Slackでメッセージを送ったのに返信がないと、「あれ、読んでくれたのかな？」「もしかして見逃してる？」と心配になりますよね。
LINEやMessengerなら「既読」がつくので、相手がメッセージを読んだかどうか一目で分かります。でも、Slackはちょっと違うんです。
実は、Slackには一般的な既読確認機能がありません。これは不便なようですが、実は深い理由があるんです。
この記事では、Slackの既読確認の仕組みや、相手がメッセージを読んだかどうか確認する代替方法、自分の未読管理のコツまで、分かりやすく解説していきますね。
Slackに既読確認機能がない理由
意図的な設計：「既読スルー」のプレッシャーを避けるため
Slackには、LINEのような「既読」マークが表示される機能が意図的に搭載されていません。
これはSlack開発チームの明確な方針で、2014年頃から多くのユーザーがこの機能を要望していますが、現在まで実装されていません。
理由は主に2つあります。
1つ目は、「既読スルー」によるプレッシャーを避けるためです。既読がついてしまうと、「読んだのに返信しないと失礼かな」「早く返さなきゃ」という心理的負担が生まれてしまいます。
2つ目は、非同期コミュニケーションを重視しているからです。Slackは「いつでも送信できて、受け手は自分のペースで対応できる」というコンセプトで設計されています。既読機能があると、即座に返信することが期待されてしまい、この良さが損なわれてしまうんですね。
Slack公式の見解
Slack公式は、既読機能のリクエストに対して次のように回答しています。
「機能を実装する予定はありません。代わりに、メッセージに絵文字リアクションを使うことをお勧めしております」
つまり、Slackでは既読確認よりも、リアクションを通じたコミュニケーションを推奨しているということです。
Slackで「既読」として扱われる2つの意味
Slackにおける「既読」には、実は2つの異なる意味があります。これを理解しておくと、混乱が少なくなりますよ。
1. 自分が読んだかどうか（自分の未読管理）
これは自分自身のための既読管理です。Slackでは、チャンネルやダイレクトメッセージを開くと、自動的にそのメッセージが「既読」として扱われます。
未読のメッセージがあると、チャンネル名が太字で表示されたり、未読バッジがついたりします。これで「自分がまだ読んでいないメッセージ」を把握できるんですね。
ポイント： この既読状態は、相手には一切見えません。あくまで自分だけが分かる情報です。
2. 相手が読んだかどうか（相手の既読確認）
これは送信者が知りたい既読確認です。「自分が送ったメッセージを相手が読んだかどうか」を確認したい場合ですね。
先ほど説明した通り、Slackには基本的にこの機能がありません。LINEの「既読」のように、「○○が既読しました」といった表示は出ないんです。
相手がメッセージを読んだか確認する代替方法
既読機能がないSlackでも、相手がメッセージを読んだかどうかを確認する方法はいくつかあります。
方法1：絵文字リアクションを使う（最も一般的）
Slackで最も推奨されているのが、絵文字リアクションを使った確認方法です。
使い方の例：
- 👀（目の絵文字）：「見ました」という意味
- ✅（チェックマーク）：「確認しました」「了解です」という意味
- 👍（サムズアップ）：「了解しました」という意味
メッセージを受け取った側が、読んだことを示すために絵文字でリアクションする習慣をチーム内で作ると、スムーズなコミュニケーションが実現できます。
メリット：
- 簡単で手軽
- 短い返信を書く手間が省ける
- チャットが長文で埋まらない
- 相手に負担をかけない
方法2：オンライン状態（緑の丸）を確認する
Slackでは、ユーザー名の横に緑の丸が表示されている場合、そのユーザーがオンライン（Slackを開いている）であることが分かります。
ただし注意点があります。緑の丸が表示されているからといって、「あなたのメッセージを読んだ」という証拠にはなりません。別のチャンネルを見ている可能性もありますし、Slackを開いたまま席を外している可能性もあります。
あくまで参考程度の情報として考えましょう。
方法3：チーム内でルールを決める
最も効果的なのは、チームで既読確認のルールを決めておくことです。
具体例：
- 「メッセージを読んだら👀でリアクションする」
- 「対応完了したら✅でリアクションする」
- 「確認中の場合は⏳でリアクションする」
このようなルールを作っておくと、誰もが同じ認識で使えるので、コミュニケーションが円滑になります。
方法4：サードパーティアプリを使う（有料プラン向け）
重要なメッセージの既読確認が必須という場合は、Slackマーケットプレイスにある専用アプリを使う方法もあります。
主なアプリ：
- Memo – Confirm Read：メッセージに「確認ボタン」を追加でき、誰が確認したか追跡できる
- Envelope App：特別なコマンドを使って、受信者がボタンを押すまでメッセージが隠れる仕組み
使うべき場面：
- 人事ポリシーの周知
- コンプライアンス関連の通知
- セキュリティアラート
- 重要な業務連絡
ただし、日常的なやり取りにこれらのアプリを使うと、かえって負担になるので注意が必要です。
方法5：Business+/Enterpriseプランの「メッセージアクティビティ」機能
SlackのBusiness+プランやEnterpriseプランには、メッセージアクティビティという機能があります。
この機能を使うと、50人以上のチャンネルで以下の情報が確認できます：
- メッセージを見た人数
- リアクションした人数
- クリックした人数
- デバイスの種類（デスクトップ、モバイルなど）
ただし、個別に誰が読んだかは分からないことが多く、プライベートチャンネルでは使えない場合があります。
自分の未読メッセージを管理する方法
ここからは、「自分が読んだかどうか」の管理方法を解説します。メッセージの見逃しや返信忘れを防ぐために役立ちますよ。
既読になるタイミングを設定する
Slackでは、メッセージがいつ既読になるかを自分で設定できます。
設定方法：
- ワークスペース名をクリック
- 「環境設定」を選択
- 「詳細設定」をクリック
- 「既読にするタイミング」で以下から選択：
- すぐに既読にする：チャンネルを開くとすぐに既読になる（デフォルト）
- 前回の場所から始める：前回読んだ位置から再開し、自分のペースで既読にできる
「前回の場所から始める」を選ぶと、うっかり既読にしてしまうのを防げます。
メッセージを未読に戻す方法
「一度読んだけど、後でもう一度確認したい」という場合は、メッセージを未読に戻すことができます。
PC版の手順：
- メッセージにマウスを合わせる
- 右側に表示される「…」（その他のアクション）をクリック
- 「未読にする」を選択
ショートカットキー：
- Mac：
Option+ クリック - Windows：
Alt+ クリック
スマホ版の手順：
- メッセージを長押し
- 「未読にする」をタップ
この機能を使えば、「返信を忘れそうなメッセージ」を未読として残しておけるので便利です。
未読メッセージを一覧で確認する
多くのチャンネルに参加していると、未読メッセージが散らばってしまいますよね。そんなときは未読メッセージを一覧表示する機能が便利です。
設定方法：
- ワークスペース名をクリック
- 「環境設定」を選択
- 左のメニューから「ホーム」をクリック
- 「サイドバーにいつも表示する項目」の「未読メッセージ」にチェック
- サイドバーに「未読」という項目が追加される
これで、全チャンネルの未読メッセージを一か所で確認できます。
全てのメッセージを一括で既読にする方法
未読が溜まりすぎて困ったときは、一括で既読にすることもできます。
PC版の方法：
- 現在表示中のメッセージを既読にする：
Escキー - ワークスペース内全てを既読にする：
Shift+Escキー
スマホ版の方法（キャッチアップ機能）：
- ホーム画面の「キャッチアップ」をタップ
- 未読メッセージが一覧表示される
- 右スワイプで既読、左スワイプで未読に戻す
既読にならないトラブルの解決方法
「メッセージを見たのに未読バッジが消えない」というトラブルが起きることがあります。
対処法1：キーボードショートカットで一括既読
Shift + Esc キーを押して、全てのメッセージを強制的に既読にしてみましょう。
対処法2：キャッシュのクリア
既読にならない問題が頻繁に起こる場合は、キャッシュをクリアすると解決することがあります。
PC版の手順：
- ワークスペース名をクリック
- 「環境設定」→「詳細設定」
- 「キャッシュとデータのクリア」を選択
対処法3：アプリの再起動・再インストール
それでも解決しない場合は、Slackアプリを再起動するか、最終手段として再インストールしてみましょう。
よくある質問
Q1：既読機能は今後追加される予定はありますか？
現時点では、Slack公式が既読機能を実装する予定はないと明言しています。既読スルーのプレッシャーを避け、非同期コミュニケーションを重視するという設計思想があるためです。
Q2：相手が私のメッセージを読んだかどうか、確実に知る方法はありますか？
標準機能では確実に知る方法はありません。絵文字リアクションをお願いするか、重要な連絡の場合はサードパーティアプリを使うのがおすすめです。
Q3：プライベートチャンネルやDMでも既読は分かりませんか？
はい、プライベートチャンネルやDM（ダイレクトメッセージ）でも、相手が読んだかどうかは分かりません。すべてのチャンネルで共通の仕様です。
Q4：緑の丸が表示されているのに返信がないのはなぜ？
緑の丸は「Slackを開いている」というだけで、「あなたのメッセージを読んだ」という意味ではありません。別のチャンネルを見ている、会議中で席を外している、通知をオフにしているなど、様々な理由が考えられます。
Q5：未読を既読にするタイミングは変更できますか？
はい、環境設定から「既読にするタイミング」を変更できます。チャンネルを開いただけでは既読にせず、自分で確認してから既読にする設定も可能です。
Q6：誤って既読にしてしまった場合、未読に戻せますか？
はい、メッセージを未読に戻すことができます。メッセージの右上にある「…」から「未読にする」を選ぶか、ショートカットキー（Option/Alt + クリック）で簡単に戻せます。
Q7：チーム全体で既読確認のルールを作るべきですか？
おすすめです。「メッセージを読んだら👀でリアクション」「対応完了したら✅でリアクション」といったルールを決めておくと、スムーズに運用できます。
Q8：既読機能がないことのメリットは何ですか？
最大のメリットは、「すぐに返信しなければ」というプレッシャーから解放されることです。深い集中が必要な仕事をしているときでも、既読スルーを気にせずに自分のペースで対応できます。
まとめ：Slackの既読確認は「リアクション文化」で乗り切ろう
Slackには、LINEやMessengerのような既読確認機能がありません。これは意図的な設計で、既読スルーのプレッシャーを避け、非同期コミュニケーションを実現するためです。
相手が読んだか確認する方法：
- 絵文字リアクションを使う（最も推奨される方法）
- チーム内で既読確認のルールを決める
- 重要な連絡には専用アプリを使う
- Business+/Enterpriseプランならメッセージアクティビティ機能を活用
自分の未読管理のコツ：
- 既読になるタイミングを設定する
- 重要なメッセージは未読に戻す
- 未読メッセージを一覧表示する
- 一括既読のショートカットキーを覚える（
Shift+Esc）
既読機能がないことは、最初は不便に感じるかもしれません。でも、「👀」や「✅」といったリアクション文化を取り入れることで、かえって快適なコミュニケーション環境を作ることができます。
Slackの特性を理解して、チーム全体で気持ちよく使える工夫をしていきましょう！
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