SDカードの選び方完全ガイド|種類・容量・速度クラスを分かりやすく解説

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「SDカードって、どれを選べばいいの?」「容量だけ見ればいいんじゃないの?」

デジカメ、スマホ、ドライブレコーダー、Nintendo Switch…。SDカードはさまざまな機器で使われていますが、パッケージにはたくさんの数字や記号が書かれていて、どれを選べばいいか迷ってしまいますよね。

実は、SDカードは容量だけでなく、速度や規格の違いによって、向き不向きがあります。用途に合わないカードを買ってしまうと、「動画撮影が途中で止まる」「ゲームが遅い」なんてトラブルも。

この記事では、SDカードの基本から選び方のポイント、用途別のおすすめまで、初心者でも失敗しないための情報を分かりやすく解説します。

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SDカードとは

SDカードは、デジタル機器にデータを保存するための小型メモリーカードです。

正式には「SDメモリーカード」と呼ばれ、2000年にSanDisk(現・Western Digital)、東芝(現・キオクシア)、パナソニックの3社が共同で開発しました。

写真や動画、音楽、アプリデータなど、あらゆるデジタル情報を記録できます。SDカード本体に電源がなくても、データは消えずに保存され続けるのが特徴です。

抜き差しが簡単で、機器間でのデータ移動も楽々。デジタル時代には欠かせない記録メディアとして、世界中で使われています。

SDカードのサイズは2種類

SDカードには、大きさの違いで2つの種類があります。

標準サイズ(SDカード)

縦32mm×横24mm×厚さ2.1mm。切手くらいの大きさです。

主にデジタルカメラ、デジタルビデオカメラ、デジタル一眼レフカメラなどで使われます。プロ用の撮影機材でも、標準サイズのSDカードが主流です。

本体が大きい分、内部の電子回路に余裕があり、高速・大容量モデルが豊富にラインナップされています。

microSDカード

縦15mm×横11mm×厚さ1.0mm。標準サイズの約4分の1の大きさです。

スマートフォン、Nintendo Switch、ドライブレコーダー、アクションカメラなど、小型機器で広く使われています。

microSDカードには、SDカード変換アダプターが付属している製品が多いです。アダプターを使えば、SDカードスロットでも使用できるので、汎用性が高いのが魅力ですね。

容量による規格の違い

SDカードは、保存できる容量の大きさによって、規格が分かれています。

SD(SDカード)

容量:2GBまで

最初に登場した規格です。現在では、ほとんど使われなくなりました。

古い携帯電話やICレコーダーなど、容量が少なくても問題ない機器でたまに見かける程度です。

SDHC(SD High Capacity)

容量:4GB〜32GB

「High Capacity」の名前の通り、高容量化した規格です。

4GB、8GB、16GB、32GBの製品が一般的。フィーチャーフォン、ICレコーダー、カーナビなど、中程度のデータを扱う機器に適しています。

SDXC(SD eXtended Capacity)

容量:64GB〜2TB

さらに大容量化した規格で、現在の主流です。

64GB、128GB、256GB、512GB、1TB、2TBなど、幅広い容量が揃っています。スマートフォン、ゲーム機、ドライブレコーダー、4K動画撮影対応カメラなど、大容量データを扱う機器に最適です。

ファイルシステムには「exFAT」が使われており、大きなファイルサイズにも対応できます。

SDUC(SD Ultra Capacity)

容量:4TB〜128TB

2018年に発表された次世代規格です。

まだ市場にはほとんど出回っていませんが、2024年にWestern Digitalが4TBのSDUCカードを発表しました。2025年以降、徐々に製品が増えていくと予想されます。

将来的に、8K・12K動画など、超高精細な映像を扱う時代が来たら、SDUCが必要になるかもしれませんね。

規格の互換性に注意

容量規格は、古い機器では新しい規格に対応していないことがあります。

たとえば、SDHC対応と書かれている機器に、SDXCカードを挿しても認識されません。機器の説明書やスペック表で、対応規格を必ず確認してください。

逆に、新しい機器は古い規格に対応していることが多いです。SDXC対応機器なら、SDHCカードやSDカードも使えます。

スピードクラスの種類と意味

SDカードには、容量だけでなく「速度」も重要です。特に、動画撮影や連写撮影では、書き込み速度が遅いとコマ落ちやフリーズの原因になります。

スピードクラスは、データ書き込みの最低保証速度を示す規格です。カードの表面に記号で表示されています。

スピードクラス(Class)

「C」の中に数字が書かれています。

  • Class 2(C2):最低2MB/秒
  • Class 4(C4):最低4MB/秒
  • Class 6(C6):最低6MB/秒
  • Class 10(C10):最低10MB/秒

Class 10は、フルHD動画撮影や高解像度写真に適しています。Class 2は低速なので、最近の機器にはあまり向きません。

UHSスピードクラス

「U」の中に数字が書かれています。

  • U1:最低10MB/秒(Class 10と同じ速度)
  • U3:最低30MB/秒

U1とClass 10の違いは、UHSというバスインターフェースに対応しているかどうかです。UHS対応機器なら、より高速なデータ転送が可能になります。

U3は、4K動画撮影に必要な速度です。

ビデオスピードクラス

「V」の横に数字が書かれています。

  • V6:最低6MB/秒
  • V10:最低10MB/秒
  • V30:最低30MB/秒
  • V60:最低60MB/秒
  • V90:最低90MB/秒

4Kや8Kなどの高画質動画を撮影する時代に合わせて作られた規格です。V30以上なら、4K動画も安心して撮影できます。

プロの映像制作で8K動画を撮るなら、V60やV90が必要です。

アプリケーションパフォーマンスクラス

「A」の横に数字が書かれています。

  • A1:ランダム読み込み1500IOPS、ランダム書き込み500IOPS
  • A2:ランダム読み込み4000IOPS、ランダム書き込み2000IOPS

スマートフォンやタブレットでアプリを動かす時に重要な規格です。IOPSとは、1秒間にランダムなデータを何回読み書きできるかを示します。

A1やA2のカードなら、アプリの起動や動作がスムーズになります。

バスインターフェース速度

SDカードと機器の間でデータをやり取りする速度の規格です。

UHS-I(Ultra High Speed I)

理論上の最大転送速度:104MB/秒

現在の主流です。多くのSDカードとmicroSDカードが、UHS-Iに対応しています。

UHS-II

理論上の最大転送速度:312MB/秒

カードの裏面に、端子が2列あるのが特徴です。高速なデータ転送が必要なプロ用カメラで使われます。

ただし、機器側もUHS-II対応でないと、高速転送の恩恵は受けられません。

UHS-III

理論上の最大転送速度:624MB/秒

さらに高速な規格ですが、まだ対応製品は少ないです。

SD Express

最大転送速度:985MB/秒〜3940MB/秒

2018年に発表された最新規格で、PCIe接続を利用します。まだ一般向け製品はほとんどありませんが、Nintendo Switch 2がmicroSD Expressに対応すると発表され、注目を集めています。

用途別のSDカード選び方

どのSDカードを選べばいいか、用途別に見ていきましょう。

デジタルカメラ(写真撮影メイン)

おすすめ容量:32GB〜128GB
おすすめスピードクラス:Class 10、U1以上

普通に写真を撮るだけなら、Class 10で十分です。連写機能をよく使うなら、U3以上がおすすめ。

RAW形式で高解像度撮影をするプロなら、128GB以上の大容量+UHS-II対応カードが安心です。

デジタルビデオカメラ(動画撮影)

おすすめ容量:128GB以上
おすすめスピードクラス:U3、V30以上

4K動画を撮影するなら、最低でもU3(30MB/秒)が必要です。長時間録画するなら、256GBや512GBの大容量がおすすめ。

8K動画や高ビットレート撮影なら、V60やV90が必要になります。

スマートフォン・タブレット

おすすめ容量:128GB〜256GB
おすすめスピードクラス:A1、A2

写真や動画、アプリデータを保存するなら、128GB以上がベスト。A1やA2対応カードなら、アプリの動作もスムーズです。

Android端末で、アプリをSDカードにインストールする場合は、A2対応カードを選ぶと快適ですよ。

Nintendo Switch

おすすめ容量:128GB〜512GB
おすすめスピードクラス:U1、A1以上

ゲームソフトをダウンロード購入する場合、容量は多めに確保しましょう。128GBなら10本前後、256GBなら20本前後のゲームを保存できます。

転送速度が遅いとロード時間が長くなるので、U1以上を選んでください。

Nintendo Switch 2(2025年発売予定)は、microSD Expressに対応するとされています。

ドライブレコーダー・防犯カメラ

おすすめ容量:32GB〜128GB
おすすめスピードクラス:U1、V10以上
重要ポイント:高耐久性

ドライブレコーダーや防犯カメラは、常に録画と削除を繰り返します。そのため、書き込み回数が多く、SDカードの寿命が短くなりやすいです。

高耐久モデル(MLC方式)を選びましょう。夏場の車内は高温になるので、耐熱性も重要です。

容量は、録画時間に応じて選びます。32GBで約4〜6時間、64GBで約8〜12時間分が目安です。

ドローン・アクションカメラ

おすすめ容量:64GB〜256GB
おすすめスピードクラス:U3、V30以上

4K動画を撮影することが多いので、高速カードが必須です。U3やV30なら、コマ落ちせずに録画できます。

防水・耐衝撃性能があるカードを選ぶと、アウトドアでの使用も安心ですね。

SDカードの寿命と注意点

SDカードは消耗品です。いつかは壊れるものだと理解しておきましょう。

書き換え回数の上限

SDカードには、データを書き換えられる回数に限界があります。

  • SLC(Single Level Cell):約10万回
  • MLC(Multi Level Cell):約1万回
  • TLC(Triple Level Cell):約1000回

一般向けSDカードは、ほとんどがTLCまたはMLCです。SLCは高価で、産業用機器向けです。

ドライブレコーダーのように、常時書き込みを繰り返す用途では、MLC方式の高耐久カードを選びましょう。

経年劣化もある

書き換え回数だけでなく、年数が経つと端子が傷ついたり、内部の部品が劣化したりします。

大切なデータは、SDカードに入れっぱなしにせず、定期的にパソコンや外付けHDD・クラウドにバックアップしておきましょう。

静電気や衝撃に弱い

SDカードは、静電気で壊れることがあります。乾燥した冬場は特に注意してください。

また、落としたり曲げたりすると、物理的に破損することも。取り扱いは丁寧にしましょう。

SDカードの正しい使い方

長持ちさせるために、覚えておきたいポイントです。

フォーマットは機器で行う

SDカードを初めて使う時や、別の機器で使う時は、その機器でフォーマット(初期化)してください。

パソコンでフォーマットすると、機器で認識されないことがあります。カメラならカメラで、スマホならスマホでフォーマットするのが基本です。

書き込み中に抜かない

データを保存している最中にSDカードを抜くと、データが壊れたり、カード自体が故障したりします。

必ず、機器の電源を切ってから抜き差ししましょう。パソコンの場合は、「安全な取り外し」を実行してから抜いてください。

満タンになる前に整理する

容量ギリギリまでデータを入れると、書き込み速度が低下することがあります。

余裕を持って使うのがおすすめ。不要なデータは定期的に削除しましょう。

信頼できるメーカーを選ぼう

SDカードは、信頼性の高いメーカーの製品を選ぶのが安全です。

主なメーカー

  • SanDisk(サンディスク):老舗メーカー。プロ用から一般用まで幅広いラインナップ
  • Samsung(サムスン):高速・大容量モデルが人気
  • Transcend(トランセンド):コストパフォーマンスに優れる
  • Kingston(キングストン):耐久性の高いモデルが豊富
  • Lexar(レキサー):プロ向け高性能カードで定評
  • 東芝(キオクシア):日本メーカー。信頼性が高い
  • パナソニック:ビデオカメラ用に最適化されたモデルあり

安すぎる無名メーカーの製品は、偽物や粗悪品の可能性もあります。大切なデータを守るためにも、信頼できるメーカーを選びましょう。

よくある質問

SDカードとmicroSDカードはどう使い分ける?

使用する機器によって決まります。

デジタルカメラやビデオカメラには標準サイズのSDカード。スマホやゲーム機にはmicroSDカードが使われます。

機器のスロットの形状で判断してください。

SDHCカードとSDXCカードの違いは?

容量の違いです。

SDHCは4GB〜32GB、SDXCは64GB以上です。SDXCの方が大容量で、ファイルシステムも新しい(exFAT)です。

古い機器はSDXCに対応していないことがあるので、購入前に確認しましょう。

読み込み速度と書き込み速度の違いは?

読み込み速度は、SDカードからデータをパソコンに転送する時の速度です。

書き込み速度は、カメラで撮影した写真や動画をSDカードに保存する時の速度。動画撮影や連写では、書き込み速度が重要です。

パッケージには、読み込み速度だけが大きく書かれていることが多いので注意。書き込み速度は、スピードクラス(U3、V30など)で判断しましょう。

SDカードが認識されない時は?

以下を試してみてください。

  1. 端子部分を柔らかい布で拭く(指紋や汚れが原因のことも)
  2. 別の機器で認識するか確認(カードか機器のどちらが問題か判断)
  3. 機器でフォーマットしてみる(データは消えるので注意)

それでもダメなら、カードの故障が考えられます。

偽物のSDカードに注意すべき?

はい、特にネット通販では注意が必要です。

「512GB」と表示されているのに、実際は16GBしかない偽物が出回っています。あまりに安すぎる商品は疑いましょう。

信頼できるショップや正規販売店で購入するのが安全です。

まとめ:用途に合ったSDカードを選ぼう

SDカード選びで大切なのは、「容量」「速度」「耐久性」の3つです。

普段使いなら、SDHC(32GB)やSDXC(64〜128GB)でClass 10以上を選べば問題ありません。4K動画を撮るなら、U3やV30以上。スマホで使うなら、A1やA2対応が快適です。

ドライブレコーダーや防犯カメラには、高耐久モデルを選びましょう。

そして、大切なデータは必ずバックアップを。SDカードは消耗品だということを忘れずに、定期的にデータを別の場所に保存してください。

自分の用途に合ったSDカードを選んで、快適なデジタルライフを楽しみましょう!

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