SharePointで「エクスプローラーで開く」ボタンをクリックしても何も起こらない。
エラーメッセージが表示されて接続できない。
このような問題に直面していませんか?
本記事では、SharePointのエクスプローラー表示機能が動作しない問題を、原因別に詳しく解説し、具体的な解決方法を紹介します。
よくあるエラーメッセージ
SharePointのエクスプローラー機能で表示される代表的なエラーメッセージは以下の通りです。
「お使いのクライアントでは、このリストをエクスプローラーで開くことはできません」
ブラウザやシステム環境がエクスプローラー表示に対応していない場合に表示されます。
「エクスプローラーでこの場所を開く際に問題が発生しています。このWebサイトを信頼済みサイトの一覧に追加し、もう一度やり直してください」
SharePointサイトが信頼済みサイトに登録されていない場合に表示されます。
「エクスプローラーでこの場所を開く際に問題が発生しています。エクスプローラーで開く場合は、このサイトを信頼済みサイトの一覧に追加し、SharePoint Onlineサイトにサインインするときに『サインインを維持する』チェックボックスをオンにします」
認証情報が正しく保持されていない場合に表示されます。
「エクスプローラーでこのライブラリを開く際に問題が発生しました。このライブラリを同期すると、より良いエクスペリエンスが得られます」
Microsoftが推奨するOneDrive同期機能への移行を促すメッセージです。
ボタンをクリックしても何も起こらない
WebClientサービスの問題やブラウザの互換性問題が原因の場合があります。
原因1:ブラウザの互換性問題
「エクスプローラーで開く」機能は、使用できるブラウザが限られています。
対応ブラウザ
Internet Explorer 11のみ完全対応
Internet Explorer 11が唯一完全にサポートされているブラウザです。
ただし、2022年6月にMicrosoft 365のサポートが終了しています。
Microsoft Edge(IEモード使用時)
EdgeでもInternet Explorer互換モードを有効にすれば使用可能です。
ただし、追加の設定が必要です。
Google Chrome、Firefox、Safari は非対応
これらのブラウザでは「エクスプローラーで開く」機能は使用できません。
ActiveX コントロールに依存しているため、対応していないブラウザでは動作しません。
解決方法:Internet Explorerの使用
Windows 10または11でInternet Explorerを起動する方法は以下の通りです。
- スタートメニューを開く
- Windowsキーを押します
- Internet Explorerを検索
- 検索ボックスに「Internet Explorer」と入力します
- 見つからない場合は、Windowsの機能でInternet Explorerを有効化する必要があります
- SharePointサイトにアクセス
- Internet Explorerが起動したら、SharePointサイトを開きます
- 「エクスプローラーで開く」ボタンが利用可能になります
解決方法:Microsoft EdgeのIEモード設定
EdgeでInternet Explorer互換モードを使用する手順を説明します。
- Edgeの設定を開く
- Microsoft Edgeを起動します
- 右上の三点リーダー(…)をクリックします
- 「設定」を選択します
- 既定のブラウザー設定に移動
- 左側のメニューから「既定のブラウザー」をクリックします
- Internet Explorer互換性を設定
- 「Internet Explorerモードでサイトを再読み込みを許可する」をオンにします
- SharePointサイトをページに追加
- SharePointサイトを開いた状態で、アドレスバーの右側にあるアイコンをクリックします
- 「Internet Explorerモードでページを開く」を選択します
- または、設定から直接SharePointサイトのURLを追加します
- 設定を確認
- edge://policy/ にアクセスします
- ポリシーが正しく適用されているか確認します
- 確認するにはEdgeを再起動する必要がある場合があります
注意点
EdgeのIEモードは、Active Directoryドメインに参加しているデバイスでのみ完全に機能します。
企業環境では、管理者によるグループポリシー設定が必要な場合があります。
原因2:WebClientサービスの問題
WebClientサービスが停止または無効になっていると、エクスプローラー表示機能は動作しません。
WebClientサービスとは
WebClientサービスは、WindowsでWebDAVプロトコルを使用してリモートファイルにアクセスするために必要なサービスです。
SharePointのエクスプローラー表示機能は、このサービスに依存しています。
解決方法:WebClientサービスの確認と起動
Windows 11での手順を説明します(Windows 10でも同様の手順です)。
- サービス管理ツールを開く
- Windowsキー + Rを押します
- 「services.msc」と入力してEnterキーを押します
- WebClientサービスを探す
- サービス一覧から「WebClient」を探します
- アルファベット順に並んでいます
- サービスの状態を確認
- 「状態」列が空欄または「停止」になっている場合、サービスが実行されていません
- 「スタートアップの種類」が「無効」になっている場合も問題です
- サービスを有効化して起動
- 「WebClient」を右クリックします
- 「プロパティ」を選択します
- 「スタートアップの種類」を「自動」または「手動」に変更します
- 「適用」をクリックします
- 「サービスの状態」セクションで「開始」をクリックします
- 「OK」をクリックして閉じます
- 設定を確認
- サービス一覧で「WebClient」の状態が「実行中」になっていることを確認します
トラブルシューティング
サービスが開始できない場合は、以下を確認してください。
- Windowsが最新の状態に更新されているか確認します
- 他のサービスとの依存関係を確認します
- イベントビューアーでエラーログを確認します
原因3:信頼済みサイトの設定
SharePointサイトが信頼済みサイトに登録されていないと、セキュリティ制限により接続できません。
解決方法:信頼済みサイトへの追加
Internet Explorerで信頼済みサイトに追加する手順を説明します。
- インターネットオプションを開く
- Internet Explorerを起動します
- 右上の歯車アイコン(ツール)をクリックします
- 「インターネットオプション」を選択します
- セキュリティタブに移動
- 「セキュリティ」タブをクリックします
- 信頼済みサイトを選択
- 「信頼済みサイト」のアイコンをクリックします
- 「サイト」ボタンをクリックします
- SharePointサイトを追加
- 「この Web サイトをゾーンに追加する」欄に、SharePointサイトのURLを入力します
- 例:https://組織名.sharepoint.com
- 「追加」をクリックします
- HTTPSの要件を確認
- 「このゾーンのサイトにはすべてサーバーの確認(https:)を必要とする」のチェックを確認します
- SharePointはHTTPSを使用するため、このチェックは通常オンのままで問題ありません
- 設定を保存
- 「閉じる」をクリックします
- インターネットオプションで「OK」をクリックします
Microsoft Edge(IEモード)での信頼済みサイト設定
EdgeのIEモードでも、Internet Explorerの信頼済みサイト設定が適用されます。
上記の手順で設定を行ってください。
原因4:認証・サインインの問題
SharePointへの認証が正しく維持されていないと、エクスプローラー表示が失敗します。
解決方法:「サインインしたまま処理を続ける」の有効化
正しくサインインする手順を説明します。
- 現在のセッションからサインアウト
- SharePointサイトにアクセスします
- 右上のユーザーアイコンをクリックします
- 「サインアウト」を選択します
- ブラウザを完全に閉じる
- すべてのブラウザウィンドウを閉じます
- これにより、セッション情報がクリアされます
- 再度サインイン
- ブラウザを起動します
- Microsoft 365ポータル(portal.office.com)にアクセスします
- サインイン画面で、「サインインしたまま処理を続ける」のチェックボックスを必ずオンにします
- これが最も重要なステップです
- SharePointサイトにアクセス
- サインイン後、SharePointサイトを開きます
- 「エクスプローラーで開く」を試してみます
解決方法:永続的なCookieの設定(管理者向け)
SharePoint管理者は、PowerShellを使用して永続的なCookieを有効化できます。
Connect-SPOService -Url https://組織名-admin.sharepoint.com
Set-SPOTenant -UsePersistentCookiesForExplorerView $true
この設定を有効にすると、ユーザーが「エクスプローラーで開く」を選択したときにダイアログが表示されます。
「個人用のコンピューターです」を選択すると、永続的なCookieが保存され、「サインインしたまま処理を続ける」を選択する必要がなくなります。
注意点
この機能は個人用コンピューターでのみ使用してください。
共有または公共のコンピューターでは使用しないでください。
原因5:64ビット版の互換性問題
64ビット版Internet Explorerと64ビット版Officeの組み合わせでは、「エクスプローラーで開く」機能が動作しません。
解決方法:32ビット版Internet Explorerの使用
Windows 64ビット版には、32ビット版と64ビット版の両方のInternet Explorerがインストールされています。
- 32ビット版Internet Explorerを起動
- エクスプローラーで以下のパスに移動します
- C:\Program Files (x86)\Internet Explorer\iexplore.exe
- このファイルをダブルクリックして起動します
- デスクトップショートカットを作成
- 上記のファイルを右クリックします
- 「送る」→「デスクトップ(ショートカットを作成)」を選択します
- 今後はこのショートカットから32ビット版IEを起動できます
- 既定のブラウザとして設定しない
- 32ビット版IEは「エクスプローラーで開く」専用として使用します
- 通常のブラウジングには、EdgeやChromeを使用してください
原因6:認証トークンの期限切れ
SharePoint OnlineのWebDAV接続で使用される認証トークンには期限があります。
保持時間は8〜10時間程度とされています。
症状
朝一番でSharePointにアクセスすると、「エクスプローラーで開く」が動作しないことがあります。
前日の終業時から時間が経過し、認証トークンの有効期限が切れているためです。
解決方法:ブラウザのキャッシュとCookieのクリア
EdgeのIEモード用のキャッシュとCookieをクリアします。
- Edgeのキャッシュクリア
- Microsoft Edgeを起動します
- Ctrl + Shift + Deleteキーを同時に押します
- 「閲覧データをクリア」ウィンドウが開きます
- クリアするデータを選択
- 「Cookieおよびその他のサイトデータ」にチェックを入れます
- 「キャッシュされた画像とファイル」にチェックを入れます
- 時間範囲は「すべて」を選択します
- データをクリア
- 「今すぐクリア」をクリックします
- 処理が完了するまで待ちます
- ブラウザを再起動
- Edgeを完全に閉じます
- 再度起動してSharePointにアクセスします
解決方法:PowerShellスクリプトでの自動化
毎朝のキャッシュクリアを自動化したい場合、PowerShellスクリプトを使用できます。
# Edge IE互換モードのクッキー削除スクリプト
Write-Host "クッキーを削除中..." -ForegroundColor Cyan
Start-Process "RunDll32.exe" -ArgumentList "InetCpl.cpl,ClearMyTracksByProcess 2" -Wait -WindowStyle Hidden
Write-Host "一時ファイルを削除中..." -ForegroundColor Cyan
Start-Process "RunDll32.exe" -ArgumentList "InetCpl.cpl,ClearMyTracksByProcess 4" -Wait -WindowStyle Hidden
Write-Host "完了しました" -ForegroundColor Green
このスクリプトを.ps1ファイルとして保存し、必要に応じて実行してください。
原因7:Internet Explorerのドキュメントモード
Internet ExplorerやEdgeのIEモードで使用されるドキュメントモードが新しすぎると、「エクスプローラーで開く」ボタンが反応しないことがあります。
解決方法:ドキュメントモードの変更
開発者ツールを使用してドキュメントモードを変更します。
- SharePointサイトを開く
- Internet ExplorerまたはEdge(IEモード)でSharePointサイトにアクセスします
- 開発者ツールを起動
- F12キーを押します
- 開発者ツールパネルが画面下部または側面に表示されます
- エミュレーション設定を開く
- 開発者ツール内の「エミュレーション」タブをクリックします
- または「ツール」→「エミュレーション」を選択します
- ドキュメントモードを変更
- 「ドキュメントモード」のドロップダウンを開きます
- 「10」または「7」を選択します
- 注意:開発者ツールを閉じないでください
- エクスプローラーで開くを試す
- 開発者ツールを開いたまま、「エクスプローラーで開く」をクリックします
- 正常に動作するか確認します
注意点
この方法は一時的な回避策です。
SharePointサイト全体のドキュメントモードを恒久的に変更するには、サーバー側の設定変更が必要です。
代替手段:OneDrive同期機能
「エクスプローラーで開く」機能がどうしても動作しない場合、Microsoftが推奨するOneDrive同期機能を使用することをお勧めします。
OneDrive同期のメリット
安定性が高い
WebDAV接続よりも安定しており、認証トークンの期限切れなどの問題が発生しません。
オフライン作業が可能
ファイルがローカルに同期されるため、インターネット接続がなくても作業できます。
自動同期
変更が自動的にSharePointに反映されます。
すべてのブラウザで利用可能
ブラウザの種類に関係なく、OneDrive同期アプリを使用できます。
OneDrive同期の設定手順
- SharePointライブラリを開く
- 任意のブラウザ(Chrome、Edge等)でSharePointサイトにアクセスします
- 同期ボタンをクリック
- ドキュメントライブラリの上部にある「同期」ボタンをクリックします
- OneDriveアプリを開く
- 「このサイトはMicrosoft OneDriveを開こうとしています」というメッセージが表示されます
- 「開く」をクリックします
- 同期設定を確認
- OneDrive同期アプリが起動します
- 同期するフォルダーを選択する画面が表示される場合があります
- エクスプローラーで確認
- Windowsエクスプローラーを開きます
- 左側のナビゲーションに組織名のフォルダーが表示されます
- 同期したSharePointライブラリがその中にあります
状況別の推奨対処法
問題の状況に応じて、以下の対処法を試してください。
状況1:ボタンがグレーアウトしている
原因
使用しているブラウザが対応していません。
対処法
- Internet Explorer 11(32ビット版)を使用します
- EdgeのIEモードを設定します
- OneDrive同期機能に切り替えます
状況2:ボタンをクリックしても反応しない
原因
WebClientサービスが停止しているか、ドキュメントモードの問題です。
対処法
- WebClientサービスを確認して起動します
- F12キーで開発者ツールを開き、ドキュメントモードを10または7に変更します
- ブラウザのキャッシュとCookieをクリアします
状況3:エラーメッセージが表示される
原因
信頼済みサイトの設定、または認証の問題です。
対処法
- SharePointサイトを信頼済みサイトに追加します
- 「サインインしたまま処理を続ける」にチェックを入れてサインインし直します
- ブラウザを完全に閉じてから再度試します
状況4:朝一番だけ接続できない
原因
認証トークンの有効期限が切れています。
対処法
- ブラウザのキャッシュとCookieをクリアします
- SharePointサイトに再度サインインします
- 永続的なCookieを有効化するよう管理者に依頼します
状況5:企業の管理PCで設定変更できない
原因
グループポリシーやセキュリティ制限により、一部の設定が変更できません。
対処法
- IT部門に問い合わせて、必要な設定変更を依頼します
- OneDrive同期機能の利用許可を申請します
- 代替として、ファイルのダウンロード/アップロード機能を使用します
最終的な推奨事項
「エクスプローラーで開く」機能は、Internet Explorerのサポート終了に伴い、将来的に完全に廃止される可能性があります。
長期的な解決策
OneDrive同期への移行
Microsoftが公式に推奨している方法です。
安定性が高く、機能も豊富です。
ファイルオンデマンド機能の活用
OneDrive同期では、ファイルオンデマンド機能により、ローカルストレージを消費せずにすべてのファイルにアクセスできます。
SharePointモバイルアプリの検討
モバイルデバイスからのアクセスには、SharePointモバイルアプリが便利です。
組織での対応
IT部門は以下の対応を検討してください。
- OneDrive同期クライアントの全社展開
- ユーザー教育とマニュアルの整備
- 旧来の「エクスプローラーで開く」機能からの段階的移行
- セキュリティポリシーの見直し(ローカル同期の許可範囲など)
まとめ
SharePointの「エクスプローラーで開く」機能が動作しない問題には、複数の原因があります。
主な原因
- ブラウザの互換性(Chrome、Firefox、Safari は非対応)
- WebClientサービスの停止
- 信頼済みサイトの未設定
- 認証情報の問題
- 64ビット版の互換性問題
- 認証トークンの期限切れ
- ドキュメントモードの問題
推奨される対処の順序
- 使用しているブラウザを確認(Internet Explorer 11または EdgeのIEモード)
- WebClientサービスの状態を確認
- 信頼済みサイトへの登録を確認
- 「サインインしたまま処理を続ける」でサインイン
- 32ビット版Internet Explorerの使用
長期的な解決策
OneDrive同期機能への移行をお勧めします。
「エクスプローラーで開く」よりも安定性が高く、オフライン作業にも対応しています。
トラブルシューティングを試しても解決しない場合は、IT部門やシステム管理者に相談してください。
組織のセキュリティポリシーや特殊な設定が影響している可能性があります。

コメント