ウェブサイトを見ていたら突然Safariが反応しなくなった。画面をタップしても何も起きない、スクロールもできない。そんな経験はありませんか?
調べ物をしている最中、動画を見ている途中、大切なフォームを入力しているタイミング。どんな時でも、ブラウザが固まってしまうと困りますよね。
実は、Safariが固まる原因はいくつかのパターンがあり、原因を特定できれば適切な対処ができます。多くの場合、簡単な操作で解決することも多いんです。
この記事では、Safariが固まる原因と、デバイス別の具体的な解決方法、そして同じ問題を繰り返さないための予防策を分かりやすく解説していきます。
Safariが固まる主な症状

まず、どのような状態を「固まる」と呼ぶのか、症状を確認しましょう。
症状1:完全にフリーズする
- 画面をタップしても無反応
- スクロールできない
- ボタンを押しても何も起きない
- 画面が完全に停止している
症状2:読み込みが終わらない
- ページの読み込みが永遠に続く
- アドレスバーの読み込みマークがずっと回っている
- 一部のコンテンツだけ表示されない
- 白い画面のまま進まない
症状3:動作が極端に遅い
- 操作に対する反応が数秒遅れる
- スクロールがカクカクする
- タップしてから数秒後に反応する
- ページ切り替えに時間がかかる
症状4:クラッシュして閉じる
- 突然Safariアプリが終了する
- ホーム画面に戻される
- 「Safari 予期しない理由で終了しました」と表示される
Safariが固まる8つの原因
原因1:メモリ不足
開いているタブが多すぎたり、重いウェブサイトを開いていたりすると、デバイスのメモリが不足します。
メモリとは、デバイスが作業に使う一時的な記憶領域のことです。これが足りなくなると、アプリの動作が遅くなったり、固まったりします。
よくある状況:
- 10個以上のタブを開いている
- 動画やアニメーションの多いサイトを見ている
- 複数のアプリを同時に使っている
原因2:キャッシュとCookieの蓄積
Safariは、ウェブサイトのデータを一時的に保存します。これらが溜まりすぎると、動作が重くなります。
キャッシュとは、一度読み込んだウェブページのデータを保存しておく仕組みです。次回の読み込みを速くする目的がありますが、溜まりすぎると逆効果になります。
原因3:古いiOS/macOSバージョン
古いバージョンのOSには、バグや不具合が残っている可能性があります。
影響:
- 新しいウェブ技術に対応していない
- セキュリティの脆弱性がある
- パフォーマンスの問題が修正されていない
原因4:問題のある拡張機能やコンテンツブロッカー
Safariの拡張機能やコンテンツブロッカーが原因で、ページが正しく読み込めないことがあります。
拡張機能とは、Safariに追加機能を加える小さなプログラムのことです。広告ブロッカーや翻訳ツールなどがあります。
原因5:重いウェブサイトやスクリプトエラー
ウェブサイト側に問題がある場合もあります。
問題のあるサイトの特徴:
- 大量の広告がある
- 複雑なアニメーションが多い
- JavaScriptエラーが発生している
- 大きな画像や動画が多数ある
JavaScriptとは、ウェブページに動きや機能を追加するプログラミング言語です。
原因6:ストレージ容量の不足
デバイスの保存領域が少なくなると、全体的な動作が遅くなります。
影響を受ける動作:
- キャッシュの保存
- ページのレンダリング
- ダウンロード処理
原因7:ネットワーク接続の問題
インターネット接続が不安定だと、ページの読み込みが止まったように見えることがあります。
よくある原因:
- Wi-Fiの電波が弱い
- 通信速度制限がかかっている
- ルーターの不調
- プロバイダーの問題
原因8:ソフトウェアの不具合
Safari自体やiOS/macOSに一時的な不具合が発生している場合です。
特徴:
- 特定の操作で必ず固まる
- 特定のサイトでのみ発生
- 最近のアップデート後に始まった
iPhone・iPadでの解決方法
方法1:タブを閉じる【すぐできる】
開きすぎたタブを減らすことで、メモリが解放されます。
手順:
- タブアイコン(四角が重なったマーク)をタップ
- 不要なタブを左にスワイプして閉じる
- または、タブアイコンを長押し→「すべてのタブを閉じる」を選択
- 使用中のタブだけを残す
方法2:Safariを強制終了【基本対処】
Safariが完全に固まった場合は、アプリを強制終了します。
Face ID搭載モデル(iPhone X以降):
- 画面下部から上にスワイプして途中で止める
- アプリ一覧が表示される
- Safariを上にスワイプして終了
- ホーム画面からSafariを再起動
ホームボタン搭載モデル(iPhone 8以前):
- ホームボタンを2回素早く押す
- Safariを上にスワイプして終了
- ホームボタンを押してホーム画面に戻る
- Safariを再起動
方法3:履歴とWebサイトデータを消去【効果的】
キャッシュとCookieを削除することで、動作が改善されます。
手順:
- 「設定」アプリを開く
- 下にスクロールして「Safari」をタップ
- 「履歴とWebサイトデータを消去」をタップ
- 確認画面で「履歴とデータを消去」をタップ
注意点:
- ログイン状態が解除される
- 保存されたフォーム入力内容が消える
- 閲覧履歴が削除される
方法4:デバイスを再起動【確実】
デバイス全体を再起動することで、メモリがクリアされます。
iPhone X以降:
- 音量ボタン(上または下)とサイドボタンを同時に長押し
- 「スライドで電源オフ」が表示される
- スライドして電源を切る
- 数秒待ってからサイドボタンを長押しして起動
iPhone 8以前:
- サイドボタン(または上部のボタン)を長押し
- 「スライドで電源オフ」をスライド
- 電源が切れたら、ボタンを長押しして起動
方法5:iOSを最新版にアップデート
古いバージョンのiOSには、パフォーマンスの問題が残っている可能性があります。
手順:
- 「設定」→「一般」→「ソフトウェアアップデート」
- 利用可能なアップデートがあれば「ダウンロードしてインストール」
- Wi-Fi接続と十分な充電が必要
- アップデート完了後、デバイスが再起動される
方法6:コンテンツブロッカーを無効にする
広告ブロッカーなどが原因でページが正しく読み込めないことがあります。
手順:
- 「設定」→「Safari」→「コンテンツブロッカー」
- すべての項目をオフにする
- Safariで問題のページを開く
- 正常に動作すれば、どのブロッカーが原因か特定できる
方法7:プライベートブラウズモードを試す
通常モードで問題がある場合、プライベートモードで正常に動作することがあります。
手順:
- タブアイコンをタップ
- 「○個のタブ」をタップ
- 「プライベート」を選択
- 「+」で新しいタブを開く
- 問題のサイトにアクセス
プライベートモードでは、拡張機能やキャッシュの影響を受けにくくなります。
方法8:ストレージの空き容量を確保
容量不足を解消することで、全体的な動作が改善されます。
確認方法:
- 「設定」→「一般」→「iPhoneストレージ」
- 使用状況を確認
- 不要なアプリや写真を削除
目安:
最低でも5GB以上の空き容量を確保しましょう。
Macでの解決方法

方法1:タブを整理する【すぐできる】
開きすぎたタブを閉じることで、メモリを解放できます。
手順:
- 不要なタブを閉じる(Command + Wキー)
- または、「ウインドウ」→「すべてのタブを閉じる」
- 複数のウインドウを開いている場合は統合を検討
方法2:Safariを強制終了【基本対処】
Safariが応答しない場合の強制終了方法です。
手順:
- Command + Option + Escキーを同時に押す
- 「アプリケーションの強制終了」ウインドウが開く
- 「Safari」を選択
- 「強制終了」をクリック
- Safariを再起動
方法3:キャッシュをクリア【効果的】
Safariの一時ファイルを削除します。
手順:
- Safariのメニューバーで「Safari」→「環境設定」
- 「詳細」タブを選択
- 「メニューバーに”開発”メニューを表示」にチェック
- メニューバーに「開発」メニューが追加される
- 「開発」→「キャッシュを空にする」
- Safariを再起動
方法4:Safariをリセット【より徹底的】
Safariの設定とデータを削除します。
手順:
- Safari→環境設定→プライバシー
- 「Webサイトデータを管理」をクリック
- 「すべてを削除」をクリック
- 確認画面で「今すぐ削除」
さらに徹底的にリセット:
- Safariを終了
- Finderで「移動」→「フォルダへ移動」
- 以下を入力:
~/Library/Safari/ - 「History.db」「TopSites.plist」などのファイルをゴミ箱に移動
- Safariを再起動
注意:この操作は上級者向けです。必ずバックアップを取ってから実行してください。
方法5:拡張機能を無効にする
Safariの拡張機能が原因の場合があります。
手順:
- Safari→環境設定→拡張機能
- 左側のリストですべての拡張機能のチェックを外す
- Safariを再起動
- 問題が解決すれば、拡張機能を一つずつ有効にして原因を特定
方法6:Macを再起動【確実】
デバイス全体を再起動することで、メモリとリソースがクリアされます。
手順:
- Appleメニュー→「再起動」
- 開いているドキュメントを保存
- 再起動が完了したらSafariを開く
方法7:macOSを最新版にアップデート
システムアップデートには、パフォーマンス改善が含まれます。
手順:
- Appleメニュー→「システム設定」
- 「一般」→「ソフトウェアアップデート」
- 利用可能なアップデートがあればインストール
- 完了後、Macが再起動される
方法8:アクティビティモニタで確認【上級者向け】
Safariがどの程度のリソースを使っているか確認できます。
手順:
- 「アプリケーション」→「ユーティリティ」→「アクティビティモニタ」
- 「CPU」タブでSafariのプロセスを確認
- 異常に高いCPU使用率のプロセスがあれば選択
- 左上の「×」ボタンでプロセスを終了
確認ポイント:
- Safari Web Content
- Safari Networking
- Safari本体
これらのプロセスのCPU使用率が常に80%以上なら、問題があります。
ネットワーク関連の対処法
Wi-Fi接続を確認する
不安定なネットワークが原因かもしれません。
iPhone・iPad:
- コントロールセンターを開く
- Wi-Fiをオフにしてから再度オンにする
- または、設定→Wi-Fi→ネットワークを選択し直す
Mac:
- メニューバーのWi-Fiアイコンをクリック
- 現在のネットワークをクリックして切断
- 再度接続
DNSをGoogle DNSに変更する
DNSサーバーを変更することで、接続の安定性が向上することがあります。
DNSとは、ウェブサイトのアドレスをコンピューターが理解できる数字に変換するシステムです。
iPhone・iPad:
- 設定→Wi-Fi
- 接続中のネットワーク名の横の「i」をタップ
- 「DNSを構成」をタップ
- 「手動」を選択
- 既存のDNSをすべて削除
- 「サーバを追加」をタップ
- 「8.8.8.8」を入力
- もう一度「サーバを追加」→「8.8.4.4」を入力
- 「保存」をタップ
Mac:
- システム設定→ネットワーク
- 接続中のネットワークを選択→「詳細」
- 「DNS」タブを選択
- 「+」ボタンをクリック
- 「8.8.8.8」を追加
- もう一度「+」をクリック→「8.8.4.4」を追加
- 「OK」→「適用」
ルーターを再起動する
ネットワーク機器自体に問題がある場合もあります。
手順:
- ルーターの電源を切る
- モデムの電源も切る(ある場合)
- 30秒待つ
- モデムの電源を入れる
- 完全に起動したら、ルーターの電源を入れる
- 数分待って接続を確認
特定のサイトで固まる場合の対処法
JavaScriptを一時的に無効にする
重いスクリプトが原因の可能性があります。
Mac版Safari:
- Safari→環境設定→セキュリティ
- 「JavaScriptを有効にする」のチェックを外す
- 問題のサイトを開く
- 閲覧後、再度有効にする
注意:JavaScriptを無効にすると、多くのサイトが正しく動作しなくなります。
別のブラウザで試す
Safari固有の問題かどうかを確認できます。
試すべきブラウザ:
- Google Chrome
- Mozilla Firefox
- Microsoft Edge
別のブラウザで正常に動作すれば、Safari側の問題だと分かります。
サイト運営者に問い合わせる
特定のサイトで常に問題が起きる場合、サイト側に不具合がある可能性があります。
問い合わせフォームやSNSで状況を伝えましょう。
予防策:固まりにくくする設定
タブの管理習慣をつける
推奨:
- 常時開くタブは10個以内に
- 読み終わったタブはすぐ閉じる
- 長期保存したいページはブックマークに
便利な機能:
- リーディングリストを活用
- タブグループで整理(iOS 15、macOS Monterey以降)
定期的なメンテナンス
週1回:
- 履歴とWebサイトデータを消去
- 不要なタブを整理
- ダウンロードフォルダを整理
月1回:
- ソフトウェアアップデートの確認
- ストレージ容量の確認
- 拡張機能の見直し
自動タブ閉じ機能を活用(iOS/iPadOS)
古いタブを自動的に閉じる機能があります。
設定方法:
- 設定→Safari
- 「タブを閉じる」を選択
- 期間を選択:
- 手動
- 1日後
- 1週間後
- 1か月後
おすすめは「1週間後」です。
軽量なコンテンツブロッカーを使う
過度に複雑なコンテンツブロッカーは逆効果です。
選び方:
- レビューが良いもの
- 定期的に更新されているもの
- シンプルな設計のもの
プライベートリレーの設定確認(iCloud+)
iCloud+のプライベートリレー機能が影響している場合があります。
確認方法:
- 設定→自分の名前→iCloud→プライベートリレー
- 一時的にオフにして動作を確認
- 問題が解決すれば、設定を調整
上級者向けトラブルシューティング
セーフモードで起動(Mac)
macOSをセーフモードで起動すると、問題の原因を特定できることがあります。
Intel Mac:
- Macをシャットダウン
- 電源を入れて、すぐにShiftキーを押し続ける
- ログイン画面が表示されたら、Shiftキーを離す
Apple Silicon Mac:
- Macをシャットダウン
- 電源ボタンを長押し
- 起動オプションが表示されたら、起動ディスクを選択
- Shiftキーを押しながら「セーフモードで続ける」
設定ファイルをリセット(Mac)
Safari関連の設定ファイルを削除して、初期状態に戻します。
手順:
- Safariを終了
- Finderで「移動」→「フォルダへ移動」
~/Library/Preferences/と入力- 「com.apple.Safari.plist」をデスクトップに移動(削除ではなく移動)
- Safariを起動
- 問題が解決すれば、デスクトップのファイルは削除
- 解決しなければ、元の場所に戻す
ネットワーク設定をリセット(iPhone・iPad)
ネットワーク関連の設定を初期化します。
手順:
- 設定→一般→転送またはiPhoneをリセット
- 「リセット」を選択
- 「ネットワーク設定をリセット」をタップ
- パスコードを入力
- 確認画面で「リセット」
注意:
- 保存されているWi-Fiパスワードが削除される
- VPN設定も削除される
それでも解決しない場合
Appleサポートに問い合わせる
自力での解決が難しい場合は、Appleの公式サポートを利用しましょう。
問い合わせ方法:
- support.apple.comにアクセス
- 「Safari」を選択
- 問題の内容を説明
- チャット、電話、または予約来店を選択
Genius Barを予約する
Apple Storeで直接サポートを受けられます。
予約方法:
- Apple Storeアプリを開く
- 「サポート」タブを選択
- デバイスを選択
- 問題を説明
- 来店日時を予約
ハードウェアの問題を確認
デバイス自体に問題がある可能性もあります。
確認ポイント:
- バッテリーの劣化
- ストレージの故障
- メモリの不具合
Appleの診断ツールで確認できます。
まとめ:段階的に対処して快適なSafariを
Safariが固まる問題は、多くの場合、適切な対処で解決できます。
すぐに試せる対処法:
- 不要なタブを閉じる
- Safariを強制終了して再起動
- デバイスを再起動
- 履歴とWebサイトデータを消去
より効果的な対処法:
- コンテンツブロッカーを無効化
- プライベートブラウズモードを試す
- ネットワーク接続を確認
- ソフトウェアを最新版にアップデート
予防のための習慣:
- タブを10個以内に管理
- 週1回のデータ消去
- 月1回のソフトウェア更新確認
- ストレージに5GB以上の空き容量
覚えておきたいポイント:
- 原因は一つとは限らない
- 簡単な方法から順番に試す
- 定期的なメンテナンスが重要
- バックアップは常に取っておく
トラブルシューティングの順序:
- タブとアプリの管理(1分)
- デバイスの再起動(3分)
- キャッシュのクリア(5分)
- ソフトウェアの更新(10〜30分)
- 詳細な診断(30分以上)
Safariが固まる問題の多くは、メモリ不足やキャッシュの蓄積が原因です。定期的な整理とメンテナンスを習慣にすることで、快適なブラウジング環境を維持できます。
それでも頻繁に問題が起きる場合は、ハードウェアの問題やソフトウェアの深刻な不具合の可能性があるため、Appleサポートに相談することをおすすめします。
快適なSafari環境で、ストレスのないインターネットライフを楽しみましょう!

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