「会議資料としてSlackの会話を印刷したい」
「重要なやり取りを紙で保存しておきたい」
「報告書にSlackのスレッドを添付する必要がある」
こんな場面に遭遇したことはありませんか?
実は、Slackには通常のメッセージやチャンネルを直接印刷する機能がありません。
でも安心してください。工夫次第で、Slackの内容を印刷する方法はちゃんとあります。
この記事では、Slack Canvasの印刷方法から、メッセージのエクスポート、スクリーンショット活用、便利なツールの使い方まで、Slackを印刷するあらゆる方法を分かりやすく解説していきます。
Slackで印刷できるもの・できないもの

印刷できるもの
Slack Canvas(キャンバス)
2023年4月から提供されている新機能「Canvas」は、Slackで唯一、直接印刷できるコンテンツです。
Canvasはドキュメント作成機能で、議事録やプロジェクト概要などをまとめるのに使われます。
印刷できないもの(直接的には)
通常のメッセージ・チャンネル・DM
残念ながら、通常のメッセージやチャンネルの会話には、「印刷」ボタンがありません。
これらを印刷するには、以下のような工夫が必要です:
- データをエクスポートしてから印刷
- スクリーンショットを撮って印刷
- コピー&ペーストで別のアプリに移してから印刷
- Chrome拡張機能などのツールを使用
Slack Canvasを印刷する方法【公式機能】
PC(デスクトップ)で印刷
手順:
手順1:Canvasを開く
印刷したいCanvasを開きます。
手順2:メニューを開く
右上の「…」(3つのドットアイコン)をクリックします。
手順3:印刷を選択
メニューから「印刷」を選択します。
手順4:印刷設定を確認
コンピューターのシステムダイアログで印刷設定(プリンター、部数、用紙サイズなど)を確認します。
手順5:印刷実行
「印刷」ボタンをクリックして印刷を実行します。
Canvasを PDFとして保存
印刷する代わりに、PDFファイルとして保存することもできます。
Windows:
- 印刷ダイアログで「プリンタ」のドロップダウンメニューをクリック
- 「Microsoft Print to PDF」を選択
- 保存先とファイル名を指定して保存
Mac:
- 印刷ダイアログで「PDF」ボタンをクリック
- 「PDFとして保存」を選択
- 保存先とファイル名を指定して保存
Canvas印刷の注意点
1. 外部共有のCanvasは印刷できない
Slack Connectで外部の人が共有しているCanvasは印刷できません。
同じワークスペースまたは組織のメンバーが作成したCanvasのみ印刷可能です。
2. 幅広い表やリストは切れることがある
ページ幅より広い表やリストは、印刷時に一部がカットされる可能性があります。
解決方法:
- ページの向きを縦から横に変更
- 用紙サイズを変更(A4からA3など)
- 内容をページサイズに合わせて拡大縮小
3. 管理者が印刷を無効化している場合がある
ワークスペースのオーナーや管理者が、Canvasの印刷オプションを無効にしている場合、印刷できません。
印刷オプションが見つからない場合は、管理者に確認しましょう。
メッセージやチャンネルを印刷する方法
方法1:スクリーンショットを撮って印刷【最も簡単】
最も手軽で確実な方法です。
手順:
手順1:印刷したい部分を画面に表示
Slackで印刷したいメッセージやスレッドを表示します。
手順2:スクリーンショットを撮る
Windows:
- 「Windows + Shift + S」キーで切り取り領域を選択
- または「Print Screen」キーで全画面キャプチャ
Mac:
- 「Command + Shift + 4」キーで範囲を選択してキャプチャ
- または「Command + Shift + 3」キーで全画面キャプチャ
手順3:画像を保存
撮影したスクリーンショットを画像ファイルとして保存します。
手順4:画像を印刷
保存した画像を開き、通常通り印刷します。
メリット:
- 誰でも簡単にできる
- 特別なツールや権限が不要
- 見た目そのままを印刷できる
デメリット:
- 長いスレッドは複数回に分けて撮影する必要がある
- テキスト検索ができない
- 画質が低下する可能性がある
方法2:コピー&ペーストで印刷
メッセージをテキストとして保存したい場合に便利です。
手順:
手順1:メッセージを選択
印刷したいメッセージをマウスでドラッグして選択します。
複数のメッセージを選択する場合は、「Ctrl + A」(Windows)または「Command + A」(Mac)で全選択できます。
手順2:コピー
「Ctrl + C」(Windows)または「Command + C」(Mac)でコピーします。
手順3:別のアプリに貼り付け
Word、Googleドキュメント、メモ帳などに貼り付けます(「Ctrl + V」または「Command + V」)。
手順4:整形して印刷
必要に応じてフォーマットを整えてから印刷します。
メリット:
- テキストとして編集可能
- ファイルサイズが小さい
- 検索やコピーができる
デメリット:
- 書式が崩れることがある
- 画像や添付ファイルはコピーされない
- 時間がかかる
方法3:データをエクスポートして印刷【管理者向け】
大量のメッセージを体系的に印刷したい場合に適しています。
前提条件:
- ワークスペースオーナーまたは管理者の権限が必要
- 無料プランではパブリックチャンネルのみ
- 有料プランでは申請によりすべてのチャンネルとDMも可能
手順:
手順1:エクスポートページにアクセス
ワークスペース名をクリック → 「ツールと設定」 → 「ワークスペースの設定」 → 「データのインポート/エクスポート」を選択します。
手順2:エクスポート実行
「エクスポート」タブをクリックし、日付範囲を選択してエクスポートを開始します。
手順3:ZIPファイルをダウンロード
エクスポートが完了すると、メールで通知が届きます。
ZIPファイルをダウンロードします。
手順4:JSONファイルを変換
エクスポートされたデータはJSON形式です。
そのままでは読みにくいため、以下のツールで変換します:
- Slack Export Viewer(GitHub上のツール)
- サードパーティのJSON to HTML/PDFコンバーター
手順5:印刷
変換したHTML/PDFファイルを印刷します。
メリット:
- 大量のデータを一度に処理できる
- すべてのメッセージを網羅的に保存
- 公式機能で安全
デメリット:
- 管理者権限が必要
- JSON変換の手間がかかる
- 即座に印刷できない
Chrome拡張機能を使った印刷【便利ツール】

Slack Printerの使い方
Slack Printerは、Slackのメッセージを簡単に印刷・エクスポートできるChrome拡張機能です。
インストール方法:
手順1:Chrome ウェブストアにアクセス
「Slack Printer」を検索します。
手順2:拡張機能を追加
「Chromeに追加」をクリックしてインストールします。
手順3:Slackにログイン
Chromeブラウザ版のSlackにログインします。
使い方:
手順1:チャンネルを開く
エクスポートしたいチャンネルまたはDMを開きます。
手順2:拡張機能を起動
ブラウザのツールバーにあるSlack Printerアイコンをクリックします。
手順3:エクスポート形式を選択
以下の形式から選択できます:
- Markdown(.md)
- 画像(.png)
- HTML
手順4:オプションを設定
- スター付きメッセージのみをエクスポート
- チャンネルのトピックやタイトルを含める
- 日付/ユーザー/時間を表示するか選択
手順5:エクスポート実行
「Export」ボタンをクリックして、ファイルをダウンロードします。
特徴:
- パブリック、プライベート、DMすべて対応
- オフラインで動作するため安全
- 複数のファイル形式に対応
モバイルアプリから印刷する方法
iPhoneから印刷
手順:
手順1:Slackアプリを開く
印刷したいメッセージやチャンネルを表示します。
手順2:スクリーンショットを撮る
「サイドボタン + 音量アップボタン」を同時押しします。
(機種によっては「ホームボタン + サイドボタン」)
手順3:共有メニューを開く
撮影したスクリーンショットのサムネイルをタップし、共有アイコンをタップします。
手順4:印刷を選択
共有オプションから「プリント」を選択します。
手順5:プリンターを設定
AirPrint対応プリンターを選択し、部数などを設定して印刷します。
Androidから印刷
手順:
手順1:Slackアプリを開く
印刷したいメッセージやチャンネルを表示します。
手順2:スクリーンショットを撮る
「電源ボタン + 音量ダウンボタン」を同時押しします。
(機種によって異なる場合があります)
手順3:スクリーンショットを開く
ギャラリーまたはフォトアプリで撮影した画像を開きます。
手順4:共有から印刷
共有アイコンをタップし、「印刷」を選択します。
手順5:プリンターを設定
Wi-Fi接続されたプリンターを選択し、印刷を実行します。
コンビニで印刷する方法
ネットプリントサービスの活用
セブンイレブン(netprint)の場合:
手順1:スクリーンショットを撮る
Slackのメッセージをスクリーンショットで保存します。
手順2:netprintアプリをインストール
「netprint」アプリをスマホにインストールします。
手順3:画像を登録
アプリで画像をアップロードし、プリント予約番号を取得します。
手順4:コンビニで印刷
セブンイレブンのマルチコピー機で予約番号を入力し、印刷します。
その他のコンビニ(ローソン、ファミマなど):
「PrintSmash」や「ネットワークプリント」などのアプリを使用します。
基本的な手順は同じです。
印刷時のトラブルと解決方法
Canvasの印刷オプションが表示されない
原因1:外部共有のCanvas
Slack Connectで外部の人が共有しているCanvasは印刷できません。
解決方法:
自分のワークスペース内のCanvasのみ印刷可能です。必要であれば、内容をコピーして新しいCanvasを作成しましょう。
原因2:管理者が無効化している
ワークスペースの管理者が印刷機能を無効にしている可能性があります。
解決方法:
管理者に確認し、必要に応じて印刷機能を有効化してもらいましょう。
表や画像が切れて印刷される
原因:ページサイズより大きい
Canvas内の表やリストがページ幅より広い場合、一部がカットされます。
解決方法:
- ページの向きを横向きに変更
- 用紙サイズをA3など大きいサイズに変更
- 拡大縮小率を調整してページに収める
長いスレッドをすべて印刷できない
原因:スクリーンショットの限界
1画面に収まらない長いスレッドは、1枚のスクリーンショットでは撮影できません。
解決方法:
- 複数回に分けてスクリーンショットを撮る
- スクロールキャプチャ機能のあるツールを使用(例:Windows の「Snipping Tool」、Mac の「CleanShot X」など)
- データをエクスポートしてから印刷
JSON形式のデータが読めない
原因:エクスポートデータがJSON形式
Slackからエクスポートしたデータは、JSON形式という機械可読な形式です。
解決方法:
以下のツールでHTMLやPDFに変換します:
- Slack Export Viewer(無料、GitHub)
- オンラインJSON to HTMLコンバーター
- プログラミングスキルがあればPythonスクリプトで変換
印刷時のベストプラクティス

目的に応じて方法を選ぶ
すぐに印刷したい → スクリーンショット
会議直前など、時間がない場合は、スクリーンショットが最速です。
編集可能な形で保存したい → コピー&ペースト
テキストとして編集・検索したい場合は、WordやGoogleドキュメントにペーストしましょう。
大量のデータを体系的に保存したい → エクスポート
チャンネル全体を保存する必要がある場合は、データエクスポートを利用します。
見た目を保ったままPDFにしたい → Chrome拡張機能
Slack Printerなどのツールを使えば、見た目を維持したままPDF化できます。
プライバシーと権限に注意
印刷前に確認すべきこと:
- メンバーの同意:プライベートチャンネルやDMを印刷する場合、関係者の同意を得る
- 会社のポリシー:データのエクスポートや印刷が社内規定で許可されているか確認
- 法的要件:コンプライアンスや法的根拠がある場合のみ、全データのエクスポートを申請
印刷物の管理
セキュリティ対策:
- 印刷物に「社外秘」などの表示を追加
- 不要になったら速やかにシュレッダーで破棄
- デジタルファイルは暗号化して保存
まとめ:Slackの印刷は工夫次第で可能
Slackには通常のメッセージを直接印刷する機能はありませんが、さまざまな方法で印刷が可能です。
印刷方法の選択肢:
- Slack Canvas:唯一、直接印刷できる機能(PDF保存も可能)
- スクリーンショット:最も手軽で確実な方法
- コピー&ペースト:テキストとして編集可能
- データエクスポート:大量データの体系的な保存(管理者のみ)
- Chrome拡張機能:Slack Printerなどで見た目を保ったまま印刷
- モバイルから印刷:スクリーンショット → 共有 → 印刷
選び方のポイント:
- すぐに印刷 → スクリーンショット
- 編集したい → コピー&ペースト
- 大量データ → エクスポート
- 見た目重視 → Chrome拡張機能
- 外出先から → モバイル印刷
目的に応じて最適な方法を選び、効率的にSlackの内容を印刷しましょう。
プライバシーとセキュリティにも十分注意を払いながら、必要な情報を適切に保存・共有することが大切です。
よくある質問(FAQ)
Q1. Slackの会話を直接印刷するボタンはありますか?
いいえ、通常のメッセージやチャンネルには印刷ボタンがありません。Slack Canvasのみ、直接印刷機能があります。メッセージを印刷したい場合は、スクリーンショット、コピー&ペースト、データエクスポート、Chrome拡張機能などの方法を使う必要があります。
Q2. 無料プランでもデータをエクスポートして印刷できますか?
はい、可能ですが制限があります。無料プランでは、パブリックチャンネルのメッセージと過去90日分のファイルリンクのみエクスポートできます。プライベートチャンネルやDMをエクスポートしたい場合は、有料プランにアップグレードするか、スクリーンショットやコピー&ペーストで対応する必要があります。
Q3. エクスポートしたJSONファイルをどうやって読めるようにしますか?
JSONファイルは機械可読な形式なので、そのままでは読みにくいです。「Slack Export Viewer」などのツールを使ってHTMLやPDF形式に変換する必要があります。または、Chrome拡張機能の「Slack Printer」を使えば、最初からPDFやHTML形式でエクスポートできます。
Q4. スマホから印刷する場合、画質は問題ありませんか?
スクリーンショットの画質は、スマホの解像度に依存します。最近のスマートフォンは高解像度なので、A4サイズ程度の印刷であれば問題なく読める画質が得られます。ただし、細かい文字が多い場合は、PCから印刷する方がより鮮明に印刷できます。
Q5. 印刷したSlackのメッセージを社外に提出しても問題ありませんか?
会社のポリシーや関連する法律に従う必要があります。特にプライベートチャンネルやDMの内容を社外に提出する場合は、関係者の同意を得て、適切な権限を持つ上司や法務部門の承認を得ることをおすすめします。また、個人情報や機密情報が含まれていないか、必ず確認してください。

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