リモートワークが当たり前になった今、「今どこで仕事してるの?」をチームに伝えたいシーンが増えていますよね。
一方で、「勝手に位置情報が見られてるんじゃ…」「プライバシーは大丈夫?」と心配になる人も多いはず。
この記事では、Slackと位置情報の関係について、できることとできないこと、安全な使い方まで分かりやすく解説していきます。
まず結論:Slackは位置情報を自動で共有しない

最初に知っておくべき重要なポイントがあります。
Slackには、GPS位置情報を自動的に共有する機能はありません。
つまり、何もしなければ、あなたの正確な位置情報が他のメンバーや管理者に見られることはないということです。
ただし、注意点もいくつかあります。次のセクションで詳しく見ていきましょう。
Slackが収集する「位置に関する情報」とは?
Slackは位置情報そのものは共有しませんが、間接的に位置を推測できる情報を収集しています。
1. IPアドレス
Slackにアクセスすると、あなたのIPアドレスが記録されます。
IPアドレスから分かること:
- 大まかな地域(国、都道府県、市区町村レベル)
- 使っているインターネットプロバイダ
- 接続している場所(会社か自宅か、など)
ただし、正確な住所やGPS座標は分かりません。 あくまで「だいたいこのエリア」という大まかな情報です。
2. デバイス情報
Slackは以下のような情報も収集しています:
- 使用しているデバイスの種類(PC、スマホなど)
- OS(Windows、Mac、iOS、Androidなど)
- ブラウザの種類
- タイムゾーン設定
3. 接続時間やアクティビティ
- いつSlackにログインしたか
- どのチャンネルを見たか
- いつメッセージを送ったか
これらの情報から、「この人は今活動してる」程度のことは分かりますが、物理的な位置まで特定はできません。
管理者は私の位置情報を見られるの?
企業のワークスペースの管理者ができること・できないことを整理しましょう。
管理者ができること
見られる情報:
- IPアドレス(大まかな地域情報)
- ログイン履歴
- デバイス情報
- メッセージの内容(ワークスペースの設定による)
- ファイルの共有履歴
分かること:
- だいたいどのエリアからアクセスしているか
- 会社のネットワークから接続しているか
- いつアクティブだったか
管理者ができないこと
見られない情報:
- リアルタイムのGPS位置情報
- 正確な住所
- 移動経路
- スマホのGPS情報
つまり、「今どこのカフェにいるか」「どこを移動中か」といった詳細な位置情報は、管理者にも分かりません。
企業によっては監視ツールを使うケースも
注意点として、一部の企業では、Slackとは別に従業員監視ツールを導入していることがあります。
これらのツールは、PC画面のスクリーンショットやキーボード入力、位置情報などを記録する場合があります。ただし、これはSlackの機能ではありません。
自分から位置情報を共有する3つの方法
逆に、「自分の居場所をチームに伝えたい」場合の方法を紹介します。
方法1:ステータスに場所を書く(最も手軽)
Slackのステータス機能を使って、手動で場所を設定できます。
設定方法:
- 自分のプロフィール写真をクリック
- 「ステータスを更新」を選択
- 絵文字と文字で場所を表現
例:
- 🏢 オフィス
- 🏠 在宅勤務
- ☕ カフェ作業中
- ✈️ 出張中
メリット:
- 簡単に設定できる
- 詳しく書くかざっくり書くか、自分で調整できる
- いつでも変更・削除可能
デメリット:
- 毎回手動で設定する必要がある
- 更新を忘れると古い情報のままになる
方法2:Google Mapsのリンクを共有する
具体的な場所を伝えたい時は、Google Mapsのリンクを送れます。
手順:
- スマホでGoogle Mapsアプリを開く
- 共有したい場所を長押し
- 「共有」ボタンをタップ
- リンクをコピー
- Slackに貼り付けて送信
または:
- 自分の現在地を開く
- 「現在地を共有」を選択
- Slackに送信
メリット:
- 正確な位置を共有できる
- 相手がすぐに場所を確認できる
- 待ち合わせ場所の共有に便利
デメリット:
- 自分で手動で送る必要がある
- プライバシーに注意が必要
方法3:外部ツールで位置に応じてステータスを自動更新
上級者向けですが、位置情報に基づいてSlackステータスを自動的に更新できます。
iPhone:ショートカットアプリを使う
iPhoneの「ショートカット」アプリと「オートメーション」機能を組み合わせます。
できること:
- 会社に着いたら自動的にステータスを「🏢 オフィス」に変更
- 自宅に帰ったら「🏠 在宅」に変更
- 特定の場所を離れたら「外出中」に変更
設定に必要なもの:
- Slack APIトークン
- ショートカットアプリの知識
- 位置情報の権限設定
Android:Taskerアプリを使う
Androidでは「Tasker」というアプリで同様のことができます。
できること:
- 特定のWi-Fiに接続したらステータス変更
- GPSで特定エリアに入ったらステータス変更
- 時間帯と位置情報を組み合わせた自動化
IFTTT(イフト)を使う
IFTTTは、iPhoneでもAndroidでも使える自動化サービスです。
できること:
- 「特定のエリアに入ったら」→「Slackステータスを変更」
- 「特定のエリアから出たら」→「Slackステータスを変更」
注意点:
- 設定にはSlack APIの知識が必要
- 無料プランでは機能に制限あり
- プライバシー設定に注意
プライバシーを守るための設定

位置情報が気になる人向けに、プライバシーを強化する設定を紹介します。
1. 連絡先共有設定を制限する
Slackには、他のユーザーとあなたの連絡先情報を共有する機能があります。これを制限できます。
設定方法:
- 右上のプロフィール写真をクリック
- 「環境設定」を選択
- 左側の「プライバシーと公開範囲」をクリック
- 「連絡先情報を共有できるユーザー」で以下から選択:
- 一緒に働いているすべての人(デフォルト)
- 所属組織のメンバーのみ
- 誰とも共有しない
2. アクティビティステータスを非表示にする
常にオフラインに見せることはできませんが、「おやすみモード」を使えば通知をオフにできます。
設定方法:
- プロフィール写真をクリック
- 「通知を一時停止」を選択
- 期間を設定
3. VPNを使ってIPアドレスを隠す
IPアドレスから位置を推測されたくない場合、VPNを使う方法があります。
VPNとは:
- バーチャル・プライベート・ネットワークの略
- インターネット接続を暗号化し、IPアドレスを変更するサービス
メリット:
- 実際の位置とは異なるIPアドレスを表示できる
- セキュリティも向上
デメリット:
- 有料サービスが多い
- 接続速度が遅くなることがある
- 企業によってはVPN使用を禁止している場合も
4. スマホアプリの位置情報権限を確認
Slackアプリが位置情報にアクセスできないように設定できます。
iPhone:
- 「設定」→「プライバシーとセキュリティ」→「位置情報サービス」
- 「Slack」を選択
- 「なし」または「このAppの使用中のみ許可」に設定
Android:
- 「設定」→「アプリ」→「Slack」
- 「権限」→「位置情報」
- 「許可しない」を選択
位置情報の活用シーン
位置情報を上手に使うと、チームの働き方がスムーズになります。
シーン1:ハイブリッドワークでの出社管理
課題:
「今日、誰がオフィスにいるの?」が分からない
解決策:
ステータスで「🏢 オフィス」「🏠 在宅」を設定
さらに便利に:
専用のアプリ(Officelyなど)を使えば、誰がどこにいるか一目で分かるダッシュボードを作れます。
シーン2:営業チームの行動共有
課題:
営業メンバーがどこで商談しているか分からない
解決策:
- ステータスに「📍 顧客訪問中」と設定
- 必要に応じて具体的なエリアを記載(「東京エリア商談」など)
シーン3:リモート国際チームの時差管理
課題:
チームメンバーがどのタイムゾーンで働いているか分からない
解決策:
- プロフィールにタイムゾーンを設定
- ステータスに現在地の時間を表示
シーン4:イベントや外出時の共有
課題:
セミナーや研修で外出中、すぐに対応できない
解決策:
- ステータスに「📚 研修参加中(〜15時)」と設定
- 戻る時間を明記することで、相手も安心
よくある質問
Q1:Slackで位置情報が勝手に共有されることはありますか?
いいえ、ありません。Slackは自動的にGPS位置情報を共有する機能を持っていません。共有する場合は、必ずあなた自身が操作する必要があります。
Q2:会社の管理者は私の正確な居場所を知ることができますか?
いいえ、できません。管理者が見られるのは、IPアドレスから推測される大まかなエリア(市区町村レベル)です。正確な住所やGPS座標は分かりません。
Q3:IPアドレスから何が分かりますか?
- 接続している地域(国、都道府県、市区町村)
- インターネットプロバイダ
- 会社のネットワークから接続しているかどうか
正確な住所や建物の特定はできません。
Q4:位置情報を共有したメッセージは後から削除できますか?
はい、できます。通常のメッセージと同様に、送信後も編集・削除が可能です。ただし、有料プランでは管理者が編集履歴を見られる設定になっている場合があります。
Q5:Slackアプリに位置情報の権限を与える必要はありますか?
いいえ、必要ありません。Slackの基本機能は位置情報権限なしで使えます。もし位置情報権限を求められたら、拒否しても問題ありません。
Q6:リモートワーク中、常に位置を報告しないといけませんか?
それは会社のポリシー次第です。一般的には、大まかな作業場所(オフィス、在宅など)を共有すれば十分です。詳細な位置情報の報告を強制される場合は、会社の労務規定を確認しましょう。
Q7:Slackステータスの位置情報は、外部の人にも見えますか?
Slack Connectで外部組織と繋がっている場合、あなたのステータスは外部の人にも表示されます。公開したくない情報は書かないようにしましょう。
Q8:GPS追跡アプリとSlackを連携できますか?
技術的には可能ですが、プライバシーの観点からおすすめしません。位置情報の自動共有は、よく考えてから設定しましょう。
Q9:有給休暇中に位置情報を追跡されることはありますか?
Slackにログインしていなければ、位置情報は記録されません。ただし、会社のPCやスマホに監視ソフトが入っている場合は別です。
Q10:位置情報のプライバシーが心配です。どうすればいいですか?
以下の対策をおすすめします:
- 位置情報権限をオフにする
- 詳細な位置は共有せず、「オフィス」「在宅」など大まかに設定
- VPNを使う
- 会社のプライバシーポリシーを確認する
まとめ:Slackと位置情報の正しい理解
Slackと位置情報について、重要なポイントをまとめます。
Slackが自動で共有しないもの:
- GPS位置情報
- 正確な住所
- 移動経路
- リアルタイムの居場所
Slackが記録するもの:
- IPアドレス(大まかな地域情報)
- ログイン時間
- デバイス情報
- タイムゾーン
自分で共有できるもの:
- ステータスで場所を手動設定
- Google Mapsリンク
- 外部ツールで自動化した位置ベースのステータス
プライバシーを守るには:
- 位置情報権限をオフにする
- 連絡先共有設定を制限する
- VPNを使う
- 詳細な情報は共有しない
Slackは、あなたが共有しない限り、詳細な位置情報は誰にも見られません。安心して使いつつ、必要に応じて便利に位置を共有しましょう。
プライバシーと利便性のバランスを取りながら、チームとのコミュニケーションを円滑にしてくださいね!


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