SharePointをエクスプローラーで使う理由

SharePointはブラウザ上で操作するのが基本ですが、普段使い慣れたWindowsのエクスプローラーで操作したいと感じることがあります。
ブラウザでの操作は便利な反面、いくつかの不便さもあります。
たとえば、ファイルを開くたびにブラウザが起動したり、ドラッグ&ドロップでの操作がしづらかったりします。
エクスプローラーで開けば、従来のファイルサーバーと同じ感覚でSharePointを利用できます。
複数のファイルをまとめて移動したり、普段使っているアプリから直接保存したりすることが可能になるのです。
エクスプローラーで開く3つの方法
SharePointをエクスプローラーで利用する方法は、主に3つあります。
それぞれ特徴が異なるため、用途に応じて使い分けましょう。
同期機能を使う(推奨)
OneDrive同期アプリを使ってSharePointとエクスプローラーを同期させる方法です。
これが最も推奨される方法で、日常的な利用に適しています。
メリット:
- オフラインでもファイルにアクセス可能
- 自動的に双方向同期
- ファイルオンデマンドでPC容量を節約
- 高速で信頼性が高い
- すべてのデバイスで利用可能
デメリット:
- 特定のデバイスに紐づく設定
- 初回同期に時間がかかる場合がある
同期したファイルは、エクスプローラーの組織名フォルダ(ビルのアイコン)の下に表示されます。
OneDriveショートカットを追加
OneDriveの「マイファイル」にSharePointフォルダへのショートカットを作成する方法です。
メリット:
- すべてのデバイスからアクセス可能
- 同期機能より高パフォーマンス
- セットアップが簡単
- 複数デバイス間で自動的に利用可能
デメリット:
- 同期機能に比べて若干機能が限定的
Microsoftは、可能な場合はこの方法を推奨しています。
エクスプローラーで表示(非推奨)
一時的にエクスプローラーでSharePointを開く従来の方法です。
重要な注意:
この方法は現在非推奨となっており、Microsoftは使用を推奨していません。
代わりに「同期」または「ショートカットの追加」を使用してください。
制限事項:
- モダンUIでは既定で非表示
- Microsoft Edge(通常モード)では動作しない
- Internet Explorer 11でのみ完全対応
- 一時的なアクセスのみ(フォルダを閉じると接続が切れる)
- 遅く信頼性が低い
特別な理由がない限り、この方法は使用しないことをおすすめします。
同期機能の設定手順
最も推奨される「同期」機能の具体的な設定方法を解説します。
基本的な同期設定
手順:
- ブラウザでSharePointサイトを開く
- 同期したいドキュメントライブラリに移動
- 画面上部の「同期」ボタンをクリック
- ボタンが見つからない場合は「…」メニューの中を確認
- 「Microsoft OneDriveを開きますか?」と表示されたら「開く」をクリック
- OneDriveにサインインしてファイルの同期を開始
- 「OneDriveのセットアップを完了する」画面が表示されたら完了
初回セットアップ時は、OneDriveアプリのインストールが必要な場合があります。
同期状態の確認
同期が完了すると、エクスプローラーに変化が現れます。
確認方法:
- エクスプローラーを開く
- 左側のナビゲーションペインを確認
- 個人用の「OneDrive」とは別に、組織名(ビルのアイコン)が表示される
- その配下に同期したSharePointフォルダが表示される
たとえば組織名が「Contoso」の場合、「Contoso」という名前のフォルダが表示されます。
複数のライブラリを同期
異なるSharePointサイトやライブラリを複数同期することも可能です。
注意点:
同期はライブラリ単位で行われます。
サイト全体やテナント全体を一度に同期することはできません。
手順:
- 最初のライブラリを同期
- 別のライブラリに移動
- そのライブラリでも「同期」ボタンをクリック
- 各ライブラリが個別のフォルダとして表示される
必要なライブラリだけを選択して同期できるため、効率的です。
ファイルオンデマンドでPC容量を節約
「同期したら膨大なデータでPCの容量がなくなる」という心配は不要です。
ファイルオンデマンドとは
ファイルオンデマンドは、ファイルの実体をダウンロードせずにエクスプローラーで表示できる機能です。
実際にファイルを開いた時だけダウンロードされるため、数TBのデータがあってもPC容量を圧迫しません。
この機能により、大規模なSharePoint環境でも安心して同期できます。
ファイルの状態アイコン
エクスプローラーでは、各ファイルの横にアイコンが表示されます。
青い雲マーク(オンラインのみ):
- ファイルはクラウド上にのみ存在
- PCのストレージを使用していない
- 開くときにダウンロードされる
緑のチェックマーク(このデバイス上で常に保持):
- ファイルの実体がPC内にダウンロード済み
- オフラインでも開ける
- ストレージ容量を使用
白い雲に緑の枠(ローカルで利用可能):
- 最近開いたファイル
- 一時的にPCに保存されている
通常は青い雲マークのまま使用し、必要なファイルだけを「常に保持」に変更します。
ファイルの状態を変更する方法
オフラインで使えるようにする:
- ファイルまたはフォルダを右クリック
- 「このデバイス上で常に保持する」を選択
- アイコンが緑のチェックマークに変わる
容量を解放する:
- ファイルまたはフォルダを右クリック
- 「空き領域を増やす」を選択
- アイコンが青い雲マークに変わる
ファイル自体は削除されず、クラウド上に残ります。
ファイルオンデマンドの有効化
Windows 11やmacOS 12.1以降では、ファイルオンデマンドは既定で有効です。
手動で有効化する手順(必要な場合):
- タスクバーの青いOneDriveアイコンをクリック
- 歯車アイコン(設定)をクリック
- 「設定」を選択
- 「ファイルオンデマンド」タブを開く
- 「容量を節約し、ファイルを使用するときにダウンロード」にチェック
この設定により、すべての同期フォルダでファイルオンデマンドが機能します。
OneDriveショートカットの追加方法
もう一つの推奨方法である、ショートカット追加の手順を説明します。
ショートカット追加の手順
手順:
- ブラウザでSharePointサイトを開く
- ショートカットを作成したいライブラリに移動
- 「OneDriveへのショートカットの追加」ボタンをクリック
- 「マイファイル」に新しいショートカットが追加されたことを確認
ショートカットは、OneDriveフォルダ内に表示されます。
同期とショートカットの違い
両方ともエクスプローラーでSharePointを利用できますが、保存場所が異なります。
同期:
- エクスプローラーの組織名フォルダ(ビルのアイコン)下に表示
- ファイルサーバーのような独立した場所
- 従来のファイルサーバーからの移行に最適
ショートカット:
- OneDriveフォルダ内に表示
- 個人用OneDriveと同じ場所
- すべてのデバイスで自動的に利用可能
どちらを使うかは好みですが、Microsoftはショートカット方式をより推奨しています。
ショートカット使用時の注意点
ショートカットと同期を併用すると、混乱を招く可能性があります。
避けるべき状況:
- 同じライブラリに対してショートカットと同期の両方を設定
- ライブラリの一部フォルダだけショートカットを作成してから全体を同期
基本的には、一つのライブラリに対しては一つの方法を選択しましょう。
同期されたファイルの操作方法
エクスプローラーで同期したファイルは、通常のファイルと同じように扱えます。
ファイルを開く
方法1:
ファイルをダブルクリック
方法2:
ファイルを選択してEnterキーを押す
ファイルはデフォルトのアプリケーションで開きます。
WordやExcelなど、Office アプリから直接編集すると自動的にSharePointに同期されます。
ファイルのコピーと移動
エクスプローラーの標準操作がそのまま使えます。
コピー:
- ファイルを選択
- Ctrl + C を押す
- コピー先フォルダで Ctrl + V を押す
移動:
- ファイルを選択
- Ctrl + X を押す
- 移動先フォルダで Ctrl + V を押す
ドラッグ&ドロップ:
ファイルを目的のフォルダにドラッグするだけでもOKです。
すべての変更は自動的にSharePointに同期されます。
ファイルの削除
削除方法:
- ファイルを選択
- Delete キーを押す
- 確認画面で「はい」をクリック
重要な注意:
エクスプローラーで「オンラインのみ」ファイルを削除すると、SharePointからも完全に削除されます。
ごみ箱から復元する場合は、ブラウザでSharePointまたはOneDriveを開いて操作する必要があります。
ファイルの追加
方法1: ファイルをコピー
ローカルファイルを同期フォルダにコピーまたは移動
方法2: ドラッグ&ドロップ
エクスプローラーの同期フォルダにファイルをドラッグ
方法3: アプリから直接保存
WordやExcelなどから、同期フォルダを保存先に指定
いずれの方法でも、ファイルは自動的にSharePointにアップロードされます。
同期の管理と設定
OneDrive同期アプリの各種設定を理解しておくと便利です。
同期状態の確認
手順:
- タスクバー右下の青いOneDriveアイコンをクリック
- アイコンが見えない場合は、隠れたアイコンを表示する矢印をクリック
- 同期状態が表示される
- 「ファイルは最新の状態です」
- 「○個のファイルを同期中」など
同期に問題がある場合は、ここにエラーメッセージが表示されます。
同期するフォルダの変更
一度同期を設定した後でも、同期するフォルダを変更できます。
手順:
- OneDriveアイコンをクリック
- 歯車アイコン(設定)→「設定」を選択
- 「アカウント」タブを開く
- 「フォルダーの選択」をクリック
- 同期したいフォルダにチェックを入れる
- 「OK」をクリック
この方法で、必要なフォルダだけを選択的に同期できます。
同期の停止
特定のライブラリの同期を停止する方法です。
重要:
エクスプローラーでフォルダを削除するのではなく、OneDrive設定から停止してください。
手順:
- OneDriveアイコンをクリック
- 歯車アイコン→「設定」を選択
- 「アカウント」タブを開く
- 同期を停止したいフォルダを見つける
- 「同期の停止」をクリック
- 確認画面で「同期を停止」をクリック
同期を停止してもSharePoint上のファイルは削除されません。
同期の推奨制限
Microsoftは、同期するファイル数に推奨上限を設けています。
推奨制限:
- 1つのライブラリあたり30万ファイル以下
この制限を超えると、同期の動作が極端に遅くなるなどのパフォーマンス低下が発生します。
大規模なライブラリを同期する場合は、フォルダ構成の見直しを検討しましょう。
エクスプローラーで表示(従来の方法)

非推奨ですが、特定の状況で必要になる場合もあるため、簡単に説明します。
利用可能な環境
対応ブラウザ:
- Internet Explorer 11
- Microsoft Edge(Internet Explorerモード有効時のみ)
非対応ブラウザ:
- Microsoft Edge(通常モード)
- Google Chrome
- Mozilla Firefox
- Safari
モダンブラウザでは、この機能は既定で無効化されています。
使用方法(参考)
手順:
- Internet ExplorerでSharePointサイトを開く
- ドキュメントライブラリに移動
- クラシックUIに切り替え(必要な場合)
- リボンの「ライブラリ」タブをクリック
- 「エクスプローラーで開く」を選択
一時的なエクスプローラーウィンドウが開きます。
なぜ非推奨なのか:
- 同期機能より遅く信頼性が低い
- セキュリティリスク(ActiveX使用)
- 一時的な接続のみ
- 多くの制限事項
代替手段が利用できる場合は、必ず同期またはショートカットを使用してください。
トラブルシューティング
SharePointとエクスプローラーの接続で問題が発生した場合の対処法です。
同期ボタンが表示されない
原因:
権限不足、またはライブラリの設定
対処法:
- そのライブラリへのアクセス権限があることを確認
- サイト管理者に連絡して同期が許可されているか確認
- 別のブラウザで試してみる
一部の組織では、セキュリティポリシーにより同期が無効化されている場合があります。
OneDriveアプリが起動しない
原因:
OneDriveアプリが正しくインストールされていない
対処法:
- Windows検索で「OneDrive」を検索
- アプリが見つからない場合はインストール
- Microsoftの公式サイトからダウンロード
- インストール後、組織アカウントでサインイン
OneDriveアプリは、Windows 10/11には標準でインストールされています。
同期が遅い、または止まる
原因:
ネットワーク速度、ファイル数、ファイルサイズ
対処法:
- インターネット接続を確認
- VPNを使用している場合は一時的に無効化してテスト
- OneDriveアイコンから同期状態を確認
- エラーがあれば内容を確認して対処
- 大量のファイルを同期する場合は、時間を置いて待つ
初回同期は特に時間がかかります。
数千、数万のファイルがある場合、数時間から1日以上かかることもあります。
エクスプローラーで表示できない(従来の方法)
原因1: SharePointが信頼済みサイトに登録されていない
対処法:
- Internet Explorerを開く
- 歯車アイコン→「インターネットオプション」
- 「セキュリティ」タブを選択
- 「信頼済みサイト」→「サイト」をクリック
- SharePointのURLを入力して「追加」
- 例: https://contoso.sharepoint.com
- OneDrive: https://contoso-my.sharepoint.com
- 「OK」で閉じる
原因2: WebClientサービスが起動していない
対処法(Windows 11の場合):
- スタートメニューで「サービス」を検索
- 「サービス」アプリを開く
- 「WebClient」を探す
- 状態が「実行中」でない場合、右クリックして「開始」
- スタートアップの種類が「無効」の場合は「自動」に変更
WebClientサービスは、WebDAV接続に必要なWindows標準サービスです。
原因3: ActiveXがブロックされている
対処法:
- Internet Explorerの「ツール」→「インターネットオプション」
- 「詳細設定」タブを選択
- 「ActiveX フィルターを有効にする」のチェックを外す
- 「OK」をクリックして再起動
ActiveXは古い技術のため、セキュリティ上推奨されません。
これも「エクスプローラーで表示」が非推奨となっている理由の一つです。
ファイルが見つからない
原因:
権限設定、同期の遅延
対処法:
- ブラウザでSharePointを開いて該当ファイルが存在するか確認
- そのファイルへのアクセス権限があるか確認
- OneDriveの同期状態を確認
- 同期を一時停止してから再開
- エクスプローラーでF5キーを押して更新
SharePointの権限設定は、エクスプローラーでも完全に適用されます。
アクセスできないファイルは表示されません。
オフラインで編集した際の競合
問題:
オフラインで編集したファイルを、他のユーザーも同時に編集していた
対処法:
- OneDrive同期アプリが競合を検知
- 両方のバージョンが保存される
- 元のファイル: 他のユーザーの変更
- コピー: 自分の変更(「○○のPC」という名前が付く)
- 手動で内容を統合
- 不要なバージョンを削除
競合を避けるため、重要なファイルはオフライン編集前に確認することをおすすめします。
Mac版での利用方法
MacでもSharePointをFinderで利用できます。
Mac版OneDriveのインストール
手順:
- App StoreまたはMicrosoftの公式サイトからOneDriveをダウンロード
- インストール後、組織アカウントでサインイン
- 同期設定を完了
macOS 12.1以降では、ファイルオンデマンドが自動的に有効化されます。
Finderでの表示
同期設定後、FinderにSharePointフォルダが表示されます。
場所:
Finderのサイドバー→組織名→同期したライブラリ
操作方法はWindowsのエクスプローラーとほぼ同じです。
エクスプローラー利用のベストプラクティス
効果的にSharePointをエクスプローラーで活用するためのコツです。
必要なライブラリだけ同期
すべてのSharePointサイトを同期する必要はありません。
推奨:
- 日常的に使うライブラリのみ同期
- アクセス頻度の低いライブラリはブラウザで利用
- プロジェクト完了後は同期を停止
無駄な同期を避けることで、パフォーマンスが向上します。
ファイルオンデマンドを活用
すべてのファイルをダウンロードする必要はありません。
推奨:
- 基本は「オンラインのみ」で運用
- 頻繁に使うファイルだけ「常に保持」
- プロジェクト完了後は「空き領域を増やす」
この運用により、数TBの環境でも快適に利用できます。
オフライン作業の注意
オフラインで作業する場合は、事前準備が重要です。
推奨:
- オフライン作業前に必要ファイルを「常に保持」に設定
- 重要なファイルは他のユーザーが編集していないか確認
- オンライン復帰後、すぐに同期状態を確認
競合を避けるため、可能な限りオンラインで作業しましょう。
定期的な同期の見直し
プロジェクトの進行に応じて、同期設定を見直します。
推奨:
- 月に1回程度、同期フォルダを確認
- 不要になったライブラリの同期を停止
- 新しく参加したプロジェクトのライブラリを追加
整理された同期設定が、快適な利用につながります。
まとめ
SharePointをエクスプローラーで利用することで、作業効率が大幅に向上します。
重要なポイント:
- 推奨方法は「同期」または「OneDriveショートカット」の2つ
- 「エクスプローラーで表示」は非推奨
- ファイルオンデマンドでPC容量を節約
- オフラインでも作業可能
- Mac版でも同様の機能が利用可能
選択の目安:
| 状況 | 推奨方法 |
|---|---|
| 日常的に使う | 同期 |
| 複数デバイスで利用 | OneDriveショートカット |
| オフライン作業が多い | 同期 + 常に保持 |
| 一時的なアクセス | ブラウザで利用 |
SharePointの同期機能を活用すれば、クラウドの利便性とローカルファイルの使いやすさを両立できます。
まずは普段よく使うライブラリから同期を試してみて、徐々に利用範囲を広げていきましょう。
ファイルオンデマンドを有効にしておけば、容量を気にせず安心して同期できます。

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