製品を購入したとき、保証書やサポートに問い合わせる際に「シリアルナンバーを教えてください」と言われたことはありませんか?
「シリアルナンバーって何?」「どこに書いてあるの?」と困った経験がある方も多いはず。実はこの番号、製品の管理や保証、修理など、さまざまな場面で非常に重要な役割を果たしています。
今回は、シリアルナンバーとは何か、なぜ必要なのか、どうやって確認するのかまで、詳しく解説していきます。
シリアルナンバーとは

シリアルナンバー(Serial Number)は、日本語で「製造番号」または「個体識別番号」と呼ばれる、製品ごとに割り当てられた固有の番号です。
基本的な特徴:
- 製品1台1台に異なる番号が付けられている
- 同じ型番の製品でも、シリアルナンバーは異なる
- アルファベットと数字の組み合わせが一般的
- 製品の「個人番号」のようなもの
「シリアル」の意味
「Serial(シリアル)」は英語で「連続した」「通しの」という意味です。つまり、シリアルナンバーは「通し番号」のことを指します。
略記:
- S/N
- Ser.No.
- Ser
- Serial No.
製造番号との関係
シリアルナンバーと製造番号は、基本的に同じものです。
- メーカーによっては「製造番号」と表記
- 別のメーカーでは「シリアル番号」と表記
- 意味は同じで、製品を識別するための固有番号
シリアルナンバーの目的と用途
なぜ製品にシリアルナンバーが必要なのでしょうか。
1. 製品の個体識別
同じ型番の製品でも、個別の製品を特定するために使われます。
具体例:
iPhone 15 Proという型番は同じでも、あなたが持っているiPhoneとお店に並んでいるiPhone、それぞれ異なるシリアルナンバーが付いています。
2. 保証管理
製品登録や保証サービスを受ける際に必要です。
使用場面:
- 製品をメーカーに登録するとき
- 保証期間内かどうか確認するとき
- 修理や交換を依頼するとき
3. 所有者の管理
メーカーが「誰がどの製品を持っているか」を管理するために使います。
メリット:
- リコール対象かどうか通知できる
- 盗難品かどうか確認できる
- サポート履歴を管理できる
4. 品質管理とトレーサビリティ
製品がいつ、どこで、どのラインで製造されたかを追跡できます。
重要な場面:
- 不具合が発生したとき、同じ時期に作られた製品を特定
- リコールの対象範囲を正確に把握
- 製造工程の改善に活用
5. 偽造品の防止
正規品かどうかを確認するために使われます。
チェック方法:
メーカーの公式サイトでシリアルナンバーを入力すると、正規品かどうか確認できる場合があります。
6. 盗難品の追跡
スマートフォンやパソコンなどが盗まれた場合、シリアルナンバーで追跡できることがあります。
IMEI番号(スマホの場合):
特にスマートフォンの場合、IMEI番号(製造番号の一種)が警察や通信事業者によって追跡に使われます。
シリアルナンバーの確認方法

製品の種類によって、シリアルナンバーの確認方法は異なります。
パソコン(Windows)の確認方法
方法1: 本体のラベルを確認
ノートパソコン:
- 本体底面のシールに記載
- バッテリーを外した内側
- 液晶画面の裏側
デスクトップパソコン:
- 本体背面または側面のシール
- ケースを開けた内部
方法2: Windowsの設定から確認
- 「設定」を開く
- 「システム」→「バージョン情報」
- 「デバイスの仕様」に表示される場合がある
方法3: コマンドプロンプトで確認
- Windowsキー + Rを押す
- 「cmd」と入力してEnter
- 以下のコマンドを入力してEnter
wmic bios get serialnumber
または
wmic csproduct get identifyingnumber
Mac(macOS)の確認方法
方法1: システム情報から確認
- 画面左上のAppleメニューをクリック
- 「このMacについて」を選択
- シリアル番号が表示される
方法2: 本体で確認
- MacBook: 本体底面に刻印またはシール
- iMac: スタンド裏側または背面
- Mac mini: 底面
iPhone/iPadの確認方法
方法1: 設定アプリから確認
- 「設定」アプリを開く
- 「一般」をタップ
- 「情報」をタップ
- 「シリアル番号」に表示される
方法2: 本体で確認
- iPhone 6s以降: SIMトレイを引き出した内側
- iPad: 背面に刻印
方法3: 箱で確認
購入時の箱のバーコード付近に記載
Androidスマホ・タブレットの確認方法
方法1: 設定から確認
- 「設定」アプリを開く
- 「デバイス情報」または「端末情報」をタップ
- 「シリアル番号」または「製造番号」を確認
注意:
メーカーによって表示項目名が異なります。
方法2: 本体で確認
- 背面に印字
- バッテリーカバーを外した内側
- SIMトレイ内
プリンター・複合機の確認方法
確認場所:
- 本体正面、背面、側面のラベル
- カバーを開けた内側
- トナー・インクカートリッジの取り出し口付近
カメラの確認方法
デジタルカメラ:
- 本体底面
- バッテリー収納部
- 設定メニュー内
家電製品の確認方法
一般的な確認場所:
- 本体背面の銘板(金属プレート)
- 底面のシール
- 製品内部(カバーを開けた場所)
- 保証書
シリアルナンバーと他の番号の違い
製品にはシリアルナンバー以外にも、さまざまな番号が記載されています。
型番・モデル番号
型番(Model Number):
- 製品の種類を示す番号
- 同じ型番の製品は多数存在する
- デザインや仕様を識別
例:
- iPhone 15 Pro
- VAIO VGN-FW90S
シリアルナンバーとの違い:
型番は製品のモデルを示し、シリアルナンバーは個別の製品を示します。
IMEI番号(スマートフォン)
IMEI(International Mobile Equipment Identity):
- 携帯電話・スマートフォン専用の識別番号
- 15桁の数字
- 国際的な規格
確認方法:
電話アプリで「*#06#」と入力すると表示される
用途:
- 端末の追跡
- ネットワーク利用制限の確認
- 盗難届の際に必要
ロット番号
ロット番号:
- 同じ時期に製造された製品群に付けられる番号
- 食品、医薬品などでよく使われる
- 個別の製品ではなく、生産単位を識別
シリアルナンバーとの違い:
ロット番号は複数の製品に共通、シリアルナンバーは1製品に1つ
プロダクトキー(ソフトウェア)
プロダクトキー:
- ソフトウェアのライセンスを証明する番号
- インストール時に必要
- 製品本体のシリアルナンバーとは別
例:
WindowsやMicrosoft Officeのライセンスキー
シリアルナンバーの重要性

シリアルナンバーが重要な理由を詳しく見ていきましょう。
1. 修理・サポートを受けるために必須
メーカーのサポートに問い合わせる際、ほぼ必ずシリアルナンバーを聞かれます。
理由:
- 製品の製造時期を特定
- 保証期間内かどうか確認
- 過去の修理履歴を照会
- 適切な対応方法を判断
2. リコール対象かどうか確認
製品にリコールが発生した場合、シリアルナンバーで対象製品かどうか判断します。
具体例:
「シリアルナンバー○○~××の製品が対象です」という告知
3. 中古売買での価値証明
中古品を売買する際、正規品であることの証明になります。
買取査定時:
- シリアルナンバーで製品の真贋を確認
- 盗難品データベースと照合
- 保証期間の残りを確認
4. 盗難・紛失時の届け出
製品が盗まれたり失くしたりした場合、警察への届け出に必要です。
スマートフォンの場合:
IMEI番号を警察に届け出ると、悪用を防げる可能性があります。
5. 保険請求
製品保険に加入している場合、保険請求時にシリアルナンバーが必要です。
シリアルナンバーに関するセキュリティ
シリアルナンバーは重要な情報ですが、扱いには注意が必要です。
公開するリスク
注意すべき点:
- SNSやインターネット上で公開しない
- 中古販売時の写真に写り込ませない
- 他人と共有しない
リスク:
- 第三者が保証サービスを不正利用
- 盗難品として偽装される可能性
- なりすまし被害
安全な取り扱い方法
記録方法:
- スマホで写真を撮って保存
- パスワード管理アプリに記録
- 購入時のレシートと一緒に保管
控えておくべき場所:
- 製品保証書のコピー
- クラウドストレージ(非公開設定)
- 家計簿アプリの製品登録機能
個人情報との関連
シリアルナンバー自体は個人情報ではありませんが、製品登録と紐付けることで所有者が特定できます。
注意:
メーカーに製品登録している場合、シリアルナンバーから個人情報にアクセスされる可能性があります。
シリアルナンバーが見つからない場合
シリアルナンバーが確認できない場合の対処法を紹介します。
1. 複数の場所を確認
製品によっては、複数箇所にシリアルナンバーが記載されています。
確認箇所:
- 本体(表面、裏面、側面、底面)
- カバーを開けた内側
- バッテリー収納部
- 箱や付属品
- 保証書
- 取扱説明書
2. 製品登録を確認
過去にメーカーのウェブサイトで製品登録をしている場合、マイページから確認できます。
確認方法:
- メーカーの公式サイトにログイン
- 「マイページ」や「登録製品」を開く
- シリアルナンバーが表示される
3. 購入履歴を確認
オンラインショップで購入した場合、注文履歴にシリアルナンバーが記載されている場合があります。
4. レシート・領収書を確認
購入時のレシートや領収書に記載されていることがあります。
5. メーカーに問い合わせ
どうしても見つからない場合は、メーカーのサポートに問い合わせましょう。
必要な情報:
- 型番
- 購入日
- 購入店舗
- 製品の特徴(色、容量など)
よくある質問
シリアルナンバーについてよくある疑問に答えます。
Q1: シリアルナンバーと製造番号は同じ?
はい、同じものです。メーカーによって呼び方が異なるだけで、製品を識別する固有の番号という点では同じです。
Q2: 同じシリアルナンバーの製品は存在する?
いいえ、原則として存在しません。シリアルナンバーは製品1台1台に固有の番号が割り当てられます。
Q3: シリアルナンバーから製造日がわかる?
メーカーによっては可能です。シリアルナンバーの一部に製造年月を表す情報が含まれている場合があります。ただし、一般には公開されていません。
Q4: シリアルナンバーを失くしたらどうなる?
製品自体にシリアルナンバーは刻印されているので、「失くす」ことはありません。ただし、控えを取っていない場合は、本体から再度確認する必要があります。
Q5: 中古品を買ったらシリアルナンバーを登録し直すべき?
はい、可能であれば登録し直すことをおすすめします。所有者情報を更新しておくと、サポートや保証がスムーズになります。
Q6: シリアルナンバーは変更できる?
いいえ、変更できません。製造時に割り当てられた番号は、その製品が存在する限り変わりません。
Q7: 保証書にシリアルナンバーが書かれていないけど大丈夫?
製品本体に記載されていれば問題ありません。保証書は紛失する可能性があるため、本体の番号が正式なものとして扱われます。
トラブル時の対処法
シリアルナンバーに関連するトラブルと解決方法を紹介します。
シールが剥がれて読めない
対処法:
- 斜めから光を当てて確認
- 写真を撮って拡大
- 箱や保証書を確認
- 製品登録サイトで確認
- メーカーに問い合わせ
本体に記載がない
理由:
- 製品登録時のみ必要な製品もある
- 内部のみに記載されている場合がある
対処法:
- 取扱説明書で確認方法をチェック
- メーカーのFAQを確認
- サポートに問い合わせ
シリアルナンバーが認識されない
原因:
- 入力ミス(0とO、1とIの間違いなど)
- 製品登録サイトの不具合
- 偽造品の可能性
対処法:
- もう一度慎重に入力
- 大文字・小文字を確認
- 時間をおいて再試行
- メーカーに確認
まとめ
シリアルナンバーについて重要なポイントをまとめます。
シリアルナンバーとは:
- 製品ごとに割り当てられた固有の識別番号
- 製造番号とも呼ばれる
- 英語の略称はS/N
主な用途:
- 製品の個体識別
- 保証管理
- 修理・サポート受付
- リコール対象の特定
- 盗難品の追跡
- 偽造品の防止
確認方法:
- 製品本体のラベル・シール
- 設定画面・システム情報
- 保証書
- 購入時の箱
- コマンドプロンプト(PC)
重要性:
- 修理やサポートを受けるために必須
- リコール対象かどうか確認できる
- 中古売買での価値証明
- 盗難・紛失時の届け出に必要
セキュリティ:
- インターネット上で公開しない
- 写真を撮って安全に保管
- 他人と共有しない
覚えておくべきこと:
- 製品購入時にシリアルナンバーを記録
- 保証書と一緒に保管
- 中古で購入した場合は所有者登録を変更
- 紛失・盗難時は警察に届け出る際に必要
シリアルナンバーは、製品を適切に管理し、トラブル時にスムーズに対応するための重要な情報です。普段はあまり意識しない番号かもしれませんが、いざという時のために確認方法と保管場所を把握しておきましょう。
製品を購入したら、すぐにシリアルナンバーを写真に撮って保存しておく習慣を付けると、後々役立ちます。


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