Slackで「@チーム名」とグループメンションを入力しようとしたのに、候補リストに表示されなかったり、メンションしても通知が届かなかったりして困っていませんか?
グループメンション(ユーザーグループ)は、複数のメンバーに一度に通知できる便利な機能ですが、いくつかの制限や設定の問題で使えないことがあります。
この記事では、Slackのグループメンションが表示されない・使えない原因を網羅的に解説し、それぞれの解決方法を詳しくご紹介します。初心者の方でも分かりやすく、手順を追って説明しますので、ぜひ参考にしてください。
グループメンション(ユーザーグループ)とは

まず、グループメンションの基本を確認しましょう。
グループメンションの仕組み
ユーザーグループは、複数のメンバーをグループ化して、一度にメンションできる機能です。
例えば、「@デザインチーム」とメンションすると、そのグループに登録されているすべてのメンバーに通知が届きます。
主な用途:
- 部門やチーム単位での通知(@マーケティング、@開発チームなど)
- プロジェクトメンバーへの一斉連絡(@プロジェクトA)
- 役職別の通知(@管理者、@リーダー陣)
通常のメンションとの違い
| 項目 | 個人メンション | グループメンション |
|---|---|---|
| 対象 | 1人 | グループ全員 |
| 記法 | @個人名 | @グループ名 |
| 通知 | 1人だけ | グループ全員 |
| 作成 | 不要 | 事前に作成が必要 |
| プラン | 無料プランでも可 | 有料プランのみ |
グループメンションが表示されない主な原因
グループメンションが使えない原因は、大きく分けて以下の7つです。
原因1:有料プランではない(最重要)
ユーザーグループ機能は、Slackの有料プランでのみ利用可能です。
これが最も多い原因です。
確認方法:
- Slackの左上のワークスペース名をクリック
- 「設定と管理」 → 「ワークスペースの設定」を選択
- プラン情報を確認
解決方法:
無料プランを使っている場合は、以下のいずれかのプランにアップグレードする必要があります:
- Proプラン
- Business+プラン
- Enterprise Gridプラン
注意:
無料プランでは、「@channel」「@here」「@everyone」といったチャンネル全体へのメンションは使えますが、カスタムのユーザーグループは作成できません。
原因2:ゲストアカウントでログインしている
ゲストアカウントは、ユーザーグループを見ることも、メンションすることもできません。
これはSlackのセキュリティ上の仕様です。
ゲストの制限:
- ワークスペース内のユーザーグループ一覧を見られない
- グループメンションの候補リストに表示されない
- グループメンションを入力しても通知が届かない
- 自分がグループのメンバーであっても、グループ名は見えない
確認方法:
自分のプロフィール写真に三角形(▲)または正方形(■)のアイコンが表示されている場合、ゲストアカウントです。
解決方法:
- ワークスペースの管理者に連絡
- 正式なメンバーアカウントにアップグレードしてもらう
- または、個別メンションを使用する
代替手段(ゲストのまま使う場合):
ゲストアカウントのままグループ通知が必要な場合は、管理者にBotの設置を依頼する方法があります(技術的な知識が必要)。
原因3:Slack Connectで接続している外部組織
Slack Connectで他の組織と連携している場合、相手組織のユーザーグループは見えません。
制限内容:
- 自分の組織のユーザーグループのみ使用可能
- 相手組織のグループ名やメンバーは表示されない
- 共有チャンネル内でも、相手のグループメンションはできない
確認方法:
チャンネル名の横に🔗(リンクアイコン)が表示されている場合、Slack Connectのチャンネルです。
解決方法:
外部組織のメンバーに通知したい場合は、以下の方法を使います:
- 個別に名前でメンションする
- 「@channel」で全員に通知(チャンネルメンバー全員)
- 事前に連絡して、相手組織側からグループメンションしてもらう
原因4:ユーザーグループが無効化されている
ユーザーグループは作成後に無効化することができます。無効化されたグループは、メンション候補に表示されません。
確認方法:
- 「ホーム」 → 「ディレクトリ」をクリック
- 「ユーザーグループ」タブを選択
- 目的のグループを探す
- グループの状態を確認
解決方法:
- ワークスペースのオーナーまたは管理者に連絡
- グループを再度有効化してもらう
管理者向けの手順:
- 「ディレクトリ」 → 「ユーザーグループ」
- 無効化されたグループを選択
- 「グループを有効化」をクリック
原因5:ユーザーグループの作成・編集権限がない
ワークスペースの設定により、一部のメンバーのみがユーザーグループを作成・編集できるようになっている場合があります。
確認方法:
- 「ディレクトリ」 → 「ユーザーグループ」を開く
- 「ユーザーグループを作成する」ボタンが表示されるか確認
- ボタンが表示されない、またはグレーアウトしている場合は権限なし
解決方法:
- ワークスペースのオーナーまたは管理者に連絡
- ユーザーグループの作成権限を付与してもらう
- または、管理者にグループ作成を依頼
管理者向けの権限設定:
- 「管理者」 → 「ワークスペースの設定」
- 「役割と権限」をクリック
- 「ユーザーグループを作成 / 編集する」の権限を設定
原因6:グループメンバーがチャンネルに参加していない
ユーザーグループのメンバーが、メンションしたいチャンネルに参加していない場合、通知の挙動が変わります。
どうなるか:
メンションは表示されますが、以下のような状況になります:
- チャンネルに参加しているメンバーのみに通知が届く
- Slackbotから「○名がこのチャンネルに参加していません」というメッセージが表示される(あなたにのみ見える)
確認方法:
グループメンション後にSlackbotからメッセージが表示されるかチェック。
解決方法:
Slackbotのメッセージに表示される以下のボタンから選択:
- 「招待する」 → メンバーをチャンネルに追加(推奨)
- 「通知する」(公開チャンネルのみ) → チャンネル外のメンバーにも通知
- 「何もしない」 → チャンネル内のメンバーのみに通知
注意:
プライベートチャンネルで「招待する」を選ぶと、新メンバーが過去のメッセージすべてを閲覧できるようになります。機密情報がある場合は注意してください。
原因7:通知設定でメンションがオフになっている
個人の通知設定で、メンション通知がオフになっている可能性があります。
確認方法:
- 自分のプロフィール写真をクリック
- 「環境設定」 → 「通知」を選択
- 「メンション」の設定を確認
解決方法:
- 「マイキーワード」セクションで設定を確認
- 「すべてのメンション」または「ダイレクトメッセージ、メンション、キーワード」が選択されているか確認
- オフになっている場合はオンにする
グループメンションが表示されない場合のトラブルシューティング

上記の原因に該当しない場合は、以下の方法を試してください。
方法1:Slackを再起動する
一時的な不具合の場合、再起動で解決することがあります。
デスクトップアプリ:
- Slackアプリを完全に終了
- アプリを再起動
モバイルアプリ:
- アプリを閉じる(バックグラウンドからも削除)
- アプリを再起動
方法2:キャッシュをクリアする
ブラウザ版:
- ブラウザの設定からキャッシュをクリア
- Slackにアクセスし直す
デスクトップアプリ:
- 「環境設定」 → 「詳細設定」
- 「キャッシュをクリア」または「リセット」を実行
- アプリを再起動
方法3:再ログインする
- Slackからログアウト
- 再度ログイン
方法4:アプリを最新版にアップデート
古いバージョンでは、ユーザーグループが正しく表示されないことがあります。
確認・更新方法:
- iOS:App Storeで「Slack」を検索し、アップデートを確認
- Android:Google Playで「Slack」を検索し、アップデートを確認
- デスクトップ:ヘルプメニューから「更新を確認」
方法5:ユーザーグループの存在を確認
そもそもユーザーグループが作成されていない可能性もあります。
確認方法:
- 「ホーム」 → 「ディレクトリ」
- 「ユーザーグループ」タブを選択
- 検索バーで目的のグループを検索
グループが存在しない場合:
- 管理者にグループ作成を依頼
- または、自分で作成する(権限がある場合)
方法6:正しいハンドル名を使っているか確認
ユーザーグループには、表示名とハンドル名の2つがあります。
例:
- 表示名:「デザインチーム」
- ハンドル名:「design-team」
メンションする際は、ハンドル名を使う必要があります。
確認方法:
- 「ディレクトリ」 → 「ユーザーグループ」
- 目的のグループを開く
- ハンドル名を確認
正しいメンション:
@design-team(ハンドル名)
間違ったメンション:
@デザインチーム(表示名)
方法7:スレッド内でのメンション
スレッド内では、@channelや@hereは機能しません。
これはSlackの仕様です。
スレッド内での動作:
- 個人メンションは機能する
- ユーザーグループメンションも機能する
- ただし、スレッドに参加していないメンバーには通知されない
解決方法:
スレッド外のメンバーにも通知したい場合は、メインチャンネルにメッセージを投稿してください。
ユーザーグループの作成方法(復習)
グループメンションが表示されない原因として、そもそもグループが作成されていないケースも多いです。作成手順を確認しましょう。
作成できる人
- ワークスペースのオーナー
- ワークスペースの管理者
- 権限を付与されたメンバー(設定による)
作成手順
- 「ホーム」 → 「ディレクトリ」をクリック
- 「ユーザーグループ」タブを選択
- 「ユーザーグループを作成する」をクリック
- グループ名を入力(例:デザインチーム)
- ハンドル名を入力(例:design-team)
- 必要に応じて目的やデフォルトチャンネルを設定
- 「次へ」をクリック
- グループに追加するメンバーを選択
- 「完了」をクリック
注意点
ハンドル名は重複不可:
すでに使われているハンドル名(メンバー名、チャンネル名、他のグループ名)は使えません。
ゲストは追加できない:
シングルチャンネルゲスト、マルチチャンネルゲストともに、ユーザーグループには追加できません。
デフォルトチャンネルは最大100個:
グループメンバーを自動的に追加するチャンネルは、最大100個まで設定できます。
グループメンションの正しい使い方
グループメンションを効果的に使うためのポイントをご紹介します。
基本的な使い方
手順:
- メッセージ入力欄に「@」を入力
- グループのハンドル名を入力(候補リストから選択も可)
- メッセージを入力
- 送信
例:
@design-team 新しいバナーのデザインレビューをお願いします!
複数のグループをメンション
1つのメッセージで複数のグループをメンションできます。
例:
@marketing-team @design-team
来週のキャンペーン準備会議について連絡します。
チャンネルにグループを追加
新しいチャンネルを作成した際、ユーザーグループを一度にメンションすることで、全メンバーを簡単に招待できます。
手順:
- チャンネルを作成
- メッセージ欄で「@グループ名」とメンション
- Slackbotが「メンバーをチャンネルに招待しますか?」と確認
- 「招待する」をクリック
DM(ダイレクトメッセージ)でのグループメンション
注意:DMでグループメンションを使っても、DMに参加していないメンバーには通知されません。
例:
あなたとAさんのDMで「@design-team」とメンションした場合:
- Aさんがデザインチームのメンバー → 通知される
- デザインチームの他のメンバー → 通知されない
よくある質問
Q1. グループメンションの候補リストに表示されません
以下を確認してください:
- 有料プランを使っているか
- ゲストアカウントではないか
- ユーザーグループが存在し、有効化されているか
- 正しいハンドル名を入力しているか
Q2. グループメンションしても通知が届きません
以下の原因が考えられます:
- メンバーがチャンネルに参加していない
- メンバーの通知設定がオフになっている
- DMでグループメンションを使っている(DM参加者以外には通知されない)
- スレッド内でメンションしている(スレッド参加者以外には通知されない)
Q3. ゲストアカウントでグループメンションは使えますか?
いいえ、ゲストアカウントではユーザーグループ機能は使えません。
ゲストは以下ができません:
- ユーザーグループの一覧を見る
- グループメンションを入力する
- グループメンションを受け取る
Q4. 無料プランでグループメンションは使えますか?
いいえ、ユーザーグループ機能は有料プランでのみ利用可能です。
無料プランでは、以下のメンションのみ使えます:
- 個人メンション:@個人名
- チャンネル全体メンション:@channel、@here
Q5. グループメンションの人数制限はありますか?
Slack公式では明確な上限は公表されていませんが、パフォーマンスを考慮して50〜100人程度での運用が推奨されています。
大規模なグループの場合は、複数のグループに分けることを検討してください。
Q6. グループ名を変更したら、過去のメンションはどうなりますか?
過去のメッセージは、元のグループ名のまま表示されます。
新しいメンションでは、変更後の名前が使用されます。
Q7. グループから削除されたメンバーはどうなりますか?
グループから削除されたメンバーは、今後のグループメンションで通知を受け取らなくなります。
ただし、過去のメッセージは引き続き閲覧できます(チャンネルのメンバーである場合)。
Q8. 大規模チャンネルでグループメンションが使えません
Enterprise Gridプランで10,000人以上のチャンネルでは、オーナーと管理者のみが@channelと@hereを使用できます。
ユーザーグループメンションについても、同様の制限がかかる場合があります。管理者に確認してください。
まとめ
Slackのグループメンションが表示されない・使えない原因と解決方法について解説しました。
最も多い原因トップ5:
- 有料プランではない → 有料プランにアップグレード
- ゲストアカウントを使っている → メンバーアカウントに変更
- Slack Connectで接続している → 自組織のグループのみ使用可能
- ユーザーグループが無効化されている → 管理者に有効化を依頼
- ユーザーグループの権限がない → 管理者に権限付与を依頼
トラブルシューティングの基本:
- プランと権限を確認
- ゲストかメンバーかを確認
- Slackを再起動
- キャッシュをクリア
- アプリを最新版にアップデート
グループメンションの制限を理解する:
- 有料プランでのみ利用可能
- ゲストアカウントでは使えない
- Slack Connectでは相手組織のグループは見えない
- スレッド内では通知範囲が限定される
グループメンションは、チーム全体に効率的に通知できる非常に便利な機能です。
この記事を参考に、表示されない原因を特定し、適切に解決してください。それでも解決しない場合は、ワークスペースの管理者またはSlackのサポートチームに問い合わせることをおすすめします。
快適なSlackライフをお楽しみください!

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