Slackでメッセージのやり取りをしていると、こんな経験はありませんか?
「さっきの○○さんの質問に答えたいけど、どれのこと言ってるかわかるかな…」
「前に話した内容を引用したいけど、どうやるんだっけ?」
「この重要な発言を別のチャンネルにも共有したい」
活発なチャンネルほど、新しいメッセージがどんどん流れて、何に対する返信なのかわかりにくくなりますよね。
そこで役立つのが、Slackの「引用機能」です。この機能を使えば、相手のメッセージを明確に示しながら返信できるので、誤解やコミュニケーションミスを大幅に減らせます。
この記事では、Slackの引用方法を基本から応用まで、PC版とスマホ版の両方で詳しく解説します。
Slackの「引用」と「共有」の違い

まず、Slackには似て非なる2つの機能があることを理解しておきましょう。
引用(Quote)
過去のメッセージの一部をコピー&ペーストして、自分のメッセージに取り込む機能です。引用符(>)を使うことで、通常のテキストと区別して表示できます。
使用例
- 相手の質問の一部を引用して、的確に答える
- 議事録から重要な発言を抜粋する
- 長いメッセージの特定部分だけに反応する
共有(Share)
過去のメッセージを丸ごと別のチャンネルやメンバーに転送する機能です。メッセージのURLを貼り付けることで、元の投稿者や投稿時刻も含めて完全に共有できます。
使用例
- お知らせを複数のチャンネルに展開する
- 別のメンバーに参考になる過去の会話を見せる
- 重要な決定事項を関係者に周知する
簡単に言えば、「引用」は部分的に参照、「共有」は丸ごと転送、という違いです。
【基本】引用符(>)を使った引用方法
最も基本的で使いやすい引用方法が、「>」(引用符)を使う方法です。
PC版での手順
方法1:書式設定ツールバーを使う
- メッセージ入力欄をクリック
- 書式設定ツールバー(Aa)が表示される
- 「”」(引用タグ)アイコンをクリック
- グレーの縦線(引用マーク)が表示される
- 引用したいテキストをコピー&ペースト
- メッセージを送信
方法2:キーボードで直接入力
- メッセージ入力欄に「>」を半角で入力
- スペースキーを押す
- 自動的にグレーの縦線が表示される
- 引用したいテキストをコピー&ペースト
- メッセージを送信
方法3:ショートカットキーを使う
- Windows:Ctrl + Shift + >
- Mac:⌘(Command) + Shift + >
このショートカットを押すと、すぐに引用形式になります。
表示例
入力:
> 明日の会議は10時からでしょうか?
承知しました。10時に参加します。
表示:
明日の会議は10時からでしょうか?
承知しました。10時に参加します。
引用部分がグレーの縦線で囲まれ、一目で引用だとわかります。
複数行を一度に引用する方法
長い文章を引用したい場合、毎行「>」を付けるのは面倒ですよね。そんな時は「>>>」(>を3つ)を使いましょう。
手順
- メッセージ入力欄に「>>>」を半角で入力
- スペースキーを押す
- Enterキーで改行
- 引用したい複数行のテキストをコピー&ペースト
- メッセージを送信
表示例
入力:
>>> プロジェクトの進捗報告
・要件定義:完了
・設計:進行中(80%)
・開発:未着手
表示:
プロジェクトの進捗報告
・要件定義:完了
・設計:進行中(80%)
・開発:未着手
「>>>」を使うと、それ以降の行がすべて自動的に引用形式になります。
スレッド機能を使った引用返信
メインチャンネルを汚さずに特定のメッセージに返信したい場合は、スレッド機能が便利です。
PC版での手順
- 返信したいメッセージにカーソルを合わせる
- 💬(吹き出しアイコン)「スレッドで返信する」をクリック
- 右側にスレッドパネルが開く
- 返信内容を入力
- 「送信」をクリック
メインチャンネルにも表示したい場合
スレッド内で返信を入力する際、「#チャンネル名にも投稿」にチェックを入れると、メインチャンネルにも表示されます。
スレッドのメリット
- 会話の流れが整理される
- メインチャンネルが散らからない
- 関連するやり取りがまとまる
- 後から見返しやすい
メッセージリンクを使った共有方法
過去のメッセージを丸ごと引用・共有したい場合は、メッセージリンク(Copy Link)を使います。
PC版での手順
- 共有したいメッセージにカーソルを合わせる
- 「…」(その他のアクション)をクリック
- 「リンクをコピー」を選択
- リンクが自動的にクリップボードにコピーされる
- 共有したいチャンネルやDMのメッセージ欄に貼り付け
- 送信
表示の特徴
リンクを貼り付けると、以下の情報が自動的に表示されます。
- 元の投稿者の名前とアイコン
- 投稿日時
- メッセージの内容(プレビュー)
- 元のメッセージへのリンク
リンクをクリックすれば、元のメッセージに直接ジャンプできるので、前後の文脈も確認できます。
スマホ版での手順
- 共有したいメッセージを長押し
- 「リンクをコピー」を選択
- 共有したいチャンネルやDMのメッセージ欄に貼り付け
- 送信
メッセージを転送する方法
特定のメンバーやチャンネルに直接メッセージを転送することもできます。
PC版での手順
- 転送したいメッセージにカーソルを合わせる
- 「…」(その他のアクション)をクリック
- 「メッセージを転送する」を選択
- 転送先のチャンネルまたはメンバーを選択
- 必要に応じてコメントを追加
- 「転送する」をクリック
転送すると、元のメッセージが完全な形で指定した宛先に送信されます。
スマホアプリでの引用方法
iOS・Android共通の基本操作
引用符(>)を使う方法
- メッセージ入力欄をタップ
- 「>」を半角で入力
- スペースキーを押す
- 引用したいテキストをコピー&ペースト
- 送信
スマホ版でも、PC版と同じように「>」を使った引用が可能です。
メッセージリンクをコピーする方法
- 共有したいメッセージを長押し
- 「リンクをコピー」をタップ
- 共有したいチャンネルやDMに移動
- メッセージ欄に貼り付け
- 送信
注意点
スマホ版では、書式設定ツールバーの表示が限定的な場合があります。基本的には「>」の手入力またはメッセージリンクを使用するのが確実です。
引用・共有の使い分けガイド

どの方法を使えばいいか迷ったら、この表を参考にしてください。
| 状況 | おすすめの方法 | 理由 |
|---|---|---|
| 質問の一部に答えたい | 引用符(>) | 何に答えているか明確 |
| 長文の特定部分だけ参照 | 引用符(>) | 必要な箇所だけ抜粋できる |
| メインチャンネルを汚したくない | スレッド返信 | 会話が整理される |
| 過去の重要な決定を共有 | メッセージリンク | 元の文脈も確認できる |
| 別チャンネルに情報展開 | メッセージ転送 | 一度で複数箇所に送信可能 |
| 外部サイトからの引用 | 引用符(>) | Slack外の情報も引用できる |
引用をもっと効果的に使うコツ
1. 必要な部分だけ引用する
長文を全部引用すると、かえって読みにくくなります。本当に必要な部分だけを抜粋しましょう。
❌ 悪い例:
> プロジェクトの進捗ですが、要件定義は先週完了し、設計は現在80%まで進んでいます。開発はまだ着手していませんが、来週から開始予定です。また、テストについては設計完了後に詳細を詰める予定で、リリースは来月末を目標としています。
了解です。
⭕ 良い例:
> 開発はまだ着手していませんが、来週から開始予定です。
了解です。楽しみにしています!
2. 引用の後に自分のコメントを必ず追加する
引用だけして何もコメントしないと、意図が伝わりません。
❌ 悪い例:
> 明日の会議は10時からです。
⭕ 良い例:
> 明日の会議は10時からです。
承知しました。資料も準備しておきます。
3. スレッドを積極的に活用する
詳しい議論が必要な場合は、スレッドで返信することでメインチャンネルがスッキリします。
4. 引用符を二重にして強調する
「>>」と2つ重ねると、より目立つ引用になります(環境によって表示が異なる場合があります)。
5. コードブロックと組み合わせる
技術的な内容を引用する場合、コードブロック(“`)と引用符を組み合わせるとより見やすくなります。
よくあるトラブルと解決方法
トラブル1:引用符が機能しない
症状:「>」を入力してもグレーの縦線が表示されない
解決方法
- 「>」の後に必ずスペースを入れる
- 半角の「>」を使う(全角の「>」では機能しない)
- 文頭に「>」を入力する
トラブル2:引用が消えてしまう
症状:一度入力した引用が消える
解決方法
- メッセージを送信する前に削除していないか確認
- アプリを再起動してみる
- ブラウザ版で試してみる
トラブル3:メッセージリンクのプレビューが表示されない
症状:リンクを貼り付けてもプレビューが出ない
解決方法
- プライベートチャンネルのメッセージは、そのチャンネルのメンバー以外にはプレビュー表示されない
- 同じリンクを短時間に複数回貼ると、2回目以降はプレビューされないことがある
- 一度に5個以上のリンクを貼ると、一部がプレビューされない
トラブル4:スマホで書式設定ツールバーが表示されない
症状:スマホアプリで引用アイコンが見つからない
解決方法
- スマホ版では「>」を手入力する方法が確実
- アプリのバージョンが古い場合は最新版にアップデート
便利なショートカットキー一覧
引用作業を効率化するショートカットキーをまとめました。
| 操作 | Windows | Mac |
|---|---|---|
| 引用符を挿入 | Ctrl + Shift + > | ⌘ + Shift + > |
| 太字 | Ctrl + B | ⌘ + B |
| 斜体 | Ctrl + I | ⌘ + I |
| 打ち消し線 | Ctrl + Shift + X | ⌘ + Shift + X |
| コードブロック | Ctrl + Shift + C | ⌘ + Shift + C |
| リンク挿入 | Ctrl + Shift + U | ⌘ + Shift + U |
| 改行(送信しない) | Shift + Enter | Shift + Enter |
ピン留めとリマインド機能も活用しよう
引用と合わせて覚えておきたい機能があります。
ピン留め機能
重要なメッセージを繰り返し確認したい場合、ピン留め(Pin)しておくと便利です。
手順
- ピン留めしたいメッセージにカーソルを合わせる
- 「…」(その他のアクション)をクリック
- 「#チャンネル名にピン留めする」を選択
ピン留めしたメッセージは、チャンネルの詳細から「ピン留め済み」タブでいつでも確認できます。
リマインド機能
後で対応したいメッセージにリマインドを設定できます。
手順
- リマインドしたいメッセージにカーソルを合わせる
- 「…」(その他のアクション)をクリック
- 「リマインダーを設定する」を選択
- リマインド時刻を選択(20分後、1時間後、明日など)
指定した時刻にSlackbotから通知が届きます。
よくある質問(FAQ)
Q:引用したメッセージが削除されたらどうなりますか?
A:引用符(>)を使って引用した場合、元のメッセージが削除されても引用部分は残ります。ただし、メッセージリンクを使った場合は「このメッセージは削除されました」と表示され、内容は見られなくなります。
Q:プライベートチャンネルのメッセージを引用できますか?
A:引用符(>)でコピー&ペーストすれば、テキストとしては引用できます。ただし、メッセージリンクを共有しても、そのチャンネルのメンバー以外にはプレビューが表示されません。
Q:引用符とコードブロックの違いは何ですか?
A:引用符(>)は過去のメッセージや発言を参照するためのもの。コードブロック(“`)はプログラムコードやコマンドを等幅フォントで見やすく表示するためのものです。用途が異なります。
Q:古いメッセージでもスレッド返信できますか?
A:はい、できます。どんなに古いメッセージでもスレッド返信は可能です。
Q:スレッド内でさらにスレッドを作れますか?
A:いいえ、Slackではスレッド内にさらにスレッドを作ることはできません(ネストしたスレッドは不可)。
Q:引用部分の文字色を変えることはできますか?
A:デフォルトの引用表示(グレーの縦線)以外のカスタマイズはできません。Slackの標準機能では文字色の変更に制限があります。
Q:一度に複数のメッセージを引用できますか?
A:複数のメッセージをそれぞれ個別に引用符(>)で囲んで引用できます。または、別々のスレッド返信として対応することもできます。
まとめ:引用をマスターして円滑なコミュニケーションを
Slackの引用機能を使いこなせば、チーム内のコミュニケーションがぐっとスムーズになります。
基本の引用方法
- 引用符(>)を使った部分引用:質問への的確な返信に最適
- メッセージリンク:過去の投稿を丸ごと共有できる
- スレッド返信:会話を整理してメインチャンネルをスッキリ
覚えておきたいポイント
- 「>」の後には必ずスペースを入れる
- 複数行引用には「>>>」が便利
- 必要な部分だけを引用する
- 引用の後には必ず自分のコメントを追加
- ショートカットキー(Ctrl/⌘ + Shift + >)で効率化
PC版とスマホ版の違い
- PC版:書式設定ツールバーやショートカットが使える
- スマホ版:「>」の手入力が確実
引用機能を活用することで、「どのメッセージに対する返信なのか」が明確になり、誤解や行き違いを防げます。特に活発なチャンネルでは、引用があるかないかでコミュニケーションの質が大きく変わります。
まずは基本的な「>」を使った引用から始めて、慣れてきたらスレッド返信やメッセージリンクも使い分けてみてください。あなたのSlackライフが、もっと快適になるはずです!

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