Slackでは、QRコード(Quick Response Code)を使って、より便利にワークスペースにアクセスできます。QRコードとは、スマートフォンのカメラで読み取ると、すぐにウェブページやアプリを開ける二次元バーコードのことです。
この記事では、Slackでよく使われる3つのQRコード活用方法について、具体的な手順や注意点をわかりやすく解説します。
QRコードの主な3つの使い道
SlackでQRコードが活用される主なシーンは以下の3つです。
- PC版からスマホ版へのサインイン(最も一般的)
- 2要素認証(2FA)の設定
- ワークスペースへの招待
それぞれの使い方を詳しく見ていきましょう。
【方法1】PCからスマホへQRコードでサインイン
この方法は、すでにPCでSlackを使っている人が、同じワークスペースにスマホからもアクセスしたい時に使います。メールアドレスやパスワードを入力する手間が省けるので、最も手軽な方法です。
PCで行う操作
手順:
- PCでSlackデスクトップアプリを開く
- 画面左上のワークスペース名をクリック
- メニューから「○○[ワークスペース名]にモバイルでサインイン」を選択
- 画面にQRコードが表示される
この時点で、PCの画面にはQRコードと簡単な手順説明が表示されます。
スマホで行う操作
手順:
- スマホでSlackアプリを開く(まだインストールしていない場合は、App StoreまたはGoogle Play Storeからダウンロード)
- すでにSlackにサインインしている場合:
- 画面を右にスワイプ(または左上のワークスペースアイコンをタップ)
- ワークスペース一覧の下にある「ワークスペースを追加する」をタップ
- 「QRコードをスキャン」を選択
- 初めてSlackを使う場合:
- 「サインイン」をタップ
- サインイン画面で「QRコードでサインイン」または「QRコードをスキャン」を選択
- カメラへのアクセス許可を求められたら「許可」をタップ
- スマホのカメラでPCに表示されているQRコードを読み取る
- 自動的にワークスペースにサインインされる
ポイント:
- QRコードは一時的なもので、セキュリティのため有効期限があります
- 読み取れない場合は、PC側で新しいQRコードを表示し直すと解決することが多いです
- 複数のワークスペースに参加している場合でも、この方法で1つずつ追加できます
メリット
- パスワード入力不要
- メールアドレスを覚えていなくてもOK
- 数秒で完了する
- タイプミスの心配がない
【方法2】2要素認証(2FA)でQRコードを使う
2要素認証(Two-Factor Authentication)は、パスワードに加えて、もう1つの認証方法を組み合わせることで、アカウントのセキュリティを強化する機能です。
2要素認証とは?
通常のログインでは「パスワード」だけで認証しますが、2要素認証では「パスワード」+「スマホで生成する認証コード」の2つを使います。これにより、もしパスワードが漏れても、不正アクセスを防げます。
2要素認証の設定手順
準備するもの:
- 認証アプリ(Google Authenticator、Authy、Microsoft Authenticatorなど)
手順:
- 参加しているワークスペースにサインインする
- ブラウザで「my.slack.com/account/settings」を開く(ワークスペースのアカウント設定ページ)
- 「2要素認証(2FA)」の横にある「開く」をクリック
- 「2要素認証を設定する」をクリック
- パスワードを入力
- 「アプリを使用する」を選択
- スマホで認証アプリを開く
- アプリで「+」アイコンをタップして新しいアカウントを追加
- スマホのカメラで、PC画面に表示されているQRコードを読み取る
- 認証アプリに表示される6桁の確認コードをSlackの設定画面に入力
- 「コードを確認し、有効化する」をクリックして完了
設定後、Slackにサインインするたびに、認証アプリが生成する6桁のコードの入力が求められるようになります。
バックアップコードを保管する
2要素認証を設定すると、Slackがバックアップコードを発行します。これは、スマホを紛失した時や認証アプリにアクセスできなくなった時に使える予備の認証コードです。
重要:
- バックアップコードは安全な場所(パスワード管理アプリなど)に保存してください
- 印刷して金庫に保管する方法もあります
- 絶対に他人と共有しないでください
SMSでの2要素認証も可能
認証アプリではなく、SMSテキストメッセージで認証コードを受け取ることもできます。手順は同様ですが、ステップ6で「テキストメッセージ(SMS)」を選択し、携帯電話番号を登録します。
注意点:
- 通常のSMS受信料が適用されます
- 認証アプリの方がセキュリティ上より安全とされています
【方法3】ワークスペース招待用のQRコードを作成
新しいチームメンバーをワークスペースに招待する際、QRコードを使うと便利です。ただし、この機能はSlack公式が直接提供しているものではなく、外部のQRコードジェネレーターを使って実現します。
QRコード作成の流れ
手順:
- Slackでワークスペースの招待リンクを取得する
- 外部のQRコードジェネレーターにアクセスする
- 招待リンクをQRコードに変換する
- QRコードを保存・共有する
ワークスペース招待リンクの取得方法
手順:
- Slackデスクトップアプリまたはブラウザ版を開く
- 画面左上のワークスペース名をクリック
- 「設定と管理」にカーソルを合わせる
- 「ワークスペースの設定」をクリック
- 「招待」または「メンバーを招待する」のセクションを探す
- 招待リンクをコピーする
招待リンクは通常、「https://join.slack.com/t/ワークスペース名/shared_invite/○○○○○」のような形式になります。
QRコードジェネレーターを使う
おすすめの無料QRコードジェネレーター:
- QRコード作成サイト(日本語対応)
- QR Code Generator(英語)
- MyQRCode(英語、カスタマイズ機能豊富)
基本的な使い方:
- QRコードジェネレーターのサイトにアクセス
- 「URL」タイプを選択
- コピーした招待リンクを貼り付け
- 必要に応じてデザインをカスタマイズ(色、ロゴ追加など)
- QRコードを生成してダウンロード(PNG、SVG、JPEGなど)
QRコードの活用例
オンボーディング資料に掲載
新入社員向けの説明資料やウェルカムパケットにQRコードを印刷しておけば、その場でスマホからワークスペースに参加できます。
イベントやカンファレンスで配布
名刺や資料にQRコードを印刷して、イベント参加者がすぐにプロジェクト専用のSlackチャンネルに参加できるようにします。
会議室に掲示
プロジェクトルームや共同作業スペースにQRコードを貼っておけば、その場で関連チャンネルにアクセスできます。
デジタル配信
メールやチャット、SNSでQRコード画像を送信すれば、受け取った人がスマホで簡単にスキャンして参加できます。
QRコードのセキュリティと注意点
QRコードは便利ですが、セキュリティ面でも注意が必要です。
セキュリティのベストプラクティス
1. 招待リンクの共有範囲を限定する
ワークスペース招待用のQRコードは、信頼できる相手にのみ共有してください。公開されたQRコードをスキャンすれば誰でも参加できてしまうため、SNSや公開サイトへの投稿は避けましょう。
2. 有効期限を設定する
Slackの招待リンクには有効期限を設定できます。イベントやプロジェクト期間限定で使う場合は、必ず期限を設けてください。
設定方法:
- ワークスペース設定で招待リンクを作成する際
- 「有効期限」のオプションで期間を選択(24時間、7日間、30日間など)
3. 使用回数の制限
招待リンクを使って参加できる人数を制限することもできます。少人数のプロジェクトチームなど、メンバー数が決まっている場合に便利です。
4. 定期的にリンクを更新
長期間同じ招待リンクを使い続けると、意図しない人がアクセスするリスクが高まります。定期的に新しいリンクを発行し、古いリンクを無効化しましょう。
5. 2要素認証を推奨
ワークスペースに参加した後も、各メンバーに2要素認証の設定を推奨することで、全体のセキュリティレベルが向上します。
QRコードが読み取れない時の対処法
原因1:カメラのピントが合っていない
対処法:
- QRコードから15〜30cm程度離してスマホを持つ
- 照明が暗い場合は、明るい場所に移動する
- カメラレンズが汚れていないか確認し、必要に応じて拭く
原因2:QRコードの有効期限切れ
モバイルサインイン用のQRコードには有効期限があります。
対処法:
- PC側で「モバイルでサインイン」を再度選択し、新しいQRコードを表示
原因3:Slackアプリのバージョンが古い
対処法:
- App StoreまたはGoogle Play StoreでSlackアプリを最新版にアップデート
原因4:カメラへのアクセス許可がない
対処法:
- スマホの設定アプリを開く
- 「アプリ」または「アプリケーション」を選択
- 「Slack」を探してタップ
- 「権限」または「許可」から「カメラ」をオンにする
ワークスペースへのその他のアクセス方法
QRコード以外にも、Slackワークスペースにアクセスする方法はいくつかあります。
メールアドレスでサインイン
手順:
- Slackアプリを開く
- 「サインイン」をタップ
- 「メールアドレスでサインイン」または「メールアドレスで続ける」を選択
- 登録済みのメールアドレスを入力
- メールに送られてくる確認コードを入力、またはパスワードを入力
- 参加しているワークスペース一覧から選択
GoogleアカウントまたはApple IDで連携
SlackはGoogleアカウントやApple IDとの連携サインインにも対応しています。
手順:
- サインイン画面で「Googleでサインイン」または「Appleでサインイン」を選択
- 該当するアカウント情報でログイン
- Slackへのアクセス許可を承認
メリット:
- パスワードを覚える必要がない
- サインインが高速
- Googleカレンダーなど、他のサービスとの連携がスムーズ
ワークスペースURLで直接アクセス
ワークスペースのURLがわかっている場合は、直接アクセスできます。
URLの形式:
https://ワークスペース名.slack.com
例:会社名が「example」なら、「https://example.slack.com」
複数ワークスペースの管理術
Slackでは、1つのアカウントで複数のワークスペースに参加できます。QRコードを使えば、新しいワークスペースの追加も簡単です。
ワークスペース間の切り替え
デスクトップアプリの場合:
画面左側にワークスペースのアイコンが縦に並んでいます。クリックするだけで瞬時に切り替わります。
スマホアプリの場合:
- 画面を右にスワイプ(または左上のアイコンをタップ)
- ワークスペース一覧が表示される
- 切り替えたいワークスペースをタップ
通知設定のカスタマイズ
複数のワークスペースに参加していると、通知が多くなりがちです。ワークスペースごとに通知設定をカスタマイズしましょう。
手順:
- 該当するワークスペースを開く
- 画面右上のワークスペース名をタップ
- 「環境設定」を選択
- 「通知」から、ワークスペースごとに設定を変更
まとめ:QRコードでSlackをもっと便利に
SlackのQRコード機能を活用すれば、サインインやワークスペース招待がスムーズになります。特に、PCとスマホの連携や、チームメンバーのオンボーディングで大きな効果を発揮します。
この記事のポイント:
- PCからスマホへのサインインはQRコードで数秒で完了
- 2要素認証でセキュリティを強化し、QRコードで認証アプリを簡単設定
- ワークスペース招待は外部ジェネレーターでQRコード化できる
- QRコードの有効期限や共有範囲に注意してセキュリティを保つ
- 読み取れない時は、照明・距離・アプリの更新を確認
これらのテクニックを使いこなして、Slackでの業務効率をさらに高めましょう!
よくある質問(FAQ)
Q1: QRコードの有効期限はどのくらいですか?
A: モバイルサインイン用のQRコードは、セキュリティのため短時間(通常数分〜数十分)で期限切れになります。読み取れない場合は、新しいQRコードを表示し直してください。招待リンクから作成したQRコードの有効期限は、設定時に選択した期間(24時間、7日間、30日間など)になります。
Q2: QRコードを使わずにスマホでサインインすることはできますか?
A: はい、できます。メールアドレスとパスワード、GoogleアカウントやApple IDでのサインイン、またはワークスペースURLからの直接アクセスなど、複数の方法があります。QRコードはあくまで便利な選択肢の1つです。
Q3: 2要素認証のQRコードをスキャンし忘れました。もう一度表示できますか?
A: 2要素認証の設定画面を閉じてしまった場合、最初からやり直す必要があります。ワークスペースのアカウント設定から再度「2要素認証を設定する」を選択してください。
Q4: ワークスペース招待用のQRコードを外部ジェネレーターで作る際、安全ですか?
A: 信頼できる有名なQRコードジェネレーターサービスを使えば安全です。ただし、生成されたQRコードは、元の招待リンクと同じセキュリティレベルです。QRコードを共有する相手や場所には十分注意してください。
Q5: 会社のポリシーで2要素認証が必須になった場合、どうすればよいですか?
A: ワークスペースの管理者が2要素認証を必須に設定した場合、次回サインイン時に設定を求められます。この記事の「【方法2】2要素認証でQRコードを使う」の手順に従って設定してください。認証アプリのインストールが必要になるので、Google AuthenticatorやAuthyなどを事前に準備しておくとスムーズです。
Q6: 複数のワークスペースで2要素認証を設定する必要がありますか?
A: はい、Slackでは各ワークスペースごとに個別に2要素認証を設定する必要があります。複数のワークスペースに参加している場合は、それぞれで設定作業を行ってください。

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