Slackを使っていて、こんな経験はありませんか?
「Wi-Fiのパスワードって何だっけ?」
「会議室の予約方法を教えて」
「プロジェクトの資料はどこ?」
同じ質問に何度も答えるのって、結構面倒ですよね。でも実は、Slackにはカスタムレスポンスという便利な機能があって、こういった定型的な質問に自動で答えてくれるんです。
この記事では、Slackのカスタムレスポンス機能の使い方から活用例、設定時の注意点まで、分かりやすく解説していきます。
Slackのカスタムレスポンスって何?

特定のキーワードに自動で返信してくれる機能
カスタムレスポンスとは、あらかじめ設定した特定のキーワードに対して、Slackbot(スラックボット)が自動的に返信してくれる機能のことです。
Slackbotというのは、Slackに最初から入っている親切なチャットボット。リマインダーを送ってくれたり、製品の使い方を教えてくれたりする、いわば「Slackの案内役」のような存在です。
例えばこんな感じ:
あなたが「Wi-Fiパスワード」とメッセージを送る
↓
Slackbotが瞬時に「オフィスのWi-Fiパスワードは『ABC12345』です」と返信
これがカスタムレスポンスの基本的な仕組みです。AIチャットボットのような高度なものではなく、設定したキーワードに対して登録済みのメッセージを返すだけのシンプルな機能なんです。
どこで使える?
カスタムレスポンスは以下の場所で動作します:
- チャンネル内:パブリックチャンネル、プライベートチャンネルどちらでもOK
- 自分宛てのダイレクトメッセージ(DM):Slackbotとの1対1のやり取り
ただし、他のメンバーとのDMやSlack Connect(外部組織との共有チャンネル)では動作しないので注意が必要です。
カスタムレスポンスの設定方法
設定はとっても簡単!5分もあれば完了します。
ステップ1:設定画面を開く
- Slackを開いて、画面左上のワークスペース名をクリック
- メニューから「設定と管理」→「以下をカスタマイズ:(ワークスペース名)」を選択
- ブラウザで設定画面が開きます
ステップ2:Slackbotのタブを選択
設定画面が開いたら、「Slackbot」のタブをクリックします。
ステップ3:新しいレスポンスを追加
- 「+新しいレスポンスを追加する」をクリック
- 「メンバーがこう言ったら…」の欄に、キーワードを入力
- 例:「Wi-Fiパスワード」「郵便受けの暗証番号」「連絡先」など
- 「Slackbotの返信」の欄に、返信内容を入力
- 例:「オフィスのWi-Fiパスワードは『ABC12345』です。問題があればIT担当の山田さん(@yamada)までご連絡ください」
- 「保存する」をクリック
これで設定完了!
ステップ4:テストしてみよう
実際にSlackのチャンネルや自分宛てのDMで、設定したキーワードを送信してみましょう。Slackbotが自動で返信してくれるはずです。
カスタムレスポンスの便利な活用例
実際にどんな場面で使えるのか、具体例を見ていきましょう。
1. オフィスの情報を自動共有
Wi-Fiパスワード
- キーワード:「Wi-Fiパスワード」「wifiパスワード」「無線LAN」
- 返信:「ゲストWi-Fiのパスワードは『Guest2024』です」
郵便受けや金庫の暗証番号
- キーワード:「郵便受けの番号」
- 返信:「郵便受けの暗証番号は『1234』です」
会議室の定員や予約方法
- キーワード:「会議室予約」
- 返信:「会議室の予約はGoogleカレンダーから行ってください。予約方法はこちら→ [リンク]」
2. よくある質問(FAQ)の自動回答
有給休暇の申請方法
- キーワード:「有給申請」「休暇申請」
- 返信:「有給休暇の申請は勤怠システムから行ってください。詳しい手順はこちら→ [リンク]」
経費精算の方法
- キーワード:「経費精算」
- 返信:「経費精算は月末までに専用フォームから申請してください→ [リンク]」
3. 重要な資料やリンクへの案内
プロジェクト資料
- キーワード:「プロジェクトX資料」
- 返信:「プロジェクトXの最新資料はこちら→ [Googleドライブのリンク]」
社内マニュアル
- キーワード:「新人マニュアル」
- 返信:「新人向けオンボーディング資料はこちら→ [リンク]」
4. 休暇中の自動返信(不在通知)
自分の名前をメンションされたときに自動返信させることもできます。
- キーワード:「@あなたの名前」
- 返信:「只今、夏季休暇中です(8/10〜8/15)。緊急の場合は田中さん(@tanaka)までご連絡ください」
これで休暇中もメンバーに状況を伝えられます。
5. チーム内の楽しい交流
ランダム返信機能を使って
実は、Slackbotは複数の返信をランダムに選んで返すこともできます。
- キーワード:「おすすめランチ」
- 返信(複数登録):
- 「今日は社員食堂のカレーがおすすめ!」
- 「隣のイタリアンが美味しいよ」
- 「駅前のラーメン屋はいかが?」
返信を改行で区切って複数登録すると、ランダムで1つが選ばれます。
カスタムレスポンス設定時のコツと注意点
キーワード設定のコツ
1. 通常の会話で使わないフレーズにする
「見積もり」「資料」など、日常会話でよく使う言葉をキーワードにすると、意図しないタイミングで反応してしまいます。
良い例:
- 「Wi-Fiパスワードくれ」
- 「いでよマニュアル」
- 「見積書テンプレ」
こんな風に、普段の会話では使わない独特なフレーズにすると良いでしょう。
2. 複数のバリエーションを登録
同じ意味でも、人によって言い方が違いますよね。
例: 「見積もり」「見積」「見積り」
これらをカンマ(,)で区切って登録すると、どの言い方でも反応してくれます。
設定例:
- キーワード:「見積もり,見積,見積り」
- 返信:「見積書のテンプレートはこちら→ [リンク]」
3. 短くシンプルなキーワードにする
長いキーワードだと、入力が面倒だったり、一字でも間違えると反応しなかったりします。短く覚えやすいキーワードがおすすめです。
返信内容の工夫
改行の扱いに注意
返信内容で改行するときは、\n(バックスラッシュ+n)を使います。普通に改行すると、それぞれが別の返信候補として扱われ、ランダム返信になってしまいます。
通常の改行で複数の返信を登録したい場合:
返信1
返信2
返信3
→ この3つからランダムに1つが選ばれます
1つの返信内で改行したい場合:
こちらが資料です\n不明点があれば担当者までご連絡ください
→ 2行の返信として表示されます
リンクや絵文字も使える
返信には、URLリンク、絵文字、画像リンク、YouTubeリンクなども含められます。
例:
:wave: こんにちは!
プロジェクト資料はこちら→ https://drive.google.com/...
質問があれば @tanaka までどうぞ!
セキュリティ上の注意点
機密情報は登録しない
カスタムレスポンスは、ワークスペースの全メンバーが見られる可能性があります。
登録してはいけないもの:
- 個人のパスワード
- クレジットカード情報
- 機密性の高い社内情報
- 顧客の個人情報
登録してもOKなもの:
- 社内Wi-Fiのパスワード(全員が使うもの)
- 公開されている資料のリンク
- 一般的な社内ルール
権限管理も大切
デフォルトでは、すべてのメンバーがカスタムレスポンスを追加・編集できます。でも、勝手に変な設定をされたら困りますよね。
管理者は、「設定と権限」→「権限」→「Slackbotのレスポンス」から、カスタムレスポンスを設定できる人を制限できます。
設定できる人を以下に限定できます:
- ワークスペースのオーナーのみ
- 管理者とオーナーのみ
- 全員(デフォルト)
カスタムレスポンスが反応しない?トラブルシューティング

キーワードが文章の途中にある
Slackbotは、基本的にキーワードだけのメッセージ、または文末にキーワードがあるときだけ反応します。
反応する例:
- 「Wi-Fiパスワード」(キーワードのみ)
- 「教えて Wi-Fiパスワード」(文末にキーワード+半角スペース)
反応しない例:
- 「Wi-Fiパスワードを教えてください」(キーワードが文中)
解決策:キーワードの後ろに「くれ」「教えて」などをつけて、独立したフレーズにしましょう。
同じキーワードを複数登録している
同じキーワードが複数のレスポンスに登録されていると、どちらか一方しか反応しないことがあります。レスポンス一覧を確認して、重複を削除しましょう。
大文字・小文字が違う
「wifi」と「WiFi」など、大文字小文字が違うと別のキーワードとして扱われます。バリエーションとして両方登録しておくと安心です。
カスタムレスポンスとワークフロー・Botの違い
Slackには、カスタムレスポンス以外にも自動化の方法があります。
カスタムレスポンス
- 手軽さ: ◎ 数分で設定可能
- 柔軟性: △ 単純なキーワード返信のみ
- 適した用途: FAQの自動回答、簡単な情報共有
ワークフロービルダー
- 手軽さ: ○ 少し設定が複雑
- 柔軟性: ○ 複数ステップの自動化が可能
- 適した用途: 承認フロー、定型業務の自動化、アンケート
Bot・API連携
- 手軽さ: △ 技術的な知識が必要
- 柔軟性: ◎ 高度な自動化が可能
- 適した用途: 外部システムとの連携、複雑な自動処理
使い分けのポイント:
まずはカスタムレスポンスから始めて、もっと複雑なことをしたくなったらワークフローやBotを検討するのがおすすめです。
カスタムレスポンスの編集と削除
既存のレスポンスを編集する
- ワークスペースのカスタマイズ画面を開く
- 「Slackbot」タブを選択
- 編集したいレスポンスにカーソルを合わせると、「編集」ボタンが表示される
- クリックして内容を変更し、「保存する」
レスポンスを削除する
- 同じく、削除したいレスポンスにカーソルを合わせる
- 「削除」ボタンをクリック
- 確認画面で削除を実行
定期的な見直しが大切
古い情報や使われなくなったレスポンスは、定期的に削除しましょう。情報が古いまま残っていると、間違った案内をしてしまうことになります。
おすすめの管理方法:
- 月に1回、レスポンス一覧を確認
- プロジェクト終了時に関連レスポンスを削除
- 情報が変わったらすぐに更新
まとめ:カスタムレスポンスで時短と効率化を実現
Slackのカスタムレスポンス機能を使えば、同じ質問に何度も答える手間が省けて、業務効率が大幅にアップします。
この記事のポイントをおさらい:
- カスタムレスポンスは特定のキーワードに自動返信する機能
- 設定はとても簡単、5分あれば完了
- Wi-Fiパスワード、FAQ、資料リンクなど幅広く活用できる
- キーワードは通常の会話で使わないフレーズにする
- 複数のバリエーションをカンマ区切りで登録できる
- 機密情報は登録しない
- 定期的に見直して最新の情報を保つ
- より高度な自動化にはワークフローやBotを検討
特に、リモートワークが増えている今、「ちょっと聞きたいんだけど」という質問にSlackbotが即座に答えてくれるのはとても便利です。
まずは、あなたのチームでよく聞かれる質問を1つか2つ、カスタムレスポンスに設定してみてください。きっと「これ、便利!」と実感できるはずですよ!


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