朝、Slackを開いたら動作が重くてイライラ。メッセージの読み込みに時間がかかる、チャンネルの切り替えがもたつく、通知をクリックしても反応が遅い──。
ビジネスツールとして欠かせないSlackだからこそ、こうした動作の遅さは業務効率に直結します。
「なんでこんなに重いの?」と悩んでいる方に朗報です。Slackが重くなる原因のほとんどは、簡単な設定変更や操作で改善できるんです。
この記事では、Slackが重くなる原因を詳しく解説し、すぐに試せる具体的な対処法を紹介します。読み終わる頃には、サクサク動くSlackで快適に仕事ができるようになりますよ。
Slackが重くなる7つの主な原因

まずは、なぜSlackが重くなるのか、その原因を理解しておきましょう。
1. キャッシュの蓄積
キャッシュとは、一度読み込んだデータを一時的に保存しておく仕組みのこと。次回からの表示を速くするために便利な機能ですが、長期間使い続けるとどんどん溜まっていきます。
溜まりすぎたキャッシュは、逆にアプリの動作を遅くする原因になるんです。数百MBから、ひどい場合は1GB以上になることもあります。
2. 参加チャンネル数が多すぎる
Slackは起動時に、参加しているすべてのチャンネルの情報を読み込みます。プロジェクトごと、チームごとにチャンネルが増えていくと、その分だけ処理する情報量も増えるわけです。
特にアクティブなチャンネルが多く、メッセージやファイルのやり取りが頻繁に行われている場合、情報を同時に処理する負荷が増大します。
3. アプリのバージョンが古い
Slackは定期的にアップデートが行われており、新機能の追加だけでなく、パフォーマンスの最適化や不具合の修正も含まれています。
古いバージョンを使い続けていると、最新の最適化が適用されず、動作が重く感じられる原因になります。
4. デバイスのスペック不足
パソコンやスマートフォンのスペックが低い、またはOSのバージョンが古いと、Slackの処理に時間がかかりやすくなります。
特にメモリ(RAM)が8GB以下のパソコンでは、Slackと他のアプリを同時に使うと動作が重くなりがちです。
5. インターネット接続の問題
Slackは常にオンラインでサーバーと通信しながら動作するアプリです。Wi-Fiの電波が弱い、通信速度が遅い、または不安定な場合、メッセージの読み込みや送信に時間がかかります。
リモートワークで自宅のWi-Fiを使っている場合、特に注意が必要です。
6. 通知設定が多すぎる
大量の通知を受け取る設定になっていると、その処理だけでアプリが重くなることがあります。すべてのメッセージ、すべてのチャンネルの通知をオンにしていると、バックグラウンドで常に処理が走り続けることに。
7. Slack Helperプロセスの負荷
デスクトップアプリ版のSlackは、参加しているチャンネルの数だけ「Slack Helper」というプロセスを起動します。このプロセスが1つあたり最大300MB程度のメモリを消費することもあり、チャンネルが10個以上あると、合計で2〜3GBものメモリを使ってしまうケースも。
今すぐできる!Slackを軽くする対処法
原因がわかったところで、具体的な解決策を見ていきましょう。簡単なものから順番に試してみてください。
対処法1:キャッシュをクリアする
最も効果的で、最初に試すべき方法がキャッシュのクリアです。
デスクトップ版(Windows・Mac)の場合
- Slackアプリを開く
- 左上の「≡」(Windows)またはメニューバーの「ヘルプ」(Mac)をクリック
- 「トラブルシューティング」を選択
- 「キャッシュを消去し、再起動する」をクリック
これだけで、Slackが自動的に再起動し、キャッシュがクリアされます。作業中のデータがある場合は、事前に保存しておきましょう。
iPhone・iPad版の場合
- iPhoneの「設定」アプリを開く
- 「Slack」を探してタップ
- 「次回起動時にキャッシュをリセット」をオンにする
- Slackアプリを開く
Android版の場合
- Androidの「設定」アプリを開く
- 「アプリ」→「Slack」を選択
- 「ストレージ」→「キャッシュを削除」をタップ
対処法2:アプリを強制リロードする
アプリは開いているけど動作がおかしい場合は、まず強制リロードを試しましょう。
- Windows:「Ctrl + Shift + R」
- Mac:「Command + Shift + R」
この操作で、アプリを再起動せずに画面だけをリフレッシュできます。軽い不具合ならこれで解決することも多いですよ。
対処法3:不要なチャンネルから退会する
使っていないチャンネル、終了したプロジェクトのチャンネルなどがあれば、思い切って退会しましょう。
- 退会したいチャンネルを開く
- チャンネル名の横にある▼をクリック
- 「このチャンネルから退会する」を選択
チャンネル数を減らすだけで、起動時の読み込み時間が大幅に短縮されます。
対処法4:Slackのアップデートを確認する
古いバージョンを使っていないか確認しましょう。
デスクトップ版の場合
- メニューから「ヘルプ」→「更新を確認」を選択
- 最新バージョンがあれば、指示に従ってインストール
モバイル版の場合
- iPhoneなら App Store、Androidなら Google Play で「Slack」を検索
- 「更新」ボタンがあればタップ
対処法5:ハードウェアアクセラレーションを無効化する
ハードウェアアクセラレーションとは、グラフィック処理をCPUではなくGPUに任せる機能のこと。本来は高速化のための機能ですが、環境によっては逆効果になることがあります。
- Slackアプリを開く
- 「設定」→「詳細設定」を開く
- 「ハードウェアアクセラレーションを有効にする」をオフにする
- Slackを再起動
この設定変更だけで、CPU使用率が大幅に下がることもあります。
対処法6:通知設定を最適化する
本当に必要な通知だけを受け取るように設定を見直しましょう。
- 「設定」→「通知」を開く
- 「通知の受信」をカスタマイズ
- 重要なメッセージや@メンションだけに絞る
- 必要に応じて「通知スケジュール」を設定
たとえば、すべてのメッセージではなく、「自分へのメンションとDMだけ」に設定すると、通知処理の負荷がぐっと減ります。
対処法7:デバイスを再起動する
意外と忘れがちですが、パソコンやスマートフォンの再起動も効果的です。
長時間使い続けているとメモリに不要なデータが溜まり、全体的な動作が遅くなります。再起動することで、これらがすべてクリアされます。
対処法8:インターネット接続を改善する
Wi-Fiの場合
- ルーターの近くで作業する
- ルーターを再起動してみる
- 可能なら有線LAN接続に切り替える
モバイルデータ通信の場合
- 電波の強い場所に移動する
- Wi-Fiとモバイルデータを切り替えてみる
通信速度を測定するサイト(fast.comなど)で、実際の速度を確認するのもおすすめです。
ブラウザ版を使うという選択肢
デスクトップアプリ版が重い場合、ブラウザ版を使うのも一つの手です。
ブラウザ版のメリット
- アプリ版よりメモリ使用量が少ない傾向にある
- Slack Helperプロセスの問題が発生しない
- アップデートの手間がない(常に最新版)
ブラウザ版の使い方
- ブラウザで「slack.com」にアクセス
- ワークスペースにログイン
- ブックマークに追加しておくと便利
ただし、デスクトップアプリ版の方が機能は充実しているので、状況に応じて使い分けるといいでしょう。
それでも改善しない場合の最終手段

ここまでの方法を試しても改善しない場合は、以下を試してみてください。
アプリの再インストール
設定やキャッシュがすべてリセットされ、問題が解決することがあります。
Windows版の手順
- 「設定」→「アプリ」→「Slack」を選択
- 「アンインストール」をクリック
- Slack公式サイトから最新版をダウンロード
- インストールして再度ログイン
Mac版の手順
- アプリケーションフォルダからSlackをゴミ箱に移動
- Slack公式サイトから最新版をダウンロード
- インストールして再度ログイン
モバイル版の手順
アプリをアンインストール後、App StoreまたはGoogle Playから再インストールします。
デバイスのアップグレードを検討
古いデバイスを使っている場合、スペック不足が根本原因かもしれません。特に以下に該当する場合は、買い替えを検討するタイミングかも。
- メモリが4GB以下のパソコン
- 5年以上前のモデル
- OSのアップデートができなくなっている
Slackの状態を確認する
Slack側でシステム障害が発生している可能性もあります。
「slack-status.com」でSlackのシステム状態を確認できます。もし障害が発生していれば、復旧を待つしかありません。
よくある質問(FAQ)
Q:キャッシュクリアでメッセージは消えますか?
A:消えません。キャッシュクリアで削除されるのは一時ファイルだけで、メッセージ、ファイル、チャンネルなどのデータはすべてSlackのサーバーに保存されています。
Q:デスクトップアプリとブラウザ版、どちらが軽いですか?
A:一般的にはブラウザ版の方がメモリ使用量が少ない傾向にあります。ただし、環境によって異なるので、両方試して自分に合う方を使うのがおすすめです。
Q:Slackが重い時、他のアプリは普通に動きます
A:Slack特有の問題である可能性が高いです。キャッシュクリアやハードウェアアクセラレーションの無効化を試してみてください。
Q:モバイル版だけが重い場合はどうすればいいですか?
A:まずアプリのキャッシュクリアを試し、それでも改善しなければアプリの再インストールをおすすめします。また、モバイルデータ通信の速度も確認してみてください。
Q:複数のワークスペースに参加していると重くなりますか?
A:はい、複数のワークスペースに参加していると、それだけ処理するデータ量が増えます。使っていないワークスペースからはログアウトすることで軽くなることがあります。
Q:Slackを軽くするため、定期的にすべきことは?
A:月に1回程度のキャッシュクリアと、不要なチャンネルの整理がおすすめです。また、Slackのアップデートは自動で行われますが、念のため確認するといいでしょう。
チーム全体で取り組む改善策
個人でできる対策に加えて、チーム全体で以下のルールを作ると、さらに効果的です。
メッセージのルールを決める
- 長文は別のドキュメントツールで共有し、Slackにはリンクだけ貼る
- 大きなファイルは外部ストレージを使う
- スレッド機能を積極的に使い、チャンネルを整理する
チャンネルの整理
- 終了したプロジェクトのチャンネルはアーカイブする
- 似たようなチャンネルは統合する
- チャンネルの命名規則を決めて、検索しやすくする
定期的な見直し
- 月に1回、不要なチャンネルがないか確認する
- 半年に1回、ワークスペース全体の整理を行う
まとめ:快適なSlack環境を取り戻そう
Slackが重くなる原因の多くは、キャッシュの蓄積、参加チャンネルの増加、古いバージョンの使用などです。
まず試すべきは「キャッシュのクリア」。デスクトップ版なら「ヘルプ」→「トラブルシューティング」→「キャッシュを消去し、再起動する」で、わずか数クリックで完了します。
それでも改善しない場合は、以下を順番に試してみてください。
- アプリの強制リロード(Ctrl/Command + Shift + R)
- 不要なチャンネルから退会
- Slackのアップデート確認
- ハードウェアアクセラレーションの無効化
- 通知設定の最適化
- デバイスの再起動
- ブラウザ版への切り替え
- アプリの再インストール
これらの対処法を実践すれば、ほとんどの場合、Slackの動作は改善します。
快適なSlack環境で、ストレスフリーなコミュニケーションを実現しましょう!


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