「チームメンバー全員に重要な連絡をしたいけど、一人ずつメンションするのは大変……」
「@channelと@hereって何が違うの?」
Slackを使っていると、複数のメンバーにまとめて通知したい場面がよくありますよね。でも、グループメンションの種類や使い分けがよくわからない、という方も多いのではないでしょうか。
この記事では、Slackで使えるグループメンションを完全網羅!デフォルトで使える@channel、@here、@everyoneの違いから、有料プランで使えるカスタムユーザーグループの作成方法まで、わかりやすく解説していきます。
Slackのグループメンションとは

グループメンションとは、複数のメンバーに対して一度にメンション(通知)を送る機能です。
通常のメンション:
@山田さん @田中さん @佐藤さん お疲れ様です!
グループメンション:
@channel お疲れ様です!
グループメンションを使えば、メンバーを一人ずつ指定する手間が省け、メンション漏れも防げます。チーム全体への重要な連絡や、プロジェクトメンバーへの一斉通知に便利な機能なんです。
デフォルトで使えるグループメンション一覧
Slackにはデフォルトで使えるグループメンションが3種類あります。それぞれの特徴と使い分けを詳しく見ていきましょう。
@channel(チャンネル全員)
通知が届く範囲:
そのチャンネルに参加している全メンバー(オンライン・オフライン問わず)
使う場面:
- チャンネルメンバー全員に確実に伝えたい情報がある時
- 緊急性が高く、見逃されては困る連絡
- プロジェクトの重要なマイルストーン達成の報告
- システム障害やトラブルの共有
具体例:
@channel 【重要】本日17時より緊急メンテナンスを実施します。サービスが一時停止しますのでご注意ください。
@channel プロジェクトのキックオフミーティングを明日10時から開催します。全員参加必須です。
注意点:
- オフラインのメンバーや休暇中のメンバーにも通知が届く
- 深夜や早朝に使うと、休んでいる人の通知音が鳴ってしまう可能性がある
- 使いすぎると「通知疲れ」を引き起こす
@here(オンラインメンバーのみ)
通知が届く範囲:
そのチャンネルに参加している、現在オンラインのメンバーのみ
使う場面:
- 今すぐ対応してほしいが、緊急度は中程度
- 勤務時間中のメンバーだけに通知したい
- 軽めの相談や質問
- 「今手が空いている人がいたら教えてほしい」という依頼
具体例:
@here ランチの注文をまとめます。希望者は15時までに返信してください。
@here 今日の定例ミーティングの議題について、追加があれば教えてください。
メリット:
- 休暇中や勤務時間外のメンバーに通知が行かない
- @channelより気軽に使える
- 「今見ている人だけ」という適度な距離感
注意点:
- 「オンライン」の判定はSlackのステータスに基づく
- 離席中や「おやすみモード」の人には届かない
- 本当に全員に伝える必要がある情報には使わない
@everyone(ワークスペース全員)
通知が届く範囲:
ワークスペースの全メンバー(#generalチャンネル経由)
使える場所:
#generalチャンネルのみ(これ重要!)
使う場面:
- 全社的な重要なお知らせ
- 会社全体に関わる緊急連絡
- 全社イベントの告知
具体例:
@everyone 【全社連絡】台風接近のため、明日は在宅勤務とします。
@everyone 本日15時から全社ミーティングを実施します。オンライン参加のリンクは以下の通りです。
注意点:
- #general以外のチャンネルでは使えない
- 最も影響範囲が広いため、使用は慎重に
- ワークスペース全体に通知が届くため、本当に必要な時だけ使う
@group(非推奨・レガシー)
状態:
@channelと全く同じ効果。古い書き方で、現在は非推奨。
結論:
使わずに@channelを使いましょう。
デフォルトグループメンション比較表
| メンション | 通知範囲 | 使える場所 | 緊急度 | おすすめシーン |
|---|---|---|---|---|
| @channel | チャンネルの全メンバー(オンライン・オフライン問わず) | すべてのチャンネル | 高 | 緊急連絡、重要な情報 |
| @here | チャンネルの現在オンラインのメンバーのみ | すべてのチャンネル | 中 | 軽めの連絡、勤務時間中の依頼 |
| @everyone | ワークスペースの全メンバー | #generalのみ | 最高 | 全社的な重要連絡 |
グループメンションの使い分けフローチャート

迷った時は、このフローチャートで判断しましょう。
Q1: 全社員に伝える必要がある?
↓ YES → #generalで@everyone
↓ NO
Q2: チャンネルメンバー全員が知るべき?
↓ YES
Q3: 今すぐ見てもらわないと困る?
↓ YES → @channel
↓ NO → @here(または個別メンション)
↓ NO
Q4: 特定のグループだけに伝えたい?
↓ YES → ユーザーグループ(@営業チームなど)
↓ NO → 個別メンション
ユーザーグループ(カスタムグループメンション)
ここからは、有料プランで使えるカスタムのグループメンション機能を紹介します。
ユーザーグループとは
特定のメンバーをグループ化して、独自のハンドル名でメンションできる機能です。
例:
- @デザイナー → デザインチームの全メンバーに通知
- @営業チーム → 営業部門の全メンバーに通知
- @プロジェクトA → プロジェクトAの関係者全員に通知
利用可能プラン
ユーザーグループは、以下のプランで利用できます。
- Pro(スタンダード)プラン
- Business+(ビジネスプラス)プラン
- Enterprise Grid
無料プランでは使えません。
ユーザーグループの作成方法
ステップ1:ユーザーグループ管理画面を開く
- サイドバーの「その他」をクリック
- 「メンバーディレクトリ」を選択
- 「ユーザーグループ」タブをクリック
- 「ユーザーグループを作成する」をクリック
ステップ2:グループ情報を入力
- グループ名を入力(例:デザインチーム)
- ハンドル名を入力(例:designers)
- これが実際にメンションする時の名前(@designers)になります
- 目的を入力(任意)
- このグループがどんな目的で作られたか説明
ステップ3:デフォルトチャンネルを設定(任意)
グループメンバーが自動的に追加されるチャンネルを最大100個まで設定できます。
ステップ4:メンバーを追加
- 「メンバーを追加する」から検索
- 追加したいメンバーを選択
- 「次へ」をクリック
ステップ5:グループを作成
「グループを作成する」をクリックして完了!
ユーザーグループの使い方
作成したユーザーグループは、通常のメンションと同じように使えます。
@designers 新しいブランドガイドラインを共有します。確認お願いします。
これで、デザイナーグループに登録されているメンバー全員に通知が届きます。
ユーザーグループの編集・管理
メンバーの追加・削除:
- 「メンバーディレクトリ」→「ユーザーグループ」を開く
- 編集したいグループをクリック
- 「・・・」(3つのドットアイコン)→「グループの詳細を編集する」
- メンバーを追加・削除
グループ情報の変更:
名前、ハンドル名、目的なども同じ画面から変更できます。
グループの無効化:
不要になったグループは無効化できます。無効化すると、メンションできなくなります。
ユーザーグループの活用例
1. 部門別グループ
- @営業チーム
- @開発チーム
- @人事部
2. プロジェクト別グループ
- @プロジェクトX
- @新製品開発
- @春の販促キャンペーン
3. 役割別グループ
- @エンジニア
- @デザイナー
- @マーケター
4. 階層別グループ
- @経営陣
- @マネージャー
- @新入社員
5. 地域別グループ
- @東京オフィス
- @大阪オフィス
- @リモートメンバー
グループメンションの権限設定
ワークスペースのオーナーや管理者は、誰がグループメンションを使えるかを制限できます。
@channel、@here、@everyoneの使用制限
デフォルト設定:
すべてのメンバーが使用可能
変更可能な設定:
- 管理者とオーナーのみに制限
- 特定のメンバー種別のみに許可
設定方法(オーナー・管理者):
- ワークスペース名をクリック
- 「設定と管理」→「ワークスペースの設定」
- 「メンバーの種別と権限」をクリック
- 「チャンネルで@channelと@hereを使用する」の権限を編集
ユーザーグループの作成権限
デフォルト設定:
ワークスペースのオーナーと管理者のみ
変更可能な設定:
全メンバーに作成権限を付与することも可能
設定方法:
- ワークスペース名をクリック
- 「設定と管理」→「ワークスペースの設定」
- 「メンバーの種別と権限」→「ユーザーグループを作成/編集する」
- 権限を編集
グループメンション使用時の警告機能
6人以上のチャンネルで警告が表示される
メンバーが6人以上いるチャンネルで@channel、@here、@everyoneを使うと、送信前に確認メッセージが表示されます。
警告メッセージの例:
「○○人のメンバーに通知を送信しようとしています。本当に送信しますか?」
目的:
誤って大人数に通知してしまうのを防ぐため。
無効化:
オーナーと管理者は、この警告をオフにすることもできます。
10,000人以上のチャンネルでの制限
Enterprise Gridプランで、チャンネルのメンバーが10,000人以上いる場合:
- @channelと@hereは、オーナーと管理者のみが使用可能
- 一般メンバーは使えない
これは、大規模な通知による混乱を防ぐための仕様です。
スレッド内でのグループメンション
スレッド内でグループメンションを使う時は、注意が必要です。
基本的な動作
スレッド内で@channelや@hereを使っても、スレッドに参加していないメンバーには通知されません。
例:
- チャンネルに100人のメンバーがいる
- あるメッセージのスレッドで@channelを使う
- 通知が届くのは、そのスレッドに参加している人だけ
スレッドから全員に通知したい場合
スレッド内のメッセージを「チャンネルにも投稿」すれば、スレッドに参加していないメンバーにも届きます。
- スレッド内でメッセージを入力
- 送信ボタンの横にある「チャンネルにも投稿」にチェック
- メッセージ送信
この場合、メインチャンネルにもメッセージが表示され、グループメンションが全員に届きます。
グループメンションが届かない場合のトラブルシューティング

「グループメンションを使ったのに通知が届かない」という場合、以下を確認してください。
1. 通知設定を確認する
ユーザー側の設定:
- プロフィール写真をクリック
- 「環境設定」→「通知」
- 「@channelと@hereも含む」がオンになっているか確認
この設定がオフだと、グループメンションの通知が届きません。
2. チャンネル設定を確認する
チャンネルがミュートされていないか:
チャンネル自体がミュートされていると、グループメンションも届きません。
確認方法:
チャンネル名の横にミュートアイコン(ベルに斜線)がないか確認
3. おやすみモードを確認する
おやすみモード中は、グループメンションも含めてすべての通知が停止されます。
4. 権限を確認する
管理者が使用を制限している場合、グループメンションのオプションが表示されません。
5. スレッド内で使っていないか確認
前述の通り、スレッド内でのグループメンションは、スレッド参加者のみに通知されます。
グループメンションのベストプラクティス
効果的にグループメンションを使うためのコツを紹介します。
1. 緊急度に応じて使い分ける
最も緊急: @everyone(全社的な重要連絡)
↓
緊急: @channel(チャンネル全員への確実な連絡)
↓
やや緊急: @here(今オンラインの人への連絡)
↓
通常: 個別メンションまたはユーザーグループ
2. 時間帯を考慮する
@channelを使う時:
- 勤務時間中に使う
- 深夜・早朝は避ける
- 休日の使用は本当に必要か再考する
@hereなら:
- 時間帯を気にせず使える
- オンラインの人だけに届くため
3. 頻度に注意する
やりすぎは逆効果:
- @channelを1日に何度も使うと「通知疲れ」を引き起こす
- 本当に重要な連絡が埋もれてしまう
- 「オオカミ少年」効果で、メンバーが見なくなる
目安:
- @channel:週に1〜2回程度
- @here:日に1〜2回程度
4. 明確な理由を添える
グループメンションを使う時は、なぜ全員に通知しているのか理由を明確に。
良い例:
@channel 【重要】クライアントから仕様変更の依頼がありました。全員に影響するため共有します。
悪い例:
@channel よろしくお願いします。
5. 代替手段も検討する
グループメンションが本当に必要か、以下の代替手段も検討しましょう。
- ピン留め:重要な情報をチャンネルの上部に固定
- チャンネルトピック:常に表示される説明欄に記載
- 個別メンション:本当に見てほしい特定の人だけをメンション
無料プランでの代替案
無料プランではユーザーグループが使えませんが、以下の方法で似た機能を実現できます。
方法1:専用チャンネルを作る
特定のグループ専用のチャンネルを作成し、そのチャンネルで@channelや@hereを使う。
例:
- #デザインチーム
- #営業部門
- #プロジェクトX
必要なメンバーだけをチャンネルに招待すれば、実質的にグループメンションと同じ効果が得られます。
方法2:Slackbotのカスタムレスポンスを使う(上級者向け)
Slackbotに特定のキーワードに反応して、複数のメンションを返すように設定する方法もあります。
設定例:
- キーワード:@デザイナー
- Slackbotの返信:@山田 @田中 @佐藤
ただし、この方法は少し手間がかかるため、頻繁に使うなら有料プランの検討をおすすめします。
よくある質問
Q: グループメンションを使うと、具体的に誰に通知が届いたかわかりますか?
通知が届いた人数は表示されますが、具体的に誰が見たかは確認できません。メッセージの既読機能はSlackにはありません。
Q: @channelと@hereを間違えて使ってしまいました。取り消せますか?
送信後すぐであれば、メッセージを削除または編集できます。ただし、すでに送られた通知自体は取り消せません。
Q: DMやグループDMでグループメンションは使えますか?
1対1のDMでは使えません。グループDMでは使えますが、そもそもグループDM内の全員に通知が届くため、メンションの意味がありません。
Q: ゲストアカウントでもグループメンションを使えますか?
チャンネル内で@channelや@hereを使うことは可能です。ただし、ユーザーグループの作成はできません。
Q: 自分が作ったユーザーグループを、他のメンバーも使えますか?
はい、使えます。ユーザーグループは、そのワークスペース内のすべてのメンバーが使用できます。
まとめ:状況に応じた適切なグループメンションを
Slackのグループメンションを効果的に使うことで、チーム内のコミュニケーションがぐっとスムーズになります。
この記事のポイントまとめ:
デフォルトで使えるグループメンション:
- @channel → チャンネル全員(オンライン・オフライン問わず)
- @here → チャンネルの現在オンラインのメンバーのみ
- @everyone → ワークスペース全員(#generalのみ)
使い分けの基本:
- 緊急で全員に届ける必要がある → @channel
- 今オンラインの人だけでOK → @here
- 全社的な重要連絡 → @everyone(#generalで)
有料プランの追加機能:
- ユーザーグループで特定のチーム・プロジェクトメンバーをグループ化
- @デザイナー、@営業チームなどカスタム名でメンション可能
賢い使い方のコツ:
- 緊急度に応じて使い分ける
- 時間帯を考慮する(深夜の@channelは避ける)
- 使いすぎない(通知疲れを防ぐ)
- 明確な理由を添える
- 代替手段も検討する
グループメンションは便利な機能ですが、使いすぎると逆効果。「本当に全員に通知する必要があるか?」を常に自問し、適切に使い分けることが大切です。
この記事を参考に、あなたのチームに最適なグループメンションの使い方を見つけてくださいね!

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