sigファイル完全ガイド|メール署名とデジタル署名の開き方・使い方

プログラミング・IT

パソコンで「.sig」という拡張子のファイルを見かけたけど、ダブルクリックしても開けない…そんな経験はありませんか?

実は、sigファイルには大きく分けて2つの全く異なる使い道があります。それぞれ開き方も使い方も違うので、まずは自分が扱っているsigファイルがどちらのタイプなのかを知ることが大切です。

この記事では、sigファイルの種類と特徴、それぞれの開き方や作り方まで、初心者の方にもわかりやすく解説します。

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sigファイルの2つの主な種類

sigファイルには、主に以下の2種類があります。

1. メール署名ファイル(Signature File)

最も一般的なsigファイルがこのタイプです。

メール署名ファイルは、メールの最後に自動的に追加される「署名」を保存したテキストファイルです。ビジネスメールで見かける、送信者の名前や会社名、連絡先などが書かれた部分が、このsigファイルとして保存されています。

毎回手入力する手間を省くために使われます。

2. デジタル署名ファイル(Digital Signature)

もう一つは、セキュリティ目的で使われるデジタル署名ファイルです。

こちらは、ソフトウェアやファイルが改ざんされていないことを証明するための暗号化されたファイルです。オープンソースソフトウェアをダウンロードしたときに、一緒に「○○.sig」というファイルがついてくることがあります。

これは「このファイルは本物で、ダウンロード中に誰かに書き換えられていませんよ」と証明するための署名です。

メール署名ファイルの使い方

まずは、最も一般的なメール署名ファイルについて詳しく見ていきましょう。

メール署名ファイルとは

メール署名ファイルは、シンプルなテキストファイルです。中身はこんな感じになっています。

山田太郎
株式会社○○商事
営業部 課長
〒123-4567 東京都○○区○○1-2-3
TEL: 03-1234-5678
Email: yamada@example.com

このファイルを作っておけば、メールを送るたびに署名が自動的に追加されます。

対応しているメールソフト

以下のメールソフトでsigファイルが使えます。

  • Microsoft Outlook(最も一般的)
  • Outlook Express(古いバージョンのWindows付属)
  • Eudora(かつて人気だったメールソフト)
  • Thunderbird(Mozillaが提供するメールソフト)

現在では、OutlookやGmailなど、多くのメールソフトが署名機能を標準で持っているため、わざわざsigファイルを作る必要は減っています。

メール署名ファイルの開き方

メール署名ファイルは、ただのテキストファイルなので、以下の方法で開けます。

Windowsの場合

  1. sigファイルを右クリック
  2. 「プログラムから開く」を選択
  3. 「メモ帳」または「メモ帳++」を選択

Macの場合

  1. sigファイルを右クリック
  2. 「このアプリケーションで開く」を選択
  3. 「テキストエディット」を選択

基本的には、メモ帳やテキストエディタで開くだけです。とてもシンプルですね。

メール署名ファイルの作り方

自分でsigファイルを作ることもできます。

作成手順

  1. メモ帳(Windowsの場合)またはテキストエディット(Macの場合)を開く
  2. 署名に含めたい情報を入力する
  3. 「名前を付けて保存」を選択
  4. ファイル名を「signature.sig」のように設定(拡張子は.sig)
  5. ファイルの種類を「すべてのファイル」に変更して保存

署名に含める内容の例

ビジネス用:

鈴木花子
ABC株式会社
企画開発部 マネージャー
〒100-0001 東京都千代田区○○1-2-3
TEL: 03-1234-5678 / FAX: 03-1234-5679
Mobile: 090-1234-5678
Email: hanako.suzuki@abc-corp.com
Website: https://www.abc-corp.com

カジュアル用:

田中健
Email: ken.tanaka@example.com
Blog: https://ken-blog.com
「人生は一度きり、楽しもう!」

Outlookでの署名設定方法

現在のOutlookでは、sigファイルを直接インポートする機能はありませんが、署名を簡単に設定できます。

手順

  1. Outlookを開く
  2. 「ファイル」→「オプション」→「メール」を選択
  3. 「署名」ボタンをクリック
  4. 「新規作成」をクリックして署名を作成
  5. テキストボックスに署名の内容を入力
  6. 「OK」をクリック

この方法で作った署名は、自動的に保存されます。

デジタル署名ファイルの使い方

次に、セキュリティ目的で使われるデジタル署名ファイルについて解説します。

デジタル署名とは

デジタル署名は、ファイルの真正性を証明するための暗号化された情報です。

例えば、オープンソースソフトウェアの開発者が、自分が作ったプログラムに対してデジタル署名を作成すると、ユーザーは以下のことを確認できます。

  • このファイルは本当に開発者が作ったものか(偽物ではないか)
  • ダウンロード中に誰かに改ざんされていないか

ウイルスやマルウェアが混入していないかを確認する重要な手段なんです。

PGP/GPGとは

デジタル署名を作成・検証するのに使われるのが、PGP(Pretty Good Privacy)またはGPG(GNU Privacy Guard)という暗号化ツールです。

GPGは無料で使えるオープンソースソフトウェアで、LinuxやWindows、Macで利用できます。

デジタル署名ファイルの種類

デジタル署名には、大きく分けて2つの形式があります。

1. 分離署名(Detached Signature)

最も一般的な形式です。

元のファイルとは別に、署名だけを含む.sigファイルが作られます。ファイルサイズは小さく(通常500~600バイト程度)、元のファイルと署名ファイルの両方が必要です。

例:

  • software-1.0.zip(本体ファイル)
  • software-1.0.zip.sig(署名ファイル)

2. 埋め込み署名(Embedded Signature)

元のファイルと署名が一緒になった形式です。

拡張子は.gpg.ascになることが多く、ファイルサイズは元のファイルと同じくらいになります。

デジタル署名ファイルの開き方(検証方法)

デジタル署名ファイルは「開く」のではなく、「検証する」ものです。

必要なもの

  • 検証したい本体ファイル(例:software.zip)
  • 署名ファイル(例:software.zip.sig)
  • GPG(暗号化ツール)
  • 開発者の公開鍵

Windowsでの検証手順

1. GPG4Winをインストール

  1. GPG4Winの公式サイトにアクセス
  2. インストーラーをダウンロードして実行
  3. インストールウィザードに従ってインストール

2. 開発者の公開鍵を入手

ソフトウェアの公式サイトから、開発者の公開鍵をダウンロードします。通常は「PGP Public Key」などの名前で提供されています。

3. 公開鍵をインポート

コマンドプロンプトを開いて、以下のコマンドを実行します。

gpg --import 公開鍵のファイル名.asc

4. 署名を検証

本体ファイルと署名ファイルを同じフォルダに置いて、以下のコマンドを実行します。

gpg --verify software.zip.sig software.zip

「Good signature」と表示されれば、ファイルは正規のものであることが確認できます。

Linuxでの検証手順

Linuxの多くのディストリビューションには、GPGが最初からインストールされています。

1. GPGがインストールされているか確認

gpg --version

2. 公開鍵をインポート

gpg --import 公開鍵のファイル名.asc

3. 署名を検証

gpg --verify software.zip.sig software.zip

結果が「Good signature」と表示されれば、検証成功です。

Macでの検証手順

Macでは、GPGをHomebrewなどでインストールできます。

1. Homebrewをインストール(まだの場合)

ターミナルを開いて、以下を実行します。

/bin/bash -c "$(curl -fsSL https://raw.githubusercontent.com/Homebrew/install/HEAD/install.sh)"

2. GPGをインストール

brew install gnupg

3. 以降の手順はLinuxと同じ

公開鍵のインポートと署名の検証方法は、Linuxと同じコマンドで行えます。

検証結果の見方

GPGの検証結果には、以下のようなメッセージが表示されます。

成功した場合

gpg: Signature made 2024年12月01日 10時30分00秒
gpg: Good signature from "開発者名 <email@example.com>"

「Good signature」と表示されれば、ファイルは正規のものです。

失敗した場合

gpg: BAD signature from "開発者名 <email@example.com>"

「BAD signature」と表示された場合、ファイルが改ざんされている可能性があります。このファイルは使用しないでください。

警告メッセージ

gpg: WARNING: This key is not certified with a trusted signature!
gpg: There is no indication that the signature belongs to the owner.

これは、公開鍵に「信頼」のマークを付けていないという警告です。「Good signature」の後にこの警告が出ても、署名自体は正しいので問題ありません。

その他のsigファイルの種類

実は、sigファイルには他にも以下のような用途があります。

Microsoft OneNoteの署名データ

OneNoteで作成したデジタルノートの署名情報を保存するファイルです。通常はOneNoteが自動的に管理するので、手動で開く必要はありません。

Broderbund Print Shopのサインファイル

「The Print Shop」や「PrintMaster」といった印刷デザインソフトで作成された、ポスターやサインのデザインファイルです。これらのソフトでのみ開くことができます。

Duxbury点字翻訳ソフトの画像ファイル

点字翻訳ソフト「Duxbury Braille Translator」で使用される画像ファイル形式です。専門的な用途に限られます。

sigファイルが開けないときの対処法

sigファイルが開けない場合は、以下の手順で確認してみましょう。

1. ファイルの種類を確認

まず、そのsigファイルがどの種類なのかを判断します。

メール署名ファイルの場合:

  • ファイルサイズが数KB以下
  • メールソフトと一緒に見つかった
  • 中身はテキストのはず

デジタル署名ファイルの場合:

  • ソフトウェアのダウンロードと一緒に入手
  • 同じ名前の本体ファイルがある(例:software.zip と software.zip.sig)
  • ファイルサイズは通常500~600バイト程度

2. 適切なツールを使う

メール署名ファイル:

  • メモ帳やテキストエディタで開く
  • 特別なソフトは不要

デジタル署名ファイル:

  • GPGをインストールして検証する
  • ダブルクリックでは開けない

3. ファイルが破損していないか確認

ファイルを再ダウンロードしてみましょう。ダウンロードが途中で中断されていると、正しく開けないことがあります。

4. ウイルススキャンを実行

万が一、ファイルがウイルスに感染している可能性もあります。ウイルス対策ソフトでスキャンしてから開きましょう。

よくある質問(FAQ)

Q1. sigファイルをダブルクリックしても何も起こりません

A. sigファイルは、種類によって開き方が異なります。メール署名ファイルなら右クリックして「プログラムから開く」でメモ帳を選択してください。デジタル署名ファイルの場合は、GPGコマンドで検証する必要があります。

Q2. Outlookで使うために、sigファイルをインポートできますか?

A. 現在のOutlookは、sigファイルを直接インポートする機能を持っていません。しかし、sigファイルをメモ帳で開いて内容をコピーし、Outlookの署名設定画面に貼り付けることで使えます。

Q3. デジタル署名ファイルの検証は必須ですか?

A. 必須ではありませんが、強く推奨されます。特にセキュリティソフトやシステム関連のソフトウェアをダウンロードした場合は、必ず検証しましょう。改ざんされたファイルを実行すると、ウイルスに感染する危険があります。

Q4. 「Good signature」と表示されたのに警告が出ます

A. 「This key is not certified with a trusted signature」という警告は、あなたがその公開鍵に「信頼」のマークを付けていないという意味です。署名自体は正しいので、基本的には問題ありません。

Q5. 自分でデジタル署名ファイルを作れますか?

A. はい、GPGを使えば誰でも作成できます。コマンドは以下の通りです。

gpg --detach-sign ファイル名

これで「ファイル名.sig」という署名ファイルが作成されます。

まとめ:sigファイルは2種類、用途に応じて使い分けよう

sigファイルには、大きく分けて以下の2つの用途があります。

1. メール署名ファイル

  • メールの最後に自動追加される署名を保存
  • メモ帳やテキストエディタで簡単に開ける
  • 現在はメールソフトの標準機能で十分なことが多い

2. デジタル署名ファイル

  • ソフトウェアの真正性を証明するセキュリティファイル
  • GPGを使って検証する
  • 改ざん検出のために重要

自分が扱っているsigファイルがどちらのタイプなのかを見極めて、適切な方法で開きましょう。

特にデジタル署名ファイルは、セキュリティを守るための大切なツールです。ソフトウェアをダウンロードしたときに署名ファイルがあれば、面倒でも検証することをおすすめします。

安全で快適なパソコンライフをお過ごしください!

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