「Slackの通知をクリックしてもアプリが前面に来ない」「通知が遅れて届く」そんな問題に悩んでいませんか?
実は、Windows版Slackには「ビルトイン通知」という独自の通知配信システムがあります。この設定を変更するだけで、通知の遅延や表示の問題が劇的に改善する可能性があります。
この記事では、Slackのビルトイン通知とは何か、その設定方法、そして通知が届かないときの対処法まで、初心者の方にもわかりやすく解説していきます。
Slackのビルトイン通知とは
まず、ビルトイン通知の基本を理解しましょう。
ビルトイン通知の定義
Slackのビルトイン通知(Slack’s built-in notifications)とは、Slackアプリケーション自体が直接管理・配信する独自の通知システムのことです。
通常、WindowsやMacなどのOSには標準の通知システムがありますが、Slackはそれとは別に独自の通知配信方法を持っています。
2つの通知配信方法の違い
Windows版Slackでは、以下の2つの通知配信方法を選択できます:
1. Windows Action Center(Windowsアクションセンター)
- Windowsの標準通知システムを使用
- 通知がWindowsのアクションセンター(画面右下の通知エリア)に表示される
- OSの通知設定に依存する
2. Slack’s built-in notifications(Slackビルトイン通知)
- Slack独自の通知システムを使用
- OSの通知システムを経由しない
- 直接Slackアプリから通知が表示される
- タイムラグが発生しにくい
ビルトイン通知のメリット
1. 通知の遅延が少ない
OSの通知システムを経由しないため、メッセージ到着と同時に素早く通知が表示されます。
2. 通知をクリックしたときの挙動が安定
通知をクリックすると、Slackアプリが確実に前面に表示されます。
Windows Action Centerの場合、クリックしてもアプリが前面に来ないことがあります。
3. Windowsのシステム設定に左右されない
Windowsの「集中モード」や「Focus Assist」の影響を受けにくくなります。
4. カスタマイズ性が高い
通知の表示位置や音、見た目をより詳細に設定できます。
ビルトイン通知のデメリット
1. Windowsの統合通知センターに表示されない
他のアプリと統一された通知管理ができません。
2. Windowsの「おやすみモード」と連携しない
OS側で通知を一括管理したい場合は不便です。
3. 設定項目が増える
Slack側とOS側の両方で設定を確認する必要があります。
Windows版Slackでビルトイン通知を設定する方法
実際の設定手順を詳しく解説します。
現在の通知配信方法を確認する
まず、現在どの配信方法が選択されているか確認しましょう。
手順:
- Slackアプリを開く
- 画面左上のプロフィール写真をクリック
- メニューから「環境設定」を選択
- 左サイドバーから「通知」を選択
- 下にスクロールして「サウンドと外観」セクションを見つける
- 「通知の配信方法」(Deliver notifications via…)を確認
表示される選択肢:
- Windows Action Center(Windowsアクションセンター)
- Windows Action Center (abbreviated)(Windowsアクションセンター(省略版))
- Slack’s built-in notifications(Slackビルトイン通知)
ビルトイン通知に変更する手順
ステップ1:環境設定を開く
- Slackアプリ左上のプロフィール写真をクリック
- 「環境設定」を選択
または、キーボードショートカット:
- Windows:
Ctrl + ,(Ctrlキーとカンマ) - Mac:
⌘ + ,(Commandキーとカンマ)
ステップ2:通知設定を開く
- 左サイドバーから「通知」を選択
- 右側のパネルが「通知」設定画面に切り替わります
ステップ3:配信方法を変更
- 下にスクロールして「サウンドと外観」セクションを見つける
- 「通知の配信方法」のドロップダウンメニューをクリック
- 「Slack’s built-in notifications」を選択
- 設定は自動的に保存されます
これで設定完了です!
通知の表示位置を設定(オプション)
ビルトイン通知を選択すると、通知の表示位置も選べます。
手順:
- 「通知の配信方法」の下に「通知の位置」(Notification position)が表示される
- 以下から選択:
- 右上(Top Right)
- 右下(Bottom Right)← デフォルト
- 左上(Top Left)
- 左下(Bottom Left)
作業しやすい位置を選びましょう。
Mac版Slackの通知設定
Macでは設定方法が少し異なります。
Macの通知配信方法
Mac版Slackでは、基本的にmacOSの標準通知システムを使用します。
通知の種類:
- バナー:数秒間表示されて自動的に消える
- 通知:クリックするまで消えない
Mac版の通知設定手順
Slack側の設定:
- 画面左上のプロフィール写真をクリック
- 「環境設定」を選択
- 「通知」を選択
- 通知のタイミングや内容を設定
macOS側の設定:
- 「システム設定」(または「システム環境設定」)を開く
- 「通知」を選択
- 左側のリストから「Slack」を選択
- 以下を確認:
- 「Slackからの通知を許可」がオンになっているか
- 通知スタイルが「バナー」または「通知」になっているか
通知が届かないときの対処法
ビルトイン通知を設定しても通知が来ない場合の解決方法です。
【Windows】通知が届かない場合
対処法1:Windows側の通知設定を確認
- Windowsの「設定」を開く
- 「システム」→「通知」を選択
- 以下を確認:
- 「アプリやその他の送信者からの通知を取得する」がオンか
- 「アプリとその他の送信者からの通知」リストで「Slack」を見つける
- Slackの「通知」がオンになっているか
- 「通知バナーを表示」がオンか
- 「サウンドを再生」がオンか
対処法2:集中モード(Focus Assist)を確認
Windows 11/10の「集中モード」が有効だと通知がブロックされます。
- Windowsの「設定」を開く
- 「システム」→「集中モード」を選択
- 「オフ」になっているか確認
- または、「重要な通知のみ」が選択されている場合:
- 「優先順位一覧のカスタマイズ」をクリック
- 「アプリを追加」からSlackを追加
対処法3:Slackの通知設定を再確認
- Slack環境設定の「通知」を開く
- 「通知の送信」セクションを確認:
- 「ダイレクトメッセージ、メンション、キーワード」が選択されているか
- 「おやすみモード」がオンになっていないか確認
- プロフィール写真の横にスヌーズアイコン(⏸️)がないか確認
対処法4:通知音を確認
- Slack環境設定の「通知」を開く
- 「サウンドと外観」セクションまでスクロール
- 「メッセージの通知音」で好きな音を選択
- 「例を表示」をクリックしてテスト
対処法5:Slackアプリを再起動
- Slackを完全に終了(タスクバーからも終了)
- タスクバーのシステムトレイでSlackアイコンを右クリック
- 「Slackを終了」を選択
- Slackを再起動
対処法6:Windowsを再起動
単純ですが、多くの通知問題を解決できます。
- すべてのアプリを保存・終了
- Windowsを再起動
- Slackを起動して通知をテスト
【Mac】通知が届かない場合
対処法1:macOS側の通知設定を確認
- 「システム設定」(または「システム環境設定」)を開く
- 「通知」を選択
- 左側のリストから「Slack」を選択
- 以下を確認:
- 「Slackからの通知を許可」がオン
- 通知スタイルが「バナー」または「通知」
- 「バッジ」がオン
- 「サウンド」がオン
対処法2:おやすみモードを確認
- 画面右上のコントロールセンターアイコンをクリック
- 「おやすみモード」がオフになっているか確認
対処法3:通知センターを確認
- 画面右上の時計をクリック
- 通知センターが開きます
- Slackからの通知が届いているか確認
特定のチャンネルだけ通知が来ない場合
チャンネル個別の設定が原因の可能性があります。
確認手順:
- 通知が来ないチャンネルを開く
- チャンネル名(画面上部)をクリック
- 「通知」を選択
- 以下を確認:
- 「ミュート」になっていないか
- 「すべての新規メッセージ」または「メンションのみ」が選択されているか
デフォルトに戻す方法:
- 同じメニューで「デフォルト設定を使用」を選択
- これで全体の通知設定が適用されます
Windows 11 24H2アップデート後の問題と対処法
2024年後半から、Windows 11 24H2へのアップデート後、Slack通知に関する問題が報告されています。
発生する問題
症状:
- 通知をクリックしてもSlackアプリが前面に来ない
- アプリがタスクバーで点滅するだけ
- 通知はアクションセンターに届くが、アプリが開かない
原因:
Windows 11 24H2へのアップデート時に、Slackの通知設定が自動的に「Windows Action Center」に変更されてしまうことがあります。
解決方法
この問題は、ビルトイン通知に戻すことで解決できます。
手順:
- Slackアプリを開く
Ctrl + ,で環境設定を開く- 「通知」を選択
- 「通知の配信方法」を確認
- 「Slack’s built-in notifications」に変更
- Slackを再起動
これで通知をクリックしたときに、Slackが正しく前面に表示されるようになります。
Microsoftの対応
この問題はWindowsアップデート時の仕様変更によるものです。
- Microsoftが勝手に設定を変更している
- 今後のアップデートでも同じことが起こる可能性がある
- アップデート後は必ず通知設定を確認しましょう
通知のベストプラクティス
より効果的に通知を活用するための設定方法です。
おすすめの基本設定
通知を受け取るタイミング:
環境設定 > 通知 > 通知の送信
以下を選択:
- ✅ ダイレクトメッセージ、メンション、キーワード
この設定で:
- 自分宛のDMはすべて通知
- チャンネルでメンション(@あなたの名前)されたら通知
- 設定したキーワードが含まれるメッセージで通知
通知スケジュールを設定
業務時間外の通知を自動でオフにできます。
手順:
- 環境設定 > 通知
- 「通知スケジュール」セクション
- 「通知スケジュールを設定」をオン
- 通知を受け取る時間帯を設定(例:平日9:00〜18:00)
- 「通知を一時停止する時間帯を自動的にスキップ」をオン
これで業務時間外は自動的に通知がオフになります。
キーワード通知を活用
自分に関係のあるメッセージを逃さない設定です。
手順:
- 環境設定 > 通知
- 「マイキーワード」セクション
- 「マイキーワードを追加」をクリック
- 通知を受け取りたいキーワードを入力
おすすめキーワード例:
- 自分の名前のバリエーション
- 担当プロジェクト名
- 「緊急」「重要」「至急」
- 自分の部署名
チャンネルごとの通知をカスタマイズ
重要度に応じて通知を設定できます。
設定レベル:
- すべての新規メッセージ
- 重要なプロジェクトチャンネル
- 少人数の作業チャンネル
- メンションのみ
- 大規模なチャンネル
- 情報共有チャンネル
- 通知しない(ミュート)
- 雑談チャンネル
- アーカイブ的なチャンネル
モバイル版Slackの通知設定
スマートフォンでの通知設定も重要です。
デスクトップと別の設定にする
PCで作業中はモバイル通知を減らせます。
手順:
- Slackアプリ(デスクトップ)の環境設定を開く
- 「通知」を選択
- 「モバイル端末に別の設定を使用する」をオン
- モバイルでの通知タイミングを選択:
- デスクトップで非アクティブ状態のとき
- 常に
- なし
推奨設定:
「デスクトップで非アクティブ状態のとき」を選択すると:
- PCでSlackを使用中 → モバイル通知なし
- PCから離れている → モバイルに通知
スマートフォン側の設定
iPhone:
- 「設定」アプリを開く
- 下にスクロールして「Slack」を選択
- 「通知」をタップ
- 「通知を許可」をオン
- 「サウンド」「バッジ」「バナー」をオン
Android:
- 「設定」アプリを開く
- 「アプリと通知」を選択
- 「Slack」を選択
- 「通知」をタップ
- すべての通知カテゴリをオン
よくある質問(FAQ)
Q1. ビルトイン通知とWindows Action Center、どちらを使うべきですか?
A. 以下の場合はビルトイン通知がおすすめです:
- 通知をクリックしてもアプリが前面に来ない問題がある
- 通知の遅延が気になる
- 通知の表示位置を自由に設定したい
- Windows 11 24H2以降を使用している
Windows Action Centerを使うべき場合:
- すべてのアプリの通知を一箇所で管理したい
- Windowsの集中モードと連携したい
- OSの通知履歴機能を使いたい
Q2. ビルトイン通知に変更したら音が鳴らなくなりました
Windowsのサウンド設定を確認してください。
手順:
- Windowsの「設定」→「システム」→「サウンド」
- 「アプリの音量とデバイスの設定」をクリック
- Slackの音量が0%になっていないか確認
- Slackの出力デバイスが正しいか確認
Q3. 通知が何度も繰り返し表示されます
通知音の重複再生の問題である可能性があります。
対処法:
- Slackを完全に終了
- WindowsのタスクマネージャーでSlackプロセスがすべて終了しているか確認
- Slackを再起動
- 通知設定で「サウンドを再生」が一つだけオンになっているか確認
Q4. 「通知の配信方法」の項目が表示されません
考えられる原因:
- Mac版を使用している(Macには選択肢がありません)
- ブラウザ版を使用している(デスクトップアプリが必要)
- 古いバージョンのSlackを使用している
解決策:
- Windows版のSlackデスクトップアプリを最新版にアップデート
- アプリを再インストール
Q5. バッジ通知が表示されません
Windows:
- Slack環境設定 > 通知 > サウンドと外観
- 「Slackのアイコンにバッジを表示して新しいアクティビティを知らせる」をオン
Mac:
- macOSの「システム設定」→「通知」
- Slackを選択
- 「バッジ」をオン
Q6. 通知がまとまって一度に届きます
通知の遅延が発生している可能性があります。
対処法:
- ビルトイン通知に変更する
- Slackを再起動する
- インターネット接続を確認する
- VPNを使用している場合は一時的に無効化してテスト
Q7. 特定のワークスペースだけ通知が来ません
ワークスペースごとに通知設定が異なる可能性があります。
確認手順:
- 画面左上のワークスペース名をクリック
- 別のワークスペースに切り替え
- 各ワークスペースで環境設定を確認
- 通知設定はワークスペース間で共有されません
Q8. Slackが最小化されていると通知が来ません
Slackをバックグラウンドで実行する設定を確認してください。
手順:
- Slack環境設定 > 詳細設定
- 「ウィンドウを閉じたときに通知領域でアプリを実行したままにする」をオン
Q9. 通知プレビューで内容が表示されません
プライバシー設定が原因です。
設定を変更:
- Slack環境設定 > 通知 > サウンドと外観
- 「各通知にメッセージのプレビューを含める」をオン
ただし、機密情報を扱う場合はオフのままにすることをおすすめします。
Q10. 外部モニターを使うと通知音が鳴りません
外部モニターが原因で音声出力に問題が発生することがあります。
対処法:
- Windowsのサウンド設定で出力デバイスを確認
- 一時的に外部モニターを外してテスト
- Slackの通知音の設定を変更してみる
- 音声出力デバイスのドライバーを更新
まとめ:最適な通知設定で快適なSlackライフを
Slackのビルトイン通知について詳しく解説してきました。
この記事の重要ポイント:
- ビルトイン通知とは
- Slack独自の通知配信システム
- Windows Action Centerより遅延が少ない
- 通知クリック時の挙動が安定
- 設定方法
- 環境設定 > 通知 > 通知の配信方法
- 「Slack’s built-in notifications」を選択
- 表示位置もカスタマイズ可能
- Windows 11 24H2問題
- アップデート後は設定を確認
- ビルトイン通知に戻すことで解決
- 今後のアップデートでも注意
- 通知が来ない場合
- Windows/macOS側の設定を確認
- 集中モード/おやすみモードをチェック
- Slackアプリを再起動
- ベストプラクティス
- 通知スケジュールを設定
- キーワード通知を活用
- チャンネルごとにカスタマイズ
推奨設定まとめ:
✅ 通知の配信方法:Slack's built-in notifications
✅ 通知の送信:ダイレクトメッセージ、メンション、キーワード
✅ 通知スケジュール:業務時間のみ
✅ マイキーワード:自分の名前、プロジェクト名など
✅ モバイル:デスクトップで非アクティブ時のみ
適切な通知設定で:
- 重要なメッセージを見逃さない
- 不要な通知に邪魔されない
- 集中して作業できる
- ワークライフバランスが改善する
通知は「多ければ良い」わけではありません。
自分の働き方に合わせて、最適な設定を見つけましょう。
設定後も定期的に見直して、より快適なSlack体験を実現してください!

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