Safariに保存したパスワードを削除したいけど、「どこから操作すればいいの?」と迷っていませんか?
実は、Safariのパスワード管理は、iPhone、iPad、Macそれぞれで少し操作方法が異なるんです。でも心配しないでください。この記事を読めば、どのデバイスでも簡単にパスワードを削除できるようになりますよ。
今回は、保存済みパスワードの削除方法から、セキュリティ面での注意点まで、詳しく解説していきます。
Safariのパスワード保存の仕組み

iCloudキーチェーンとは
Safariでパスワードを保存すると、実際には「iCloudキーチェーン」という機能に保存されます。
iCloudキーチェーンは、Appleが提供するパスワード管理サービスのこと。同じApple IDでサインインしているすべてのデバイス(iPhone、iPad、Mac)でパスワードが同期される便利な機能なんです。
つまり、iPhoneでパスワードを削除すると、iPadやMacからも自動的に削除されるということですね。
パスワードが保存される場所
保存されたパスワードは、以下の場所で管理されています:
iPhone・iPad:
設定アプリ > パスワード
Mac(macOS Sonoma以前):
Safari > 設定 > パスワード
Mac(macOS Sequoia以降):
「パスワード」アプリ(独立したアプリ)
このように、macOS Sequoia(2024年リリース)から、Macではパスワード管理専用のアプリが登場しました。
iPhone・iPadでパスワードを削除する方法
個別にパスワードを削除する
まずは、特定のWebサイトのパスワードだけを削除する方法から見ていきましょう。
方法1:スワイプで削除(最も簡単)
- 設定アプリを開く
- 「パスワード」をタップ
- Face ID、Touch ID、またはパスコードで認証
- パスワード一覧が表示される
- 削除したいWebサイトを左にスワイプ
- 「削除」をタップ
これが一番シンプルで速い方法です。
方法2:詳細画面から削除
- 設定アプリ > パスワード
- 認証後、削除したいWebサイトをタップ
- 詳細画面の下部にある「パスワードを削除」をタップ
- 確認画面で再度「パスワードを削除」をタップ
この方法なら、削除前にパスワードの内容を確認できるので安心ですね。
方法3:編集モードから削除
- 設定アプリ > パスワード
- 認証後、削除したいWebサイトをタップ
- 右上の「編集」をタップ
- 「削除」ボタンが表示されるのでタップ
- 確認画面で「パスワードを削除」をタップ
複数のパスワードを一度に削除する
複数のパスワードをまとめて削除したい場合は、この方法が便利です。
手順:
- 設定アプリ > パスワード
- 認証後、右上の「編集」をタップ
- 削除したいWebサイトにチェックを入れる(複数選択可能)
- 左上の「削除」をタップ
- 確認画面で削除を実行
この方法なら、使わなくなったサービスのパスワードを一気に整理できますね。
パスワード一覧で検索する
パスワードの数が多くて探しにくい場合は、検索機能を使いましょう。
手順:
- 設定アプリ > パスワード
- 認証後、上部の検索ボックスをタップ
- Webサイトの名前やURLの一部を入力
- 該当するサイトが表示される
例えば「amazon」と入力すれば、Amazonに関連するパスワードがすぐに見つかります。
Macでパスワードを削除する方法
macOS Sequoia以降の場合
macOS Sequoia(15.0)以降では、専用の「パスワード」アプリを使います。
手順:
- 「パスワード」アプリを起動(LaunchpadやSpotlight検索から)
- Touch IDまたはMacのパスワードで認証
- 左側のリストから削除したいWebサイトを選択
- 右側の詳細画面で「詳細を表示」ボタンをクリック
- 「パスワードを削除」をクリック
- 確認画面で「削除」をクリック
複数削除する場合:
- Commandキーを押しながら、複数のサイトを選択
- 右クリックして「削除」を選択
または、一つ選択してから「Command + A」で全選択して、一括削除することもできます。
macOS Sonoma以前の場合
古いmacOSでは、Safari の設定から操作します。
方法1:Safari設定から削除
- Safariを起動
- メニューバーの「Safari」> 「設定」(または「環境設定」)
- 「パスワード」タブをクリック
- Touch IDまたはMacのパスワードで認証
- 削除したいWebサイトを選択
- 画面下部の「−(マイナス)」ボタンをクリック
- 確認画面で「削除」をクリック
方法2:詳細画面から削除
- 上記の手順でパスワード一覧を表示
- 削除したいWebサイトをダブルクリック
- 詳細画面の下部にある「パスワードを削除」をクリック
方法3:右クリックで削除
- パスワード一覧を表示
- 削除したいWebサイトを右クリック
- 「削除」を選択
どの方法も結果は同じなので、やりやすい方法を選んでくださいね。
検索機能を活用する
Macでも検索機能が使えます。
パスワード一覧の画面に検索ボックスがあるので、Webサイト名やURLの一部を入力すれば、すぐに見つかりますよ。
すべてのパスワードを一括削除する方法
iPhone・iPadの場合
残念ながら、iPhone・iPadには「すべて削除」というボタンはありません。
しかし、以下の方法で効率的に全削除できます:
手順:
- 設定アプリ > パスワード
- 右上の「編集」をタップ
- 一つのサイトをタップして選択
- 画面を下にスクロールして、一番下のサイトをタップ(複数選択の状態を保つ)
- これで一覧の上から下まで一気に選択される
- 「削除」をタップ
または、何度かに分けて10〜20個ずつ削除していく方が確実かもしれません。
Macの場合
Macなら、キーボードショートカットで一括選択できます。
手順:
- パスワード一覧を表示
- 一つのサイトをクリック
- 「Command + A」キーを押す(すべて選択)
- 右クリックして「削除」を選択
- 確認画面で削除を実行
これで、保存されているすべてのパスワードを一度に削除できます。
削除したパスワードを復元する

「最近削除した項目」機能
iOS 16以降とmacOS Ventura以降では、削除したパスワードを一定期間復元できる機能があります。
iPhone・iPadでの復元方法:
- 設定アプリ > パスワード
- 認証後、下部にスクロール
- 「最近削除した項目」をタップ
- 復元したいパスワードをタップ
- 「復元」をタップ
削除から30日以内なら、この方法で復元できます。誤って削除してしまった時に便利ですね。
復元できない場合
30日を過ぎた場合や、古いOSを使っている場合は復元できません。
その場合は:
- Webサイトの「パスワードを忘れた」機能を使う
- パスワードリセットをして、新しいパスワードを設定する
しかないので、重要なパスワードは削除前によく確認しましょう。
パスワードの自動保存を無効にする方法
iPhone・iPadで自動保存をオフにする
今後、パスワードを保存したくない場合は、自動保存機能をオフにできます。
手順:
- 設定アプリを開く
- 「パスワード」をタップ
- 「パスワードオプション」をタップ
- 「パスワードを自動入力」をオフにする
これで、新しいWebサイトでログインしても、パスワードの保存を求められなくなります。
Macで自動保存をオフにする
Safari 設定から操作:
- Safari > 設定
- 「自動入力」タブをクリック
- 「ユーザー名とパスワード」のチェックを外す
これで、Safariがパスワードを保存しようとしなくなります。
キーチェーンアクセスから削除する(Mac上級者向け)
キーチェーンアクセスとは
Macには「キーチェーンアクセス」という、より詳細なパスワード管理ツールがあります。
Safari設定からパスワードを削除できない場合、この方法を試してみましょう。
キーチェーンアクセスでの削除方法
手順:
- Finderを開く
- メニューバーの「移動」> 「ユーティリティ」
- 「キーチェーンアクセス」をダブルクリック
- 左側のサイドバーで「iCloud」を選択
- 検索ボックスに削除したいWebサイト名を入力
- 該当する項目を右クリックして「削除」
この方法は少し複雑ですが、Safari設定から削除できない頑固なパスワードも消せることがあります。
パスワード削除に関する注意点
iCloudキーチェーンからも削除される
重要なポイントとして、一つのデバイスでパスワードを削除すると、iCloudキーチェーンを使っている他のすべてのデバイスからも削除されます。
例えば、iPhoneで削除したパスワードは:
- iPadからも削除される
- Macからも削除される
- 同じApple IDを使っている全デバイスから削除される
「このデバイスだけ削除」という選択はできないので注意してくださいね。
Webサイト本体のパスワードは変わらない
Safariからパスワードを削除しても、それはあなたのデバイスに保存されている情報を消すだけです。
Webサイト側のアカウント自体や、実際のパスワードは何も変わりません。次回ログインする時は、手動でパスワードを入力する必要があるだけです。
本当に削除していいか確認する
削除前に、以下の点を確認しましょう:
- そのパスワードを覚えているか
- 他の場所にバックアップがあるか
- パスワードマネージャーなどに保存してあるか
特に、普段使っているサイトのパスワードは、削除後も入力できるように準備しておきましょう。
セキュリティのベストプラクティス
定期的にパスワードを見直す
保存されているパスワードは、定期的に見直すことをおすすめします。
チェックすべきポイント:
- もう使わないサービスのパスワードは削除する
- 同じパスワードを複数のサイトで使い回していないか確認
- 簡単すぎるパスワードは変更する
iPhone・iPadのパスワード一覧では、「再利用されたパスワード」や「弱いパスワード」に警告マークが表示されるので、参考にしましょう。
パスワードマネージャーの利用を検討
Safariのパスワード管理は便利ですが、以下のような制限があります:
Safariの制限:
- Apple製品以外では使いにくい
- 家族や同僚とパスワードを共有しにくい
- 高度なセキュリティ機能が少ない
専用パスワードマネージャーのメリット:
- どのデバイス・ブラウザでも使える
- より強力な暗号化
- パスワードの共有機能
- 侵害されたパスワードの監視
- 自動パスワード生成
人気のパスワードマネージャーには、1PasswordやLastPass、Bitwardenなどがあります。
iCloudキーチェーンのセキュリティ
iCloudキーチェーンは基本的に安全ですが、注意点もあります。
セキュリティの強化:
- 強力なApple IDパスワードを設定
- 2ファクタ認証を有効にする
- デバイスのパスコードを複雑にする
- Face ID・Touch IDを使う
これらの対策で、万が一デバイスを紛失しても、第三者がパスワードにアクセスするのを防げます。
よくあるトラブルと対処法
パスワードが削除できない
「削除」ボタンを押しても消えない場合があります。
対処法:
- Safariを再起動する
一度Safariを完全に終了してから、もう一度開く - デバイスを再起動する
iPhone、iPad、Macを再起動してから試す - iCloudキーチェーンをオフ・オンする
設定 > Apple ID > iCloud > キーチェーン をオフにして、再度オンにする - キーチェーンアクセスから削除する(Mac)
前述の「キーチェーンアクセス」を使った方法を試す
削除したのに自動入力される
パスワードを削除したはずなのに、まだ自動入力される場合:
原因と対処:
- ブラウザのキャッシュ:Safariを再起動
- 他のパスワードマネージャー:1Passwordなど別のアプリが入力している可能性
- 自動入力設定:設定 > パスワード > パスワードオプション で確認
間違って削除してしまった
削除後30日以内なら、「最近削除した項目」から復元できます(iOS 16以降、macOS Ventura以降)。
それ以前のOSや、30日を過ぎた場合は:
- Webサイトで「パスワードを忘れた」を使う
- メールでパスワードリセットのリンクを受け取る
- 新しいパスワードを設定する
すべてのパスワードが表示されない
一部のパスワードが表示されない場合:
確認すべきこと:
- iCloudキーチェーンがオンか確認
設定 > Apple ID > iCloud > キーチェーン - 同じApple IDでサインインしているか
他のデバイスと同じApple IDか確認 - ネットワーク接続
Wi-Fiまたはモバイルデータに接続されているか確認
まとめ
Safariに保存したパスワードの削除は、思っているよりも簡単です。
この記事の重要ポイント:
- iPhone・iPad:設定 > パスワード から削除
- Mac(新しいOS):「パスワード」アプリから削除
- Mac(古いOS):Safari > 設定 > パスワード から削除
- 削除すると全デバイスから消える:iCloudキーチェーンで同期されている
- 30日以内なら復元可能:「最近削除した項目」から復元できる
パスワード管理は、デジタルセキュリティの基本です。
定期的に保存パスワードを見直して、不要なものは削除しましょう。また、同じパスワードを複数のサイトで使い回すのは避けて、安全なパスワード管理を心がけてくださいね。
もしSafariのパスワード管理に限界を感じたら、専用のパスワードマネージャーの導入も検討してみてはいかがでしょうか。より高度なセキュリティと、便利な機能が使えるようになりますよ!

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