立つ形で通知が届くので、見落とされにくくなります。
テクニック2:「ネタバレ注意」で使う
Slackの公式ブログで紹介されている面白い使い方として、「ネタバレ防止」があります。
たとえば、#テレビ というチャンネルで「昨日のドラマ最終回、見た?ネタバレ注意!」という投稿をして、感想や議論をスレッドで行う。そうすれば、まだ見ていない人はスレッドを開かなければネタバレを避けられます。
スポーツの試合結果やパズルの答えなど、すぐに知りたくない情報を扱う時に便利です。
テクニック3:情報を簡潔に共有してから詳細はスレッドで
メインのチャンネルには要点だけを投稿して、詳細情報は自分でスレッドに最初の返信として追加する、という使い方もあります。
Slackの製品チームは、社内の #released チャンネル(リリース情報を共有するチャンネル)で、この方法を使っているそうです。アップデートの基本情報だけをチャンネルに投稿し、技術的な詳細や追加情報はスレッドに入れることで、チャンネルが読みやすく保たれています。
テクニック4:決定事項は必ずブロードキャストする
スレッド内でチームの方針や日程などが決まったら、必ず「チャンネルにも送信する」機能を使って全員に共有しましょう。
たとえば、ミーティングの日程変更がスレッド内で決まったとします。その情報をブロードキャストしないと、スレッドに参加していない半分のメンバーが日程変更を知らないまま、という事態になってしまいます。
ダイレクトメッセージでもスレッドは使える
ここまでチャンネルでのスレッドについて説明してきましたが、実はダイレクトメッセージ(DM)でもスレッドは使えます。
1対1のDMでも、複数人のグループDMでも、スレッド機能は同じように利用できます。使い方もチャンネルと全く同じです。
DMでスレッドを使う場面は少ないかもしれませんが、たとえば長期的にやり取りしている相手と複数のプロジェクトを同時進行している場合などには便利でしょう。
まとめ:スレッドでSlackをもっと使いやすく
Slackのスレッド機能について、基本から活用方法まで解説してきました。
スレッドは、チャンネル内の会話を整理し、複数の話題を同時に扱えるようにする便利な機能です。特定のメッセージに対する返信を一箇所にまとめることで、チャンネル全体の見通しが良くなります。
スレッドの主なメリット
- チャンネルがスッキリして読みやすくなる
- 複数の話題を同時進行できる
- 関係ない人への通知を減らせる
- 情報が透明化され、検索で見つけやすくなる
使い方のポイント
- 活発なチャンネルや深い議論で積極的に使う
- 全員に知らせるべき情報はブロードキャストする
- 緊急性の高い情報はチャンネルに直接投稿
- スレッド一覧機能で効率的に管理する
スレッドを上手に使えば、Slackでのコミュニケーションがぐっと快適になります。最初は慣れないかもしれませんが、使っていくうちに自然と使い分けができるようになるはずです。
チーム全体でスレッドの使い方について共通認識を持つことも大切です。どんな時にスレッドを使うか、どんな時はチャンネルに直接投稿するか、といったルールを決めておくと、より効果的に活用できるでしょう。
ぜひスレッド機能を活用して、よりスムーズなチームコミュニケーションを実現してください!

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