「Slack Botを作ってみたい」「自動化して業務を楽にしたい」と思っていませんか?
Slack Botがあれば、定型的な返信を自動化したり、定期的なリマインダーを送ったり、他のツールと連携して通知を受け取ったりできます。難しそうに見えますが、実は初心者でも簡単に作れるんです。
この記事では、プログラミング経験がない人でも理解できるように、Slack Botの作り方を丁寧に解説していきます。
この記事で分かること
- Slack Botとは何か
- 3つの作成方法とそれぞれの特徴
- プログラミング不要でBotを作る手順
- Pythonを使ったBotの作り方
- Google Apps Script(GAS)を使った作り方
- よくあるトラブルと解決方法
Slack Botとは?できることを知ろう

まず、Slack Botが何なのか、何ができるのかを理解しましょう。
Slack Botってどんなもの?
Slack Botは、Slackの中で自動的に動くプログラムです。人間の代わりにメッセージを送ったり、質問に答えたり、様々な作業を自動化してくれます。
イメージ
あなた:「経費申請の方法は?」
Bot:「経費申請は以下の手順で行ってください...」(自動返信)
まるで優秀なアシスタントが常に待機してくれているような感じですね。
Slack Botでできること
Slack Botを使うと、次のようなことができます。
1. 自動返信
特定のキーワードに対して、自動的に答えを返します。
例
- 「WiFiパスワード」→パスワードを返信
- 「出張申請」→申請方法の説明を返信
- 「会議室予約」→予約サイトのURLを返信
2. 定期的なお知らせ
決まった時間に自動でメッセージを送ります。
例
- 毎朝9時に「おはようございます!今日も頑張りましょう」
- 毎週金曜17時に「タスクの進捗を共有してください」
- 毎月1日に「月報を提出してください」
3. 他のツールからの通知
外部サービスと連携して、重要な情報を通知します。
例
- Googleカレンダーの予定を通知
- GitHubでコードが更新されたら通知
- Trelloでタスクが追加されたら通知
4. インタラクティブな対話
ユーザーの入力に応じて、会話のように応答します。
例
- アンケートを実施
- タスクの作成を支援
- 承認フローの自動化
Slack Botのメリット
業務効率化
同じ質問に何度も答える必要がなくなります。
情報の一元化
重要な通知をSlackに集約できます。
ミス防止
リマインダーで大切な予定を忘れません。
24時間対応
いつでも即座に返答してくれます。
Slack Botを作る3つの方法
Slack Botの作り方は、大きく分けて3つあります。それぞれの特徴を理解して、自分に合った方法を選びましょう。
方法1:標準機能のSlackbotを使う【プログラミング不要】
難易度:★☆☆☆☆(超簡単)
所要時間:5分
プログラミング:不要
Slackには最初から「Slackbot」という機能が搭載されています。これを使えば、プログラミングなしでBotを作れます。
できること
- 特定のキーワードに対する自動返信
- リマインダーの設定
できないこと
- 複雑な処理
- 外部ツールとの連携
- 条件分岐のある応答
向いている人
- プログラミング経験がない
- 簡単な自動返信だけ作りたい
- とにかく今すぐ試したい
方法2:Slack APIを使って自作する
難易度:★★★☆☆(中級)
所要時間:1〜3時間
プログラミング:必要
Slack APIを使って、自分でプログラムを書いてBotを作ります。
できること
- ほぼすべての処理
- 外部ツールとの連携
- 複雑な条件分岐
- データベースとの連携
できないこと
- 特になし(技術力次第)
向いている人
- プログラミングができる
- 自由にカスタマイズしたい
- 複雑な機能を実装したい
主なプログラミング言語
- Python
- JavaScript(Node.js)
- Google Apps Script(GAS)
方法3:外部サービスを使う【プログラミング不要】
難易度:★★☆☆☆(簡単)
所要時間:30分〜1時間
プログラミング:不要
ZapierやMake(旧Integromat)などのノーコードツールを使います。
できること
- 外部ツールとの連携
- 複雑なワークフローの自動化
- 条件分岐
できないこと
- 非常に複雑なロジック
- 独自のアルゴリズム
向いている人
- プログラミングはできないが高度な機能が欲しい
- 複数のツールを連携させたい
- 早く実現したい
主なサービス
- Zapier
- Make(旧Integromat)
- Botpress
【方法1】標準機能で作る超簡単Slack Bot
まずは、最も簡単な方法から試してみましょう。プログラミング不要で、5分で完成します。
ステップ1:Slackbotの設定画面を開く
1. Slackにログイン
ブラウザでSlackにアクセスし、ワークスペースにログインします。
2. ワークスペースの設定を開く
左上のワークスペース名をクリックし、「設定とアドミニストレーション」を選択してください。
3. 「ワークスペースの設定」を選択
メニューから「ワークスペースの設定」をクリックします。
4. 「Slackbot」タブを開く
画面上部のタブから「Slackbot」を選択しましょう。
ステップ2:自動返信を設定する
自動返信を設定する画面が表示されます。
1. 「新しいレスポンスを追加する」をクリック
画面右側にある「+新しいレスポンスを追加する」ボタンを押してください。
2. トリガーとなる言葉を入力
「次の言葉を聞いたとき」の欄に、反応させたいキーワードを入力します。
例: WiFiパスワード、経費申請、会議室予約
3. 返答内容を入力
「Slackbotが答える内容」の欄に、Botが返信する内容を書きます。
例:
WiFiパスワードは「Office2024」です。
※パスワードは月初に変更されます。
4. 「保存する」をクリック
設定を保存すれば完了です。
ステップ3:動作確認
実際に試してみましょう。
1. 任意のチャンネルで試す
generalなど、どのチャンネルでもOKです。
2. キーワードを入力
先ほど設定したキーワード(例:「WiFiパスワード」)を入力して送信します。
3. Botが自動返信
Slackbotが自動的に設定した内容を返信してくれます。
リマインダー機能も使える
Slackbotには、リマインダー機能もあります。
コマンド例
/remind #general "今日はノー残業デーです" at 17:00 every weekday
これで、平日の17時に毎日リマインダーが送信されます。
標準機能の限界
簡単で便利ですが、以下のような制限があります。
できないこと
- キーワード以外の条件での返信
- 外部データの取得
- ユーザーごとに異なる返信
- 複雑な処理
もっと高度なことをしたい場合は、次の方法に進みましょう。
【方法2-1】Slack APIで本格的なBotを作る(準備編)
ここからは、プログラミングを使った本格的なBot作成に入ります。まずは準備から始めましょう。
必要なもの
1. Slackワークスペース
すでに持っていればOK。なければ無料で作成できます。
2. プログラミング環境
- Python 3.6以降
- または、Google Apps Script(ブラウザだけでOK)
3. テキストエディタ
- VS Code
- Atom
- または任意のエディタ
Slack Appを作成する
Botを動かすには、まず「Slack App」を作成する必要があります。
ステップ1:APIページにアクセス
ブラウザで以下のURLにアクセスします。
https://api.slack.com/apps
ステップ2:「Create New App」をクリック
緑色の「Create New App」ボタンを押してください。
ステップ3:作成方法を選択
2つの選択肢が表示されます。
- From scratch:ゼロから作る(初心者向け)
- From an app manifest:設定ファイルから作る(上級者向け)
今回は「From scratch」を選びましょう。
ステップ4:アプリ名とワークスペースを設定
「App Name」にBotの名前を入力します。
例: MyFirstBot、経費申請Bot、お知らせBot
「Pick a workspace to develop your app in」でワークスペースを選択します。
「Create App」ボタンをクリックしてください。
Botに権限を与える
作成したアプリに、必要な権限を設定します。
ステップ1:「OAuth & Permissions」を選択
左側のメニューから「OAuth & Permissions」をクリックします。
ステップ2:スコープ(権限)を追加
下にスクロールして「Scopes」セクションを見つけましょう。
「Bot Token Scopes」の「Add an OAuth Scope」ボタンをクリックします。
基本的な権限
まずは以下の権限を追加してください。
- chat:write:メッセージを送信
- chat:write.public:どのチャンネルにもメッセージ送信
- channels:read:チャンネル情報の読み取り
- channels:join:チャンネルへの参加
必要に応じて、以下も追加できます。
- files:write:ファイルのアップロード
- users:read:ユーザー情報の読み取り
- im:write:ダイレクトメッセージの送信
Botをワークスペースにインストール
ステップ1:画面上部に戻る
「OAuth & Permissions」ページの一番上までスクロールします。
ステップ2:「Install to Workspace」をクリック
「OAuth Tokens for Your Workspace」セクションにある緑のボタンを押してください。
ステップ3:権限を確認して許可
設定した権限が表示されます。内容を確認して「許可する」をクリックしましょう。
ステップ4:トークンをコピー
インストールが完了すると、「Bot User OAuth Token」が表示されます。
これは xoxb- で始まる長い文字列です。
重要:このトークンは絶対に他人に教えないでください! パスワードと同じくらい大切な情報です。
後で使うので、安全な場所にコピーして保存しておきましょう。
チャンネルにBotを追加
ステップ1:Slackでチャンネルを開く
Botをテストしたいチャンネル(例:#bot-test)を開きます。
ステップ2:Botを招待
チャンネルで以下のコマンドを入力します。
/invite @MyFirstBot
(@の後は、あなたのBot名に置き換えてください)
ステップ3:確認
「〇〇さんがMyFirstBotをこのチャンネルに追加しました」と表示されればOKです。
これで準備完了です!
【方法2-2】Pythonで簡単な通知Botを作る

それでは、実際にPythonでBotを作ってみましょう。
Pythonライブラリのインストール
まず、Slackとやり取りするためのライブラリをインストールします。
ターミナルまたはコマンドプロンプトで以下のコマンドを実行してください。
pip install slack-sdk
または
pip3 install slack-sdk
最小限のコード:メッセージを送信
一番シンプルな「メッセージを送信するだけ」のBotを作ってみましょう。
ファイル名:simple_bot.py
from slack_sdk import WebClient
from slack_sdk.errors import SlackApiError
# Botトークンを設定(xoxb-で始まる文字列)
SLACK_BOT_TOKEN = "xoxb-あなたのトークンをここに貼り付け"
# チャンネルID(後で説明します)
CHANNEL_ID = "C01234567"
# Slackクライアントを初期化
client = WebClient(token=SLACK_BOT_TOKEN)
try:
# メッセージを送信
response = client.chat_postMessage(
channel=CHANNEL_ID,
text="こんにちは!これは私の最初のBotです!"
)
print("メッセージが送信されました!")
except SlackApiError as e:
print(f"エラーが発生しました: {e.response['error']}")
チャンネルIDの確認方法
コードの中で必要な「チャンネルID」は、以下の方法で確認できます。
方法1:ブラウザ版Slackで確認
- ブラウザでSlackを開く
- 対象のチャンネルをクリック
- URLを確認:
https://app.slack.com/client/T.../C01234567 - 「C」で始まる部分がチャンネルID
方法2:チャンネル詳細から確認
- チャンネル名を右クリック
- 「チャンネル詳細を表示する」を選択
- 一番下にスクロール
- チャンネルIDが表示される
コードを実行
ファイルを保存したら、ターミナルで実行します。
python simple_bot.py
Slackのチャンネルを確認してください。Botからメッセージが届いているはずです!
環境変数を使ってトークンを安全に管理
トークンをコードに直接書くのは危険です。環境変数を使いましょう。
ステップ1:.envファイルを作成
プロジェクトフォルダに .env という名前のファイルを作ります。
SLACK_BOT_TOKEN=xoxb-あなたのトークン
SLACK_CHANNEL_ID=C01234567
ステップ2:python-dotenvをインストール
pip install python-dotenv
ステップ3:コードを修正
import os
from dotenv import load_dotenv
from slack_sdk import WebClient
# .envファイルから環境変数を読み込む
load_dotenv()
SLACK_BOT_TOKEN = os.getenv("SLACK_BOT_TOKEN")
CHANNEL_ID = os.getenv("SLACK_CHANNEL_ID")
client = WebClient(token=SLACK_BOT_TOKEN)
# 以降は同じ
これで、トークンをGitHubなどに公開してしまう事故を防げます。
【方法2-3】定期的にメッセージを送るBotを作る
毎朝9時に「おはようございます」と言うBotを作ってみましょう。
scheduleライブラリのインストール
pip install schedule
コード例
ファイル名:scheduled_bot.py
import os
import schedule
import time
from dotenv import load_dotenv
from slack_sdk import WebClient
load_dotenv()
SLACK_BOT_TOKEN = os.getenv("SLACK_BOT_TOKEN")
CHANNEL_ID = os.getenv("SLACK_CHANNEL_ID")
client = WebClient(token=SLACK_BOT_TOKEN)
def send_morning_message():
"""朝のメッセージを送信"""
try:
client.chat_postMessage(
channel=CHANNEL_ID,
text="おはようございます!今日も頑張りましょう☀️"
)
print("朝のメッセージを送信しました")
except Exception as e:
print(f"エラー: {e}")
# 毎日9時に実行
schedule.every().day.at("09:00").do(send_morning_message)
print("Botが起動しました。毎朝9時にメッセージを送信します。")
# 無限ループで実行
while True:
schedule.run_pending()
time.sleep(60) # 1分ごとにチェック
実行方法
python scheduled_bot.py
このスクリプトは起動し続ける必要があります。停止すると、メッセージは送信されません。
サーバーで常時起動させる方法
オプション1:クラウドサーバーを使う
- AWS EC2
- Google Cloud Platform
- Heroku(無料プランあり)
オプション2:自宅のパソコンで常時起動
- ただし、パソコンの電源を切ると止まります
オプション3:cronジョブを使う
- LinuxやMacなら、cronで定期実行できます
【方法2-4】Google Apps Script(GAS)で作る
プログラミング初心者には、Google Apps Script(GAS)もおすすめです。ブラウザだけで完結します。
GASとは?
Googleが提供する無料のプログラミング環境です。JavaScriptを使います。
メリット
- ブラウザだけで開発できる
- サーバー不要
- 無料で使える
- Googleサービスと連携しやすい
Webhook URLを取得
GASからSlackにメッセージを送るには、Webhook URLが必要です。
ステップ1:Slack APIページに戻るhttps://api.slack.com/apps にアクセスし、作成したアプリを選択します。
ステップ2:「Incoming Webhooks」を選択
左メニューから「Incoming Webhooks」をクリックしてください。
ステップ3:Webhookを有効化
「Activate Incoming Webhooks」をONにします。
ステップ4:「Add New Webhook to Workspace」をクリック
下にスクロールして、このボタンを押します。
ステップ5:チャンネルを選択
メッセージを送信したいチャンネルを選び、「許可する」をクリックしましょう。
ステップ6:Webhook URLをコピー
表示されたWebhook URL(https://hooks.slack.com/services/... で始まる)をコピーします。
GASでコードを書く
ステップ1:Google Apps Scriptを開く
- Googleドライブを開く
- 「新規」→「その他」→「Google Apps Script」を選択
ステップ2:コードを貼り付け
function sendToSlack() {
// Webhook URLを設定
const webhookUrl = "https://hooks.slack.com/services/あなたのWebhook URL";
// 送信するメッセージ
const message = {
"text": "GASからのテストメッセージです!"
};
// リクエストのオプション
const options = {
"method": "post",
"contentType": "application/json",
"payload": JSON.stringify(message)
};
// Slackに送信
try {
UrlFetchApp.fetch(webhookUrl, options);
Logger.log("メッセージを送信しました");
} catch (e) {
Logger.log("エラー: " + e);
}
}
ステップ3:保存して実行
- フロッピーディスクアイコンで保存
- 「sendToSlack」関数が選ばれていることを確認
- 実行ボタン(▶)をクリック
- 初回は権限の許可を求められるので、許可する
Slackにメッセージが届いていれば成功です!
トリガーで定期実行
GASは、定期実行も簡単に設定できます。
ステップ1:トリガーを追加
- 左メニューの「時計」アイコンをクリック
- 右下の「トリガーを追加」ボタンを押す
ステップ2:設定
- 実行する関数:sendToSlack
- イベントのソース:時間主導型
- 時間ベースのトリガーのタイプ:日付ベースのタイマー
- 時刻:9時〜10時(など、好きな時間)
ステップ3:保存
「保存」をクリックすれば、毎日自動実行されます。
メッセージに反応するインタラクティブなBotを作る
これまでは一方的にメッセージを送るだけでしたが、ユーザーのメッセージに反応するBotも作れます。
Events APIを使う
ユーザーのメッセージを受け取るには、Events APIを設定します。
注意: これには公開されたURL(サーバー)が必要です。初心者には少し難しいかもしれません。
Socket Modeを使う(推奨)
Socket Modeなら、サーバー不要でイベントを受け取れます。
ステップ1:Socket Modeを有効化
- Slack APIページでアプリを選択
- 「Socket Mode」をクリック
- 「Enable Socket Mode」をONにする
- トークン名を入力(例:socket-token)
- 表示されたトークンをコピー(xapp-で始まる)
ステップ2:イベントを登録
- 「Event Subscriptions」をクリック
- 「Enable Events」をONにする
- 「Subscribe to bot events」で以下を追加:
- app_mention:Botがメンションされたとき
- message.channels:チャンネルのメッセージ
ステップ3:再インストール
設定を変更したら、アプリを再インストールする必要があります。
Pythonでイベントに反応するBotを作る
ライブラリのインストール
pip install slack-bolt
コード例
import os
from dotenv import load_dotenv
from slack_bolt import App
from slack_bolt.adapter.socket_mode import SocketModeHandler
load_dotenv()
# トークンを設定
app = App(token=os.getenv("SLACK_BOT_TOKEN"))
# Botがメンションされたときの処理
@app.event("app_mention")
def handle_mention(event, say):
user = event["user"]
text = event["text"]
# メンションに返信
say(f"<@{user}>さん、呼びましたか?\nあなたのメッセージ:{text}")
# メッセージが投稿されたときの処理
@app.message("こんにちは")
def handle_hello(message, say):
say("こんにちは!お元気ですか?😊")
# Botを起動
if __name__ == "__main__":
handler = SocketModeHandler(app, os.getenv("SLACK_APP_TOKEN"))
print("⚡️ Botが起動しました")
handler.start()
.envファイルに追加
SLACK_BOT_TOKEN=xoxb-...
SLACK_APP_TOKEN=xapp-...
これで、Botがメンションに反応したり、特定のキーワードに応答したりします!
よくあるトラブルと解決方法

Botを作っていると、いくつか問題に遭遇することがあります。代表的なトラブルと解決策をまとめました。
トラブル1:「invalid_auth」エラー
症状
Error: invalid_auth
原因
トークンが間違っているか、期限切れです。
解決方法
- トークンを再確認
- コピーミスがないかチェック
- Slack APIページで新しいトークンを取得
トラブル2:「channel_not_found」エラー
症状
Error: channel_not_found
原因
- チャンネルIDが間違っている
- Botがそのチャンネルに参加していない
解決方法
- チャンネルIDを再確認
/invite @BotNameでBotをチャンネルに招待
トラブル3:「missing_scope」エラー
症状
Error: missing_scope
原因
必要な権限(スコープ)が設定されていません。
解決方法
- 「OAuth & Permissions」を開く
- 必要な権限を追加
- アプリを再インストール
トラブル4:メッセージが届かない
症状
エラーは出ないが、Slackにメッセージが表示されない
確認ポイント
- チャンネルIDは正しいか
- Botは対象チャンネルに参加しているか
- トークンは有効か
- インターネット接続は問題ないか
トラブル5:Pythonスクリプトが停止する
症状
定期実行のスクリプトが途中で止まる
解決方法
- try-except でエラー処理を追加
- ログを残して、どこで止まったか確認
- サーバーの自動再起動を設定
よくある質問(FAQ)
Q1:プログラミング未経験でもBotは作れますか?
A:はい、標準機能やノーコードツールなら可能です。
プログラミング不要の方法:
- Slackの標準Slackbot機能
- Zapier、Makeなどのノーコードツール
- Botpressなどの Bot ビルダー
プログラミングを学ぶなら、PythonかJavaScriptがおすすめです。
Q2:無料でBotを動かし続けられますか?
A:条件付きで可能です。
無料で使える方法
- Google Apps Script(月の実行時間に制限あり)
- Heroku無料プラン(2022年に終了)
- 自分のパソコンで常時起動
有料だが安い方法
- AWS EC2(月5〜10ドル程度)
- DigitalOcean(月5ドル〜)
- Railway(月5ドル〜)
Q3:どのプログラミング言語が一番おすすめですか?
A:初心者ならPython、Web経験者ならJavaScriptです。
Python
- 文法がシンプル
- 学習資料が豊富
- AI・機械学習にも使える
JavaScript(Node.js)
- Web開発の知識が活かせる
- 非同期処理が得意
- npm に豊富なライブラリ
Google Apps Script
- ブラウザだけで完結
- Googleサービスと連携しやすい
- サーバー不要
Q4:Botのトークンを間違って公開してしまいました。どうすればいいですか?
A:すぐにトークンを無効化してください。
手順
- Slack APIページにアクセス
- 該当するアプリを選択
- 「OAuth & Permissions」を開く
- 「Revoke」ボタンでトークンを無効化
- 新しいトークンを発行
- コード内のトークンを更新
Q5:複数のワークスペースで同じBotを使えますか?
A:はい、アプリを配布すれば可能です。
手順
- Slack APIページでアプリを選択
- 「Manage Distribution」を開く
- チェックリストを完了
- 「Activate Public Distribution」をON
- 共有可能なリンクを取得
他のワークスペースの管理者がそのリンクからインストールできます。
Q6:Botが応答しないときはどうすればいいですか?
A:以下の点を確認してください。
チェックリスト
- [ ] Botはチャンネルに参加しているか
- [ ] 必要な権限(スコープ)は設定されているか
- [ ] トークンは正しいか
- [ ] プログラムは起動しているか(定期実行の場合)
- [ ] エラーログを確認したか
Q7:ChatGPTのようなAIをBotに組み込めますか?
A:はい、APIを使えば可能です。
OpenAI APIを使って、ChatGPTをSlack Botに統合できます。
必要なもの
- OpenAI APIキー(有料)
- PythonまたはNode.jsの知識
- Slack APIの知識
注意点
- OpenAI APIは従量課金(使った分だけ支払い)
- セキュリティに注意(機密情報を送らない)
Q8:Botのアイコンや名前は変更できますか?
A:はい、簡単に変更できます。
手順
- Slack APIページでアプリを選択
- 「Basic Information」を開く
- 「Display Information」セクションで変更
- App名
- アイコン画像
- 説明文
- 「Save Changes」をクリック
Q9:Botが勝手にメッセージを送りすぎるのを防ぐには?
A:レート制限を実装しましょう。
Python の例
import time
# 最後に送信した時間を記録
last_sent = 0
def send_with_limit(message):
global last_sent
current_time = time.time()
# 前回から10秒以内なら送信しない
if current_time - last_sent < 10:
print("送信を制限しました")
return
# メッセージ送信
client.chat_postMessage(...)
last_sent = current_time
Q10:Botの動作テストはどこですればいいですか?
A:専用のテストチャンネルを作りましょう。
推奨
#bot-testという名前のチャンネルを作成- 自分だけが参加(またはテストメンバーのみ)
- そこで自由にテスト
- 問題なければ本番チャンネルに導入
まとめ:Slack Botで業務を効率化しよう
この記事では、Slack Botの作り方を3つの方法で解説してきました。最後に、重要なポイントをおさらいしましょう。
3つの作成方法
方法1:標準機能のSlackbot
- プログラミング不要
- 5分で完成
- 簡単な自動返信とリマインダー
方法2:Slack APIで自作
- プログラミング必要(Python、JavaScript、GAS)
- 高度な機能を実現可能
- 完全にカスタマイズできる
方法3:外部サービス
- プログラミング不要
- ノーコードで高度な機能
- 複数ツールの連携が簡単
初心者におすすめの進め方
ステップ1:標準機能で試す(5分)
まずは簡単な自動返信を設定してみましょう。
ステップ2:GASで基本を学ぶ(1時間)
プログラミングの基礎を学びながら、Webhookを使ってみます。
ステップ3:Pythonで本格的に(数時間〜数日)
より複雑な処理や、外部APIとの連携にチャレンジしてみましょう。
Bot作成のコツ
小さく始める
最初から完璧を目指さず、シンプルな機能から始めましょう。
エラーを恐れない
エラーは学習のチャンス。エラーメッセージをよく読んで対処しましょう。
コミュニティを活用
分からないことは、Stack OverflowやQiita、技術ブログで調べましょう。
セキュリティに注意
トークンは絶対に公開しないでください。
Slack Botでできること
- 繰り返し作業の自動化
- 情報の一元化と通知
- チーム内コミュニケーションの活性化
- 外部ツールとの連携
- データ収集と分析
さらに学びたい人へ
公式ドキュメント
- Slack API Documentation: https://api.slack.com/
- Bolt SDK(Python): https://slack.dev/bolt-python/
- Bolt SDK(JavaScript): https://slack.dev/bolt-js/
学習リソース
- Qiita(日本語の技術記事)
- freeCodeCamp(英語の詳しいチュートリアル)
- YouTube(動画で学ぶ)
Slack Botを作ることで、プログラミングスキルも向上し、業務も効率化できます。ぜひチャレンジしてみてください!
最初は難しく感じるかもしれませんが、一つずつ進めていけば必ず作れます。この記事が、あなたの最初の一歩の助けになれば幸いです。
それでは、楽しいBot開発ライフを!


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