Slackで外部の取引先やパートナー、フリーランスの方と一緒に仕事をする機会が増えていませんか?
そんなとき、「ゲストとして招待する」と「メンバーとして追加する」では何が違うのか、迷ったことがある方も多いでしょう。
この記事では、Slackの「ゲスト」と「メンバー」の違いを分かりやすく解説します。それぞれの特徴や料金、使い分けのポイントまで詳しくご紹介しますので、外部の方をSlackに招待する際の参考にしてください。
ゲストとメンバーの基本的な違い
メンバーとは
メンバーは、Slackワークスペースに正式に所属する人たちのことです。
通常、社内の従業員がこれに該当します。メンバーは、ワークスペース内のほとんどの機能を自由に使うことができます。
メンバーの特徴:
- ワークスペース内のすべての公開チャンネルを閲覧・参加できる
- 新しいチャンネルを自由に作成できる(設定により制限可能)
- 他のメンバーを招待できる(設定により制限可能)
- すべてのメンバーとダイレクトメッセージができる
- ワークスペース全体のメンバーディレクトリを見られる
ゲストとは
ゲストは、限定的なアクセス権を持つ外部の人たちのことです。
取引先の担当者、フリーランスの専門家、一時的な契約社員、インターンなどが該当します。ゲストは特定のチャンネルのみにアクセスでき、ワークスペース全体を見ることはできません。
ゲストの特徴:
- 招待されたチャンネルのみにアクセスできる
- 新しいチャンネルを作成できない
- 他のメンバーを招待できない
- 同じチャンネルに参加しているメンバーとのみダイレクトメッセージができる
- ワークスペース全体のメンバーディレクトリは見られない
つまり、メンバーは社内の人、ゲストは社外の人という使い分けが基本です。
ゲストの種類:シングルチャンネルとマルチチャンネル
ゲストには2つの種類があります。それぞれ、アクセスできるチャンネルの数と料金が異なります。
シングルチャンネルゲスト
特定の1つのチャンネルのみにアクセスできるゲストです。
特徴:
- アクセスできるチャンネル:1つのみ
- 料金:無料
- 招待可能人数:有料メンバー1人につき5人まで
- アイコン:プロフィール写真に三角形のマークが表示される
例:
有料メンバーが10人いるワークスペースの場合、最大50人のシングルチャンネルゲストを無料で招待できます。
使用例:
- 特定のプロジェクトのために外部の専門家を1つのチャンネルに招待
- 経理担当者を#financeチャンネルのみに招待
- IT業者を#help-techチャンネルのみに招待
マルチチャンネルゲスト
複数のチャンネルにアクセスできるゲストです。
特徴:
- アクセスできるチャンネル:2つ以上(管理者が指定)
- 料金:通常のメンバーと同額
- 招待可能人数:制限なし
- アイコン:プロフィール写真に正方形のマークが表示される
使用例:
- 長期的なプロジェクトで複数のチャンネルに参加する外部パートナー
- インターンが複数のプロジェクトチャンネルに参加
- フリーランスのデザイナーが複数の案件チャンネルに参加
ゲストとメンバーの詳細な比較表
それぞれの違いを一覧表で確認しましょう。
| 機能 | メンバー | シングルチャンネルゲスト | マルチチャンネルゲスト |
|---|---|---|---|
| アクセス可能なチャンネル | すべて | 1つのみ | 管理者が指定した複数 |
| 公開チャンネルの閲覧 | ○ | × | × |
| チャンネルの作成 | ○(設定による) | × | × |
| メンバーの招待 | ○(設定による) | × | × |
| DM可能な相手 | 全員 | 同じチャンネルのメンバーのみ | 同じチャンネルのメンバーのみ |
| メンバーディレクトリの閲覧 | ○ | × | × |
| 料金 | 有料 | 無料 | 有料(メンバーと同額) |
| プロフィールアイコン | なし | 三角形 | 正方形 |
ゲストの制限事項
ゲストはセキュリティの観点から、さまざまな制限が設けられています。
アクセス制限
チャンネルへのアクセス:
- 招待されたチャンネル以外は一切見えません
- 公開チャンネルの一覧も表示されません
- チャンネルのブラウズ機能は使えません
メンバー情報:
- ワークスペース全体のメンバーリストは見えません
- 同じチャンネルに参加しているメンバーの情報のみ確認できます
機能制限
できないこと:
- 新しいチャンネルの作成
- 他のメンバーやゲストの招待
- チャンネル設定の変更(通常)
- グループDMの作成(3人以上)
- ワークスペース全体への検索(招待されたチャンネル内のみ検索可能)
できること:
- メッセージの投稿と閲覧
- ファイルのアップロードとダウンロード
- 同じチャンネルのメンバーとの1対1のDM
- 絵文字リアクションの使用
- スレッドへの返信
料金の仕組みを詳しく解説
ゲストとメンバーの料金体系は、Slackの活用において重要なポイントです。
メンバーの料金
すべてのメンバーには、選択したプランに応じた料金が発生します。
例:
- Proプラン:1ユーザーあたり月額850円(年払いの場合)
- Business+プラン:1ユーザーあたり月額1,600円(年払いの場合)
シングルチャンネルゲストの料金
完全無料です。
ただし、招待できる人数には制限があります。
計算例:
- 有料メンバー10人の場合:最大50人のシングルチャンネルゲストを無料で招待可能
- 有料メンバー20人の場合:最大100人のシングルチャンネルゲストを無料で招待可能
この無料枠を活用すれば、コストを抑えながら外部の方と効率的にコラボレーションできます。
マルチチャンネルゲストの料金
通常のメンバーと同じ料金が発生します。
つまり、マルチチャンネルゲストを1人追加すると、メンバーを1人追加した場合と同じコストがかかります。
注意点:
長期的に複数のチャンネルで協力する外部パートナーの場合、マルチチャンネルゲストよりも「Slackコネクト」を使う方がコストを抑えられる場合があります。
ゲストの有効期限設定
ゲストアカウントには、アクセス期間を設定できます。これはセキュリティ管理の重要な機能です。
3つの期限設定オプション
- 一定期間後に自動で無効化
- 例:90日後、180日後など
- プロジェクト期間が決まっている場合に便利
- カスタム日付で無効化
- 例:2025年12月31日で無効化
- 契約終了日に合わせて設定可能
- 無期限でアクセスを許可
- 期限なしで継続的にアクセス可能
- 長期的なパートナーシップの場合
無効化の通知
無効化の5日前に、以下の人に通知が届きます:
- ゲスト本人
- 期限を設定した管理者またはオーナー
通知を受け取った管理者は、必要に応じて期限を延長できます。
ゲストの招待方法
実際にゲストを招待する手順を確認しましょう。
デスクトップからの招待手順
- サイドバーのワークスペース名をクリック
- 「メンバーを招待」を選択
- 招待したい人のメールアドレスを入力
- 「招待の種類」を「ゲスト」に変更
- ゲストを追加したいチャンネルを選択
- 1つのチャンネルのみ選択→シングルチャンネルゲスト(無料)
- 2つ以上選択→マルチチャンネルゲスト(有料)
- 必要に応じて有効期限を設定
- 「招待を送信」をクリック
招待後の流れ
- 招待されたゲストにメールが届く
- ゲストがメール内のリンクをクリック
- Slackアカウントを作成(または既存のアカウントでサインイン)
- 指定されたチャンネルにアクセス可能になる
ゲストとメンバーの使い分け:具体例
実際のビジネスシーンでの使い分けを見てみましょう。
シングルチャンネルゲストを使うべきケース
1. 短期プロジェクトの外部専門家
広告キャンペーンのために、フリーランスのコピーライターを#campaign-2025チャンネルのみに招待。プロジェクト終了後、自動的にアクセスを無効化。
2. 税理士や会計士
年度末の決算作業のために、税理士を#accountingチャンネルのみに3ヶ月間招待。
3. ITサポート業者
社内のITサポートを依頼している業者を#help-itチャンネルのみに招待。
マルチチャンネルゲストを使うべきケース
1. 長期インターン
複数のプロジェクトに関わるインターンを、#project-a、#project-b、#team-generalなど複数のチャンネルに招待。
2. 外部のプロジェクトマネージャー
大型プロジェクトを統括する外部PMを、関連する複数のチャンネルに招待。
3. デザインエージェンシー
複数の案件を同時進行する外部のデザイン会社を、各案件のチャンネルに招待。
メンバーとして追加すべきケース
1. 正社員やフルタイムの従業員
社内の正規メンバーは必ずメンバーとして追加。
2. 長期的な契約社員
1年以上の契約で、社内と同等の情報共有が必要な場合。
3. グループ会社の従業員
グループ全体で情報共有する必要がある場合(ただし、Slackコネクトも検討)。
Slackコネクトとゲストの違い
外部組織と連携する方法として、「ゲスト招待」以外に「Slackコネクト」もあります。
Slackコネクトとは
チャンネルを外部組織と共有する機能です。
相手も自分のワークスペースにログインしたまま、共有チャンネルで協力できます。
ゲスト招待 vs Slackコネクト
ゲスト招待が適しているケース:
- 相手がSlackを使っていない
- 1〜2名の個人と協力する
- 短期的なプロジェクト
Slackコネクトが適しているケース:
- 相手も有料のSlackプランを使っている
- 複数のメンバーが関わる組織間の協力
- 長期的なパートナーシップ
主な違い
| 項目 | ゲスト招待 | Slackコネクト |
|---|---|---|
| 相手の要件 | Slackアカウント不要 | 有料プランが必要(基本) |
| ログイン先 | あなたのワークスペース | 相手の自分のワークスペース |
| 料金(シングルチャンネル) | 無料 | 無料 |
| 料金(マルチチャンネル) | 有料(メンバーと同額) | 無料 |
| 管理 | あなたの管理者が管理 | 双方の管理者が管理 |
重要:
相手が有料のSlackを使っている場合は、Slackコネクトの方がコスト効率が良いことが多いです。
ゲスト管理のベストプラクティス
ゲストアカウントを適切に管理するためのヒントをご紹介します。
1. ゲスト専用のチャンネル命名規則
ゲストが参加しているチャンネルには、分かりやすいプレフィックスを付けましょう。
例:
#ext-project-name(extは「external」の略)#guest-client-abc#partner-supplier-xyz
こうすることで、社内メンバーが「このチャンネルには外部の人がいる」と一目で分かります。
2. ゲスト申請用のチャンネルを作る
管理者やオーナーが複数いる組織では、#help-guest-requestsのような専用チャンネルを作ると便利です。
申請テンプレート例:
【ゲスト招待申請】
- ゲスト名:
- メールアドレス:
- 招待理由:
- アクセスさせたいチャンネル:
- 必要な期間:
- 緊急度:🔴高 / 🟡中 / 🔵低
3. 定期的なゲストアカウントの見直し
少なくとも四半期に一度は、以下を確認しましょう:
- 期限切れになったゲストの整理
- まだアクセスが必要かの確認
- 不要なゲストアカウントの削除
4. セキュリティの徹底
チャンネルでの情報共有に注意:
- ゲストがいるチャンネルでは、機密情報の共有を避ける
- 全社的な内部情報は別のプライベートチャンネルで共有
よくある質問
Q1. ゲストを後からメンバーに変更できますか?
はい、可能です。
ワークスペースのオーナーや管理者が、ゲストのアカウント種別を「メンバー」に変更できます。
例えば、インターンが正社員になった場合などに活用できます。
Q2. メンバーをゲストに変更できますか?
はい、こちらも可能です。
ただし、メンバーからゲストに変更すると、アクセスできるチャンネルが大幅に制限されるため、慎重に行ってください。
Q3. ゲストは誰が招待できますか?
基本的にはワークスペースのオーナーと管理者のみです。
ただし、設定によっては通常のメンバーも「ゲスト招待のリクエスト」を送ることができ、管理者が承認する形になります。
Q4. シングルチャンネルゲストを2つのチャンネルに追加するとどうなりますか?
自動的にマルチチャンネルゲストに変更され、料金が発生します。
意図せず料金が発生しないよう、注意が必要です。
Q5. 無料プランでもゲストを招待できますか?
いいえ、ゲスト機能は有料プランでのみ利用可能です。
無料プランでは、すべての参加者がメンバーとして扱われます。
Q6. ゲストが自分でチャンネルを追加できますか?
できません。
ゲストが参加できるチャンネルは、必ず管理者またはオーナーが指定・追加する必要があります。
Q7. ゲストアカウントの期限が切れるとどうなりますか?
ゲストは該当するチャンネルにアクセスできなくなります。
過去のメッセージやファイルは、ワークスペース側(招待した側)には残りますが、ゲスト自身は閲覧できなくなります。
まとめ
Slackの「ゲスト」と「メンバー」の違いについて解説しました。
重要なポイントのおさらい:
- メンバーは社内の正規ユーザー、ゲストは外部の限定的なユーザー
- ゲストにはシングルチャンネル(無料)とマルチチャンネル(有料)の2種類がある
- シングルチャンネルゲストは有料メンバー1人につき5人まで無料
- マルチチャンネルゲストは通常のメンバーと同額の料金が発生
- ゲストは招待されたチャンネルのみアクセス可能
- 外部組織と連携する場合は「Slackコネクト」も検討
使い分けの基本:
- 単発・短期の外部協力者 → シングルチャンネルゲスト
- 複数チャンネルが必要な外部協力者 → マルチチャンネルゲスト or Slackコネクト
- 社内メンバー・長期契約社員 → メンバー
ゲスト機能を適切に活用すれば、外部の方とも安全かつ効率的にコラボレーションできます。
特にシングルチャンネルゲストの無料枠は非常に便利なので、プロジェクトベースで外部の専門家と協力する機会が多い組織では、ぜひ積極的に活用してみてください。
セキュリティにも配慮しながら、Slackを使った快適なチームコラボレーションを実現しましょう!


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